2021年4月30日金曜日

オリンピック 素人の私が考える最悪のシナリオ


フィンランドからやってきたマリゴールドで染めた毛糸。毛糸をみていると幸せな気持ちになる。

オリンピックがいやだと強く願っていたら、結果私の願い通りになってしまいそうで、ちょっとびびっている。…という冗談はともかく、いや本当にどうなっちゃうんだろう、これ。

複数の信頼できるジャーナリストから「関係者と話をすると誰もが中止とはみじんにも思っていない」という声を聞くので、そういうものかと思い、本当に彼らには中止するというシナリオがないんだなぁとあきれている次第。同時にこのパンデミックの中、検査やワクチンやらいろんなことを現実的に考えるにつけ、とてもオリンピックなんてやれるとも思えない。

で、私の予想。おそらくこんな流れになるのではないかと思う。

 (1)日本政府に辞めるシナリオまったくなし。それに対する準備も対策もゼロ。

 (2)とはいえ自分で決めて責任を取ることは今の政府は絶対にしない。

 (3)そうこうしているうちに、ロシア・北朝鮮に続き、アメリカか欧州のどこかの大きな国が選手団の派遣をやめる

 (4)選手が日本人ばかりで世界中継番組として魅力がないので、テレビでの中継がなくなる

 (5)スポンサーがいなくなる。

 (6)中止…ってオチかな。

(3)は大きな外交問題にもなるすごい展開である。アメリカはなんといっても同盟国。なんだかんだで日本をたててきてくれていた。が、バイデンもさすがにこの国はダメだ…ともなれば、そうせざるを得ないんじゃないだろうか。しかしそうともなれば、その決断は今後の二国間のいろんなことを影を落とすという結果にもなる。一方の欧州は割と決断は早いのではないか。とはいえ彼らも「日本の受け入れ体制が信用できない」とははっきり言わないであろう。おそらく「世界状況をかんがみて」みたいな言い方になるに違いない。これが台湾だったら、嬉々として選手団を送り込んでいたはずであるのだから。

それかアメリカと日本だけでオリンピックを行うのだろうか。となれば、日本も必死で意味のない努力をするだろう。それは医療従事者やボランティアのみなさんにとって、ものすごい負担となる。死んでも感染者やクラスターを出してはいけない。アメリカもそうなれば同様だ。上手くやってきたバイデン政権の致命傷にもなりうる。そこでかかる費用、無駄な無駄、ただでさえ疲弊している医療関係者へのプレッシャー… まさに地獄がまっている。

最悪だよな。つまり、辞めるにしても準備がないから最悪のハード・ランディング。しかも今回も自分で決めてないから、またもやこの失敗から何も学ばないのであった。そして誰も責任を取らない。

私としては(3)の展開をぜひぜひアメリカにお願いしたい。バイデンさん、お願いします、決めてください(笑)

聖火リレーのために前の緊急事態宣言を無理に解除した政府の責任はいったいどこにいったのだろう。

そう、思えば日本人はずっと自分で決めることができない国民性なのだった。

よくフィンランドが幸せだとか、北欧は素敵な国だとかいう評価があるけれど、あそこの人たちはみんな努力をしている。自分で決めて自分で責任を取り、日々努力してきた。失敗の数だって多い。だからこそ「自分たちの能力」や「得意なところ、不得意なところ」もよく知っており、だからこそ自分で設定する幸せの水準が非常に適正で、だからこそ幸せを感じられるのだ。彼らはいつでも自分たちがかけられるリスクの範囲を極めて正確に把握しており、そのリスクをかけて世の中をよくしようと努力してきた。その結果が「あれ」なのだ。単にのほほんと責任も取らずボーーーーっっとしてて、いい国が手にいれられると甘ったれるんじゃないよ、と思う。自分で決めて自ら行動した時にこそ、人は幸せを得られることはビックデータも証明している。何も責任取らない、でも幸せはほしい? そして選挙にすら行かない? 

私もいっときは東京オリンピックに反対し、オリンピック前に国外脱出すると意気込んでいた時期があった。が、病気になりその夢は破れてしまった…と思った。でももしかしたらその夢は正しいのかもしれない。私はこの国にはあわないのかもしれない。美味しい食べ物やほくほくの温泉施設や銭湯、仲の良い友達たちを思うと東京以外には住めないと、いつも思ってきたのだが、それこそ間違いなのかもしれない。

さらに恐ろしいのは、このオリンピックがなくなったあとだ。おそらく都知事はこのオリンピックの中止と選挙をうまく利用してくる。今、あの頭で(褒めてませんよ)ぐるぐる考えを巡らしていることだろう。彼女は自分にとって最高のシナリオを書いていることは間違いない。

そして彼女のやることといったら「あのオリンピックですら中止にしたのだから」とコロナ禍を利用し、さらなるぎゅうぎゅうの締め付けを始めることだろう。政府と繋がっていないエンタメ業界なんか、飲食業界同様、真っ先に殺されてしまう。日本の拝金主義はますます進み、不要不急の芸術業界なんか真っ先に殺されるのだ。

5月のGWに発表しようと思ってきた次の5/27に行う予定のTOKYO SCREENING VOL3の発表は緊急事態宣言のあける5/12まで伸ばすことに決めた。5/23(日)の北とぴあの公演も緊急事態宣言次第だ。私はたぶん延長になるとみているが、今は5/11で終了するということを前提にあれこれ準備をしないといけない。こういった雑用&仕事が増えるわりに、お客さんの足は当然とおのき、収入は途絶える。こんなんでウチは生き残っていけるのだろうか。

2021年4月29日木曜日

『洞窟おじさん』に夢中


あいかわらず夕食のあとは仕事はせずネットで映画やドラマをみながら編み物をするという生活が続いています。コロナが与えてくれた新しいライフスタイル?!

NHKのドラマは『ハゲタカ』に以前夢中になったが、今、一番好きなのはこれ。何度も見ちゃう! NHK オンデマンドでも見れるようなので、ぜひぜひ見て。本当に素晴らしいから。 

13歳の時に親の虐待、小学校でのいじめに耐えかねて家出をし、そのまま自分で40年以上もホームレス生活をしてきた「洞窟おじさん」ほぼ実話です。

家出して数年、一緒に家出した犬と洞窟の中で暮らし(野生動物をたいした道具もなく捕獲するところなど圧巻)、ある日親切な老夫婦に保護されて衣服を与えられ、山の山菜や蘭をとって商売にしたものの人間関係にやぶれ、もう死んでしまおうと思ったけど死ねず、結局川へたどり着いて魚を釣りながら生計をたてる…。リリー・フランキーが本当に最高の演技で、まったくまったくまったくもって違和感がない。最後おじさんがたどり着いた施設の職員、軽部さん役の女優さんも本当に素敵。刑事役の方も洞窟おじさんに文字を教える先生役の方も。もうこのドラマのすべてが好きだ。セリフもいちいち最高。

音楽がこれまたいいんだよなぁ。This is the end....のドアーズや、「Smile」もいい。音楽が最高の演出家ともなっている。原作本もあるんだけど、やっぱり読んだ方がいいかなぁ!!! 

2021年4月27日火曜日

怒りがおさまらん! ミャンマー編


「やっぱり我慢ができん」ということで、これ、やっぱり書いておこう。というか、未来のオレが読み返すことができるように。未来の自分のために書く。

実は、最近一番頭にきているのは、ミャンマーのことだ。高野秀行さんの配信で、すっかり私にも火がついてしまった。これ、今はアーカイブになっているのだけど、3時間の長丁場だけど、ぜひみなさんにも見てほしい。強烈にプッシュします。すごくわかりやすい。そして最後は感動で泣けるから。普段「おもしろおかしい」高野さんが、こんなに真面目に語っているだけで、もう説得力MAXなのだ!!

この配信をみるまでは、私もミャンマーのことは複雑でよくわからなかった。そもそもこういう国際時事問題苦手だし、仕事上追いかけないといけない情報も山ほどあるから、自分の仕事と関係ないエリアは大変だなぁと思いつつ他人ごととずっと思ってきた。高野さんの『ミャンマーの柳生一族』もずっと積読になっちゃってた。

しかしこの配信で知った。これはまったくもって自分自身の問題でもあるということを。遠い国の自分には関係ない問題だと思っている人、多いでしょう。そして、知らないでしょう、少数民族との火種を常にかかえているミャンマーには、第2次世界大戦以降もアクティブな活動が継続しているバリバリ現役の「軍」の存在があり、そこに日本はとても深く関与しているという事実を!

日本はミャンマーと仲良しだということに昔からなってはいた。「ビルマの竪琴」の映画に涙人も多いだろう。しかし、今やそれも時代遅れ。今、ミャンマーの若者は彼らは民主政治を10年近く体験した人たちだ。それが元の軍事政権に戻れるはずがなかろう。そこを軍は甘く見ていた。閉鎖的なコミュニティの中で生きてる彼らは、それを見誤ってた。そこにクーデターとか言っちゃってる軍のピントの外れた行動にとにかくあきれるしかない。そして今やそういった連中が民衆に銃を向けているわけだ。民衆に銃を。

ミャンンマーの軍に生育している閉鎖的で自分たちのことしかしらない視野の狭い保守親父たちはまるでこの現状が分かっていない。そして、そんな軍の閉鎖的、上下関係が厳しいのが大好き、権力主義的な古い体質が、どっかの国の保守高齢親父たちととても親和性がある、ということが、もう許せない事実なのだ。いや、親和性があるどころじゃない。というか、もう、それそのものだ。このミャンマー協会の連中の顔ぶれを見よ…   当然女性はいない。平均年齢はいったいいくつなんだろう。そういう、この顔ぶれをみて、これって自分の国のことなんだなと馬鹿な私も初めて気がついた。

先日もとある人が、ポーランドがどうしてこんなに新日国家なのかという話題になった。それはもちろん「あのロシアに勝った」ということもあるけれど、例えば日本がロシア内戦の混乱の中、シベリアに流されていたポーランド人の孤児たち765人を日本の赤十字が保護したからなのだ。当時の日本政府は救出要請の訴えを聞きなんと17日間でそれを実現したそうだ。この話の詳しい詳細はこちらへ。元ポーランド大使の方がこの件について詳しく記載している。

だから、なんというか、こういうことが国際社会では重要なんだって!! こういうことがあとから効いてくるんだって。しかも人口がたくさんいて、若くて「これから」の国、ミャンマー。民衆に銃を向けた軍を、黙ってみている日本の政府。ミャンマーの若者たちは「一番期待している国は韓国」だという。これでいいの? 日本?

あぁ、もういかん。怒りがおさまらん!!!!

そんな中、具体的にミャンマーを応援するには、というのもメモっておきます。

高野秀行さんによると、こちらのクラファンは信頼できるところだそうです。私からもぜひ!! 残り8日間!!

そして、こちらのバックは本当に素敵。購入することでヘルプになります。ぜひ。私も大きいやつを購入しました。すごく丈夫で使い安い。

あとは単純なようだけど、日本にあるミャンマー料理のお店にご飯を食べに行く。お店は高野さん推薦のこちらのお店へ。名店揃い。

そして、単純なようだけど、自分のSNSに自分の気持ちを書く。これ、やらない人多いけど、いったいなんのためのSNS? 

私もがんばる。というわけで、世界平和のために編むことにした。でも勢いあまって編み始めたはいいけれど、星をどうやっていれたらいいのか悩み、ちょっと中断中。ミュージシャンがよく感動して曲を作るのに似ている(笑)。アーティストの原動力がわかる気がしてきた、私も編み物アーティスト。

早く編み上げて、高野隊長に見せるんだ。そしてこれ持ってモモさんのお店に行くんだ!! がんばれ、ミャンマー。応援してるよ!!




PS
とか書いてたら、こんなニュースが。

 

2021年4月26日月曜日

ケルズの書


 


確かにこの音楽は頭に残るよね〜。

それにしてもカートゥーンサルーンは、いよいよ「ウルフウォーカー」でアカデミー撮るんだろうか。楽しみだ。 

今回の週末の直子さんの講座、すごく面白かった! 私もケルズの書は2度見ている。一度目はもちろん初めてアイルランドに行った時。90年かな。入場無料でわりとあっさりだったので、びっくりした。2度目はアイルランドのケルティック・タイガーと呼ばれるバブル時で、たしか日本人の方を連れていった時。この時はすごいディスプレイが設置され、入場料も取られた。結構高かかった。13ユーロとかだったかな…。とにかく全然違っていた。いずれにしてもトリニティ大学の図書館にあり、街の中心にあるので、とても行きやすい場所にある。ダブリンに行くことがあったら、ぜひぜひのぞいてほしい。本当にパワフルな存在だ。

ケルズの書は中世の装飾本。紙もインクも自由にあったわけでない時代に、これはすごい。アイオナ島で描き始められ、ヴァインキングを逃れ、Kellsで完成したという。

直子さんの解説は本のなりたちから、ページの細部の説明にいたるまでとても詳しく充実していた。ご本人がブログで書かれているようにここまでしっかり解説を聞くのはリアルなガイドだと難しいそう。1時間も看板の前に立ってられないもんね…。しかしブックバインディングの際に、キリストの顔がトリミングされちゃったエピソードなどちょっと悲しい(でも笑える)。

最近、私「色」というコンセプトに凝ってるのよね。このブルーには惹かれる。



それにしても見ているだけで引き込まれる。宗教というか、信仰というか、人間のパワーをあらためてかんじさせてくれる。人間ってすごいもんだということを改めて思う。よく日本でも昔からあるお寺とか、神社とか、海外だとか教会みたいな場所とか聖なるなんちゃらとか、仰々しい場所があるでしょう。そういう場所に行っても私はあまり普段はビビらないのだけど、そこに長い間積み重ねられただろうと思う人間の祈りの蓄積を思うとやっぱりちょっと震える。そこに集まった想いの量だよね。この本を作った人、そしてこの本を見た人、すべての想い。いやー ほんとにすごい。

ところでこの本、今はウェブで全ページ見られるんだそうだ。それもすごい。ちょっとした中世のアイルランドへの旅となることでしょう。チェキら!

BOOK OF KELLSで、アイオナといえば、このバンドを思い出した。懐かしいなー


ジョアンナ、アイオナ島へ渡る。ケルズの書の生まれた場所だ。


私はこの曲が好き。いいなぁ、ジョーの歌は最高に好きだ。この曲にも彼女の信仰の気持ちが込められている。



ウチにも世界的にも貴重なアイオナのボックスセットの在庫があったはずなのだが、見当たらず。あとで見つかったらCDショップにあげておきます。

2021年4月25日日曜日

不信のコスト

緊急事態宣言がまた始まった。イベントのキャンセル案内の連絡が来たり、閉鎖や閉館などの情報が流れてくるたびに、主催者や関係者の悔しさや無念さを思い、心が痛む。今度の緊急事態宣言は、短期かつ厳しい。そして内容には納得しかねるものが多い。これが効果があるのかもまったくわからないけれど、とにかくそういうことだ。

政府が国民を信じていない、国民が政府を信じていない。その結果がこれだ。私たちはこういう国に住んでいるということを改めて認識しないといけない。

たとえば水道の蛇口をひねった時、そこから清潔な水が流れてくるということを疑いだしたらきりがない。時間も検査するすべもない。でも今や政府が出してくるメッセージを、国民はそのまま受け取るほど政府を信じていない。

そんなふうに不信のコストは本当に高い。一方で、信頼できるというのはなんと素晴らしいことなんだろう。例えば誰かに何かの仕事をふる時。この人にお願いすれば大丈夫という信頼ができることのなんと恵まれたことか。

世の中こういう状態が進むと、ますます拝金主義が進み、もはや信頼できるのはお金だけ…という状況になるんだろうなと思う。ひどいな。

お金にしたって、普段税金を払い、消費税を払い、国民健康保険料を払い、それらを信頼して、自分の普段「考えなきゃいけないことリスト」からいろんなことを頭から外し、いろんなことを政府にまかせて、自分のやるべき仕事に打ち込んできた。ところがその信頼はコストにたるものではなかった。こんなことにコストをかけはじめたら、いくらあってもカバーできない。全部、不信、不信、不信だ。

こんなんで、いったい何を信じればいいのか。

北とぴあの公演は5月11日まで頼りにしていた北とぴあチケットセンターがこの期間閉鎖。もちろんWebで購入とはできるけど、年配の方はチケットセンターを利用することが多いので、これは本当にいたい。

TOKYO SCREENINGだって、こんな小さなイベントやっても全然利益にはならない…というか、返ってお金を使い投資している状況だ。ただ少しずつでも「動いている」「活動している」というアピールがなければウチみたいな小さな事務所は助成金も申請できないし、ミュージシャンやスタッフなどを助けることもできない。

下記の記事でユーロスペースの北條支配人。一緒にお仕事したことあるよ。『サウンド・オブ・レボリューション〜グリーンランドの夜明け』をかけてもらったことがある。あとカウリスマキの映画をイベントでお借りしたことも。本当にそうだね。香典かよ、って感じ。私たちは大人しく黙っているしかないのだろうか。

お花はこういう渋い色が最近はやっているよね… 700円もした! でもこういうのって1シーズンで死んじゃうんだよな…。もうガーデニングと編み物でもして、何もしないのがいいのか。なんかやればやるほどがっかりさせられる感じ。

はぁ… さすがの私も元気ないわ。

公演はがんばる。政府は信じられないけど、音楽は信じられる。詳細はこちら。




『レモングラス』
日本統治時代のミクロネシアで現地の女性によって作られ、1950年代小笠原の父島に伝わった。小笠原諸島は1861年に日本領となる。先住していたのは欧米系の捕鯨漁師とポリネシア系の家族だった。現在94歳のイディス・ワシントン(日本名・大平京子)さんは、この歌を語り継いでこられた。小笠原では「レモン林」という題名で知られている。  『レモングラス』  若い二人ははなれているけれど でね  やくそくしましょう またあう日の夜に  若い二人は ひとめがはずかしい でね  レモングラスに かくれて はなしましょう  レモングラスのあまいかおりの なかで  キッスをしたのを お月さまがみてた   平和になったら 二人はカボボして  新婚旅行は 内地(ないち)へゆきましょう


「でね」っていう呼びかけが、めちゃくちゃ残るミクロネシアから小笠原へ伝わった伝統歌。ここに詳細がある。

フランシス・ベーコン展、行ってきました

ここも緊急事態宣言のために閉まっちゃうのかな…と思いつつご紹介。




正直、何年か前に行われた近代美術館でのベーコン展の方が圧倒的にわかりやすく良かったのではあるが、これはこれでユニークなコレクションともいえる。絵画のことは、よくわからないし、素人のコメントだと思って聞き流していただければと思います。感想メモ。


フランシス・ベーコン(アイルランド生まれ、1940年代、英国で活躍)は「叫び」や「強烈に歪められた人物像」「不穏な雰囲気が強烈な印象を与える絵画」で知られる画家。まぁ、一度見たら2度と忘れられない系のパワフルな作品群が有名です。左の写真は、うちのトイレに貼ってあるポストカード。ずいぶん前の近代美術館でのベーコン展で購入しました。この強烈な絵画。たしか作品自体も巨大だったように記憶しています。(間違っていたら、すみません)

今回松濤に来ているのはいわゆる彼のアトリエ・コレクション。生前ベーコンは、いわゆる「習作」はしないと公言してきたようだけれど、その死後、古典の名画や報道写真にあれこれ書き込んだ「ワーキング・ドキュメンツ(作業用の資料)」と現在呼ばれるものが大量に発表されたんだって。そしてXアルバムと呼ばれる習作の数々、展示会のポスターや、生前の交流関係がかいまみれるベーコンに寄贈されたサイン入りの書籍など、今回、その合計130点ほどのコレクションが松濤美術館に並んだわけです。

まぁ、なんというか、そもそも作家が「人に見せる」「売る」ことを前提としていない作品たち。断片的に雑誌や新聞の写真に落書きしたとした思えないようなもの、そもそも作品も小さいものばかりで、例えばヒットラーの写真への書き込みなどは「こいつ嫌なやつ」と引っ掻いたようにしかみえない。が、これも「作品」になるのはベーコンゆえか…と思いつつ眺める。 


そんな中、私が一番好きだったのは、バレエ・ダンサー、ヌレエフの写真の上のドローイング。ベーコンはゲイだったが、そういう視線も感じる迫力の一枚。そして数々のスポーツ選手(主にボクシング、そしてサイクリング)など動きがある写真へのドローイングがすごい。これらは迫力のあるものが多く近くで筆の力強さを感じながら見るのは素晴らしい体験であった…。

とはいえ、とにかくこれらすべて前提として「人に見られる」ことをまったく意識していないわけで、そういった単に頭の中にあることを自分で爆発させているというか、そういう表現なのだ。思えばゲイが深刻な犯罪だった当時の英国での彼の生き様を思うとあれこれ想像をめぐらしてしまう。そういえば「Call me by your name」の原作本も、ゲイの作者が人に読まれることを意識せず書いた秘密の作品じゃなかったっけか? ふむ。そういうわけで、彼の作品には、今の私たちに届くスパークする何かが存在しているのだと思う。

それにしても天気のよい1日。松濤って何回来ても、へんなエリアだよなぁと思う。文化村を境に文化圏が変わるところがすごい。高級住宅街は都内数カ所あれど、このエリアも、嫌味なほどリッチな松濤があり、谷底には渋谷があって、そこにはお金のない若者がむらがっている。とてもじゃないが駅前に行く気にはならず、代々木上原から歩いて松濤美術館へ行き、そこからタクって、そのまま代官山へ行き、イベントを行った。

それにしても、私は私で美術館、美術展については、この本を読んでから、いろいろ思うところあり…なのだ。一箇所のコレクションをまんま持ってくることと、あちこちから集めて独自にキュレートし、リスクをかかえて開催するのとでは、話が全然違う。良かったら感想をここに載せてあるので、ご覧ください。

話がそれた。このベーコン展は6月中旬まで開催。平日なら予約なしでぷらっと行っても入れるそうです。ちょっと案内文がわかりにくいんだけど、何はともあれ最新の状況と詳しくはこちら。



2021年4月24日土曜日

輝&輝(KIKI)時つ風(ときつかぜ)ツアー東京公演に行ってきました

いやーーーー よかった。すごくよかったです。輝&輝(KIKI)のとしまホールでの自主公演。そして感想はやっぱり「かっこいい」だったのでした。二人とも若くて可愛いから、なかなかそう評価をする人はいないかもだけど、私は本当に輝&輝(KIKI)の二人はかっこいいと思うんです。

この手のホールって音響も照明も、基本的なものしかないから、こういう公演を制作するの、ものすごく大変だし、難しいんですよ。でもすごくしっかりした公演になってた。1部はしっかりとシンプルに硬派に民謡を聞かせ、2部はピアノとパーカッションも入ってドライブする感じが、これまた「かっこいい」。

あと公演の構成もものすごく上手い…というのはだいぶ前のホール公演(日暮里だったけか?)を見た時も思ったんだけど、全然飽きさせないしっかりした構成で、本当によく考えられている。照明とスクリーンの演出がとても凝ってたなー。いや、豪華な機材が入っているというのでは全然ないのだけれど、きちんとそれぞれの楽曲の世界観を演出することにも成功していた。さすがだわ…

これだけの自主公演を、しっかりと自分たちで作ってるんだから輝&輝って本当にすごいと思う。彼女たちみたいなバンドは、あっちで呼ばれ、こっちで呼ばれ、そういう仕事が多いからそれをこなしているだけでも十分忙しいであろう。そこにあえて、こういう自主公演を打つということは、本当に大変だと思う。こういう自分の看板をしっかり作っていくっことはすごく大事だ。それができてないミュージシャンは多い。っていうか、みんなやりたいと思っているんだろうけど、諦めちゃう人が本当に多いんだよな。でも、その気持ちもわかる。だって、本当に大変だからね。

でもそういう苦労とかまったく感じさせずお客さんをしっかり楽しませるところも彼女たちのプロフェッショナリズムだ。もちろん音楽が素晴らしいこともそうだが、お客さんはチケット代を払い、時間をさいて出かけてきているわけだ。それを絶対に裏切らない。

あと今日じっくり聞いて思ったんだけど、三味線ってのもなんていうか特別な楽器なんだよね。私は三味線とか全然素人でわからないのだけど、なんか不思議な楽器だと思うよ。なんていうか、演奏者が出す音とは別に不思議な別の音が聞こえている時がある。空気の中の何かが共鳴しているのか、風の音に近いというか。弦がブンブンいっているのももちろんだけど、それとは、また別に何かがそこに存在している。ちょっとモンゴルやトゥバの喉歌みたいな感じかなぁ。加えてギターとかと同じ「竿もの楽器」ならではの、ロックっぽさ。うーん、いい!

それにしても、今こういう時代に伝統系はまじで強いね。そもそもこういうジャンルって、個人の成功ということでは済まされないからね。ミュージシャンは、もう何百年も流れてきた流れの一部をになっているわけで、だから自分がどうこうということではないんだよね。そういう立ち位置が彼女らを強くするのだと思う。

ところで知り合いのフィンランドバンドが輝&輝の大ファンでこの映像を狂ったように見ているらしい(笑)。彼らを来日させて二人に共演してもらったら、めっちゃ面白いだろうなぁ!! っていうか、そういう夢を諦めちゃだめだな。


というわけで、夢云々の前にこちらの公演もぜひよろしく。なんと5/11まで北とぴあのチケットセンターが閉まっちゃうから、ちょっとチケットが売れるのかどうか、とても辛いのだけど、私も負けないっっ! 頑張るよー。

しなやかで優しくてフリーダムな松田美緒さん、そしてかっこいい輝&輝(KIKI)。すごく楽しみだ。詳細はここ。



映画『アンモナイトの目覚め』を見ました。これは圧倒的!

緊急事態宣言で来週から映画館閉まっちゃうんだろうか… と思いつつご紹介します。


なんとぺッテリのイベントの日、iPhoneを会場に忘れた私は(笑)、翌日ピックアップがてらまたもや代官山へ行き(恵比寿から歩いていった)、そのあと中目黒まで出て日比谷まで行き、日比谷でこの映画をみることができました(あくまで渋谷を通りたくない)。

まだまだ健康的には100%といえず歩いていると足が重くなってくるんだけど、気持ちのよい散歩道。そして日比谷で見たこの映画は、本当に本当に素晴らしい作品でした。シャンテシネの平日の夕方の回。混んではいません。『アンモナイトの目覚め』こちらが公式ページ。映画館で映画を見たのも久しぶりだったかも。やっぱりいいね。

この映画、正直シアーシャ・ローナン(彼女はアイリッシュなんですよ、ご存知でしたか?)目的で行ったのですが、これはもうケイト・ウインスレットの方に圧倒的に圧倒されました。いや、本当に素晴らしかった。

というか、ケイトについては『タイタニック』では興味がわかず、『スティーブ・ジョブズ』では言われるまでケイトだとは気がつかなかったし、最悪だったのは『愛を読む人』で、あれは私が原作本を愛しすぎてしまい、まったくあの作品には納得しなかった…というオチ。しかもあの映画、元々はニコール・キッドマンがキャスティングされていたというのを聞いて、本当に残念に思った。ニコール・キッドマン、大好きなのよね…。ニコール・キッドマンのハンナで見たかったんだよ。

だからこの映画ではじめてケイトすごいや、ということになったわけです。イングランドの、このドーセット州のいけてない天気の悪い海辺は暗く、いつも寒そうで、とにもかくにも寂しい感じ。そもそも画面を覆う、この渋い色味も最高。静かで音楽が少ない(でも流れるとすごく効果的)あぁ、もうこの映画のすべてがいい。

本当にケイトが素晴らしかった。脚本も気の利いた言葉があるわけでもないのに、もう彼女の演技、メアリーという役柄だけでぐいぐい押してくる。じわじわ来る。そしてシアーシャ演じる上流階級の若奥様と出会い、恋におちる、その二人の関係が丁寧に丁寧に描かれる。ほんと音楽がミニマムなのがいい。あと聞こえるのは波の音、鳥の声…

というか、この監督がいいんだな、きっと。こういう世界観のしっかりした監督、大好き。前作もこれはチェックしないと!!

そしてこの「女優対決」もいいんだよなぁ。対決っていっても別に競い合っているわけではなく、お互いがお互いを引き立てて、本当にこの映画が素晴らしい作品を作る、監督の世界観を表現することに、俳優のすべてがそそがれている。

シアーシャについては、本当に作品にハズレがないなぁ。彼女にはきっと映画の神様がついているんだわな…  彼女が作品を選ぶのが本当にうまい。今回のこの役も彼女以外は考えられなかったと思う。地味だし、普段のシアーシャの役がらとだいぶ違うから「どうしてこんなに暗いんだ」とか思っちゃうわけだけど、ちらっと微笑みを見せるあたり、少しずつ太陽が指してきた感じがして、本当にいい。

そして最後の終わり方もいいんだわー こういう終わり方大好き!! これは私はもうHappy Ever Afterだと思っている。いやーーーすごい完成度!!

映画が伝えるメッセージ(っていうのも気負いすぎかもだけど)がいいんだわ。男性でも女性でもこういうメアリーのように自分の周りの生活や自分を取り囲む世界しか見えてない人は多い。それが美しく、その中で人間は少しでも自分の尊厳をたもとうと必死で生きているわけで、それが美しいのだけど、ふとしたきっかけで、それが解き放たれる。それは大都会東京でも19世紀のイングランドのいけてない海辺の街でも一緒だ。シアーシャが運んできたちょっとした「風」が、お店を明るくし、ポップな看板をたてかけ、年取ったメアリーのお母さんの心にも少しずつ開いていく。

パンフレットを購入したけど、そこに載っていたシアーシャとのラブシーンについてケイトの言葉がいい。「女性と初めてこういったシーンを演じて、今までいかに自分が男性が舵を取り先導してくれる、わたしは女性として身をまかせるだけ…ということにしてきたかということに気づいた」と答えていたのが印象的。なるほどと思う。本来なら二人においてすべては同等=イークアルでなくてはならない。そしてシアーシャの言葉では、映画の世界がこういう女性同士の恋愛を男女の恋愛と同じように描いていくことも重要だ、と。若草物語でたくさんのキャストとわいわい映画を作っていた彼女は、次の作品で一人の演じる相手と親密に親密に関係をつきつめていくようなこの作品への参加がとても刺激になったようだ。

いや、私もこの素晴らしい監督、二人の素晴らしい女優と同時代を生きることができて、自分もたいへんな幸せものだと思う。見れて良かった。圧巻です。

 

さて、実際のメアリーとシャーロットは、どうやら普通の友人同志だったらしいのだけど、それはそれ。これはこれ。

こちらのインタビュー動画もぜひ。映画でのケイトがなんかデブっていてみっともない感じなので、この映像見て、あらっと思う。まるで是枝監督の作品に出てくる俳優さんたちみたい。みんなひどい格好でノーメイクで、ぼろぼろな感じで映画に出てくるけど、普段はさすがの職業でみんなきれいだ。プロだよねぇ!!

 

あとメアリー・アニングについては、メリル・ストリープ主演で『フランス中尉の女』という映画にもなっているそう。うーん、時間があったら、こちらも見てみたい。時間がない。

2021年4月23日金曜日

intoxicateに輝&輝(KIKI)の二人が掲載されました〜 明日公演があります

タワーレコードでもらえるフリーマガジンintoxicateに輝&輝(KIKI)の二人が掲載されました。うれしいよん! 編集部さん、輝&輝のお二人、ありがとうございます。


輝&輝(KIKI)は、ちょうど明日土曜日、池袋で公演があるんですよ。ほんと頑張ってるよなぁー。自分たちで作っている自主公演。こういうの、アーティストの活動としては本当に大事だと思います。こう、なんというか、自分の看板、自分の名刺を作りあげていく感じ。彼女たちにはいつも勇気をもらっています。コンサートは以前も何度かみていますが、毎回きっちり構成され「こう作りたい」という彼女たちの意志がしっかり伝わるもの。楽しめますよ!!

日時:2021424() 12:00開場 13:00開演 場所:としま区民センター 多目的ホール

チケット:一般前売3000  一般当日3500円 学生前売1500  学生当日2000


そしてウチの公演は来月! 緊急事態宣言が出るようで不穏な空気ですが、なんとか実行できますよう…



松田美緒さんも出演する北とぴあの公演については、こちらへお申し込みください。

がんばれ〜輝&輝(KIKI)。いつも応援してるよー


2021年4月22日木曜日

どうして彼らは接待・会食をやめられないんだろう


 先日いただいたチョコレート。ありがとうございます。まいう〜

アメリカに日本の首相と使節団が行ったようだが、こんなニュース(↑)が流れており、なんかあきれるのだが、あきれていてもしょうがないので、なんで日本の保守親父はこんなに接待や会食が好きなのか考えてみた。

たとえばなんとか省やなんとか庁の役人が、今この状況であるにもかかわらず、ましてや報道されでもしたら大失態だということが分かっているにもかかわらず、団体で会食したり送別会やったり、大接待大会をしているのか…

先日も、本当に久しぶりに都心に出る用事があったので、とあるフレンチ・レストランに行き、久しぶりで自分ねぎらいと思い、普段よりかなり高級なランチを一人で食べた。隣は… 霞ヶ関のビジネスマンといった風の中年ん男性たち。男性オンリー。6人での会食である。外国人二人を含んでいた。皆、マスクもせず食べながらベラベラとしゃべりまくっている。

普段の平凡な日々においては、リッチなところに一人でランチに行くと、だいたいそこには有閑マダムたちしかおらず、彼女たちは旦那が500円のランチで四苦八苦している間、楽しくて優雅なランチを友人とかましているのが常だった。平和だった。嫌味を言わせていただけるのであれば、そこでの会話を聞いていると、いかにこういった女性たちが世の中のことを考えていないのかがよくわかるんだわ。日本の社会が良くなっていかないのは、本来だったら正義感や優しさを男性よりも多く持ち合わせているはずである(とか書くと偏見と言われそうだが)女性が、家庭や自分の身内のことしか考えず、社会のことに関心がないせいだからだ。本来女性は良い社会を作る素晴らしいポテンシャルを備えているはずなのに!! もちろん社会が女性を蔑視しているという要素も大きいし、あまり書くと逆にそれもミソジニーとか言われるので辞めておくが、それよりも最近困ったのは、この昼の優雅なランチタイムに進出してきた、男性の接待系グループである。彼らは夜接待できないから、昼からワインを傾け接待、会食をする。つまり! 男性は会社で領収書が切れるならリッチな食事をするということなのだ。

私が行くランチの、お気に入りの秘密の場所にすら、そういった男性が進出してきて、ちょっとイラっとする。大声で外国語でしゃべり、昼からワインを傾けてさわぐ彼ら。幸いにも先日のフレンチでのこのグループは私が行ったころにはすでにデザートで、私の料理が運ばれてくるころには退散していたので、ほっとしたのだが、あんなに食べ物の上でマスクもせずさわいでいると思うと本当にこわい。

そして私も考えた。なぜに男性たちは接待や会食をからめないと仕事が進められないのか。これはもう病気ではないのか、と。そしてあれこれ頭の中に考えを巡らして一つの結論に達した。なぜ、彼らは会食しないと仕事ができないのか。それはセックスをしないと愛を確かめられないという愛情関係にも非常に似ている。

人の目の前で物を食べるという行為は実はセックスに非常に似ているのだ。ある意味、みっともない仕草である、ともいえるだろう。いつだったか超VIPのミュージシャンのおじさまのアテンドをした時、大使館やらパーティやら、そのおじさまは食べ物にいっさい手をつけない。そこで気づいた。つまり食べるという行為はみっともないことなのだ、と。

私なんてところかまわずどこにでも食事に呼ばれればぱくぱく食べてしまうんだけど…、確かにそんな私だって、仲良しでなければランチや会食には誘わない。いっしょに食べて嬉しい相手はやっぱり自分が好きな相手である。とはいえ、私にとっては、もちろん、仕事をするのに会食がマストである必要はまったくない。仕事の打ち合わせをするのに、なんでご飯食べる必要がある?

「今度ご飯でも」なんて言葉をかけるのは「セックスしませんか」というのに非常に似ている。保守親父にとっては会食がマストなのだ。仕事には会食、愛情にはセックスがマストなのだ。確認しないと不安になるのだ。保守親父のみなさん、今度会食や接待をやりたくなったら考えましょう。それは「セックスしましょう」って言っているのと一緒なのだ、と。

こんな情報もある。すごく有益だと思うので、メモ。

2021年4月21日水曜日

昨晩はありがとうございました! TOKYO SCREENING 第2回 ペッテリ・サリオラ無事終了

 




昨日会場に来てくれたみなさん、本当にありがとうございました。いや〜楽しかった。なんか同じ場所で同じ音楽を楽しむってやっぱりいいですね。そう思えた夜でした。

あらためて書いておきますが、実はあまり認識していない人も多いので、再度書いておくと、今、外国のミュージシャンは日本でコンサートをすることは不可能なんです。興行ビザは昨年来ストップしており、一部のクラッシックのビックネームは入ってきても2週間の検疫タイムが必要など、とてもじゃないけれど公演が可能な状況ではないのです。なので、こういった「映像上映」のイベントをウチもやっていこうと決意したのでした。

正直、マッドな企画だと思います。みなさんに知っておいてほしいのは、東京は場所代がとにかくお金がかかるということ。だからこの状況下で、誰もが配信に走りがちではありますが、とにかく家で聞いていると「低音がない」「画面がちっちゃい」など、やはり無理がある。かつ場所代がかさむので「お客さんのために会場を借りる」というコンセプトがイベント主催者にはない。そこでこういうイベントもユニークかな、と思ったわけです。どんなに大変でも3回はやろうと思って、とにかく始めてみました。

それにしてもペッテリ、よく頑張ってくれました。演奏部分がいいのはもちろんですが、やはりこの場合、MCのところで、お客さんに対する集中力が途切れないか、そこが問題です。

それにしてもペッテリ。途中しゃべっていて、こころもとなくなったのか、ギターをケースから取り出して必要もないのにチューニングしてるのが笑えました。ミュージシャンで楽器に手がふれていないと不安になる人多いですが(爆)。いやはや、ほんとにいい。

何度も書いてますが、このイベントはミュージシャンにはほとんど指示を出していないのです。ただこういう環境(お客さんはスクリーンの前にいてみている)というのだけ伝えて、あとはいかに彼らが自分のお客さんにアプローチするのか。そこが出来上がってくるまで私にもわからないのが、面白い。

会場では、懐かしい顔にも久しぶりに会えて、なんかぺッテリの音楽がみんなを集めてくれたんだなと思うと感激もひとしおでした。音楽でつながる、ってやっぱり最高! 終わったあとはペッテリが自宅のスタジオからみなさんに挨拶してくれて、面白かった。なので、ペッテリにとっても今後の活動の励みになったと確信します。

そして私もこれが私の仕事なんだな、と確信しました。アーティストとみなさんをつなぐ場を作ること。それですよね。

さて次のTOKYO SCREENING。5月下旬予定なんだけど、緊急事態宣言来ちゃいそうで…ちょっと考えないといけないかもですね。うーん。また5月23日(日)には北とぴあで、松田美緒さんと輝&輝(KI KI)の公演もあります。

いずれにしても、厳しい毎日はまだ終わりませんが、これからも頑張ろう、そう思えた良い夜でした。ご来場くださったみなさん、そしてペッテリ本当にありがとう。

業務連絡。昨日、CDを渡すのを忘れた人がいたかも!! 人数多くないし、と思って、お声かけしながら配ってましたが、途中からバタバタしてできなかったのが敗因。やっぱり受付でわたなさいとダメだな。もらえなかったよ!という方は、野崎あてまでメールください。すぐ送ります。申し訳ございません。

さーて、今日もがんばるぞーーー!

2021年4月20日火曜日

本日TOKYO SCREENING VOL.2 ペッテリ・サリオラ 

本日いよいよぺッテリの上映会です。ぜひみなさん、仕事帰りにぷらっといらしてください。マンボウ下での開催なんで積極的にあまりプッシュできませんが、とにかくお待ちしております。

18:55スタート目標(一応公式には19:00なのですが)。事前予約の皆さんには連絡いれましたが、マンボウ発令で20:00には終わらせる努力を…ということで、こうなりました。予約の皆さんが揃ったら18:55から始めちゃいますので、ご注意ください。

一応、上映後にはぺッテリをウチのiPadの中に入れておきますので(笑)「よかったよー」とか「楽しかったよー」とか声をかけてやってください。そういうことが、これからも彼に「日本に来たいな」って思わせてくれるんです。

それにしても、今もまたお送りする動画の確認をしたんですが、よく出来ています、この動画。ぺッテリって、ギターの腕がすごいすごいって言われるけど、私は一番すごいのは彼のリズム感だと思う。思えばうちのアーティストはみんなリズム感が飛び抜けていい。ウォリスも、バルトロメイ・ビットマンも。



でね、この写真ですよ、随分前に藤岡直樹さんに撮ってもらった写真。これ、すごくよくペッテリのことをよくあらわしている。藤岡さんって、普段は資生堂のポスターとか女優さんとか俳優さんとかビシバシ撮影されているカメラマンなのだ。その藤岡さんは、さすがぺッテリの才能を一眼で見抜き、それを表現してくれた。

あとね、ぺッテリが文化放送の邦丸さんの番組に出た時、けっして音楽には詳しくないと思われる邦丸さんがスタジオで生演奏にチャレンジしたぺッテリに対し「(演奏を始める前の感じが)まるで修行僧のようだ」と言ってくれたのが、ヒントになった。

そして、私には分かった。リズム感とは「集中力」のことである、と。

ミュージシャンと呼ばれる人たちよ、よく聞きなさい。あなたのリズム感が悪いのは、決して持って生まれた才能ということではない。リズム感とは集中力なのだ。集中力。集中力を鍛えればリズム感はすごくよくなる。あのヴィクター・ウッテンですらも、驚異的に練習しているのだ。(それについては何度かこのブログにも書いてますが、機会があったらまた書きます)

今回のぺッテリ。映像を現地に発注するにあたっては、余計なことをいわず「スクリーンがあって、目の前にオーディエンスが見ている。そこにあなたはどうアプローチするか」ということだけを伝えた。そしたら、まぁ、すごい映像が届いたってわけです。さすがの「集中力」(笑) 途中、MCに対する集中力が途絶えそうになり、チューニングする必要もないギターを持ち出してしまうところがご愛嬌。

予約なしでも入れますので、ぜひご来場ください。(ちなみに予約なしの方は連絡先とか窓口でうかがうことになりますので、ご協力くださいね。まぁ、とにかくCOCOAが、当てにならないんで…)

終演後はどこもあいていないと思うので、カレーをフードとしておつけします。あと「バンドにエイド」のCDも。

というわけで、代官山でお待ちしておりますよ〜

2021年4月19日月曜日

昔の映画・テレビドラマを観ています。「刑事コロンボ」「東京ラブ・ストーリー」など

 


あいかわらず夕飯を食べたあとは仕事をしないで編み物をしながら映画を見る…というのを徹底しています。最近、観ていたのは「刑事コロンボ」。一時、コロンボ好きの友人が入院中の私にDVDセットを貸してくれたことがあったのだが、当時はなんだか疲れてしまって、全然みることができなかった。軽い鬱状態だったのかもしれない。今は編み物をしながら楽しくみている。

が、しかし!! 吹き替えじゃないかと落ち着かないんだよねー 「うちのかみさん」が聞けないとやっぱり寂しい。同じようなことは「大草原の小さな家」でも思った。NHKの吹き替えは偉大だ。普段、英語のものは英語のまま見る自分ではあるが、これらは例外だ。でもコロンボも何度かみるたびに「my wife」というのにも慣れてきた。

「うちのかみさん」がオリジナルでは単なる「My Wife」だというのを知って、ちょっとびっくり。吹き替え用の日本語を準備した人、センスあったよね。「うちの奥さん」ではなく「妻」でもなく、「かみさん」。ほんとぴったりだ。いつだったか茂木健さんが翻訳した爆笑のバー話の「Child Actor」を「子役さん」って役したセンスにも匹敵する。子役「さん」って、なんて面白い呼び方。ほんとうに日本語って、すごいよなぁ。

それにしてもコロンボに出てくるアメリカ人西海岸の家は豪華で、みんなバー・カウンターが家にあるのが特徴。ウイスキーやバーボンを昼間っから「一杯どうかね」と勧める。あれが金持ちの国の象徴だったのだろうか。もちろん庭にプールもある。外国って、アメリカって豊かなんだなぁ、と信じていたあのころ。NHKだもの。全国ネットだもの。その当時の影響力たるやすごい。タバコの扱いもすごい。みんなタバコを平気ですっている。仕事場でも会議中でもすう。女の人はみんな綺麗で、綺麗じゃない女の人には価値がない。こういうのを見ると世の中は手探りながらも、良い方向に進んでいるよなと確信できる。そして、このコロンボの世界を懐かしく思う。おかげで編み物が進む、進む!

最近、見たといえば「東京ラブストーリー」も実は「初めて」見ることができた。これも1991年だからそんなに大昔ってわけじゃないのに、携帯電話がないだけで、こんなに人生違うものか…と驚愕。当時大流行りに流行ったよね。私は実家を出て一人暮らしを初めてからすぐにドラマを見るような生活をしていなったので、いわゆる流行りのドラマはまるで見ていない。だから「東京ラブストーリー」も、今回が初めての体験。鈴木保奈美はこの役で当てたよなー。なるほど本当にはまっている。そして、日向敏文さんの音楽が印象的だ。

日向さんのPR関係の仕事をしたのは確か1995、6年ごろで、その仕事を始めるにあたり音楽を聞いてないんじゃ問題だということでサントラのCDは死ぬほど聞いた。ドラマは当時はネットなんてものものなく、みることが叶わなかったし、DVDとか売ってのかもしれないが、見ないまま仕事をしていた(ごめんなさい)。でも媒体担当者に「東京ラブストーリー」の日向さんです、とプロモーションに行くと、みんな「あのドラマのあそこが好き」みたいなことを熱く語りだすので、ヒットってすごいもんだなぁ、みんな見てるんだなぁと思っていた。

で、実際ドラマを見たら当然ながら日向さんの音楽がたくさん流れていて、驚愕だった(笑)。音楽が演出の大きな部分を担っている。演出の永山構三さんだっけ。日向さんの幼なじみで、一緒に外タレのコンサートに行ったりしてた人で、そんな相手だから音楽を言葉にあらわすときの言語、例えば「あのバンドのこんな感じ」とか、「あの曲のあんな感じ」とか、そういう言葉が通じるんだ、だから可能なんだ、と日向さんはインタビューに答えて話していた。

日向敏文さんのインスタグラムより。佐藤奈々子さんの写真に音楽をつけてらして、すごくいい。




さて明日はいよいよTOKYO SCREENINGの第2回。超小規模上映会ではあるが、一応、ここがわたしの小さなTHE MUSIC PLANTヴィレッジ。すごく内容良いのでぜひいらしてください。スクリーンの向こうからペッテリの一所懸命さが伝わってくる。ほんと手を抜かない子だよね…感心する。

火曜日、18:55からです。詳細はここ。

2021年4月18日日曜日

音楽業界も一緒。「演劇制作のリアルでブラックな日々」全25回を読んだ…


うちのモッコウバラはなんでこんなに弱々しいんだろう… 鉢植えだからしょうがないのかなぁ。今年もしょぼく花をつけました。飼い始めて8年目くらい。

ところで昨日読んだこんな記事。 

すごいものを読んだと思ったが、これだけは言える。音楽業界もこれと全然代わりはない、と。

汚いやり方でお金を集めようとする追加レッスンの件とか、役者が怪我をしても責任を誰も取らない現場など、もう思いあたる節がたくさんありすぎる。似たような話は音楽業界でもすごく聞く。

それにしても…なんで業界のおっさんたちってかっこつけるんだろう。そして見栄をはるんだろう、とも思う。見栄のためなら彼らは借金も人をだますことも厭わない。ほんと最低だ、こういう人たち。(結構反響をいただいているこの記事もぜひ…『洋楽マン列伝』を読みました)でもそういう人ばかりではない。このnoteに出てくる「会長」のように良い人もいる。が、それは本当に一部の人だし、業界内では名前も知られていない人たちなのだ。一方で、このひどい演出家やプロデューサーのような人たちは、エンタメ業界にはウヨウヨいる。そういう人たちの名前が幅を効かせる業界なのだ。そして彼らの「誰々は俺が育てた話」に知らない人はまんまと騙されてしまうわけだ。あぁ、もう最低!!! 

いや、それもだいぶ改善されてきた。時々このブログにも書くが、こういうのを阻止するには自分なりに横の情報網をはりめぐすしかない。同じ業界の同業者の情報網だ。私もどれだけ彼らに助けられてきたかしれない。本当に貴重な仲間たちだ。だが、このnoteにもあるように、私たちは一枚板になかなかならない。お互い個性の塊みたいな人間たちだから「まとまる」ということ事態が難しい。相手の個性も尊重しているから、そういう遠慮もある。ひるがえって今回のコロナ禍で痛感したがロビイングなんてとても無理。それより自分のやりたいことを最優先させる欲の深い集団なのだ。

でも、ほんとこのnoteの作者のように働けば働くほど損をしている気持ちになるんだよ。わかる。真面目にやっていると馬鹿だなぁって思わせてくれる業界なんだよ。そして有能な人たち(特に女性たち)がみんな音楽業界を離れてしまう。私はなんか、運がよかったんだか悪かったんだか、とにかく取り残されて、寂しいんだ。

悔しいが、日本のエンターテイメント業界は汚い。いつぞや友達のCM制作会社が、某大手芸能事務所に楽曲使用料の件で電話をしたところ、同じ電話で700万下がった…というのを聞いて驚愕した。確かにCMの音楽使用は言い値が常である。が、「いったん上司に相談します」「社内で揉みます」といったクッションもなく同じ1本の電話の同じ会話内で、なんとその金額は700万さがったのだそうだ。その友人の手腕もすごいと思うが、彼は「ヤクザだ…あそこ」とため息をついていた。怖い。怖すぎる。

あと日常的にギャラの未払いはよく聞く。日本人から日本人という話はまだしも、最近は日本人から海外へも。うちにいるとある若いミュージシャン。前のプロモーター(日本人)からの未払いに苦労していた。こんな若い子(20代だった)にこんな苦労をかけるなんて、まったくひどいと私は呆れた。金額は少なかったけどね。逆にこんな金額もすぐ払えないんだ、ということに呆れた。日本人との仕事って、だいたい面白みにかけるが、金払いだけは良いことだけは前提としてあったと思う。日本人はお金はきちんと払ってくれる、と。ある意味世界音楽業界における日本の音楽業界の唯一の信頼だったのに。今じゃそういうことではないらしい。

あと最高にカッコ悪いなと思ったのは、とある割と業界内で名前の知られたおじさん。私の友人とそのまた友人を誘ってランチに行くことになったのだそうだ。誘われた友人は、その指定された超高級レストランに嬉々として行ったのであるが、呼びつけておきながら話の内容は中身がまったくなく、さらに驚いたことに、そのランチ代は割り勘でかつおじさんは手持ちのお金が数円が足りず、おじさんはその場で彼女たちに幾らか借金をした…というもの。これ、超有名なおじさんの話。いや、また返してもらうのにわざわざ会うのも…みたいな金額だったので彼のランチの不足分は彼女たちが払った…だったかな。とにかくよく知られた人だったので、それについては本当に驚愕してしまった。

私もいつぞや「相談があります」と言われて行ったランチで、その会社のえらそうな社長さんまで同席したというのに、結局あれこれ一方的にこちらの情報を引き出され、やっすいランチも割り勘にされ、ちょっと頭に来たことがあった。(沸点、低いですかね? でもそういうの常識だと思う。もっともさすがにそういうセンスもない人たちだけあって、私がアドバイスしたことは何も実行に移されず、そのままフェイドアウトしていったのであった。だからダメなのよね…この手の人は…というのが私の感想 by 黒のざき)

あと、かなり前だがこういうこともあった。とある海外の取引先が来日し都内でミーティングをしていた。そしたら、彼が「次は●●に会うんだ」というから「あら、この前、もう二度とあそことは仕事しないって言ってたじゃん。まだ一緒にやってんの?」と聞けば、「立て替えているお金を会うたびに1万ずつ返金してもらっている」と来た! まったく信じられない。案の定、その人はお金にまつわるトラブルをあちこちで起こしているのが発覚したのだった。そのくせこのおじさんとは大使館のパーティでよく会うんだわ… 私も最初は見てみぬふりをしていたのだが、とあるミュージシャンが非常な高額を未払いにされて困っているのをみかねて、とうとうその人がとある頼み事をこちらに振って来た時にはっきりと告げた。「私は不器用な人間なので、●●(アーティスト名)と貴殿の両方にいい顔をすることはできません」あぁ、もう何がなんだか。

ギャラは、うちも人に自慢できるほど払っていない。でも払うといって払わなかったことは一度もない。

あぁ、もうほんとにどうしようもない。しかし、こういうのも女性プロデューサーが増えると、この辺は結構改善されるように私は思っているんだ。このnoteの作者みたいに正義感に燃えて、きちんと仕事をすることで頑張っている女性はたくさんいる。いや、おじさんが汚い仕事する人ばかりだとは言わないけど、今のままだとそういう誤解を受けたまま音楽業界は沈んでいくだろう。もう終わりだ。終わり。なむ〜

一方でこういうパワハラに悩む女性は多いと思う。でもそれじゃいけないんだ。きちんと仕事をする。ギャラはちゃんともらう。時給600円ってありうるけど、それじゃダメなんだよ。きちんとお金の請求、主張はする。自分が主催もやってると利益が出ないのも見えてしまうから、躊躇する気持ちはよくわかる。でもそれだからといって自分のギャラ、時間を安くしてしまってはいけない。そしてもっと言えることは変わりの効かない自分になることだ。そうじゃないと、こうやって業界の使い捨てみたいな状態になってしまうのだ。

とにかくいろんな人たちにとって、このコロナがいいきっかけになったと思う。一度しっかりみんなが立ち止まってよく考える必要があるのでは?

私はちゃんと自分の仕事をする。今回の超小規模上映会、確かに大赤字であるけれど、ペッテリにはきちんとギャラを払い、納得の上で仕事をしてもらう。今回、ぺッテリから届いた映像は素晴らしく、とても彼らしい仕上がりになっている。どうぞ、ぜひご来場ください。

来週火曜日、18:55からです。詳細はここ。

2021年4月17日土曜日

早野龍五先生『「科学的」は武器になる 世界を生き抜くための思考法』を読みました


早野先生の本、こちらも311までに購入し読み終わり感想をアップしようと思っていたのに、結局今ごろになってしまいましたが、良い本でしのでご紹介します。

言ってみれば、内容はいつだったかの早野先生の東大での最終講義と大きくはかわりありません。あのころ、あの講義に私たちは本当に勇気をもらった。(レポートはこちら

この本でも何度も言及されていることだけど「アマチュアの心でプロの仕事をする」ということ。そして「楽しそうにやる」ということ。

「楽しそうにやる」ことの重要性… ほんとこれ教えてくれる大人が昔はまったくいなかったよね。これは前述の最終講義でも印象に残ったし、自分もことあるごとに実践できるよう努力している。思えば自分が子供のころ。自分の周りには仕事を楽しそうにしている大人は誰もいなかった。みんながみんな「大変なんだ」「自分で食っていくのは大変だ。自分で食えるようになってから言いたいことを言え」という調子だった。そんなのぜんぜん夢がないよね。でも私の子供時代はそれがデフォルトだった。これからは違う。これから社会に出る皆さんには、ぜひ「仕事って楽しいものなんだ」という自覚を強くもって社会に出てほしいと思う。それが未来を明るくするのだから。

そして! この本はそんな最終講義をさらに深めて早野先生の幼少時代の体験記や、なぜ医学ではなく科学の道に進まれたかなどが詳しく書かれています。さらにいえば「これが学問というものか」「学問って楽しい」「わくわくする」というところまでも。例の東大の歌舞伎ゼミの経緯なども。人を説得する時に「おもしろいかおもしろくないか」で説得してしまう覚悟。
そんな話にもパワーをもらう。

ところで、震災時、twitterで、早野先生が一番もらった質問の多くは「あなたは東京にいますか?」というものだったそうで、それにはちょっと私もドキッとした。でも先生は、それには答えず、でも東京のビールの写真をツイートすることなのでさりげなく自分を表現をしてきた。早野先生みたいにフォロワーが多いとこういうことにも気を使わないといけないし、大変だと思う。そんな時、自分の軸をもつことが重要だということをこの本は説いている。確かに科学者や専門家、政治家の中に「私も私の家族も東京にいます」と直球で答えている人は何人か見かけた。でもそういう土俵には乗るべきではない、ということ。そして自分の「軸」を確固たるするための努力。政治との距離のとり方、自分の土俵はあくまで「科学の場」であるのだから批判も謝罪もすべてはそこでする、ということ。

とにかくありとあらゆる仕事術に、この本に書いてあることは応用できると思う。

あ、そうそう、意外だったのはスズキメソードがここまで大きく早野先生の人生に影響をもたらしていた、ということ。(先生の告知にさそわれてスズキメソードのイベントに行ったことはここにレポートを書きました

そして、早野先生があまりにも「楽しそう」だから、これは意外だったのだけど、早野先生は自分のやりたいことをビシバシ追求し、ガシガシ進まれてきたのかと思いきや、意外と「流れ流れて」「周りから言われて」みたいなきっかけが多いのにも、ちょっとびっくりした。でもそのたびに(また同じことを書くが)「アマチュアの心でプロの仕事をする」「楽しそうにやる」ここに戻ってくる。そして、それが結果につながり、成功し、次につながる。

いずれにしても科学者が書いた本ということで、敬遠しちゃうかもしれないけど、めちゃくちゃ読みやすい本でした。あっという間に読めちゃうよ。

そして今朝もコロナのあらゆる数値を楽しそうに(というと誤解を受けそうだが)グラフにする先生の姿が私のタイムラインにはあるのであった。

先生が講義で話されていたことが思い出される。「こんなふうに平凡な線を描いてきたグラフがへんな動きを示すことがあるんですよ。ほら、ここ。こういうの見ると「ここには何かあるな」って思えて科学者としては嬉しいんですよ」みたいなことを先生は楽しそうにおっしゃっておられた。自分の立場をかっこたる態度でつらぬき、楽しそうに仕事をする先生は、やっぱり素晴らしい。

私にとっての「ぶれない軸」。前にも書いたけど、自分の好きなアーティストを応援すること。フィンランドのペッテリ・サリオラ。4月20日(火)代官山のライブハウスにて。小さな会場でちんまりやってますが、音と映像は迫力です。TOKYO SCREENINGの第2弾。詳細はここ。マンボウ発令されちゃったけど、感染対策がんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。科学者の方は科学者の役割を。プロモーターはプロモーターの役割を。粛々と(笑)

 

2021年4月16日金曜日

facebookがうっとおしい? 気持ちはわかる…


facebookがうっとおしい?…という話を複数の親しい友人から聞き、なんか妙に納得する。その点、誰が読んでいるかわからないブログやTwitterは、リスクもあるけどのびのびして楽しいよね。もっともこれを楽しいとか、のびのびしているとか、どう取るかどうかは人次第。

野良犬の自由を飼い犬は知らず、飼い犬の自由を野良犬は知らず…といったところか。

fbはわたしの場合、友達だけにしているから、Twitterに書けないことも書ける。でもそれが妙に窮屈に感じる時がある。

Twitterは情報拡散告知のためには必須だ。最近はbot化している人も多いし、そういう使い方もあるだろう。ウチも公演告知があれば、bot化する。(投稿をコピペしてタイマーかけてスケジュールを組む。そうすると自動的にツイートが流れるので良い告知になる)

facebookが鬱陶しく感じるのは、なんかわかる。私は実はfbは自分の備忘録としてしか使っていない。それ以上も以下も期待していない。気ままもいいところ。それって、ちょっとリアルな自分に似ている。つまり人にどう見られているかはあまり気にしていない。ただ最近はニット関係の作品をアップすると「いいね」がたくさんつくのでおだてられていい気になってまた編む。

わたしのfbは、リアルであった人しか登録しないけど、一度名刺交換しただけの人でも登録したりしておくと便利なもので、また会う直前になって、「彼・彼女は最近何をしているんだろう」と、営業の話題にするためにチェックしたりする。顔を忘れたりしている人の近況を直前に確認したりするのに、ほんとうに便利だ。

誕生日にあれこれ自由に自分のウォールに書き込まれるのも本当に大好きだ。なんか友達がいっぱいいるような気になる。あれがうっとおしくて嫌いと言って、誕生日を非公開にしたり、ウォールに書き込めないように設定する人も多いみたいだけど、誕生日くらい、好きなことみんなに落書きみたいに書いてもらえばいいじゃんないの? あれ、大好き。特にバカな写真とか投稿してもらうと嬉しく思う(笑)

一方で、今や人のタイムラインはほとんど見ていない。Twitterも画面をあけてその時に目に入った人しか読まない。多くの人はそうだと思う。でもそれでいいんだよ。

fbに縛られ、がんじんがらめになり、悩みが日常化しちゃっている人も以前は多かったけど、今やそんなの流行らない。

反対に、わたしが面倒くさいなーと思うのは、あまり好きではない相手や価値観のあわない相手から、メッセや閉じた空間でブログやSNSの投稿へのレスが送られること。表に書いてくれりゃいいのにと面倒に思う。個別に連絡されると無視できないし、レスしたところで、コミュニケーションをとっている二人だけの空間だから社会的なメリット一つもなし。特に議論に持ち込んでもまったくメリットなし。議論は公開の場でやろうよと思う。でも仲の良い人とのチャットは私も嬉々として延々と続けちゃうわけだから、私もわがままなんだ。

一方で、最近はオリンピックの演出の方の件でもあったように閉じた空間でも言動に気をつけないといけないのかと思ったりもする。

そして、このブログ。先日も、とある人が、また別のとある人を紹介してくれたのだが「野崎さんのブログも見てもらったんですよ」とか言われ、「やばっっ、ちゃんと書かなくちゃ」と改めて思う。そうそう、ここはパブリックの場なのだから。それをついつい忘れそうになる。

そのくせ… これも何度も書いていることだが、このブログに書いていること=すべてと勘違いしてる人も多くてびっくりする。本当のあれこれは書けない。進行中のプロジェクトについても企業秘密。人のコンサートやCDの感想はだいたい批判になっちゃうので書かない。そういう私があえて普段は言わないこともわかってほしいと願う。…わがままなのだろうか。

でもブログを毎日ストイックに続けているだけでも、わたしみたいな社会的地位をもたないフリーランスにとっては、信頼につながると思うんだ。…なんて、古いかな。なんていうか、生存確認っていうか。しかも時々Google先生やAmazonが広告代と称してお小遣いもくれる。ありがたいじゃないか。またこれで本でも買おうって気になる。

まぁ、だからそれぞれなのだ。それぞれ! 自由でいいじゃないか。人に迷惑をかけなければ。それに、嫌だったらやめればいいじゃないか。すべて個人の自由だ。誰にだって向き・不向きはある。それについてあれこれ悩んだりする方が時間の無駄だよ。

今日も元気に行きましょう。

ってなわけで、フィンランドのペッテリ・サリオラ。4月20日(火)代官山のライブハウスにて。TOKYO SCREENINGの第2弾です。詳細はここ。マンボウ発令されちゃったけど、感染対策がんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。19時スタート、終演20:10予定。実は映像は67分なのですが、マンボウで8時までに終了するのが理想なので、できましたら2分でも3分でも早めにご来場いただければ助かります。前予約のお客様がそろった段階でスタートしようかと思っています。今のところ新規に申し込まれるかたには18:55までに来場ということでご案内しています。面倒くさいね…  でもこれが現状だから粛々と従う(笑)

 

2021年4月15日木曜日

TOKYO SCREENING。上映時間のご相談+このブログの、メールでの配信が終了してしまうようです。



自分を労うチョコレートを白山で購入。最高においしかったけど、食べたらやっぱりお腹の調子が1日悪い。甘いものはひかえろという主治医の言うことを聞かなかった罰か…

さて、今日はあれこれ業務連絡です。

ペッテリのTOKYO SCREENINGですが、マンボウと重なってしまい、8時終了を目指したいところですが、開演時間は7時だし、動画は67分ある…

ということで、会場に来られるみなさんには5分ほど前にご来場いただくことをお願いできないでしょうか…というご相談です。

そして、18:55の時点で予約されたお客様が全員そろっていれば、5分前から上映をスタートできればと思っています。

でも19時だったら間に合う!ということで申し込まれた人もいるだろうし、この辺は微妙なので、当日は「あくまで目標」ということでお願いできれば…と思います。また張り切って5分前に来られて、結局オンタイムでの上映となり「5分損したぜ」という方が出てしまったら申し訳ありません。いや、今、時間は何より貴重なものですから。

「マンボウ」程度で何を大袈裟な…と思われるかもしれませんが、主催者としては、バカ正直と言われても、誠実に対応できたらと思っています。

あとフードのメニューが何になるか会場さんに何度も確認していますが、まだ返事がありません。たぶんカレーだと思いますけど… (スタッフより連絡あって「カレー」で決定だそうです。よろしくお願いいたします)

いずれにしてもイベント終了後はご飯食べるところはどこもあいていないので、ご飯食べてってください。チケット代に含まれていますので。

いずれにしてもTOKYO SCREENINGは小さなイベント。現在までに申し込まれた方には個別にご案内していきます。皆さん、よろしくね!

またペッテリも当日Skypeとかで皆さんにご挨拶できたらと言ってますので、来られる皆さんは楽しみにしていてください。20日火曜日、18:55(目標!)より、代官山のライブハウスにて行います。


それから、このブログをメールにて読んでくださっている皆さんへ。

たぶん200名くらいいらっしゃると思うのですが、メールでこのブログ更新の案内を送られているサービスがこの7月で終了してしまうのだそうです。Googleさん、最近はブログを運営するものに対して本当に冷たい。あれこれ便利な機能もなくなって、検索の結果も悪くなる一方だし、そんな理由から、私もこのブログの場所をGoogleのBloggerではなく、どっかに移そうか考えているくらいなのですが、何はともあれ、7月からこのブログはメールでは読めなくなります。

となると、他の購読の仕方、また情報の追いかけ方は

(1)毎日このブログに忘れずに来る:熱心な読者の方はそれしかないかもしれません。一応ここはほぼ毎日更新しています。更新はだいたい朝ですが、昼くらいになる日もあります。あと週末にまとめて読むのも良いかも。特に大きめのニュースは週末に発表するようにしています。ただ皆さん忙しいので忘れちゃいますよね… でも私としても、あれこれ押し付けがましくするより「野崎さん、最近なにやってんのかなー」程度で来てくれるのが、一番自然体で良いように思っています。

(2)facebookページをフォローする:一応ブログを更新したらfbページにその旨、告知しています。お客さまの動きをトラッキングすると、このパターンが非常に多いようです。とはいえ、facebookは熱心にやっている人ほどタイムラインを追うのが大変なので、これもどうかなー

(3)Twitterをフォローする:こちらはブログをアップすると自動でTwitterに流れるように設定しています。ブログのアップ後、1時間位以内には告知されているみたいです。Twitterですが、アカウントをフォローしなくても「リスト」というのを作って「これは毎日絶対に読む」みたいなアカウントをまとめておくと便利なようです。とはいえ、Twitterのフォロワーさんは「いいね」をよくくれるけど、実際にお金を使ってくれるお客様とはまったく違うなということも認識しています。いろいろ複雑です。

(4)ホームページを月1くらいでのぞく:SNSにかまけてホームページがメンテできてない事業者多いですけど、私はそれなりに気を使っています。ホームページに行っていただければ、それが最新情報です。

(4)メールマガジンを待つ:今はTOKYO SCREENINGのおかげで一ヶ月に1回は発行していますが、通常は年に1、2回なんですよね。これもせめて季刊にするか…

それにしても、まぁ、効果的なプロモーションって、いったいどうしたらいいんだろうと思います。日々こういうのは研究だし、お客様のライフスタイルも常に変わっていくので、難しい。

とはいえ、結局のところ私にしてみたら、皆さんに興味を持ってもらえるような「内容のある発信」「楽しそうなイベント」をしっかり作り、量ではなく「強く発信する」ことが、一番重要であり、それによって、お客様が自主的に情報をフォローしてくださるような状況が一番理想的ではあります。でも、それが本当に難しい。

いろいろ気がめいりますが、がんばらないとね! 

では今日は「晴れ」の東京。1日頑張っていきましょう!!

2021年4月14日水曜日

便利な料理グッズ。が、これを手を怪我せずに支えた試しなし。すりおろしき


生姜だろうが、ニンニクだろうが、ものすごくよく擦りおろせる。驚異的だ。だが、自分の指を怪我せずに使えたためしがない…  私の使い方が悪いのだろうか。

チーズのおろし金は巨大な別の形のもの(スクイーズのベスト盤にあるような菱形の大きなもの)を使っていて、そっちはそっちで不便はない。

一方でニンニクや生姜は、学生時代から使っているボロいプラスチックのおろし金をずっと使っていた。30年以上使っていたのだから、私も物持ちがいい。が、いつも擦りおろしたもの、特に生姜などは繊維がおろし金にひっかかって、全然擦れない。これではあんまりだということになって、料理のお兄さん、りゅうじさんがよくこのグレイターを使っているのを見て、いいなと思って真似して買った。

それなりの値段はしたと思う。これを買ったと言ったら、料理については信頼のおける友人二人が、私のツイートに「いいね」をしてくれた。うん、良い買い物をしたかも。

が、数日前にもまた豚汁作ろうとしてニンニク擦った時に流血! あぁ。誰か使い方のコツを教えて(笑)特に小さいものをすりおろす時。

さて、仕事もがんばっています。来週はフィンランドのペッテリ・サリオラ。4月20日(火)代官山のライブハウスにて。TOKYO SCREENINGの第2弾です。詳細はここ。

マンボウ発令されちゃったけど、感染対策がんばって、とにかく動いていないと…上映時間が67分なので、微妙に8時すぎちゃうんだよな。方法を考えます。

 

2021年4月12日月曜日

石合力『響きをみがく 音響設計家 豊田泰久の仕事』を読みました。素晴らしい!!


 いやー すごい内容だった。これは私みたいなオーケストラを知らない人間には開眼!!みたいなすごい内容。クラシック好きな人も、クラシック初心者にも、ぜひぜひ読んでほしい。今のところ私にとっても今年のノンフィクションNo.1かも…というくらい大好きになってしまった。

この本を読むことで、ホールってこういうことなんだ、オーケストラってこういうことなんだ、音響設計ってこういうことなんだ、ということの理解が進む。そしてもっと言えば仕事ってこうやって広がっていくんだ。信頼を得ていくんだということも勉強になった。ちょっとドキドキが止まらない。

それにしても、いやー まずはサントリーという企業のスポンサーとしての姿勢にちょっと感動してしまった。実は私は今回のウィーン・フィルの来日のことでサントリーホールの大ファンになったのだが、それがさらに強固なものになった。本当にこの時期に先陣を切ってくれた勇気とそのリスクをとるという覚悟。それはこんなふうな信頼関係の中でないと不可能なものだ。本当に素晴らしいと思う。たまたま数年前にサントリーで働いている方のお話を聞く機会にも恵まれ、サントリーのスポンサーとしての大きな姿勢に感銘を受けたのだった。(一方の森ビルは…以下自粛)なのでサントリーホールの立ち上げ期の話は、非常に興味深く読んだ。そして、あの悪評判は、そうか、そういうことだったのかととても感動した。

確かにサントリーホールは音が悪いという話は当時ものすごくあった。それは私もよく記憶している。それが、いや違う、それはホールの音響のせいではない、それはこういうことだったんだ…とこの本を読めば理解できるのだ。とにかく目鱗!

ホールが演奏者を育てる、ということ。いやもっと言えば音楽が演奏者を育てる、ということか。そしてその文化は東京という都市も育てる。これは伝統音楽にも通じる絶対哲学なのかも。すごい、音楽ってすごい。そして「聴く」という重要な哲学も。「聴く」ということが、音楽をさらなる高みへと導くのだった。ほんと、神様のもんかもしれん、音楽って!! いやいや、大袈裟ではなく。っていうか、音楽はきっと人類に神様が与えた魔法だね。魔法だよ。そして文化ってこうやってできていくんだ、と改めて。

あと紹介されている小さなエピソードにも心が動く。とあるスポンサーがらみの打ち上げに招待された時も、豊田さんに取材ということでついていった石合さん(この本の作者)に豊田さんが「ちょっと今夜の打ち上げには同行は難しいかも」と打ち上げ主催者(世界的な著名指揮者)を気遣い声をかけられていたのは当然として、そんな中、その打ち上げ主催者は豊田さんに同行している石合さんをみて「打ち上げにはお前も来い」と自ら誘ってくれたのだという。そういう件にも感心してしまった。こいう流れが自然に可能になり、お互いものすごく近いながらも相手の立場を気遣える仕事上の人間関係というのは実はとてもレアなのだ。こういうエピソード、私には超ひびくんですけど!!

もっというと、実は打ち上げって、本当に難しくて主催者としては人選にも場所にも気を使いまくっていうのに、勝手に友人を招待しちゃう人もいるし、「他の誰々誘ってないから、周りに気づかれないよう黙っててこっそり来て」と事前説明しておいてもペラペラと打ち上げに行ったと喋りまくっちゃう人もいる。ただでさえ苦労の多い公演の唯一勝利を分かち合うための打ち上げを自分の好きなように仕切れなくて、ほんとに悔しい思いをしたことはこの私でさえも何度もある。(ま、この話題はまたいつかきちんと書く・笑)

と、まぁ、こんな小さなエピソードにも豊田さんとマエストロ、そしてライターの立場である石合さんのお互いへの信頼の深さが感じられて、いたく感動したのだった。

そしてこの本を読むまでは、指揮者という存在の意味も、なんだか私はきちんと理解していなかった。この本を読んで改めて指揮者という存在もこういうことかと理解する。そして例えばスゴいオーケストラが来日するとそれに同行し、リハーサルから立ち会うという豊田さんの話にも圧倒された。そして公演が成功した時の「にやっ」とするあの感じ。素晴らし音楽作りに、自分も関わっていくということを喜びとする豊田さんの姿がここにもある。

ところで、この本、アイリッシュ・ミュージック・ファンにとっても他人事ではない(笑)。というのも、この豊田さんは日本を代表するアイルランド音楽のミュージシャン:豊田耕三さんのパパなのだ。

この本のことは、友人がfbで「すごくいい」と紹介していたのを見て知ったのだが、「あれ? 永田音響? 豊田?」ということで、耕三さんご本人に確認したところ「そうです」とのこと。ただご本人はこの本をまだ読んでいないらしい。なんともったいない。というか、こういうこと、直接話が聞けるんじゃないか、これはすごいことだ! いや、パパだからこそ聞くのは難しいのかもしれないけど。という想いはあれど、実際自分が豊田さんの立場になった時のことも想像できるので、そういう親子のお互いを応援しながらも仕事上の適切な距離の取り方もいいなと思ったりした。さすが、です!! とにかくこの本は全ての音楽ファン必読。

ラジオ深夜便に豊田さんが出演されているのを発見。こちら。

あとだいぶ前に永田音響の方のレクチャーを受けた時(at 武蔵野文化事業団)の話も興味深く思い出した。その時のブログはこちら

ちょうどこの本を読んでいたころ、チャイコのヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲を聞きに高崎に行ったんだけど。このホールも不思議な形だよね。

私も私の仕事をがんばろう。フィンランドのペッテリ・サリオラ。4月20日(火)代官山のライブハウスにて。TOKYO SCREENINGの第2弾です。詳細はここ。

マンボウ発令されちゃったけど、感染対策がんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 


PS
こんな記事も教えていただきました。必読。


2021年4月11日日曜日

篠崎弘さん『洋楽マン列伝』を読みました。


この本のことは結構前から知っていた。最近亡くなったキングレコードの元上司が掲載されていることも知っていた。でも買わなかった。先日、音楽業界内の女性(私より少し年上)と話をした時「わたし、こういう本って読む気しないわ」と彼女はすぐさまに言ったが、本当にそのとおり。私もずっとそう考えてきた。

こういう本を読んで喜ぶのはいわゆる往年のロック・ファンだと思う。ページをめくれば70年代の典型的業界オヤジ(この表紙のイラストにもある)たちが著名ミュージシャンと肩を組んでいる写真が掲載されている。また来日裏話なども満載で、こういうネタを喜ぶ音楽ファンはたくさんいると想像するのだが、特に同じ業界内で働いてきた者、また特に女性の目からすれば、話は単純にはいかない。この手のオヤジの昔自慢話は、聞いても読んでも気分が良くなるものではないとタイトルからして想像できるからだ。

まず、とにかく女性がまったく紹介されていない(「洋楽マン」だからしょうがないのか)。情報が今よりうんと少なく、いわゆる音楽業界にいることの特権意識が高かったあの頃。音楽業界は、今よりもずっと大衆をコントロールできた。そんなラッキー時代にたまたま巨大アーティストたちを担当したオヤジたちから、音楽業界がよかったころの自慢話を聞きたところで、いったい私になんの意味があるのだろうか。

いや、何度も言うが音楽ファンはたぶん喜んで読む本ではありますよ、これ。

と、まぁ、散々な書き出しだが、最近元上司が70歳でなくなって、彼のことをこの本がどう書いているかを知りたくなり思わずポチってしまった。私も彼が亡くなってちょっと寂しく思ったのかもしれない。でも亡くなったからといって私は人の評価を急に高くすることは絶対にない。今でもその上司のことはとてもドライに見ている。

とにかく良くも悪くも風呂敷を広げるのが大好きな人だった。また別の人との話題で盛り上がったんだけど、同じレコード会社内でも「あの人はできないことを決してできるとは言わなかった。それだけで本当に助かった」とか、「あの人はちゃんとしていた。あの人はきちんとしてくれた」という評価の高い人もいることはいるのだ。でもそう言う人たちは、こういう本には登場しない。音楽業界ってほんといやなところだな。真面目に働くだけ損だな、いい加減なんだなと、つくづぐ学んだ私のメーカー勤務時代だった。

さて散々な前振りだけど(笑)、いや、実際読んでみたら、それほど気分が悪くなる本というわけでもなかった。確かにいわゆる典型的業界伝説の「洋楽マン」石坂さんも晩年のインタビューにはがっかりさせられた(過去にブログに書いた)し、この本に出てくる人で自分もリアルに知っている人が何人かいるが、私は正直、結構ドライな目で見ている。

しかし!! 特にこの本を読んで超感動した人が一人いる。それは、元キングレコードの寒梅さん。寒梅さんは私が入社したころはすでにとっくに会社を移っていた。それでも前から会社にいる人たちが寒梅さん、寒梅さんとよく話題にしているのでお名前は当然知っていた。(それにしてもカンバイさんは漢字でこう書くんだというのも初めて知った)

寒梅さん=カーペンターズという図式が業界内ばっちりできあがっているのだけど、寒梅さんの「カーペンターズなんて押すのも恥ずかしかった」という発言には、もう私はひっくり返ってしまった。他のレコ社がピンクフロイド、ツェッペリン、エルトン・ジョンと本格的な音楽を紹介してかっこいいものを推しているのに、自分はポップで良い意味でも悪い意味でもゆるいカーペンターズ。いや、カーペンターズが悪いといっているわけではないけど、このブログを読む人も寒梅さんの、私の言いたいはわかるでしょう? いや、いい!! 寒梅さん、いいよ!! ただその寒梅さんも道路工事のおじさんが「イエスタディ・ワンスモア」を鼻歌で歌っているのを目撃してうれしくなった、とこの本では語っている。あぁ、こういう音楽ビジネスマン体験話、私にもある!! めっちゃ共感する! 一度お会いしたいなぁ。

と、まぁ、こんな風に寒梅さんの話は興味深く読んだ。また寒梅さんはハンコ押しだけのために業界にとどまることを良しとせず、今はいろんな「バイト」を経て、教育関係の医療関係の仕事をされているという。かっこいい。かっこいいよーー!

そんなふうに寒梅さんと他数名以外は正直、共感度は薄かったが、それでも例えば、ミュージシャンから来日したからといって意味もなくレコ社の人間がゾロゾロついていくのは意味がない、と断言する骨のある人もいたり、いい事言うオヤジだなと思う人もいないではなかった。かと思うと、あの時上司はあぁいったけど、俺はこう思った。上司に反抗してこうしたらヒットした…みたいな話には、いい歳して、まだこんなこと今でも文句言ってるなんて、ちっちゃすぎるだろ……半ばあきれたり(笑)。

でも例えばキングレコードを退社されてスイートベイジルに行かれた川島重行さんとか、業界内でも本当に尊敬できる人はたくさんいるのに、そういう人が載っていないのは残念だと思った。社外・社内では地味だったけど、女性スタッフに親切にしてくれた人も。でもそんなのは本当に一部で、私が仕事で成果をあげるとその成果を横取りしたり、私をいいように利用しようとしていたりオヤジが多いのを私は敏感に感じ取っていた。まぁ、彼らにしてみたら女性スタッフ…というか若いスタッフの使い方も経験が少なく手探りだったのかもしれない。いずれにしても私は限られた人たちを別にして、所謂業界オヤジたちを高く評価していない。

音楽業界っていい加減なもの…そう教えてくれた世代の人たちではあった。今の若い人たちは、もっときちんとしている。音楽業界も少しずつ前進している…と思いたいけど、正直ビジネスとしては音楽ビジネスは明らかに後退しており、仕事ができる人ほど業界を離れてしまうのが現状だ。本当に難しい。

顧客への情報量が圧倒的に少ないから、音楽業界はうるおっていた。知らないこと=幸せなことという時代だった。でも時代はもう違う。情報量は多く、ユニクロの柳井さんの発言が話題になっているが、ビジネスで成功し、それなりのポジションである人は、きちんとした世の中をよくしていこうという確固たる信念と具体的な言動が求められる。また1リスナーとしたら、これ以上最高の時代はない。いい世の中になってきたと思う。

そうそう、この本の中で複数の洋楽おじさんが「今の洋楽界で働く連中はかわいそう。自分で何も選べず、海外からの指示を受けるだけで自分の知恵も工夫も求められない」と発言しているのは興味深いと思った。それは私もとても感じていることだ。音楽業界で働くなら、自分でアーティストを選ぶ権利を手放してはダメだ。そこだけは「自分の自由」が、「自分自身が発揮できる場所」だからだ。あとは単なる拷問でしかないんだよ、この仕事。

今は医療関係の仕事をされているという横山東洋夫さんの発言も良かった。箱根アフロディーテにピンク・フロイドを呼んだ人。ディープ・パープルの招聘などにもかかわった。売れるからやった、とかなり明確に発言しているところなど、とても明快。「タレントを育て上げ、イニシアティブを持って何かを作り上げていくのが呼び屋。海外の手下で会場を手配してただコンサートの代行をやる、今の興行の世界にはなんの魅力も感じない」とバッサリいいつつも、アイルランド人のロリー・ギャラガー(ギャラハーだと思うけど、当時はGのスペルに引っ張られてこう呼んでたよね…)の話題が出て「アイルランドの田舎から出てきた純朴な人」という高評価(笑)。なんか嬉しいね。

さて、最後にこの本を書いている篠崎さんというお名前も、メーカー勤務時代の私にとってはとても大きな存在だった。「朝日新聞の篠崎さん」という名前がメーカー勤務時代の会議に出ない日はない。それに当時は実際に朝日に載れば売り上げに大きく影響があったのも事実。その、洋楽界に大きく影響力を持つ篠崎さんがワールド・ミュージックというジャンルを応援してくださったのも素晴らしいことだった。最後にそんなことをとても謙虚に書いてらっしゃる(篠崎さんのところだけフォントが小さい)ご自身に関するコーナーで、例えば新聞社としては公平な視点を失わないようにということと、自分はアーティストと一緒に写真は取らないという記述が出てきて嬉しくなった。

と、まぁ、そんな感想だ。これ以上書くとあとは「これは違う」「この人ラッキーだっただけじゃん」「単なるコネじゃん」「予算があったからじゃん」「自分の功績って言っているけど、全然違うじゃん」とかツッコミはじめちゃうので、このくらいにしておく。

興味ある方はぜひ読んでみてください。

そんなわけで、私は一緒に仕事するアーティストは自分で選ぶ! ペッテリ・サリオラ。昨日の夜、TOKYO SCREENINGの本番の日の夢をみた。なぜか私は会場に遅れて行き、行ったら知らないスタッフが勝手に知らない物販を売っていた。ペッテリのイラストが描かれたTシャツだった。こっちが苦労して作っているイベントにこれはないだろ、これは会場に大クレームだと意気込んだところで目がさめた。やばい、本番に対する筋肉が落ちているのかも…。小さなイベントなのにプレッシャー大。これだから仕事はストップせず、働いていかないとと思う。

というわけで細々とでも何かやっていくべし。ペッテリ、頑張ろうね!! 本日午後たぶんDM打ちまーす。4月20日(火)代官山のライブハウスにて。詳細はここ。

2021年4月10日土曜日

ドアオープナー



こんなグッズがあるのを最近知ったよ。

ドアオープナーということで検索するとAmazonなどでもたくさんでてくる

私が肘でエレベーターの「閉」とか利用階を推しているのをみて、友達がくれたもの。いいね!

エレベーターの階は自分のキーホルダーで押したりもできるので、あまり不便には思っていなかったが、あると本当に便利。バスの「降ります」ボタンを押すのにも便利だ。

実は嬉しいのは銀行のATMや、宅配ボックスをあけるときの暗証番号など。そばに消毒液を置いておいてほしいくらいだが、消毒液はそういう場所に限ってないんだよねー

最初家の鍵につけていたのだけど、何かというと鍵をカバンの奥から引っ張り出さないといけないのが面倒で、今はバックの取ってに赤い「ヘルプマーク」と一緒につけている。

時々、中年男性で(これは思い込みか。でも本当に中年男性が多い)バスの吊り革を握りつつ、その手で自分の顔を触っている人がいるのだが、本当に怖いと思う。実際街にちょっと出てみればコロナ対策もまちまちで、地元のスーパーの入り口でも熱心に手指を消毒する人もいるが、まったく素通りするおじさん(これも思い込みか)も多い。

また消毒液を前にしても自分の手指には消毒せず、スーパー内の買い物カゴなどを脇に設置してあるペーパータオルに消毒液をしみこませゴシゴシ吹き始める人(こちらはおばさんが多い。思い込みか)もいたりして、とても興味深い。こういう人は自分は汚れてないという、ものすごい自信があるのだろう。そして自分以外の他人は汚染されていると考えているのかも。

何が科学的に正しいかはわからないが、なんというかもうこの社会においては、何かあったところで「誰も責任を取らない」ということに、責任を取る側も見守る側も慣れすぎてしまっているのかなと思う。政治家からしてそうだからね、国民全員きっとそうなんだよな…

「手指を消毒しましょう」とほとんどの場では書いてあるのだから、それを信じてそう行動すべきだと、私は思うのだが…  あっ、また「べき」って言っちゃった! あまり「警察」になるのもいやなもんだが、本当にまちまちだ…  ここへきてウイルスに対して温度差が出てきたよなと思う。「慣れ」というのは怖い。

何はともあれこの時期に便利なプレゼントグッズにもなるかも。みなさんもぜひ。気が滅入る毎日ですが、今日は土曜日だし、天気もいい。なるべく笑顔ですごしていきたいものですね。


それにしても前回のウォリスも緊急事態宣言が延びて結局戒厳令下の上映になったわけだけど、ペッテリにも「まんぼう」が…  気が滅入るが、逆にこういう時こそ、こういうことを続けていこうとも思う。

前回のすでにあるものをアルバム順に並べる方法で送ってきたウォリスとかはなり違っていて、なんというか実際のコンサートに近い体験ができると思う。アーティストと一緒に何か作っていくって本当に楽しい。4月20日 19:00より。¥4,500+ドリンク代。美味しいフードもついてますよ。詳細はここ。

しかしこのイベント、終了時間が20:10になっちゃうんだよな… 「まんぼう」だと8時終了が望ましいんだよなぁ。まったく悩ましい。小屋のスタッフさんに相談するか…。いずれにしてもそうなると、今、すでに申し込んでくれてる人たちに案内しないといけないわけだし…ほんと手間が多すぎちゃってダメダメだよなぁ。

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