映画「ベル&セバスチャン」観ました!

「ベル&セバスチャン」という映画、試写で見せていただきました。ありがとうございます。公式HPはここ。FBページはここ

日本では「名犬ジョリィ」という名前でアニメ化されていたそう…そういや、あったな、こういうの。そしてあのグラスゴーの有名ロックバンドの名前の由来でもあるそうな…知らなかった! 単なる偶然に名前が同じなのかと思ってた。

ま、何はともあれフランスでは児童文学の金字塔みたいな物語。TVドラマで人気を博した往年の名作の映画化だから、今回の映画の制作陣のプレッシャーたるや大変なものだったらしいのだけど… いいや、なんのなんの素晴らしいです、この作品。ちなみに本国では同じ制作/俳優陣ですでに第2弾が作られているらしい。

それにしても子供、みなしご、犬、友情、戦争、ナチ、逃げるユダヤ人家族…とお涙ちょうだいネタが満載なのに、アメリカ映画みたいに押しつけがましくないところがいい。そして、それなのにものすごく感動的なのがいい。いいわ、これ。子供に見せたい、と思った。

お母さんをなくした子供。お母さんは山の向こうの「アメリカ」に住んでいるとおじいちゃんに聞かせられる。本当のことを言えないおじいちゃん。本当はお母さんは出産のときに亡くなっているのだ。本当のことを知ってほしくないから男の子を学校にも行かせられない。このおじいちゃん役の俳優さんも抜群だが、子役の男の子が、本当に素晴らしい。

でもって、俳優陣はホントに全然でしゃばらない。そして出しゃばっているものがあるとしたら、もう圧倒的に素晴らしい景色だ。…と思ったら監督さんはなんと「冒険家」で北極圏で犬ぞりとかもやってる人なんだと!! で、クライマックスは吹雪の雪山を越えていくんだけど、氷河とかクレパスとか出てくると…私の人生、どこまでもグリーンランドが追っかけてくる感じだな…!!まったく!(笑)あぁ、早く私も犬ぞりに載りたい!…とか思っちゃうわけですよ。それはともかくとして、そうやって男の子が成長していく姿をこの映画は見せてくれるわけですよ。そう、山の向こうはアメリカじゃなかった。お母さんは死んだのだ、と。

しかし監督はそうやって探検家だったから、すでにアルプスの山とか知り尽くしていて、この映画を制作するにあたって新たなロケハンはまったく必要なかったのだそう。すごいね。この作品前に撮っているのはドキュメンタリーばかりだったのだそうだ。だから過剰な演出がないのね。それが良かった。

そして音楽もいい。今をときめくZAZの音楽。「Belle」


予告編(フランス語/英語字幕)


公開は9月だそうですが、是非チェックしてみてください。