ポール・ブレイディ来日までの道のり8:セットリスト




本人直筆です。

このケルクリの5曲のセットリストにまつわる思い出。前日に私とポールはお茶の水/秋葉原を歩いていた。途中のおそば屋さんで、なんとなく落ち着いたので「明日のケルクリは5曲だって。何の曲にする?」と私は聞いた。(実はプロデューサーからは一刻も早くステージプロダクションのために曲のリストを提出するよう言われていたが、それをストレートにポールに言うと怒られるので、気持ちに余裕があるときにさりげなく持ち出してみるのだ)

ポールが黙っていたので、「私が書こうか!」と私が言うと、ポールはニコニコと私が書くセットリストを眺めていた。そして「うん、これ、いいな、これでいこうか」ぐらいのことは言ってたと思うのだ、確か…

でもケルクリ当日、ステージからプッシュされてもポールはセットリストをまるで決めてくれない。そして私は「セットリストは出ないよ。この俺に、今、それを要求するとは何事か」とさんざんポールに怒られ(笑)…。ポールはあいかわらず楽屋におこもり状態。いやいやいつものことですよ。そんなんで落ち込んでたら仕事はできない。(ここにも書いたけど、怒られても落ち込まないのがポールと仕事するコツなのだ)ステージ制作チームからはプレッシャーが入るし…まったくなぁと思いながら待っていたら、最後ギリギリに出て来たのがこれ。「なんだ、昨日私が考えたのと1曲しか違わないじゃないのーーーっっ(怒)」きーーーっっ!

でもこのセットよかったよね。このあとたしかみんなでHomes of Donegalやったんじゃなかったっけ。





DUOでのセットリスト。このときのツアーも、怒られてもめげないで一所懸命アテンドしたのが報われて、「DANCER IN THE FIRE」は私のリクエストでやってくれたのだった…ううう、うれしい。ポールは私の名前を呼んでくれて「これ歌わないとヨウコに口きいてもらえなくなるからさ」と言ってくれた。うううう。ありがとう、ポール。ポールは久しぶりにこの曲をやったらしく、ステージにあがる直前、ギリギリまで楽屋でこの曲を練習していたのが聞こえていた。

この仕事って… ほんといいよね… すみません、お客さん…

「DANCER IN THE FIRE」が見つけられなかったので、同じアルバムから大好きなこの曲を。