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2017年7月28日金曜日

映画「ハートストーン」を観ました


いや〜、マジでいい映画だった。すごくいい映画。これは大ヒット! しかし平日の昼間の映画館はガラッガラだったけど…。10人入ってなかったんじゃないかしら。映画ビジネスって本当に理解できない。いつも平日の昼間に映画に行く私は思うのだが、都心の一等地にあれだけの場所をかまえ、あんなに入ってなくて配給会社も映画館もどうやって仕事がなりたっているんだろうか…。週末だけ満杯になれば、または夕方だけ一杯になれば、すべてはリクープできるのか…謎だ。

それはともかく、この映画は本当に素晴らしかったので、なるべく多くの人に観てもらいたいと思った。いや〜、ホントに傑作です。舞台はアイスランドのとある漁村。ロウティーンの2人の男の子(ソールとクリスチャン)を中心に、大人になっていく少年たちの気持ちの揺れが丁寧に描かれている。2人とも、まだ子供なのに素晴らしい俳優さんで、とにかくグイグイ引き込まれるのですよ。セリフ、そしてカメラワークがいいのかな… とにかく繊細で物凄く丁寧なんですよね、すべてがね…。

正直もの長い映画なので、2時間以上の映画嫌いな私はどうかな、と思ったのだけど、基本的に主人公を始め登場人物すべての気持ちがすごく丁寧に書かれているので、まったく飽きさせませんでした。淡々と描かれているようで、ハラハラドキドキするようなクライマックスもあり、 いや〜ホントに感動しました。

映画の冒頭と終わりに出て来る醜くくて異形の魚カサゴが何を象徴しているか、いろいろ感想を言う人がネット上にいるのだが…いや… もちろん男の子たちの変化を表しているのだけれど、成長しているのは実は男の子たちだけではない。女の子たちも、ものすごい成長している。ませた女の子たちの、後半に見せる強さと優しさはどうだ! とにかくこの映画に出て来るすべてのティーンエイジャーの子たち、全員の肩をたたいてあげたくなった。すごくいい!

こういう閉鎖的な村の現状って分かる。ちょっとグリーンランドに行った時も思ったけど、誰もが誰もを知っているという、あぁいう「村」的な環境って、けっして健康的ではない。が、世の中ほとんどの場所は田舎なのだ(都会に住む人間は、ほんの一部でしかない。だからトランプが大統領になったり自民党が選挙で勝つ)。そして、日本に比べ外国は女性の地位が確立されている…なんて言うけど、そんなのは都会に住む一部の話であって、田舎にいけばみんな日本以上に保守的だ。(法律や規則があっても、生活慣習がそれに追いついていない)ヨーロッパでも北欧でも自分の現状に不満タラタラ、そのくせ何一つ丁寧に出来ていない女の人/母親は結構多い。ソールの母親はその典型だ。若い女と一緒に村を出て行った旦那を許せず,子供たちのことはほったらかしで、なんとか自分の人生を立て直したいと思っている。クリスチャンの家はDVの嵐で、暴力的でお酒ばかり飲んでいるお父さんと、そのお父さんと別れられないお母さんのせいで、とっても病んだ環境。例えば1人でも自分の人生を謳歌している私のような大人が自分の近くにいれば、子供たちの未来もまた違ったのだろうが、ここに出て来る大人たちはみんながみな全員不幸って感じ。従って子供も、将来についてあまり夢がない。ちょっといい立ち位置なのが馬屋を持ちこの漁村にたまたま流れついた余所者感のあるスヴェンだ。彼はなんとなくだが、子供たちに理解のあるところを見せている。が、それもソールの母親に手を出したことで、やはり子供たちを裏切ってしまったような結果になる。 とにかく閉鎖的な村だ。何か問題を起こせばレイキャヴィックに行くしかない。田舎で、みんな暇で、暇だから人が人を観察し、人の批判や噂ばかりしている世界。しかしそれでも子供達はいつしかたくまく自分の道を歩んで行く。そして最後はとっても希望のある終わり方で映画は終る。

しかし恵比寿のあの映画館は、どっか大手の傘下になったんだっけ? リニューアル・オープン後、初めて行ったよ、ガーデンシネマ。なんか高級感あって椅子の座り心地が、ものすごく良く、とても大きかった(というか、私にはあの椅子はデカすぎた。沈みこむようにして座っていた。前が見えない)。

この映画を観た人の感想が知りたくてググってみたら、元SMAPの稲垣吾郎さんのこんな記事を発見。いいねぇ、ゴロウちゃん!!(SMAPは解散してから妙にファンになったよ)っていうか、これ書いてるライターの方のまとめ方が上手いのかな、この映画のことをきちんと説明している。

監督のインタビューも発見。なるほど…

というわけで、ぜひこの作品,観に行ってください。なんだか、がっつり感情移入し、とびきりピュアな気持ちになれますし、監督のディレクションがいいのかな…とにかく主演の2人が、とにかく見事です。将来が楽しみ!