音楽業界も一緒。「演劇制作のリアルでブラックな日々」全25回を読んだ…


うちのモッコウバラはなんでこんなに弱々しいんだろう… 鉢植えだからしょうがないのかなぁ。今年もしょぼく花をつけました。飼い始めて8年目くらい。

ところで昨日読んだこんな記事。 

すごいものを読んだと思ったが、これだけは言える。音楽業界もこれと全然代わりはない、と。

汚いやり方でお金を集めようとする追加レッスンの件とか、役者が怪我をしても責任を誰も取らない現場など、もう思いあたる節がたくさんありすぎる。似たような話は音楽業界でもすごく聞く。

それにしても…なんで業界のおっさんたちってかっこつけるんだろう。そして見栄をはるんだろう、とも思う。見栄のためなら彼らは借金も人をだますことも厭わない。ほんと最低だ、こういう人たち。(結構反響をいただいているこの記事もぜひ…『洋楽マン列伝』を読みました)でもそういう人ばかりではない。このnoteに出てくる「会長」のように良い人もいる。が、それは本当に一部の人だし、業界内では名前も知られていない人たちなのだ。一方で、このひどい演出家やプロデューサーのような人たちは、エンタメ業界にはウヨウヨいる。そういう人たちの名前が幅を効かせる業界なのだ。そして彼らの「誰々は俺が育てた話」に知らない人はまんまと騙されてしまうわけだ。あぁ、もう最低!!! 

いや、それもだいぶ改善されてきた。時々このブログにも書くが、こういうのを阻止するには自分なりに横の情報網をはりめぐすしかない。同じ業界の同業者の情報網だ。私もどれだけ彼らに助けられてきたかしれない。本当に貴重な仲間たちだ。だが、このnoteにもあるように、私たちは一枚板になかなかならない。お互い個性の塊みたいな人間たちだから「まとまる」ということ事態が難しい。相手の個性も尊重しているから、そういう遠慮もある。ひるがえって今回のコロナ禍で痛感したがロビイングなんてとても無理。それより自分のやりたいことを最優先させる欲の深い集団なのだ。

でも、ほんとこのnoteの作者のように働けば働くほど損をしている気持ちになるんだよ。わかる。真面目にやっていると馬鹿だなぁって思わせてくれる業界なんだよ。そして有能な人たち(特に女性たち)がみんな音楽業界を離れてしまう。私はなんか、運がよかったんだか悪かったんだか、とにかく取り残されて、寂しいんだ。

悔しいが、日本のエンターテイメント業界は汚い。いつぞや友達のCM制作会社が、某大手芸能事務所に楽曲使用料の件で電話をしたところ、同じ電話で700万下がった…というのを聞いて驚愕した。確かにCMの音楽使用は言い値が常である。が、「いったん上司に相談します」「社内で揉みます」といったクッションもなく同じ1本の電話の同じ会話内で、なんとその金額は700万さがったのだそうだ。その友人の手腕もすごいと思うが、彼は「ヤクザだ…あそこ」とため息をついていた。怖い。怖すぎる。

あと日常的にギャラの未払いはよく聞く。日本人から日本人という話はまだしも、最近は日本人から海外へも。うちにいるとある若いミュージシャン。前のプロモーター(日本人)からの未払いに苦労していた。こんな若い子(20代だった)にこんな苦労をかけるなんて、まったくひどいと私は呆れた。金額は少なかったけどね。逆にこんな金額もすぐ払えないんだ、ということに呆れた。日本人との仕事って、だいたい面白みにかけるが、金払いだけは良いことだけは前提としてあったと思う。日本人はお金はきちんと払ってくれる、と。ある意味世界音楽業界における日本の音楽業界の唯一の信頼だったのに。今じゃそういうことではないらしい。

あと最高にカッコ悪いなと思ったのは、とある割と業界内で名前の知られたおじさん。私の友人とそのまた友人を誘ってランチに行くことになったのだそうだ。誘われた友人は、その指定された超高級レストランに嬉々として行ったのであるが、呼びつけておきながら話の内容は中身がまったくなく、さらに驚いたことに、そのランチ代は割り勘でかつおじさんは手持ちのお金が数円が足りず、おじさんはその場で彼女たちに幾らか借金をした…というもの。これ、超有名なおじさんの話。いや、また返してもらうのにわざわざ会うのも…みたいな金額だったので彼のランチの不足分は彼女たちが払った…だったかな。とにかくよく知られた人だったので、それについては本当に驚愕してしまった。

私もいつぞや「相談があります」と言われて行ったランチで、その会社のえらそうな社長さんまで同席したというのに、結局あれこれ一方的にこちらの情報を引き出され、やっすいランチも割り勘にされ、ちょっと頭に来たことがあった。(沸点、低いですかね? でもそういうの常識だと思う。もっともさすがにそういうセンスもない人たちだけあって、私がアドバイスしたことは何も実行に移されず、そのままフェイドアウトしていったのであった。だからダメなのよね…この手の人は…というのが私の感想 by 黒のざき)

あと、かなり前だがこういうこともあった。とある海外の取引先が来日し都内でミーティングをしていた。そしたら、彼が「次は●●に会うんだ」というから「あら、この前、もう二度とあそことは仕事しないって言ってたじゃん。まだ一緒にやってんの?」と聞けば、「立て替えているお金を会うたびに1万ずつ返金してもらっている」と来た! まったく信じられない。案の定、その人はお金にまつわるトラブルをあちこちで起こしているのが発覚したのだった。そのくせこのおじさんとは大使館のパーティでよく会うんだわ… 私も最初は見てみぬふりをしていたのだが、とあるミュージシャンが非常な高額を未払いにされて困っているのをみかねて、とうとうその人がとある頼み事をこちらに振って来た時にはっきりと告げた。「私は不器用な人間なので、●●(アーティスト名)と貴殿の両方にいい顔をすることはできません」あぁ、もう何がなんだか。

ギャラは、うちも人に自慢できるほど払っていない。でも払うといって払わなかったことは一度もない。

あぁ、もうほんとにどうしようもない。しかし、こういうのも女性プロデューサーが増えると、この辺は結構改善されるように私は思っているんだ。このnoteの作者みたいに正義感に燃えて、きちんと仕事をすることで頑張っている女性はたくさんいる。いや、おじさんが汚い仕事する人ばかりだとは言わないけど、今のままだとそういう誤解を受けたまま音楽業界は沈んでいくだろう。もう終わりだ。終わり。なむ〜

一方でこういうパワハラに悩む女性は多いと思う。でもそれじゃいけないんだ。きちんと仕事をする。ギャラはちゃんともらう。時給600円ってありうるけど、それじゃダメなんだよ。きちんとお金の請求、主張はする。自分が主催もやってると利益が出ないのも見えてしまうから、躊躇する気持ちはよくわかる。でもそれだからといって自分のギャラ、時間を安くしてしまってはいけない。そしてもっと言えることは変わりの効かない自分になることだ。そうじゃないと、こうやって業界の使い捨てみたいな状態になってしまうのだ。

とにかくいろんな人たちにとって、このコロナがいいきっかけになったと思う。一度しっかりみんなが立ち止まってよく考える必要があるのでは?

私はちゃんと自分の仕事をする。今回の超小規模上映会、確かに大赤字であるけれど、ペッテリにはきちんとギャラを払い、納得の上で仕事をしてもらう。今回、ぺッテリから届いた映像は素晴らしく、とても彼らしい仕上がりになっている。どうぞ、ぜひご来場ください。

来週火曜日、18:55からです。詳細はここ。