2021年1月28日木曜日

アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』を読みました。これは素晴らしい!



いやー 面白かった。スウェーデンの精神科医が書いた『スマホ脳』。キャッチコピーや書評などから内容は想像していたのだけど、まったくその通り。かつ「どうしてそうなのか」ということが詳細に紹介され、最後にはその対処法まで書いてある。これは必読です。今のところ今年のノンフィクションNo.1かな。

まず訳がよくって、すごく読みやすいです。元がスウェーデン語で書かれたということもあるのかもしれないけど、訳がすごくいい。外国語で書かれたノンフィクションを読んでいるというストレスはまったくありません。これは強調しておきたいです、はい。

内容をちょこっと紹介すると、まず作者は「先進諸国でもっとも多い死因である癌や心臓発作について、心配でたまらない人は多いはずだが、歴史的な視野でみると人間の命をうばってきたのは、地球上にあらわれてから99.9%の時間、飢餓や殺人、干ばつや感染症なのだ」と説く。つまり人間の身体は癌や心臓発作から身を守るようにはできていない。そうではなく、飢餓や干ばつ、感染症から身を守れるように進化してきた。だから脳の得意分野はそこなのだ。その苦難を生き延びてきた人間の子孫が私たちなのだから。ふむ。

有名なスタンフォード大学の先生の言葉も紹介されている。「地球上に存在した時間の99%、動物にとってストレスとは恐怖の3分間のことだった。その3分がすぎれば、自分が死んでいるか敵が死んでいるかだ。で、我々人間はというと? それと同じストレスを30年ローンで組むのだ」もともと人類が進化の過程で乗り越えてきたストレスと、現在のストレスでは質が違いすぎる。だから「うつ病」になる人は現代ではとても多い。今、スウェーデンではおどろくほどのパーセンテージの若者が抗うつ剤を使用しているのだそうだが、その「うつになる」という状態も、詳しく分析してみれば人類の進化においては、実は自らを守るための技の一つだったりもする。

また「火災報知器の原則」も覚えておいた方がいい言葉だ。私たちの脳は何かの時に鳴らないよりも、鳴りすぎる方が良い。そういう原則がそこにあるのだ。それが生き延びる術だったのだから。

また動物として食べ物を探して新しい場所、環境には希望をいだく本能があるらしく、私たちはインターネットを眺めていても、今読んでいるページより次のページに夢中になる特性を備えている。そして脳は「かもしれない」という可能性が大好きなのだ。そしてそれが人間の集中力をそぐ。これは実際にインターネットに接するようになって感じている人も多いと思う。私ももちろんその一人で、間違いなくインターネットに接するようになってから自分の集中力が格段に落ちた。何かを読んでいても、まったく頭に入らない。入ったとしても翌日、前日に何を読んだか思い出せない…など。でもこれは脳の特性からすると当然のこと。なんと脳はスマホが同じ部屋にあっただけでも、集中力をそがれるようにできているのだ。例えば会った人がテーブルの上にスマホを裏返しにしておいただけでも、そして驚くことに文章の中にリンク先があっただけでも敏感に反応してしまう。リンクがあっただけで、私たちの脳はそこをクリックせずにはおれないのだ。…ちょっと怖いよね。でも人類の過去の99.9%の時間、人間は一つのことに集中してしまうと、後ろから象に蹴飛ばされたり(笑)してきたわけだから、これは当然なのだ。気が散って当然…。それは人類史上99.9%の間、生き延びるために必要な能力だったのだから。

他にもブルーライトの威力や電子書籍と紙の本の違いなども興味深かかったし、何より怖いのが子供に与える影響だ。これは子供を持つ親ならすごく気になることではないか。今、私は自分でもそういう傾向が強くなってきている自覚があるから、非常にやばいと思っているのだが「知らない」という状況に不安をいだく機会があまりにも多くなってしまった。だってぐぐればそこに答えが見つかる可能性が高いから。つまり「知らない」を「知らない」まま放置ということが我慢できなくなった。なんでもググって調べないと気がすまない。そしてググった知識は、またググれば良いという判断のもと、あっという間に脳の浅いところを素通りしていく。よく聞く話だと思うけど子供がマシュマロを15分我慢できるかという実験もそうだ。不安な状態に耐えられない。すぐ報酬をもとめてしまう。我慢ができない。それがどんなに恐ろしいことかと思うと…

でも実際、スマホが登場してからの期間があまりにも短いため、こういった研究はまだまだだということも著者は指摘している。それでも多少、これに対抗できる方法があるとすれば、これらだ、ということで最後の具体的なアドバイスのリストにたどり着く。このリストは非常に役に立ちそうだ。詳しくはぜひこの本を読んでみてください。

2021年1月27日水曜日

喫茶MGのごまドレッシング

一昨日に続き、小泉八雲の故郷:松江ネタが続きます(笑)

松江の文化基地といってもいい喫茶店MGさんがなんとゴマドレッシングを発売したということで、早速試食してみました。

カブのサラダ。カブを塩でちょっとしなっとさせて、ドレッシングをかけてみました。おいしい!

パッケージに書いてありましたが、しゃぶしゃぶのごまだれとして使っても良いようです。

このMG。ランチを食べにいったら小泉凡先生とばったりお会いしたり、山本恭二さんや佐野史郎さんが通われたりと、松江の文化的なハブとなっている素敵な場所。こういうケルトの渦巻の中心みたいな場所が自然と存在するところが、松江=アイルランドたる由縁か。本当に不思議ですね。やっぱ山陰って日本のケルト地区なんだよな…

コロナで松江にまたお邪魔できるのは、先になりそうですが、しばらくはこれをいただいて松江の素敵な皆さんに想いを馳せる…



アイルランドで育った八雲とのつながりもあるし、ケルト市に入荷できないものかしら。ちょっと聞いてみよう…


MGにアイルランド大使が来た時の映像(MX TVより)

2021年1月26日火曜日

ミュージシャンの方への具体的なアドバイス

線路は続くよ、どこまでも とある日の都電

ホリエモンのネタ書くと、このブログはアクセスが下がる!! こっちは具体的なアクセス数を数字で見ているので、気づいちゃいるんだ、私も。ウチのお客さんたちは、堀江さんみたいな人を嫌っているってのを。でもこれ、すごくいいので一度見てみてください。この、高校生の質問に答えるシリーズ、すごく良いです。今回は津軽三味線が楽しめるレストランをスウェーデンに作りたい、というご相談。

高校生の「その夢、壮大すぎるだろ」「無理だろ、そんなの」というところを突き放さず、真摯に答える堀江さん。すごくいい。


この動画見て、「JAZZと津軽三味線じゃ、全然違うだろ」とか言っちゃう音楽関係者多いと思うけど、そういう人はメタ認知ができてない。普段音楽聞かない人にしてみたら、JAZZだって、津軽三味線だって、ワールドミュージックだって、ケルト音楽だって、まったく認知度は変わらない。いわゆる「わけわかんない音楽」なのだ。

「コラボしろ」っいうアドバイスもすごくいい。私も同じようなアドバイスはよくミュージシャンにしている。これ基本中の基本だよね。よっぽどの飛び抜けた天才やヒット曲メーカーでない限り、それが活動の基本なんだよ。チーフタンズだって、なんだって多くのアーティストはそうやってやってきたわけで…堀江さんがチーフタンズを知っているはずもないけれど(笑)

成功しているバンドのバイオを見ればわかる通り、お金になる・ならないは別として、まずはバイオグラフィーにきちんと書ける活動をしていかないとダメなのだ。実際、これが一番かけているのが、北欧のバンド。国が手厚く活動を援助しているから、その弊害で、そういうことに対する危機感がまったく欠如している。おかげで彼らのバイオグラフィーを書く時に、こっちは本当に苦労するのだ。「誰々とコラボ」の欄にならんだ、世界レベルではまったく認知されてない名前の数々(笑) ヴェーセンだって、せいぜい普通の音楽ファンがやっと分かるところで、クロノス・カルテッド、パンチ・ブラザーズくらいだろう。それだって音楽聞かない人には「なんじゃ、そりゃ」である。(反対に北欧バンドのバイオの良いところは「どこどこで演奏」が多いこと。国が飛行機代の一部を援助してくれるから、たいていのバンドはアメリカ、アジア、他のヨーロッパにはキャリアの早い段階で演奏経験が構築できる…もっともそこで30人くらいのお客しか相手にしてなかったりもするわけで、それはそれで問題なのだが)

話がそれた。つまり「誰々とコラボ」というのは「受賞歴」「レコードセールス」「年間公演数」「フェスティバルへの参加」「演奏した国数々」などと同様、大きくミュージシャンのプロファイルを構築する要素なのだ。そういう要素を組み立ててこそ、明日はベターな環境で演奏できる。そういうことだ。

そういや某フェスのプロデューサーが「フェスのメインステージじゃないところで演奏させろと無名のミュージシャンが大挙して押しかけてくる。みんな無料でフェスを見たいだけ、そして自分のバイオにここのフェスで演奏しましたよ、と書きたいだけなんだ」と愚痴っていたのが思い出される。

…と、まぁ、それは別の話(笑)

一方で、堀江さんが動画で言ってる「鼓童」や「阿波踊りのチーム」とかとのコラボは一見相当ハードル高そうだけど、無理のない抜け道かもしれない。例えば彼らの世界ツアーについていって、その場でロビー演奏なんてどうだろう。ロビー演奏やらせてくださいってオファーして、断る主催者はほとんどいないだろう。ギャラは当然出ない。でももしかしたら自分のCDくらいは売らせてくれるかもしれない。何よりマーケティングの勉強になる。

ここで、自分たちの演奏にPA(音響設備)がないとダメ、自分たちの楽屋がなきゃダメとか言っていてはダメだ。自分たちの費用で、皆さんのツアーバスの後ろからレンタカー運転してついていきます…くらいの勢いでのぞんでほしい。うまくすれば楽屋へのアクセス(着替える場所やケータリングなど)は許可されることもある。もっとうまくすればツアーバスにも乗せてもらえるかもしれない。

だからまず自分で収入なくてもそんな生活が維持できる予算を作って、期間を区切ってトライしてみたらいいかもしれない。ロビー演奏なら本体のステージのスケジュールに迷惑かけない。ちなみに本体のステージにあがるとなるとステージのプロダクション、タイムテーブルに多いに迷惑をかける羽目になるから、「前座やらしてください」はハードルが高すぎる。っていうか、前座やりたいなら金払え、だ。が、ロビー演奏であれば、主催者にはあまり大きな問題は発生しない。お客さんにも喜んでもらえるのではないか。

いや、ロビーなんて無理っす。PAや照明がないと演奏できないっす… そういう人は例えばまずストリートパフォーマンスから初めてみるといい。最近のストリートの人はみんなPAを持ってきているが、あれはうるさいし、ストリートの鉄則に反すると思う。PAなしの演奏の練習にストリートは最高だ。ヴォーカリストだったら、声が大きく、遠くの人にまで届くように歌えるよう鍛えられると思うよ。ストリートは練習スタジオや自宅で練習するよりも全然効果がある。人前で演奏することは、とにかくミュージシャンを成長させる。いや、PAないと楽器のバランスが悪いんです…そういう人やバンドは小型のPAかを自分で買うか、アンプを用意するしかない。でもアンプが一つあっただけで電源の確保が必要とか、パフォーマンスに制限が加わってしまう。電源1つで足かせ1つだ。足かせは少ないほうがいい。そうして、なるべく身軽になり「これがないと演奏できない」という要素を消していくのがいい。いずれにしてもロビー演奏させてください、PA必要です、じゃ話にならない。ロビー演奏は基本PA、照明なしで。これ鉄則。主催者の負担になってはいけない。主催者の負担にならなければ、ロビー演奏のアイディアはうまく機能する可能性は多いにあると思う。

…とまぁ、やれることはいっぱいある。これ以上は書きません。この先の相談に乗ってほしい人は有料で承ります(爆)

…というわけで、堀江さんのビデオに影響を受けて、このブログを書いてみました。何度も書いているけど、何かというと「野崎さん、勝間さんとか堀江さんとか津田さんとか、大好きですね」と揶揄してくる人がいる。何度も言うが彼らのすべてに共感しているわけではない。ただ全否定してしまって、何も話を聞かないというのはもったいないと思う。同時代にこう言う人が活躍してくれてて、すごく励みになるよね。

堀江さんの本で一番好きなのは、これ。他の本はイマイチ乗れなかったけど、これはなんかあったかい気持ちになれる良い本です。

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