2020年11月30日月曜日

映画『ベイビー・ティース』を拝見しました。

 


映画『若草物語』で現在ベスにぞっこん中の私には最高の映画「ベイビー・ティース」。ベス役をつとめたエリザ・スカンレンが主演。2019年の作品だから「若草物語」のあとにこの作品に参加したんだね。いやはや、ものすごい映画でした。オンライン試写で拝見しました。ありがとうございます。

16歳の癌におかされた少女。家族はボロボロなだけに、いちいち揺さぶられる。だらしがなく薬中、しかし優しさはあるボーイフレンドは、不器用ながらも彼女を包み込む。そして映画は、余命いくばくもない彼女が必死で恋に生きる姿を描いていく。

ストーリーを読んだだけで、激しくて辛い映画だったらいやだなと思われる方も多いだろう。確かに見ててつらいし、最後は悲しいエンディングになるわけだけど…   なんだろうなぁ、でも妙にドライな部分もある。本人は死ぬことを怖がっておらず、なんというかその死にすらポジティブな意味を見出している。すぐそこに迫る死に。自分の短い人生に。この短い生命の中でも彼女は必死で生きて、恋をしたってのが、妙にうらやましくもなるんだ。この輝きは本物だ。イシグロがよくいう「人間は与えられた運命を受け止める、そしてその中で精一杯の尊厳を維持しようとしていく」ということに通じるのかもしれない。これが彼女の人生のやり方だ、ってことなのかも。このポスターの彼女の髪の色のようにヴィヴィドな世界観で、なんかすごくよかった。スカンレン、すごくいい女優さんだし、何より作品に恵まれている。とにかく全身全霊で最初で最後の少女の恋を演じている。

なんというかティーンエイジャーで未熟な恋なんだけど、無防備な恋ではない。損得なしでまっすぐ人を愛しているようでいて、実は計算づくなのではないかともおもわわせる。そこが、ちょっと『君の名前で僕を呼んで』を思い出したけど、あれとは大きく違う。あぁいう無防備な「痛さ」はない。男の子と女の子の違いかな。あぁ、やばい。でも本当に彼女は私なんかよりもうんと強い。うんとすべてをわかっているような印象だ。

しかしエリザ・スカンレン、すごいね。「若草物語」でも「死ぬのは怖くない」って言ってみせる達観した表情と、持っている人形にご飯を食べさせたり「おままごと」をするベスの両方が素敵に演じられていたけど、今、実年齢は21歳だと思うんだけど、こういう風に16歳の子の役をこんなにヴィヴィドに演じられちゃうのだから、本当にすごい。

ボーイフレンド役、両親役の二人とも素晴らしい。まぁ、それぞれがエキセントリックな登場人物たちではあり、とにかく激しい。どなったり、怒りまくったり、感情爆発させまくりで、もう大変な騒ぎだ。でも、その中でも際立ってパワフルで、かつ力強く、幸せそうなエリザ・スカンレンが演じるこの女の子はすごい。すっかりファンになりました。また次の作品が楽しみ。

公開はまだちょっと先です。2月19日公開予定。

2020年11月28日土曜日

マテウシュ・ウルバノヴィチ『東京店構え』Tokyo Storefrontsをご紹介します




この本、だいぶ前に読んだんだけど、紹介するのを忘れてた。すっごくいい。日本在住のポーランド人イラストレーター、マテウシュさんの作品集。買ったばっかりの時は、トイレにしばらく置いてペラペラと読んでいた。

ご覧のとおり明らかにジブリに影響を受けている世界観のイラスト。でも外国人であるマテウシュさんがこういうお店たちに惹かれるのはわかる。そして、なんというか、小さいところにギュッと理路整然と何かが詰まっている様(さま)は日本の特徴だよね。外国人と一緒に街を歩くと気づくんだ。例えば、幕内弁当とか、駅のプラットホームにあるキオスクとか。普段はこういうの、あまり気にならないのだけど。

数日前にピーター・バラカンさんのジャパノロジーに登場してマテウシュさんが紹介されていたのをツイートしたら結構好評で、そういやこの本紹介してなかったよな、と、思い出したのでした。私も当時ポーランドのことを勉強していてこの本に出会い、そしてそのまままだ紹介するのは早いと思って保留にしていたのを忘れていた。番組はこちらで2023年3月まで視聴することが可能。ぜひ。

この本の最後に登場する同業者の奥様も番組に登場しています。





マテウシュさんのイラストには人間が出てこない。それについてはピーターさんが番組でつっこんでいたのでぜひ番組を見てください。そして下は取材中のご本人と奥様だそうで…(笑)




2020年11月27日金曜日

休むのが下手な自分のGO TO雑感 2

連休で混む前にということで、実は先日またもやGO TOしてきた。今回は前回とは比較にならない値段が高いところに泊まってみた。こんなにお金を使ってしまうとは、私もストレスがたまっているのかもしれない。

でもって、またもや観光なし、泊まってごろごろするだけの温泉旅行。普段なら絶対に取らないような、いや、取れないようなかなり豪華な旅館である。結果、割引率が非常によく、値段は前回の旅と比較しても10,000円くらいしか変わらない。が、この差はどうだ! 実際思ったのだけど中途半端に値段の場所に泊まるより、GO TOではこういうところに泊まった方がいいのではないかという結論にいたった。なので、これからGO TOされる方は、予算が許す限り豪華なところに泊まってみたらいいと思う。

(1)やはり夕食よりも朝食がありがたく感じる。夕食もいいのだが、結果4食続けて和食だったりした日には豪華なご飯も結構飽きる。今度から旅館のご飯は朝食のみでいいかもしれない。

(2)また地上波を見まくってしまった。そこで気づいたのだが、地方TV局のコロナ感染者に関する報道が素晴らしすぎる。東京だと何百人もいて「統計」でしかないのだが、地方だと10名、20名であるせいか、しっかり一人一人の事例をあげて、この方はここで感染したと思われますとか、この方は事例No.xxの家族の方です、とか、細かく案内があるのがすごくリアルで素晴らしい。というかそういう県庁の記者会見があり、それを地元のテレビが中継している。

特に「集団飲食から感染した方」の様子などは事細かく説明され、40平米の店で20名いました…とか、加えてそれをイラストにして机の配置や人の配置などイメージできやすくするなど、非常に丁寧に説明されるのだ。これは便利。都内でもこういうのやってほしい。というか、都内でもやっているのかな、地元の足立区とか、北区とかの単位で。私が知らないだけか?

それにしても思う。地方など広い県内でたった一人、たった10人という場所もあるわけで、それが東京や大阪などといった大都市圏と一緒に自粛を強要されるのは、どうしたものか、と思う。とはいえ、いろいろ想像するに、やっぱり難しい。

(3)コロナ対策。今回泊まった旅館は、結構な巨大なホテルで激混みとは言わないが、お客は50名くらいいたとは思う。仲居さんによると「毎日が土曜日」という雰囲気なのだそうだ。

夕食は部屋食、朝食は大会場食だったが個別の和定食で提供されるもののおつけものと飲み物だけはセルフで自分で取りに行くというシステム。もちろんトングなどは使用済み・使用前にわけられきっちりと運営されていたのだが、20名にひとりくらいはマスクをしていない客もいる。

実はエレベーターで私が朝食会場に降りていくと、途中からエレベーターにのった夫婦(40代くらい?)がマスクをしておらず、マスクをしている私を見て「あっ、マスク忘れた」と奥さんの方が言う。旦那の方は「食べに行くだけだし大丈夫でしょ」とかなんとか言っている。エレベーターの中でも二人はぺちゃぺちゃマスクなしで話をし、かつ、お漬物ビュッフェを見おろしながら、お漬物の上でぺちゃぺちゃしゃべっていた。こういう人がスプラッターになるのかなと思った。でもこういうお客に「もしもしお客様…」とかスタッフや他のお客が注意するのも難しいよね。うーん、本当に悩ましい。ほとんどの人がいろんなルールを守っているだけに…。あまりマスク警察したくないけど、考えるよな。

(4)ひとりプラッと旅が許されている旅館だが、本当にひとりで来ているお客は少ない。多くが高齢の夫婦か、今流行りの50+80という組み合わせ。ひとり客は初日の朝食会場では私ひとり。2日目の朝には私以外に男性客が1名いた。

(5)編み物は抜群に進む。入院していた時は検温に来た看護師さんたちが口々に褒めてくれていたから調子にのってますます進んだが、今回は仲居のおじょうさんにヨイショされ、ついつい進行具合を自慢してしまう私。あぁ、単純すぎる(笑)でも、はい、そうです、褒められて伸びるタイプです。

(6)地域なんちゃらクーポンがあまったので、それを消化すべく思いきってマッサージを頼んでみた。10分1,000円の都内相場からするとちょっと高め。でも…、これが!! 実はものすごくよかった。魔法の足つぼマッサージである。普段から足裏のマッサージは強いのが好きな私であるが、この先生(先生と呼ばせてもらおう!!)はまったく強くない。しかし的確にこちらの好きなところを攻めてくるのだ。

あと都内のマッサージ屋でよくある新人セラピストさんがやるマッサージによくある左右まったく同じことをする、というのがないのも素晴らしい。もうベテランな感じがその動きから伝わってくる。私くらい身体がまがっていれば絶対に右と左の悪いところは全く違うはずである。だから右と左の攻め方がまるで違った。すごい。

終わったあと「このメソッドは中国式とか英国式とかあると思うんですが、これは何式というやつでしょうか?」とうかがったところによると、それに対する答えはなく昔は「棒」を使っていたそうである。いわゆる「指圧」の発展系か? とにかく今までにないマッサージだった。でもそういう私の言葉に気をよくした先生は「ここ痛いでしょう」「ではここにパワーをいれますね」…と10秒くらい何やら私の足をさわっている。そして次にそのスポットを触った時は痛みはまったくなくなっているのだ。魔法みたいだが、本当なのでしょうがない。地方には本当に魔法使いみたいなマッサージの先生が存在するのであった。特に温泉宿激戦地域には…。ちなみにチェックアウトの時にフロントの方に「すごいマッサージでした」とお礼をお伝えしたら、このマッサージの先生目当てでここに泊まる人もいるのだと言う。すごい。

(7) あと感激だったのは、仲居さんにあげたチップについて領収書まで出た。最近はこういうシステムになっているのだな。すごいプロフェッショナル。(仲居のお嬢さんはしかも2日目は私にプレゼントだと言ってスイーツを持ってきてくれた。いや、そんなにチップ弾んだわけではないのに)でも「野崎さま」とか呼ばれ、ちょっとしたお金持ち気分である。これは、やばい。私も思わず常連になってしまいそうだ。GO TOがなければとてもじゃないけど泊まれない高級宿だが。うちのバンドも連れてきてあげたいなぁ。ヨハンソン様とか、クロフォード様とか呼ばれちゃうのかなぁ(爆)

(8)またもやひたすら考え事ばかりしてしまい、あまり気分転換にならない。でも考えたことで忘れたくないという意識が働き、ブログネタがひたすら浮かぶ。これは良いことなんだろうか。

(9)JR。新幹線はやっぱり高いんだな、そして新幹線は距離の処理能力がすごい=速いんだなというのを改めて実感。前回のGO TOと都内からの距離は同じくらいなのに、普通の特急だと乗車時間は倍かかっている。そして乗っている時間の割に今回は1,000円高いだけだったりする。また特急電車のナレーションは新幹線と違い、録音ではなく電車にのってる運転士さん・車掌さんが自分でやる部分が多いのだが、日本語で長々説明したあと、最後に英語で「次の駅は〜」とか英語での説明はたった一言で終わったりする。ちょっとロスト・イン・トランスレーションっぽい。でも英語を自分の言葉で言う車掌さん、素晴らしいと思う。頑張ってください!

移動中のお昼はチョコレート…ではなく


焼きそば! またもや「箱弁当」(笑)


すごいお部屋。普段なら絶対に泊まれない…


編み物が進むよー



朝食は夕食よりも嬉しい。もう朝食だけでいいんだけどな…


コロナ第3波でゆれる日本。どうなるGO TO…だけど結局のところ、GO TOとは調整が常に必要なもの。加えて一時的な措置。それにしたって、もちろんその微調整におけるちゃんとした指針も発表してくれということはあるにせよ、まったくの黒白ということではないと思う。アクセル踏んだり、ブレーキ踏んだりしながら、なんとかやっていくしかないんだろうとは思う。観光地へ行き、そこのみなさんの大変さを目撃すると本当にそう思う。そして先日の安藤先生の講座じゃないけど、ビックピクチャーを見ることも大切で、今回出ているこのGO TOをこの先の何に結びつけるべきか、いろいろ考えていけたところが生き残るんだろうと思う。一時的な措置じゃ、あんまり意味がないしお客は返って離れてしまうようにも思う。例えば今行われている飲食店の営業時間短縮という措置には疑問が残る。なんというか、ポイントはそこではないようにも思える。

音楽業界も同じだ。旅館の皆さん、本当に頑張って!!!! あぁいうすごいマッサージとか、お湯の素晴らしさやお料理の素晴らしさや、培われたサービスのクオリティなど、一朝一夕ではなりたたない。そういうものを絶やしてほしくないんだよね。

しかしGO TO。このあとどうなることやら。一応来月頭に予定していた先輩とのバス旅行はちょっと怖くなりキャンセル。というか、バス旅行はお腹に不安をかかえた私にはハードルが高いというのもある。そして、そのあと、某山の温泉にこもるGO TOも予約してみたけど… どうしたもんか。キャンセル料はまだかからないようなので、もう少しコロナの様子を見て、検討する。

角幡唯介さん『そこにある山』ふたたび

今年の私的ベストノンフィクションは角幡唯介さんの『そこにある山』、そして木村元さんの『音楽が本になるとき』のどちらかだと思うのだけど、数日前に聞いた角幡さんの出演したこの番組がすごくよかったので、ご紹介しておきます。ぜひぜひみなさんに聞いて欲しい。勇気をもって何か一歩踏み出したい、と思っている人に聞いてほしい。100円。

角幡さんいわく「なんで結婚したんですか?」と聞く人には「結婚してない人が多い」という。なるほど、そうかもしれない。

あと「結婚をリスクだと考えるのは男性的な発想なのかも」という角幡さんの言葉にどっきり。うっっ、やばい。私も結婚はリスクだと思ってる。でもそうだよね。これは女の発想ではないのかも。男と、あと自立の自由を手にした女の考え方なのかも。だって自由っていったん手にしちゃうと、あとはもうすべてリスクとしか思えないんだもの。

でも角幡さんの言う「自分という固有度がかたまってきたからこそ自由である」って考え方いいよなぁ!! 私も20代とかの、悩みまくり&愚痴りまくりの自分には戻りたくないよ。今の方がうんと幸せだ。もちろん若い頃、悩んできたから今がある、とは言えるけど。

うん、がんばろ。

2020年11月26日木曜日

この冬のケルト関係のニュースをたくさん紹介しましたー


この冬、ケルトを満喫できるイベントがオンラインでもリアルでも。

たくさん紹介しすぎ? でもどれもぜひぜひ参加していただきたい充実の内容です。コロナ禍でいろいろありますが、例えばあのケルティック・クリスマスがオンラインで無料で見れるのだから、すごいです。普段はチケット買って5,000円とかするわけですから。

ぜひこの機会をお見逃しなくーーー

下記にもう一度リンクを貼っておきますね。詳しくは記事、もしくは各リンク先へどうぞー

■ケルティック・クリスマス

■フェーレ・トーキョー

■山下直子さんの講座

■小泉八雲

■「クリスマスの小屋」

(c) Tourism Ireland




2020年11月24日火曜日

東洋大学公開講座『アイドル・ビジネスの現状と将来像』にうかがいました。すごく興味深かった!

 


東洋大学の公開講座に伺いました。結論から言うと、めっちゃ刺激的で充実した講座でした。いや〜 安藤和宏先生のキャスティング、大成功だっと思います。ありがとうございました。参加できてよかった。自分的に忘れたくないことをここにメモっておきます。発言者の意見など、私が受け取ったままに書いたので、もしかしたら発言者様ご本人が意図されていないような解釈だったり誤解があればすみません。文責はすべて私にあります。

安藤先生のイントロに引き続き(あぁ、もう馬鹿な私。遅刻して半分以上聞けず)、まずはオフィストゥーワン(元AKS)の加藤邦明さんのお話。

まずはこれでアイドルビジネスに関する頭の中がぐっと整理されました。ものすごくわかりやすかったです。まずアイドルビジネスとはなんなのか。今のアイドルは3つの柱によってなりたっている「コンセプト」「大人数」「箱型」。これにのっとっていくことで「事業化しやすい」アイドルのファンになる人。欧米や韓国に多い完成型のアイドルと違って、未完成アイドルを応援していくのは日本のスタイル。推しメン(応援してるメンバー)の成長を楽しみたい。達成感を一緒にあじわいたい。なるほど! ファン同士のコミュニケーショも大切。人気のバロメーターをCDにくっつける最大の理由は、オリコンやメディアに載るときにデータでわかりやすいから。ファンがもとめる物は「肖像商品」「接触系イベント」そして「認知(本人に覚えてもらうこと)」。

アイドルの市場というのは例えばアニメが598万、漫画640万から比べるとたった280万。ただしひとりが費やす金額が年間2万程度の漫画・アニメ市場にくらべ、アイドルのファンはひとりがついやす金額がなんと年間10万。(すごい…)現在は供給過多な状態でファンの取り合いになっている。インディーズのアイドルはコンサート事業、そしてMD(マーチャンダイジング)事業の2本だて。ライブもノルマなし、パーセンテージのライブハウス公演が多い。MDもチェキなど原価1枚60円程度で全くリスクがなく、いきなり参入しやすい。一方のメジャーの方は音楽事業、握手会(セキュリティ、会場など結構経費がかかる)、MV製作などもすごい金額。コンサート事業もチケット収入だけではかなりきつい。広告出演はあったとしても一時的なことが多い。

次の登壇は原一博さん。豪快な関西のおじさんという感じで、すごくお話もおもしろかった。タイアップのメリット・デメリット。私自身は放送局が音楽出版やなんちゃら製作委員会みたいなものを持つことに対してはネガティブな意見でいるのだけど、現場の苦労があるのだなぁと妙にしみじみ。ドラマのタイアップ中心に語られたのですが、ほんと良い作品を作るということでチームがまとまっていかないとダメだよなぁとつくづく。そして出版の取り分については「ルールはない」「ぼんやりとした業界慣習があるのみ」なので、「もめがち」だということ。タイアップのメリットはたくさんの人に聞いてもらえる。ファン以外にもリーチできる。デメリットは出版など権利を渡さないといけない。

プロデューサーがドラマのイメージとあわせて決めたものは世界観が統一されて良いタイアップになることが多い。しかし現状なかなかWin Winにならない。(ちょっと日向敏文さんの「ひだまりの詩」のエピソードを思い出した。あれは主題歌は別にあって、単なる挿入歌だったのに、こちら方がヒットしてしまったという結末だよね。要は視聴者に音楽の気持ちが通じるかってことなんだとは思うけど)結局のところ映画もそうだけど、ドラマも監督であり、プロデューサーだよ。テレビの現場も本当に苦労がありそうだ。

タイアップうんぬんはあるにせよ、アイドルの世界はその点、自前のファンでもう体勢はオッケーなので、攻めた楽曲で勝負することができる。必要以上にタイアップに依存していない。実際、2000年以降、必要以上にタイアップをありがたがる必要はないと思う、というご意見。これめっちゃ響いたわ。だって私がレコード会社にいたころ、一番重要視されたのは「タイアップ」だったから。今はもうそういう時代じゃないんだわ…

ちなみに、これは懐かしいメアリー・ブラックが採用されたJR東海のCM。なつかしーーーっっ。ちなみにこれもメアリー楽曲のサブ出版を持っていた某音楽出版社の梅ちゃん(お元気かしら)が決めてくれたのだった。こうやって権利を「振る」ことでタイアップというのは出来上がっていく。


続いて丸谷マナブさん。ソニー・ミュージックパブリッシング所属の作詞・作曲・編曲家、音楽プロデューサー。私ったらほんと音楽業界の常識知らなかったんだけど、オリコン年間セールス作曲部門で1位を取ったり、紅白で3作品も歌唱されたりと、ものすごい売れっ子さん。ご本人「慣れてなくて」とおっしゃっていたけど、これがめちゃくちゃ誠実で、すごく良いことをたくさん話されていた。楽曲コンペの現状。その良いところ(参加することによって、結果たくさん書くことになる。作曲の筋トレみたいなものとも言える、と。なるほど)、悪いところ(足をつっこむと常にコンペのチャンスがくるので気にしだすと重圧の下にいることになる)、など。コンペではAKBクラスで300から500曲くらい秋元さんのもとに届く。おそらく1,000曲くらいは事務所に届いているはず。結果作品たちはゴミ屑のようにあつかわれる。これをメンタル的にどうとるか。いちいち気にしない。感情押さえる手法が大切。生きてるといろいろある… この辺のくだり、ご本人は謙遜されてたけど、めっちゃ響いた。(っていうか、これ、今のコロナ禍も同じような感じだ。数字に一喜一憂してはいけない。とにかく自分のやるべきこと=手洗いマスクを徹底させる)

アプローチについて。合格というその1つの席をどう掴むかということについて:「半分は運」だという謙虚な丸谷さん。最初の曲がAKBに採用された当時は、他のアイドルにもとにかく全方位的に書き始めていた時期。秋元さんは新しいものを使う傾向にある。新しいセンスを常に探している。そこにたまたまタイミングがあった。

そのあと、外国人の作家と共作できるチャンスも貰えた。例えばMステの特集みたいなのを見ていて、自分の曲がミスチルやら何やらと一緒に流れたりすると、これがその楽曲の完成系なんだなと思う。作っているときにはまったくわからない。作っているときはぼんやりしている。(これ、素晴らしいよね。作っているときはまだぼんやり。でもTVで流れて届けられて初めて完成型!)

楽曲発注の際、お題がくることがある。フレンチポップス風に、とか…  そういうとき、こういう映像みて勉強したりするんだそうです(笑) 丸谷さんの中にはフレンチポップスというカードはなく、だから音楽性よりもレトロ感、音が悪い(いい意味で)感じ。そこを発注先からの発注と受け取った。そういう自分には不得意なものと、自分の得意なもののクロスオーバーする部分を出していく。


また発注をもらったときは、その歌手の音域や声の質、雰囲気なども、ものすごく勉強するのだそうです。そして作り込んだLogicの画面を見せてくれたけど…120トラック(だったかな)とにかくすごい!! でもいったん提出したら、深追いしない。それが重要なんだって。でもこれすごすぎるよー。

ここで紹介されたLittle Glee Monster。初めてしったけど、これ悪くないじゃーん。っていうか、めっちゃいいじゃん! こういう子たちにケルト音楽やらせたら、おもしろいかも。そういや、AKBだかなんだかでフィンランドのトラッド歌ってた子いたよね… このビデオもすごく面白い。


あと丸谷さんの言ってたことでいいなぁ、と思ったのは「手応えと採用率とはまるで違う」ということ。他の登壇者の方もこれについては「作家はみんなそう言う」と同意されていた。あと、音楽業界で生きていくのに必要なこと。「好きであれば、頑張れる」これもよかったね。会場を埋めていた若い人たちには響いたのではないか。

最後はパネリストのみなさんによるディスカッション。印象にのこったことをメモ。

最近の音楽業界は大型フェス、そしてアイドルビジネスに支えられていた。アイドルビジネスは最近の音楽ビジネスにおける正解の一つだった。これが現状のコロナ禍でどちらもNGに。

With コロナのアイドルビジネス 劇場は少しずつ再開。キャパ250人の場所に40名(きつい…)。CD買ってくれたお客とは4m離れて対面。スマホのアプリで10秒接触など…
実際握手会がないとCDが出せず、リリースは圧倒的に減っている。配信ではアイドルは非常に弱い。根本的な解決策がない。

配信ライブについて。ライブ配信とか言うけれど、やっていることは放送(WOWOWや、NHKがやってきたこと)と一緒。結局コンサートの代わりにはなれない。チケット代は半分でも高く感じる、コンサート事業をささえてきたMDが売れない。また各家庭の状況も問題。よくてTV。iPhoneから聴いても、まったく迫力がつたわらない。

あとここで安藤先生がめっちゃ重要なことを言った。やる方も、どう魅力的にするべきかが大切。たとえば某ライブ配信ではテレビにつないで大画面で良い音で楽しもうとしたらセキュリティの関係でそれができなかった。ノートパソコンでみて、魅力が半減だった。そもそも配信ライブを今この苦しい状況下での「代打サービス」としてしか考えてないのが問題。この場の代わりとしか考えていない。やる方も相当気をつけないとダメだし、続いていかない。

またアーティストの立場から言えば、生ならミスっても許されるところをアーカイヴされると本当に辛い。(これ、めっちゃ気持ちわかるわー)通常のライブDVDとかは、相当なおしてしる。生ライブであれば、一回切りでミスも許される。でも配信では家庭の電波状況やリスクがあることから、現状ある程度のアーカイヴは必須なので、配信はアーティストにとっては非常に痛い。Withコロナと思いたいけど、配信向けの何かもっと違うものを考えないとダメだと思う。ただしアイドルビジネスにおいては、好きな子だけが映るカメラを買うとか、今後のポテンシャルはあるかもしれない。

あと男性アイドルは固定メンバーによるヒットが多い、女性アイドルは流動的だということについて会場から質問が出たのは興味深かった。これ深いわ。加藤先生が「男女の人生の歩き方の違いかもしれません」と上手に答えてらしたけど。

あと韓国のアイドルの人たちは英語がすごくうまい。日本人は歌も踊りも未完成で、英語が下手。(まぁでも日本市場だけでも十分に大きいということが邪魔しているのかも)

あと会場からの質問で「名前をどっちが持つか問題」について。安藤先生より回答。アーティストの潜在的能力があり、それを開花されせるのが事務所なのだから、何か良い解決方法をさぐるのが大事。誰が得をするのか、Win Winにするにはどうしたら良いのか。文化なんだから、という言葉が印象的でした。

それにしても充実した内容で、長時間の割に一瞬も気が抜けなかった。もっとメモりたいことがたくさんあったよ。講師の先生がた。ありがとうございました! 来年は違うテーマなんだろうけど、絶対に来年も行こうっと。


安藤先生の名著「著作ケンゾウくん」これはKindle Unlimitedだと無料なんだよ。すごいでしょ。ぜひ。

2020年11月23日月曜日

『Wolfwalkers』やった〜 アートブック到着! 絶賛上映中。

 映画を見てめっちゃ感動し思わず購入! カートゥーンサルーンのアートブックはどれも素敵なんだ… 映画『ウルフウォーカー』




そしてやっぱりマーケットのシーンで出てきたミュージシャンたち。間違いなくキーラだったよ!! わかるかな。左からローナン、ディー、カラム兄ちゃん、ロッサ、そしてブライアン…  本当に一瞬なので、目をこらして見てね。




まだまだ上映中。まだ見てない人は早く行ってねー。劇場リストはこちら。日本全国あちこちでも上映範囲が広がっています。ぜひ。


2020年11月22日日曜日

サラーム海上さん 『SouQ』ポーランド大特集!! 




一冊まるごとのポーランド!! 素晴らしい〜。これは濃密な内容です。
ポーランド・ファン、必須アイテム。


食べ物、音楽、すべて素晴らしい〜。
音楽紹介のページではヤヌシュ・プルシノフスキ他、
Bandmastersのご紹介もいただきました。
そして、読みながら食べ物もまだまだ制覇できてないなー 
たくさんのスープそして次回は必ずベーグル類もためしてみたい。


サラームさんといえばたくさんの著作、ラジオ、レクチャーなどが有名ですが…


最近はこんなオンラインサロンも開設したそうです!! 楽しそう。



ポーランドといえば映画祭も現在開催中。26日まで。
しかしポーランド文化関係者みんな頑張ってるなー 私もがんばらくちゃ!







ポリタスTV ホームレス記事の炎上について


 


なんか最近はインターネット上で「炎上、炎上」って多くの人がさわいでいても、自分ではなんのことだかまったくわからないという事象が多すぎる。ネットの世界も、実世界に近くなってきたんだろうなぁ。炎上している当人と騒いでいる一部の人たちにとってはビックイシューなんだろうが、まったく気づかずに終わっていることが多い。

という中、このCakesの件も、まったく知らなかった。こんなことで炎上するのか…と半ばあきれつつ、すごく興味深くこの番組をみた。本当にライターさんたちが気の毒ではある。

この件がすごく気になった理由の一つに、これ、自分にも思い当たる節があるからだ。うちは荒川土手にあるのだが、散歩したりランニングしたりしていると土手にいるホームレスの方々の家が目に付く。みなさん、すごく綺麗にしてらして、探検家をめざしたい私にとっては不謹慎ながら、あぁいう生活にとても憧れる部分があるからなのだ。私だって、素敵なビニールハウス、段ボールハウスを写真にとってブログの1本でも書きかねなかったかもしれない。しかもホームレスの方を支援するような活動はたまに買うビックイシューくらいで、まったくといっていいほどできていない、この私が…

こういう考え方の危険性というのは、とても大きい。まさに津田大介さんと安部敏樹さんの言うとおり、そこには「ホームレス」という個人だけではどうしようもない社会構造上の問題があるからだ。そしてその社会構造に自分も加担してはいないかと疑うことが本当に大事だという安部さんの言葉にドキッとした。

安部さんのお話はすごく参考になった。現場をやっている人ならでは説得力がある。それでも現場をやっているものとして、そのイシューに対して意見を述べる何もしていない誰かを「あなたたちは何もしていないでしょう」と討論の舞台から引きづり下ろすことは絶対にしてはいけない、ということにも安部さんは言及されており、これにもドキッとした。これ、すごく重要なポイントだ。実践している人も、していない人も、やろうと思っていてもできていない人も、社会のことをみんなで考えていこう。それが重要なのだから。そこがポイントなのだ。

気づきの多い回でした。なおポリタスTVは基本You Tubeとかで24時間無料で見ることが出来、その後有料になっちゃうけど、Vimeoのチャンネルでこの番組見ることができます。私も購読してますが、とてもおすすめです。ぜひぜひ。あと、同じテーマを取り上げたAbemaTVでの議論もすごく面白い。(ところでメイロマさんって初めて姿みた…アベマに出演されているんだね)

2020年11月21日土曜日

小松由佳『人間の土地へ』を読みました。パワフルな一冊。



角幡さんの帯コメント、ピーター・バラカンさんもツイッターでプッシュとなれば読まないわけにはいかないということで、何も考えずポチったが、いやー なるほどパワフルな本でした。圧巻。ノン・フィクションってやっぱりいいよなぁ。

著者はK2を踏破した小松由佳さんという方。女性で世界で8人目。日本人女性としては最初の登頂だそうだ。この危険な登山から無事人間の土地へ戻り、混乱の中東シリア、その後は日本で試行錯誤する自分と家族のことを書いたもの。それにしても危険、危険、危険という連続で、ぐいぐいぐいぐい読ませる。

とにかく何も考えずポチり、本の舞台が中東と知り、うっっ、世界情勢については知識のない、特に中東情勢とか全然わかってない自分が読んで大丈夫かといっしゅんひるんだのだが、読み始めてみたら、ぐいぐいぐいぐい読み進むことができて、かつイスラム文化の知らないことがたくさん出てきて、なんというか「すごいなぁ」と思いながらも読書タイムを満期していた…  のだが。

が、が、本当に残念なのことに、これは私の勝手な反応なのだが、恋愛話が出たあたりで自分の読むテンションが「なーーんだ」と、がっくーんと下がってしまったのだ。このまま中東の硬派な何か、自分の生き方の参考になるような強い何かにつながっていくのかなと期待していただけに…  あー

厳しいことを言うが、いや、ほんと女の読者は女の著者に非常に厳しい。リアルな知り合いである女性のエッセイストやノンフィクション・ライターが口を揃えて言うことの一つに、自分のことを書くときには恋愛沙汰を書くと編集者(ひいては読者)の受けが良いという話だった。それをちょっと思い出してしまったのだった。が、そういう要素は読者の立場の私にとってはマイナスでしかない。単なる好みだけどね…

と、まぁ、このようにガクーンと途中でテンションは一瞬さがったものの、それでもこの本は最後まで私を捉えて離さなかったね。とにかく最後まで一気に読んでしまった。それはもう果てしなくパワフルな本だったと言える。うん、「パワフル」という言葉が一番しっくりくる。

「野崎さん、言っていることがわからないよ。女性ライターには、恋愛沙汰は書くなって言ってるわけ?」と聞かれると、いや、そういうわけではない。ただ私の理想とは違っていると言うことだけで、この本が素晴らしい本であることにはまったく間違いはない。それにこの話は彼女がシリア人男性であるラドワンさんと結婚し、彼が日本に移住し、彼らに子供がうまれたことも書いているわけだから、そういうことも書かないとお話として流れが成り立たない。場合によっては二冊に分けてほしかったかも??とは思うが、そんなことは外野の単なるわがままである。この本には彼女の生き様がしっかり刻まれている。なんというか、こっちの勝手な思い込みかもしれないが、きっと嘘は書けないタイプのまっすぐな方なんだろうな、と想像する。小松さん、著者近影で見ると柔らかいソフトな感じのするルックスなので、なにかとても意外である。今はそんなわけで子育てでお忙しいと思うが、また取材してほしいし、もっと中東のいろんなことを書いて私たちに教えてほしいと思った。とにかく素晴らしいライターさんだよ。

内容にちょっとだけ… ラドワンさんが日本のお寺でイスラム文化を紹介するエピソードでのお坊さんたちにのカレー話はちょっと呆れたな。これは「郷にいっては…」とレベルの話ではないだろう。豚肉、豚肉エキスがNGだと前もって伝えてあるのだから、これは私はお寺側の受入のレベルが低いと思うし、著者もラドワンさんも実際もっと正面から怒っていいのではないか…とも思った。どうなんだろう。

まぁ、それにしても彼女の生き様が書かれた、とにかくすごい本。おすすめです。

権威ってこういう時のために使うもの

いい話だと思いませんか。 

ウィーンフィルの皆さんも、お疲れ様。

そこで今日のブログ・タイトルに戻る(笑)

「権威」ってこういうこと。一番の誰かがこういうことを先陣切ってやっていかないと、誰もあとに続けない。これが権威をかかげるものの義務なのだと思う。いや、こういう積み重ねが「権威」を作り上げる最大の要素になっていくのかも。ウィーンをウィーンたらしめているもの。お金持ちをお金持ちたらしめているもの。

そして芸術が大衆のものだった時代は終わるのかも、と。マスに売っていくという作業はもうありえなくなるのかもしれない。そんなことも考えたり。

今日も張り切っていきましょう。世の中は三連休とな…


2020年11月18日水曜日

絲山秋子さん『豚キムチにジンクスはあるのか』を読みました。いや、爆笑でした。爆笑!!




久しぶりに絲山本行ってみるかーと積んである中から救出。いやーーー爆笑でした。あっという間に読めちゃった。

そう絲山さんは「おもろい」のだ。しかしこれHanakoで連載していたというのだからすごい。Hanakoを見る目が変わった。こんなおもしろい雑誌だったのね。でも絲山さん、時々うつ状態で食べれなくなっちゃったり、食べられないからこの連載が書けない…とか、とても大変そうである。が、すみません、やっぱり不謹慎にもあれこれ仕込んである爆笑ネタに大笑いしてしまいました。読んでて楽しい本です。

あいかわらず群馬ラブにあふれるエピソード。例えば群馬の野菜は冷蔵庫に入れたら負け。冷蔵庫に入れた途端東京の味になってしまう、とか(笑)。しかし一人暮らしにはポーションがあまりに大きい。舞茸とかすごい量で、ずっと延々食べても食べても減らない。

最後のお父さんのお料理、顔や視線をあわせずに実家をさりつつも「ありがと」というところなど、読み応えというか、しっかりとした一冊の本としての読後感も素敵。

それにしても爆笑だったのが冒頭の「力パスタ」(ちからぱすた)。お餅が入ってるんですよー パスタに!! 最初「えーーーっっ?!」と思ったけど、でも読んでみるとちょっと自分でも試してみようかなという気になるから不思議だ。

一方で、そんな疑いなど微塵もなくすぐ真似しようと思ったのが「ヘナッポ」=「へっぽこナポリタン風ソース」、これは爆笑だった。私もやってみよう。トーストに乗せたら、たしかにすごい美味しそうである。

あと時々挿入されるイラストもいい。絲山さん、そういうきのこ、フィンランドやスウェーデンの森の中にいくといくらでもありますよー。(詳しくは本のイラスト参照)

あとデートでもらったという卵が美味しそうで、その描写にやられた。いいなぁ、黄身がオレンジ色でパンチのある卵。それにしても群馬おそるべし。

絲山さんの本はまだセネガル本(こちらもエッセイ)が積読になっちゃってるので、これを読み終わるまでは新しい絲山本を買うのを自分に禁止しておく。早く読まなくちゃ〜。

PS
ところで群馬グルメ情報。絲山さんに教えていただいたこの発酵バター、絶品でした。また購入しようかなっっ〜

2020年11月17日火曜日

休むのが下手な自分のGO TO雑感

GO TO TRAVELしてみました。GO TO TRAVELってなんか英語の表現としてみたら坐りが悪いよね。なんでだろ。今後はGOの後に、なんでもTOつけちゃう日本人間違い英語の温床になりそうだ。

それにしてもGO TOってTRAVELにしても、EATにしても、いろいろややこしいと思う。と同時にこのシステムを構築した人のアイディアや考え方も随所に見られて、今の日本では、こういう場所いしか落としどころしかなかったのかなとも思う。何はともあれ、普段税金を払っているんだから、こういう補助金は使わなきゃ損、損…と思いつつ。

GO TO TRAVELについてちょっと書くと、なんだかんだで代理店経由で申し込むのが早い。決済の段階でしっかり割引が還元される。私は普段ツアーでもお世話になっている楽天トラベルから申し込みました。クリックひとつで簡単に完了。楽天ポイントもつくし、なるほど、これはすごい割引率だわ…。

なお行った先で使えるという地域なんちゃらクーポン。事前に「結局使えない店が多い」という悪い情報はキャッチしていたのと、私よりとっくに早くからGO TOしているサラーム海上氏から「あれはややこしいし、お釣りもらえないから、スマホより紙で貰っちゃった方が早いですよ」というアドバイスを受けたり(そういうサラーム氏は使えるところがない!と行った先の薬局で普通に常備薬を購入したらしい)…。私の場合は泊まっているところで、チェックインのタイミングで紙ですぐ出してもらえ、かつそれを館内での飲み物の追加やお昼を食べるときに使えたので、よかったのであった。お得感満載である。

まぁとはいえ、すべてこれらの「お得」を目指してあれこれ調べたり勉強したりする時間など考えると、本当に「お得」なのかなぁという疑いも頭をもたげる。文化関連の助成金の申請をしているときと一緒だ。この雑用やってる時間の方が、たかだか少額補助されることより絶対に大事なのでは?という疑問が浮かばないわけでもなく。

ただ、何度もGO TOしよう!と決めた人には、慣れてしまえば良いシステムなのかもしれない。

いずれにしても、そもそも温泉で休むというコンセプト自体が自分の中にないので、本当に新鮮だった。実質数千円だというのに、ご飯は自動的に出てくるし、お布団ふかふかだし、お風呂も入り放題で、こんないい思いができるのならということはある。ただしGO TO TRAVELにおいて一番割引率的に割がいいのはかなりな高級なホテル。4万クラスのところに泊まらないと利益は大きく出ない。何よりそれを言い訳にして、返って使わなくてもいいようなお金を使ってしまう。…  なかなか微妙だ。というかかなり微妙だ。

いずれにしても普段「温泉に行ってゆっくりする」という生活様式が自分の中に存在していない私にとっては非常に微妙な旅であった。人間、有事といえども普段やってないことは上手くできない。つまりはそういうことだ。でも温泉のおかげか、とにかくよく寝たし、食べたし、腰痛や肩こりはだいぶ楽になったようには思う。

まず自分的に結構ヒットだったのは、新幹線に乗る前にお弁当とやらを作ってみたことだ。おにぎりではなく、お弁当。前日に炊き込みご飯を作り、それを空き箱に詰めて、上にあれこれ載っけただけだが、やったことなかったから、なかなか新鮮な行動だった。自分でも感動した。お弁当箱はもちろんいくつか持っているのだが、このやり方だとそのまますべてゴミ箱に捨てられるので超便利。


そして温泉に入り、映画でもみるか…とまたもやこの映画(笑)


見逃し配信みてたら時間はあっという間にすぎていく。



編み物はおかげでだいぶ進んだけど…

以下、自分のGOTO 雑感。自分用のメモ。より良いGO TOのために何が必要か等々。

(1)好奇心がむくむくと湧くが、好奇心は自分を忙しくしている最大の要素なので(本を読むとかネットサーフィンして止まらないとか)気をつけるべし。とにかく観光はしないと決めていたけど、行くと「あ、あそこが近い、行ってみようかなぁ」という誘惑にかられる。特に今回行ったところが山だったので、自分も登山のガイドマップなどを眺めているうちに、自分でも登れるのではないかという気持ちがむくむく持ち上がる。こうやって人はシニア登山みたいなものにハマるのか。シニア登山にしても観光旅行にしても、はまるのはおそらく非常に簡単だ。景色は綺麗だし、あそこに登ったという達成感も得られるんだろうし。でも自分が一番になれないのなら、着手してもしょうがないという「めんどくさがり屋の完璧主義」の性格がそれを邪魔をする。複雑だ。

(2)平日なら空いている。平日時間が自由になる人なら、やっぱりGOTOした方が良さそうだ。とにかくご飯が自動的に出て(特に朝ごはんがでるのは嬉しい! 夕飯よりもずっと嬉しい!)、お風呂が自動的にそこにあって、もうそれだけで幸せは幸せである。

(3)一人で行動することに対して世間の風当たりは強い。温泉旅館は基本二人。一人だと割高である。が、私の場合、他の誰かがいたら、まったく楽しめないだろう。先日行った海外出張もまるで行った気がしないのは、周りに日本人の同行者がいたからだ。いや、逆に誰かと行くことこそ私みたいなタイプだと必要なのかもしれない。検討してみようか…。

(4)本は全然読めなかった。編み物とiPadを持っていかなければ読めたのかもしれない。

(5)何が楽しいってウチにはない地上波のTVを結構見てしまった! 見てると下手にネットサーフィンするよりも新事業のネタとかゴロゴロ転がっているように見える。楽しい!

(6)考える時間がありすぎて、仕事のことばかりとにかく考えてしまう。結局わたしは時間があればあるだけ仕事をしてしまうのではないか。それが単に「考えることだけ」だったとしても…リフレッシュからは遥かに遠い。

(7)地方に行くと、その「いけてなさ」「もったいなさ」ばかりが目についてしまう。もちろん史跡や大自然は素晴らしいのだが、「こうすりゃいいのに」「気が利かないな」「もっと努力すりゃいいのに」と思うことが山ほど。地方再生のコンサルをやってみようかとふと思う。ほんと余計なお世話なのだけど!(笑)

でも仕事っておそらく誰にとってもそういうことで、私のやり方も他人から「あぁすりゃいいのに、こうすりゃいいのに」と何も知らない素人さんたちから思われているんだろうなぁというところに思考が戻ってくる。ぐるぐるぐるぐる…

それにしてもいつも思うのだが、自分の商売のホームページのアップデート、そして情報の整理などは、ちゃんとすべきだと思うなぁ。私が泊まったところ、ホームページは新しかったけど、楽天に掲載している情報はとても古くてアップデートされてなかった。fbは、それなりに運営されているようだが、登録者数とか「いいね」の数を見れば、まぁ、どのくらい盛り上がっているかは一目瞭然。それが良いことなのか悪いことなのかは微妙。そのくせ時間は死ぬほど取られる。そしていくつかでも反応があれば、本人はやった気になるのだからたちがわるい。(自分に言ってます)いずれにしても、そういうネット上の情報の整理(自分の力が及ぶ範囲だけであるが)は、本当に大事だと思った。

ほんと私も人のふりみてなんちゃらで、ほんとにうちもHPちゃんとしないとなぁと反省しきり。ここ(ブログ)やfbの運営もこれでいいのか。個人的なことはすべて排除し、もっと仕事ブログ的にした方がいいのか? いや、でも自分らしくあらねば続かないし… と、またもや同じところをぐるぐるぐるぐる(笑)

(8)帰宅途中、たまに赤羽で集まるおじさん連中と昼から飲み会。(私は今、アルコールNGなので、ご飯&お茶)結果、GO TOよりも、こっちの方が気分転換になったかも。この世代のおじさんたちはセクハラ問題なんてなんのその。若い人が聞いたらなぐられそうな会話おをして、バカ話をして、がはがは昼間から笑って楽しかった。つまり『さよなら、俺たち』に載っているような典型的な男性パターンなのだが、それが私の世代の女には妙に居心地よかったりもする。ダメだねぇ。そしてこういうおじさんたちと女の子のいる店にいけば(最近はコロナでいかないけど)自分はこういう女とは違うんだよ、と優越感にひたったりするのだ。ますますだめだねぇ。ま、いずれにしても、いろんな状況をすべて楽しめるのは、仕事にも自分の人生にも自信を持っている幸せな私のなせる技だよな…とも思ったり。ま、いずれにしても結局のところ、このおじさんたちとの時間が一番、気分転換になったかも。

ちなみにGO TOで、今回どこへ行ったかは内緒。というのも行った先にはそれなりの数の知り合いがおり、彼らに一切連絡しないで内緒で行ったから。またイベントの下見もかねているから、場所の情報は今後の事業を行うための機密情報(笑)。ま、上手く仕事に結びつきますように(あっ、違うか。本当は心から休まないといけないんだった!!?)。

というわけで、結局のところあんまりリラックスできないのであった。いろいろ反省。でもGO TO、実はまだまだいろんなところに数カ所予約してある。実際に行くかどうかはキャンセルがかかる段階で判断してから決めるとして、また何か面白いことがあったら書いていきます。

2020年11月16日月曜日

アンナの論文 そして海外でやっていきたいミュージシャンの方へアドバイス


ちょっと前の話題だけど、そういえばまだブログに書いてなかったな、というわけで、ご紹介。

以前、取材に協力したカルデミンミットのアンナの博士論文が公開になり、誰でも読むことができるようになっている。こちらが調査をお手伝いした時のレポート。2017年の春かー 懐かしいなぁ。




Heei friends! So, I did finally graduate in the end of July as a Master of Music from arts management. Yay! Some of you...

Anna Wegeliusさんの投稿 2020年10月22日木曜日

すごくよく書けているので、ぜひ興味がある方は読んでみて。私も登場するし、ウチのアーティストたちも。一応匿名になっているけど、読めばすぐわかると思います。結構良いこと言ってるし、役に立つ発言があると思うよ。「You Tube使うならカバーやった方がいい。人は曲名でググるから」とか「バンドを好きになるのは恋におちるようなもんで、予測はできない」とか、めっちゃ気の利いた、かっこいい発言!(自画自賛)

日本に来たいと思っているなら、役に立つアドバイスがまとめられている。わりと読みやすい平易な英語で書かれているので、ぜひ皆さんも読んでみて。強いビジョンを持って根気強くやること。自分のブランドアイデンティティをしっかり認識すること。自分の価値を正しく知ること。見た目はすごく大事。ビジュアルをしっかりコントロールすること。人の繋がりとネットワークを構築していくこと。自分の国のイメージを自分のイメージ作りに利用すること。

私は名前を出していいよ、と言ったのだけど、協力した誰かが匿名にしたがったのかな…と思っていたらアンナ曰く、匿名で書いた方が説得力が増すだろうというアドバイサーの指示にしたがってこうなったのだそうです。

しかしすごいな、アンナ。彼女は私はいずれ文化大臣になるんじゃないかと思っている。若いのにしっかりしているよね。これからも応援しよっと。

カルデミンミット、今年は残念ながら来日は流れてしまったけど、ハーモニーフィールズの小巌さんが頑張って長年日本公演を続けている。また日本で会おうね! 

2020年11月15日日曜日

超贅沢な1日 「ベートヴェン、交響曲前夜」そしてウィーンフィル @ サントリーホール



今日はコンサートを2本もハシゴしてしまった。コロナ、第3波到来の東京にて。

この状況下のおいて自分にとっては初めての生のコンサート。1本目は北とぴあの国際音楽祭。ベートーヴェン交響曲前夜。なんとあのショパンピリオド楽器コンクール第1回2位の川口成彦さんが自分の地元に来るではないか。北とぴあまでは、ウチからバスで10分。興奮したが、あっ、この日はウィーンフィルの最終公演で、34,000円のチケットを買っておいたのだよ。でも北とぴあの公演は2時からだし、南北線で意外と近い北とぴあとサントリーホール 。ハシゴすることに決めて、チケットを北とぴあのチケットセンターで購入。(で、買ったあとに気づいたのだけど、今、北とぴあってオンラインでもチケット購入できるようになったのね、素晴らしいわ!! 「ほくチケ」というサービス。以前はチケットセンターでの購入しかできなかったから)

そして「ベートヴェン交響曲前夜」という公演を1部だけ楽しむ。歌と管弦楽のパートはオルケストル・アヴァン=ギャルド。そこにフォルテピアノの川口さんという編成。それにしてもいつものつつじホールの受付には普段の倍以上、大量の会場整理係が投入されており「うーん」と思う。確かにつつじホールはキャパの割にロビーが… 決して狭くはないのだが、複雑な形をしていることと、あと階段やエレベーターの位置など、非常に密をつくりやすい構造になっている。ウチの公演の時も、よく考えていろいろやらないと…。終演後、お客様退場の時のフォーメーションなども気になったが、私は1部終了で会場を後にした。

ちなみに現在北とぴあの会場内は現在でもキャパ半分で運営されている。現状クラシックの公演はもうキャパ100%は可能なそうなのだが、北とぴあとしては、どうやら主催共催公演については、来年春まではこの体制でいくらしい。っていうか、今日から100%オッケーになりました、って言われてもお客さんも抵抗あるだろうし、チケットいきなり追加で売るのも不公平感でちゃうし、大変すぎるよね…。

そんなわけで、今日のお目当てはショパンコンクールのピリオド楽器で二位になった川口さん。一度、生で拝見したかったのだ。いやー チューニングだけでも大変そうだな、あの楽器(プレイエル)。今日の演奏はショパンではなかったけれど、とてもユニークで、ピリオド楽器たちの豊かな響きに感激しながら、そうか、このホールってこういう響きも出せるんだと毎年のように使わせていただいてる「つつじホール」の響きを楽しんだ。

1部が終わると後ろ髪をひかれつつもサントリーホールへ 。サントリーホールへ飛んでいったものの、カバンの中をまささぐると、あらら、チケットがない!?

言い訳であるが、だいたい私がいく公演はライブハウスか友人制作の公演であり、となるとチケットはほとんどが当日券購入、もしくは友達に甘えて招待券ということになるから、そもそもチケットを持って公演に行くという習慣がないのだ。海外の公演なんか今やほとんど電子チケットだし。だから重ねていうがチケットを持っていくという習慣がないのだ。

…と思わず偉ぶりつつ、「おい、オレはバルトロメイの親戚のもんだ、入れろ」と威張ってやろうと思ったけど、そんなことをしてマティアスにあきられるのは嫌だったので、窓口のお姉さんに購入した際の確認メールや購入したときのクレジットカードを見せるとチケットは無事再発行に。もっとも「万が一、チケットを持ってきたお客さんがいたら、そちらの方が優先になります」という注意書き付き(笑)。そりゃそうだよね。なにはともあれお姉さん、どうもありがとう。そもそもソールドアウトだったこの公演。いずれにしてもチケットは主催者から直接買っておくに限る。

ってなわけで、ウィーンフィルの演奏だ。演奏は… とにかく柔らかかった。初めてオーケストラを生で聞いたのはいつだったか忘れたけど、結構私はクラシック少女で、ピアノも3歳から習っていたし(今は全然弾けません)、ウチの父親が新日フィルか何かの応援会員みたいなのに加入していて、それで結構な頻度で公演に行っていた。初めてオーケストラの音を聞いたときは感動したね。「なんかノイズのないレコードを聴いているようだ」と思ったものだ。あと意外に音が小さいな、とも。家でレコードを聞くときは、もっと音を大きくして聞くからね。

とはいえ生涯オーケストラやクラシックのコンサートに行ったのは、おそらく30回は数えていないと思うので、まったくの素人なのであるが、なんというか、うまいオーケストラって音が柔らかいんだ。

で、思い出した。そうか、これか。これがパパ・バルトロメイが言ってたウィーンの、立ち上がりのアタック感を感じさせないウィーンの音なのか。「牧神の午後」「海」そして「火の鳥」というプログラムだった。「牧神の午後」なんて頭のぴーひょろろろろ〜みたいなフルート(?)が聞こえてきたあとは、何度聴いてもメロディが覚えられない。プログレだって、ポルスカ(スウェーデンの伝統音楽)だって、なんだって数えられない私は、なんでもひたすらメロディをまる覚えするしかないのであるが、知らない曲にしては、妙に楽しめた。「火の鳥」なんてあれだけ激しい展開がある曲なのに、いやーなんだか柔らかいんだ。柔らかい。すみません、素人意見で。

っていうか、あの、オーケストラの、コンサートマスターの先導でチューニングが始まる、あの感じもすごく今回はジーンと来た。っていうか、オーケストラの皆さんがステージにあがってきた瞬間から泣けた。ウィーンからはるばるようこそ!!! そして主催公演の時にホールの天井にかかるサントリーホール の深紅の垂れ幕が今日は一段と誇らしげだ。

ウィーンフィルを初めてみたのは高校生の時だったと思う。いや、中学生かな。地元の千葉文化会館にて。プログラムは確か『田園』と何かだったように記憶している。だからウィーンフィルを見るのは2度目だ。一度目に観た時も2階席の壁にはりつくようなバルコニーで観ていたのを記憶している。ステージ下手側のバルコニーだった。そこが音が良かったのか悪かったのかは記憶にない。というか比較材料もないからわからない。

当時、学校のクラスにクラシック好きの、かつ勉強もできる素敵な男子生徒が二人いて、二人がよくマーラーがどうした、カラヤンがどうしたと話したりしているのを興味深く聞いていた。父はクラシック好きのオーディオ好きで結構なオーディオセットとレコードのコレクションが家にはあった。だからポピュラーなもの『皇帝』とか『ラフマニノフの2番』とか『悲愴』『新世界より』みたいなものだったら今でも最初から最後まで一緒に歌えるくらい身についている。ピアノも3歳の頃から習っていたのだけど、中学に入る同時にやめてしまったが、始めた当初は「天才少女」とか言って騒がれたものだ。深澤亮子さんに練習を見ていただいた経験まであるんだ。こっそり言うが… 今やショパンの一つも弾けやしない(笑)

なので、今や単なる門外漢である。だからソールドアウトになった公演のチケットをゲットし(でも別に裏から手をまわしてはいません。正規ルートで購入したよ)クラシックファンから槍が飛んできそうなレベルのレポートで申し訳ないが、ま、こんな感じで許してください。でもチケットをちゃんと買って入れば、その溝は埋まるよね。お金ってこういう時に便利なものだわ、ほんと。

でも昔、キングレコードにいた大尊敬するJAZZのプロデューサー、川島重行さんも言ってたね。「素人だから楽しめないというのは嘘だ。楽しめなかったら、それはそれで音楽の何かが悪いんだ」って。だから「わからない」じゃなくて、自分が思った素直な感想を素人でも言っていいんだ、ってのを学んだねぇ。うーん、川島さん素晴らしい。お元気でいらっしゃるかしら。(とか、ブログに書いていると、大プロデューサーは時々エゴサーチしているらしく、「こらこら、何を買い取るんじゃ、のざぼうは」と言って電話がかかってきたりするから笑える。私を「のざぼう」と呼んでくれるのは川島プロデューサーと、通訳の染谷さんだけである・笑)

あ、あとと最後、指揮者の方がコンサートマスターの次に首席チェリストを紹介したときも。そう、オーケストラで偉いのは(すごい乱暴な説明)、第1ヴァイオリンの次にチェロなのだ。それも最近、どっかの本で学んだよなぁ、と復讐。(この本だったかな。確か)初心者にこういう「ガイド」は本当に必要である。あぁ、ウィーンの伝統、オーケストラの伝統。本当に素晴らしい。

そして会場で2,000円のTシャツを購入。Sサイズでも大きいくらいだけど、チェロがデザインになっているし、これは次のバルトロメイ・ビットマンのツアーの時に着れるから絶対に「買い」。

そして帰りには、ついつい六1にあるいつも行く割とリーズナブルなお寿司屋さんのカウンターに座ってしまった。で、ひとりでしばらくお寿司を摘んでいたら、ふと見ると、公演のスタッフとおぼしき人が何やら出前を受け取りにやってきた。おそらく発注はオーケストラの人たちじゃないのかな。確かにこの寿司屋は彼らが泊まっているであろうホールの隣のホテルにも近いし、おそらくみんな常連なんだろう。でも今回ばかりは外出するわけにもいかず、みんなで出前をとったのかも。「あっ、それ私が払います、皆さんに御馳走してあげてください」って言いそうになったよ。そして、カウンターにはやはりコンサートに行ったらしきお客さんもちらほら。

それにしても良い音楽と美味しい食べ物があれば、もう何もいらないよな。こういう時間が一番贅沢。こういう時、お金って必要だよな、って思った。心境はパーティに出かけて着飾りはしゃいでいるところをローリーにみつかり「お願いだからジョーには言わないで。今日だけは贅沢させて。あとの人生つつましくすごすから」と言い訳をする映画『若草物語』のメグのよう。あぁ…わかっているけど。でも、これが明日からも働くパワーとなる。

しかしオーケストラの皆さん、明日帰国するのかな。コロナ禍で直行便って今、ウィーンから毎日飛んでないよね、どっか経由で帰るんだっけか?とか思いつつも、あっ、そうか、チャーターだったっけと思いだし、ひとりでクスリと笑ってしまったのでした。

しかし今、この公演をLooking backwardsしてみると、つい最近クラシックの公演のキャパが100%オッケーになったことや、いろんなことがすべてこの公演のためのシナリオだったのように思たりもする。パフレット一つにしても、これだけのものを対訳手配して印刷するのはリスクだっただろうから、もう公演ダメもとでリスクをかけて制作していただんだろうな、とか、あれこれ思考がおよぶ。

本当に本当に関係者の皆さん、オーケストラの皆さん、本当にありがとうございました。思わずサントリーホールの知り合いに「観ました!」とメール。ウィーンフィルのTwitterアカウントやサントリーホール のアカウントにもお礼のメンションを投げる。とても素晴らしかったよ、と。勇気をもらったよ、と。こういうポジティブパワーはみんなに還元しないといけない。

あとは公演後2週間の間、コロナが発生しませんように。席はソールドアウトでぎゅうぎゅうだった。入場時には余裕をもって来場するように案内があったほか、退場も密をつくらないよう順番にブロックごとに、とは言われたもののアナウンスを守らない人もちらほら。トイレなどは係員の人が必死に導線を誘導していたが、それでも密になりがちだった。会場を埋めるお客さんの白いマスクが妙に目立つ。そして団員の皆さんもステージにあがるまで黒いマスクをされており、それを演奏前にポッケにしまいつつ演奏に向かう。終演後の指揮者とコンサートマスターの握手もゲンコツで。すべてがいろいろあるのだが、この偉大なる音楽の前では、すべてが小さい。この音楽を実現させるために、みんなすごいリスクをかけているわけだ。大袈裟にいえば、戦時中に爆弾が空からふってくるかもしれないのに、集まって音楽を聴いている。そんな心境か? 

でもいつだったかとある音楽業界内の勉強会で「なぜ人は戦時中でも爆弾が飛んでくる中、人は音楽を必死で聴いていたんだろう」というテーマになり、「それはそれより前に、音楽でものすごい感動したことを人々が覚えているからだ」という答えになったのだが、本当にそうだな、と思った。一度音楽の魔力を知ってしまったら、それを忘れることはできない。素晴らしい音楽、忘れられない音楽はそうやってリスナーの一生を支えてくれる。

とはいえコロナの注意アナウンスに加え、地震時の注意事項やら、公演一つやるのに、本当に音楽を聴くのもリスク、リスク、リスクなのだなと思った。何をやるにもリスク、リスク、リスクだ。

クラシックって本当に神様に捧げる音楽だよね。神様はドビュッシーやストラビンスキーや、ベートーヴェンやチャイコフスキーだ。楽譜は経典で、ホールは寺院といったところか。此の解釈間違っている? でもこういう時期だからこそ、なんか、こう人間より大きなものにつつまれたいという気持ちがふくらむ。だから、とてもいいですよ、こういう時期にクラシック。特にオーケストラ。マスクをして安全対策をおこたらなければ、きっと大丈夫。

ウチの来年1月の公演は、しかし残念ながら延期が決まった。ここまでギリギリだとかなりプロモーションが厳しいだろう、ということ。あと借りていてキャンセル不可能なホールさんが「変更ならキャンセル料なくて大丈夫」と言ってくれたこと。そんなわけで現在ツアー丸ごと日程を調整中。この来日だけはなんとか実現させたい。ウィーンフィルの音楽に勇気をもらったよ。

そんなわけで、勢いこんですっかりサントリーホールのファンになり、ニューイヤーのチケットも買ってしもうた。ラフマニノフの2番が聞きたいんだ。楽しみ。(あっ、ジョーには言わないで・笑)でも皆さん、いいですよ、クラシックのコンサート。チケット高いけど、私も年に1、2回は許されるんじゃないかなとちょっと思ったのだった。

PS ちなみに紛失したと思われたサントリーホール のチケットは、北とぴあの私が座った座席の下から出てきたようで、公演が終わってiPhoneでメールをチェックしたら、それを発見してくれた北とぴあの事業課のTさんの「野崎さん、入れました?」と心配するメールを発見した。そう彼女にも「ウィーンフィルのチケット買った」と自慢していたのだった。ありがとうございました。ご心配をおかけしました。ほんと私っておっちょこちょい。

2020年11月14日土曜日

映画『プラダを着た悪魔』が好き


先日地上波で流れたらしく、この映画のことがTwitterに流れてた。みんなアンディ役のアン・ハサウェイが可愛いとか言っていたが、この映画をスペシャルにしているのは、やはりメリル・ストリープだと思う。

VOGUEのアナ・ウイントゥアー編集長をモデルにしたというミランダ・プリストリー役のメリル・ストリープ。いや〜最高なんだわ。低い声で高圧的なミランダ。これが今、私が大マイブームの映画『若草物語』のマーチおばさん役へとつながるわけだ。いやいや、最高だわ!!

映画の主軸はジャーナリストという自分らしい道を見極め、人間らしく生きようと決めたアンディ側に置かれているものの、私はミランダや、エイミーなどこの一線で得た仕事を絶対に手放さないように必死で頑張る人たちにも旗を振りたい。とにかく彼ら全員が必死で自分のキャリアを維持するべく仕事をしていることは間違いない。

この映画は大ヒットして、それが日本では槇村さとるの『リアル・クローズ』という漫画につながっていく。あきらかに『リアル・クローズ』は『プラダ〜』を下敷きにストーリーが描かれている。これもヒットしてTVドラマになったらしいが、TVは一度みただけで、私はいまいちピンとこないで見るのをやめてしまった。かっこいい女性部長が黒木瞳というのもなんか自分のイメージと違ったし、主演の女の子にいたっては今では誰だかまったくわからない(最近の若い女優さん、見分けがつかないんだよー、私には… 涙)。

女のボス…私も女性がボスだった時代が何度かあったなぁ。大学出て一番最初の会社は、そういう会社だった。社長、副社長ともに女性。この会社は私が大学時代に通っていた「夏休み語学短期留学を手配する英国の語学学校の日本代表事務所」という会社だった。最初バイトの面接に行って落とされ、でも「誰よりも必死で頑張りますから」と粘ったら、社長は私の熱意を買ってくれて、英語もろくに話せなかった私を雇ってくれた。だから私は必死で頑張った。

そこは女性社長さんに女性の副社長さんという超女社会。社長さんには旦那さんがいたが、旦那さんは明らかに仕事をしていない。社長の弟たちもオフィスに顔を出したりして、彼らもあきらかに彼女の仕事の成功にたかっていたように私には思えた。そんな妙なオフィスで、仕事をしているのは役員二人と私という3人だけの職場だったが、私はとても可愛がられたと思う。たくさんのことを学んだ。

まず小さいな会社の社長なのに、社長も副社長もクライアントである大きな旅行代理店のおじさん相手に対してまったく媚び諂うことはしなかった。小さい会社でもこびない、毅然としているところなど、今の私の仕事に通じることを多く学んだし、とにかく若くて馬鹿だった私は非常に影響を受けた。社長はスマートで頭がよくて英語が上手で綺麗で優しく大きな人だった。だから大きな会社のおじさんたちは彼女のスタッフである私にまで気を使ってくれていた。

仕事は一方ですごく忙しく、英国相手で時差もあったからそれこそ夜中まで働いた。仕事は英国オフィスが始まる午前2時まで、というのは、このときからの私の人生のスタンダードとなった。当初時給でもらっていたバイト代は、かなりの金額になったが、社員にしてもらったとたんサービス残業でグッと手取りは減ってしまった。でもそんなことはあまり仕事のモチベーションに関係なかった。会社から徒歩2分くらいのアパートを借りて、毎日一生懸命仕事をしていた。途中からロンドンのオフィスから社長がリクルートしてきたキャロちゃんという英国人女性と一緒にアパートをシェアしたりもしていた。あれは本当に楽しかった。(彼女は今、どこにいるんだろう。名前をググっても出てこないんだよね… イギリス人女性ならほぼ間違いなく参加しているはずのfbにもいないし…)

私の仕事は「オペレーター」だった。夏や春のピーク時期になると、1シーズンで200名以上の短期留学生たちの学校とホームステイの手配に追われた。当時のイギリス人は長引く不況で仕事をする人など誰もいなかったから(いや、大袈裟ではなく)本当に大変だった。で、バイトなのに結構重積をおわされていたのだが、ある日、かなり大きなボケミスをやらかしたのだった。

ミスをした当日、副社長からはそのミスを大きく怒られることもなったのだが、なぜか翌日になってかなり厳しい口調で怒られた。おそらくだが「洋子ちゃんを育てたいんだったら、ミスした時は厳しくしないとだめだ」というのを社長が副社長に言ったのだと思う。翌日から副社長はやたらと厳しくなり、それこそ口を聞いてもらえないくらいの勢いだったのを記憶している。女だから、そういうのもちょっと感情的なのだが、当時はそんなことは思いもしない。ただひたすら「クビになったら悲しいよな」と自分のことばかり考えた。

でも、ここが私も自分でも感心しているのだが、怒られた3時間後から私はもう自分のできる仕事はなんでもやろう!と妙に決意を固め、とにかく必死で仕事をした。言われなくても事務所の床を掃除し、台所を綺麗にした。悲しいかな、女社長の会社は台所が汚くなる傾向にある。それもかなりの結構な確率で…。台所は目があてられないくらい汚かったのだが、私は自宅からクレンザーを持ち込み、ゴシゴシと本当にピカピカにオフィスの台所をみがきあげた。茶渋だらけのマグカップをピカピカにした時、副社長が私に声をかけてくれた。「これからは気持ちよく飲めます」というお礼の言葉を今でもよく覚えている。私は「仕事においては、考えられうる限り自分にできることはとにかく全部やる」ということを覚えた。

だからこの映画でアンディ(=アン・ハサウェイ)が仕事に失敗して必死で、ボスの信頼を取り戻すべく頑張る姿には、何度も何度も感情移入してしまう。

アンディだって、最初の勤務態度はひどいものだ。ファッションに興味ないのはありだとしても「ガッパーナ」の綴りをかかってきた電話の相手に聞くなど、全然わかっていない。私だったらこんな子が同じオフィスにいたら「ばか女」と片付けていただろう。女は女に厳しいのだ。

そしてキャリアが軌道にのりはじめると、私生活がおろそかになるというのもごもっとも。ナイジェル役の彼に指摘されるまでもない。

と、まぁ、そんな風にあの映画には、(ハリーポッターの未発表原稿を装丁家が外に出すなど)ツメがあまいなということも多々あれど、働く女性たちのいろんなエッセンスが詰まっている。

そうそうアン・ハサウェイといえば「マイ・インターン」も面白い映画だった。あぁいうシニア・インターンさん、誰かいないかしら。お金も暇もある音楽業界のOBさん、たくさんいるでしょう? 人とつながり、社会の役にたてる。何より楽しい。

どうですか、ここには面白い仕事はいくらでもあるよん。なんといっても社会的に現役でいたいという方はぜひ。いや、マジで考えています。

2020年11月13日金曜日

フレアーク新譜『Back Alive !』11月18日、いよいよ発売!! 解説を書かせていただきました。


フレアークの新譜『Back Alive!』 がディスクユニオンさんから発売になります。国内仕様の解説は私が書きましたので、ぜひぜひみなさん、こちらを買ってね!! 心をこめて書きました(笑)

以下、レーベルのサイトからの情報を転載いたします。今回ほんとにパブロががんばりました。新しくてテクニックも抜群のメンバーが、フレアークの意思を引継ぎ、とにかくえらいかっこええですよ!! 私はこのアルバム、大好きです。

以下、レーベルさんのサイトより。

アコースティック楽器の特性を生かしつつ、超人的な演奏力と古楽志向という特異な音楽性を発揮した、オランダ産名バンド「フレアーク」がメンバーを一新し、バンドの歴史に新たな章をスタートした'20年スタジオアルバム発売!


'17年、フレアーク創設者から新世代のミュージシャンに聖火を受け継ぎ、グループのオリジナル精神を踏襲しつつ、新たにリフレッシュした創造的な衝動を加え、新しいフレアークが誕生。メキシコ出身のギタリスト/作曲家Pablo Ortizと、とベルギーのチェンバーロックバンドARANISのバス奏者Joris Vanvinckenroyeを新リーダーに迎え、新生フレアークは、'17年から'18年にかけて、ドイツ、ベルギー、メキシコ、ポルトガル、スウェーデン、オランダでのツアー「Full House」にて、バンドの代表的な楽曲と本作からの楽曲を組み合わせたセットで大成功を収めました。本作は、新生フレアークによる完全な新曲を収録した初のスタジオ・アルバムです。

【帯・解説付き国内仕様/解説:野崎洋子(MUSIC PLANT)】



Flairck:
Pablo Ortiz (gitar, compositie)
Joris Vabnvinckenroye (contrabas, compositie) 
Jeroen Goossens (flute, oboe, fagot)
Anouk Sanczuk (violin)
Zhazira Ukeyeva (violin)

こちらはだいぶ前のドキュメンタリー。

2017年に新メンバーになった時はこんなラインアップでしたが、3年ツアーして練り上げて今回のレコーディングメンバーに落ち着いたようですね。ほんとまた来日してほしい。あっ、違う。他力本願ではなく、私ががんばらなきゃいけないのか(笑)

CDの通販はこちらAmazonでも購入できるみたいです。いいぞーー がんばれフレアーク!!


…とか書いてたら、ユニオンさんからサンプル盤届いた。ありがとうございます。帯にまで名前をいれていただいて恐縮。頑張って、売れろよー フレアーク! ユニオンさんに迷惑かけないようにね!! Thank you for supporting good music!



2020年11月12日木曜日

アメリカってやっぱりすごい国だわ…

ほぼ自分用のメモですが、今年のこれは素晴らしかったので、まとめておきます。チーフタンズの皆さんとバイデン大統領。本当に嬉しいです。



もちろんこの方も。「この国は可能性の国です」やばい、泣ける… 落ち着け、ドナルド…(笑) こちらも素晴らしい。 そして、これもしみる。アメリカってやっぱり素晴らしい国だわ。数日前にヒラリー・クリントンがシェアしていたこの件も。不器用そうなブッシュのハンドライティングがぐっとくる。ビル・クリントンが就任の日、大統領の執務室に残されていたブッシュからのメッセージ。

Here’s how it’s done in America.⁣ ⁣ This is the gracious letter George H.W. Bush left for Bill in the Oval Office on the...

Hillary Clintonさんの投稿 2020年11月10日火曜日

そして、こちらは…はい、お祝いムードの故郷です(笑) 

Here’s how it’s done in America.⁣ ⁣ This is the gracious letter George H.W. Bush left for Bill in the Oval Office on the...

Hillary Clintonさんの投稿 2020年11月10日火曜日

どっちにしてもいばらの道であることは変わりはありません。だけど、少しでも良い世界になるように… 

【アクセス上位】