2021年6月19日土曜日

十条

 


緊急事態宣言下でどうかと思うが、あまりに辛いので先日久しぶりにマッサージに行った。ふらっと入った東十条のマッサージ屋さん。足裏を痛いくらいにゴリゴリされるのが好きである。痛いんだけど、気持ちいい。昨日もやってくれたお兄さんに「凝ってますねー」と感心される。これってよく言われるけど社交辞令なのか。「働いてますねー」とか「がんばってますねー」的な。昨日はハンドマッサージにも初のトライ。こちらはものすごく痛い。が、お兄さんはちょっと無理でもやった方がいいと主張するのでやってもらったのだが、確かにこれは効いた感じがする。マッサージうまいなぁ、お兄さん。

このマッサージ屋さん、会話をするのがスタイルなのか、隣でやっているお姉さんもずっと話をしている。ここのところ人と会うのが少ない私も、普段は店員さんとはあまり交流しない性格なのだが、珍しく聞かれるままに結構しゃべってしまった。

お兄さんとの会話はおもしろかった。東十条の話になり、銭湯のやなぎ湯は北区の中でも屈指の場所だ。800円くらいでサウナとお風呂で天国だと褒めると、お兄さんは自分の職場から徒歩5分のやなぎ湯を知らないという。またどうやら銭湯が何かがわかっておらず、話しているうちに「銭湯」が「温泉」になってしまうのだ。私が何度か銭湯と言い直してもダメだ。よっぽど首根っこをつかまえて「銭湯」と「温泉」の違いを説明してやろうと思ったけど、やめておいた。そもそも彼は銭湯というコンセプトを知らないのかもしれない。最後は出口まで送ってくれて「で、温泉はどっちの方にあるんですか?」とか私に聞く。私はもう「(温泉じゃなくて)銭湯は、って言い直す気にもなれず、温泉はあっちだよ、と指をさす。

あと面白かったのは、スマートウォッチというものを見たこともないらしくハンドマッサージをするときにスマートウオッチの真っ暗な画面をみて「これなんですか?」とか聞く。確かにスマート・ウォッチをするというのは中年の証かもしれない。

そのくせ私の履いていたドクターマーティンの青いブーツは認識したらしく「いいですねぇー」「珍しいですねー」と言う。確かにこの靴、先日日比谷のMid Townでもお姉さんに褒められた。しかし出かけることがほとんどないので、もう買って結構たつのに、まだまだ青々していて新しくてピカピカなままだ。早くロンドンっ子っぽくくたびれてくれないかなぁ!

先日も同業者と電話で話したのだけど、私の感覚ってちょっとずれているのかも。何十年もストレスもない楽しい人生を送ってきてしまったせいで、世間の価値観とはだいぶ違う位置にきてしまったようだ。「いや、あっちの方が分母が大きいんだから、あっちの(マスの)マーケットに呼びかけないとだめですよ」とか、同業者さんと電話で話しながら自分を説得する。でも彼はそれが十分できている人なので、私こそ自分を説得しなくちゃといったところだ。

それにしても東十条の商店街はおもしろすぎる。ここでの要注意点は美味しそうと思ってもやたらめったら買わないこと。買うとだいたいの食べ物は塩分過多でものすごく味が濃い。そして美味しそうには見えるが、決して美味しくもない…加えて絶対に安くない。正直シャッター商店街になるのもよく理解できる。まぁ、でもそれが十条の持ち味なのかもしれない。

自炊しているのはいいのだが、スーパーで買い物しても高いものばかり買ってしまって、まるでやりくりができていない。やりくりができる賢い人は素晴らしいと思う。

それにしても、人間55年もわがままに生きてしまうと、もう後戻りはできない。ヴェーセンからローゲルが脱退したことだし、私の時代も終わったんだよな。もうこれからは人の言うことを聞いて生きていこう…と思ったりする今日このごろ。そうなのだ、仕事も実は自分が超思い入れを持って手がけたものよりも、さくっと試してみた、人から勧められたみたいな時の方が成功する。特に金銭の成功は、人の言うことをきけば人が与えてくれる(クライアント仕事をやればギャラがもらえる)。間違いなくそうだ。服もそうだ。自分が選んだ服よりも、人にもらった服や進められた服の方が褒められる。

これからは一歩引いて生きていくか…  と思ってもいないことをここに書いておこう(爆)、まだまだ子供でいたい。遊びたい。自由でいたい年頃です(笑)っていうか、一生遊んでいたいのよ。ただそれだけ。「ありときりぎりす」でも読もうかな。

今日は天気が悪いんだけど、出かける用事が3つもあり、ちょっと朝からくたびれている。

2021年6月18日金曜日

映画『十艘のカヌー』を見ました #AustralianFilmNight

 


すごーーーーく面白かった。パワフルな映画でした。

オーストラリア映画上映会第2弾ということで、昨晩はオーストラリア大使館さんにお邪魔しました。なお、この上映はオンラインで無料配信もされたようですが、私は本当に久しぶりのリアルイベントで、かつ久々に友人や音楽仲間にも会えて、とても充実した楽しい一夜となりました。主催はオーストラリア大使館さん。ゲストはオーストラリア放送協会の先住民族映像専門家のターシャ・ジェームズさん、そしてミュージシャンでもありご自身映画も撮られている石井竜也さん。

この作品はロルフ・ドゥ・ヒーアとピーター・ジギルが監督、ドゥ・ヒーア監督が製作、脚本もつとめ、カンヌの2006年「ある視点」部門で審査委員特別賞を受賞した作品です。ドゥ・ヒーア監督はオランダ生まれオーストラリア育ちの映画監督。それにしても新しいのは、このテの先住民族を描いた作品って、ドキュメンタリーだったり、現代社会の映画にちょこっと出てくる先住民族みたいな描かれ方が多いと思うのだけど、こんな風に彼らの視点で彼らの語りで(しかも彼らの言語で)描かれた作品って他にはないと思う。90分ほどの作品でしたが、アボリジニの文化のいろんなことがわかったような気がしました、

この映画の中には3つの異なる時間軸が流れています。1つはナレーターとそれを見ている私たち(現代)。そして彼の祖先である青年がお兄さんとともにカヌー作りをしつつ(これが2つ目の時間軸。モノクロで描かれます)、そして遠い祖先の物語(これが3つ目)。

アボリジニについては私はほとんど知識がありませんが、彼らのすべてが自分もある程度走っているイヌイットのことを想起させ、人間って深いところでは一緒なんだなぁとしみじみ考えました。彼らのプリミティブな生き方は現在の私たちにいろんなことを問いかけてきます。

いや「原始的ではなく、これこそが先鋭だ」というお話があったのはゲストの石井竜也さん。全然知りませんでしたが、石井さんってアボリジニのカルチャーにとても詳しいんですね。その石井さんが紹介していたのが、エミリー・ウングワレーEmily Kame Kngwarreye)というおばあちゃんのアーティスト。彼女のことを全然知らなかった私は、帰宅してさっそくググってみたけど、すごい! みなさんも是非この名前でググってみてください。どれも圧巻のすごい作品ばかりで迫力があります。確かに石井さんが説明していたとおり、特に後期の作品はすべてがターナーの油彩みたいに光の中に溶けこんでる! うーん、すごいなぁ。2008年に日本にも来ているんですが、作品どれも巨大なものばかり。これは見たかった。

話を映画に戻すと、そんな風に3つの時間の流れを追いながら、物語は進み、特に主人公が亡くなる時の描写がものすごく、なんだか瞬きもできませんでした。亡くなる直前、最後の力をふりしぼって踊る死にゆく者のダンス。そしてついに倒れた死にゆく者の魂を引き継ぐように力強く踊る若者たち。死にゆく者は倒れても指や足で「まだ聞いているよ」と残った人たちに合図を送る。そんな身体にボディ・ペイントを施し、お祓いのような儀式をする人々。あのシーンは本当に忘れられません。

こちらが映画のトレイラーです。


ちなみにこの映画で語り手をつとめていた方は、個性際立つアボリジニを代表する俳優デヴィッド・ガルビリル。彼はのちに、同じ監督のこの作品「CHARLIES'S COUNTY」の主演もつとめています。この映画もおもしろそう。どっかで見れないか探しているところです。

監督の興味深いインタビューはこちら。


監督の説明にもあるように、先住民族の人たちの「2つのカルチャー」の狭間での葛藤や、本当に自殺やアルコール中毒が多いという話など、思い出すのはグリーンランドのことばかり。あれもデンマーク大使館が主催のイベントだったよなぁ。(デンマーク大使館でのパーティのことは最近このブログにも書きました。こちらへどうぞ

こういうイベントを上から目線とか、植民地主義とかいろいろいう人がいるのかもしれませんが、じゃあ日本の文化庁が沖縄やアイヌの文化について何をしているのか、と問われれば何もいうことはできません。実際、私もこれがなかったらアボリジニの文化を知る機会がなかった。いや、こういうのって、本当に大切な機会でしょう。

ちなみに先住民族って、オーストラリアの人口2,500万人のうち3%。100万人もいなんですよと説明され、えっ、そんなにいるの?!と思ってしまった、わたくす(笑)。グリーンランドなんて5万ですから! 5万人! いや、56,000人か!

というわけで、グリーンランド映画の上映ももうすぐですよ。こちらをチェキら。7月14日には上映後にピーターさんと私のトークもあります。ぜひご来場ください。



そして…同じ映画祭でもかかるこちらの映画『大海原のソングライン』も楽しみになってきた!! 私はまだ見てないんだよね。


なお大使館ではディジュリドゥ奏者でアーティストのGOMAさんにもお会いすることができました。現在ACM GALLERYで個展やっていますが、こちらが詳細です。どれも引き込まれそうな作品ばかり。





2021年6月17日木曜日

ブータン民話『ヘレーじいさんのうた』を読みました

 本当に素敵な絵本でした。


読み終わった時の不思議な感覚。「その国は、ブータンと よばれています」
泣ける!!!

ちょっと「カレワラ」読んだ時の読後感に似ている。
あれもわけわかんないんだけど、最後フィンランドはそうして生まれました、
っていうところで、泣けるんだ!




ブータンにはヤクがいる。


ブータン料理はとうがらし。


先日見た「山の教室」のホームページにこんなレシピが紹介されていたので、
さっそく作ってみた。
素朴だけどぴりっとしててあったまる。いい感じ。
超簡単なので、みなさんもぜひ試してみて。



2021年6月16日水曜日

まだまだ編むよん〜:ブルーのサマーニット

 編み物って、洗うと下手くそでもいったん目が落ち着いてなんとか見られるようになる。そして最悪気に入らなければほどけば良いというとてもSDG'sなものなんです。


オレの編み目きれいだな〜。まるでレース編みみたい。


規則正しい感じ。この白い模様も素敵でしょ〜💙



でもちょっと自分で着るには大きすぎたわ… 誰かにもらってもらうかぁ。でもいいデザインだよね、これ。次は何を編もうかしら…。木綿の毛糸は編んでると肩がこる。

図面はこちらの本に掲載されていたものでした。 落ち着いたベーシックなデザインのものが多くシリーズで購入しています。


最近、かぎ針あみに挑戦してるんだけど、なかなか上手くならない。どこを編めばいいのか目がはっきりしないのが苦手要素だと思われる。でもかぎ針の方が最近はデザインも可愛いのが出てるのよねぇ…  ケルトな小物を編んでケルト市で売るのが目的なんだけど、なかなか上手くいかないもんねぇ。

2021年6月15日火曜日

コンスタブル展、図録をゲット! 行けなかったけど…


なんて素敵な図録。ハードカバーで、すごく綺麗な印刷です。
コロナ禍もあって結局コンスタブル展行けなかったけど、
図録をゲットしました。すごく素敵。


トイレに置いて眺めるかなぁ…
そしてそのうち「あれ、この美術展って行ったんだっけ?」とか
記憶を塗り替えそう…

前のコンスタブル展は30年前だったそうで、たぶんそれは間違いなく行ってる。
イングランドが大好きだった可愛い若いわたし(笑)


印刷というか、背表紙のこの凹凸ある印刷も重厚な感じ。



こんな人物も描いてたんだね…



ソールスベリー!!

実は私はこういうイングランド臭みたいなものが大好き。
ちなみに自分のお気に入りの写真集はこれ。


マーチャント・アイヴォリーの映画の写真集。


日の名残のお父さん執事。


あーーーやばい。こういうの好きすぎる。

「ハワーズ・エンド」も。


そして「モーリス」ケンブリッジ。大好きなケンブリッジ。学生時代にいた街。



やばいなぁ!!!

Oh England,  my lionheart....

旅に出たい。こういうイングランドの風景が大好きだ。コンスタブルの図録はこちらでゲットできます。しかしコロナめ。行きたかったよなぁ、本物に会いに。とはいえ、テイトの所蔵だからリベンジは難しいことはない。待ってろよ、テイト・ギャラリー。絶対に観に行く!

ちなみにマーチャント・アイヴォリーの写真集も、まだまだ手に入るね。アメリカ人とか好きそうだもんね… はぁ、うっとり。イングランドにまた行きたい。

2021年6月14日月曜日

グリーンランドのスミ、 2010年のライブ

 かっこいいーーーーー こんなの見つけちゃった!


しかし二人のシンガーソングライターに牽引されているグループって、どうして、その二人の「決裂」で終わってしまうんだろう。音楽的には最高のパートナーだった二人。(グレン・ティブルブルックとクリス・ディフォード、ジョン・レノンとポール・マッカートニー、谷村新司と堀内孝雄? などなど)

政治や社会に興味がありメッセージを届けいたいと思っていたマリク(作詞担当)と、あまり興味はないんだけど、とにかく一緒に音楽を演奏するのが楽しかったというペール(おもに作曲担当)。いろいろ考えちゃうよね。

上に貼ったライブ動画は再結成ツアーの時のものだが、演奏をする二人は最高に楽しそうだ。でもこのツアーのあと、二人は口を聞いていないのだそう。おそらく再結成はもうないだろうな。

スミが解散してグリーンランドに戻り、そこで彼らがそれぞれついた職業が、映画のエンディング近くで紹介されるのだが、これまた人生の悲哀を語る。どんな気持ちでそれぞれの職業についたのだろう。いろいろ思っただろうな。いろいろ…   

その辺が映画『シュガーマン』にも通じていて、ちょっとそれを考えると鼻の奥がツンとくる。あの映画は… 絶賛している人が多いけど、わたしは本当にいろいろ考えたんだ。彼は音楽で世界が変えられると信じていたのだ。でもそうはならなかった。音楽は勝手にアフリカの先でヒットし、彼は何年か後に大スターとして招聘された。そこに虚しさがある。彼が一番聞いて欲しかったメッセージ、届けたかったメッセージは届けたい相手には届いておらず、結局は個人ってのはこんなに無力だと思い知る羽目になるわけだ。

あの映画には不思議な気持ちにさせられる。あれを見て「すごい音楽! ディランよりすげぇ!」とか「ぜひ新作を!」とかいう人は映画のことを全然わかってないと思う。あれは、人間はこんなにも無力だということ、それをまざまざと見せつけてくれている映画なのだ。例え音楽が万が一ヒットしてもそれはそれで自分のコントロールを失う。「音楽は常にミュージシャンよりも大きい」そう思ってでもいなければ、まったくもって馬鹿らしくてやってられない。そういう無力感をひしひしと感じさせてしまう映画なんだ。

『サウンド・オブ・レボリューション〜グリーンランドの夜明け』も同じことを伝えていると思う。結局マリクもスミのメンバーも「負けた」「音楽で社会は変えられなかった」と思って故郷に帰っていったと想像する。が、彼の勝利は、彼がまったく意識しない形で、人々の中に残ったのだ。そして、それが、本当に素晴らしいと思う。音楽は素晴らしい。が、同時に個人の無力感は今、戦っているわたしたちにも厳しくも迫ってくる。

まだ映画を見ていない人に、ネタばれしないように書いたので、わかりにくいかも、だけど、あの映画を見た人ならわかってくれると思う。グリーンランドでは、まだ住んでいる人たちの90%がグリーンランド語を話せる。これは世界の秘境地域、限界言語においては、異例なことだ。そしてそれはスミがもたらした勝利だとも言える。犬ぞりや、アザラシ猟や、シロクマは時間との戦いで滅んでしまうのかもしれない。が、言葉は残る。言葉こそが文化なのだ。

本当にいい映画です。絶対に見てね!

映画『サウンド・オブ・レボリューション〜グリーンランドの夜明け』はピーター・バラカンさんの音楽映画祭で上映されることが決まりました。詳細はこちらをちぇきら
7/14(水) 18:10からの回では、上映後にピーターさんと野崎のトークもあります。楽しみ。





2021年6月13日日曜日

玉城ちはるさんの連載エッセイ「死にたい彼女と住んでみた」


最近fbをゆっくり見る時間なんてまるでなく、自分のアップデートで精一杯という状態。あとはその時たまたま目に入ったタイムラインを見る…という状態だったのだけれど(まぁ、でもSNSってそれくらいの距離でいいんだよね)

久しぶりに玉城ちはるさんのアップデートを見てびっくり。こんなエッセイを書いてらした。


自殺願望がある女性と同居していたのだそうだ。玉城さん、すごい。思えば、私がお仕事をご一緒していたころから玉城さんはすごかった。たくさんの留学生の寮母さんみたいなことをやっていて、いろんな子たちの面倒を見ていた。

彼女と初めて一緒にいったご飯で(池袋のちゃんこ屋だった。私の好きな店)自分は自殺遺児である、ということをサラッと言われた時、正直どきっとしてなんと返していいかわからなかったけれど、とにかく玉城さんはすごく自然体で、かっこいいから、私は彼女が大好きだった。

でも一緒にやってた文化放送のプロジェクトが終了して、そのまま疎遠になってしまっていたのだ。でも彼女はアクティブな人だからね。ほんとに、例えば彼女のやっているライブとかにふらっとチケットを買ってお邪魔することもできたんだろうが、私もひどい。

そんなわけでしばらく前にfbでは再度つながったものの、なかなかじっくり玉城さんのタイムラインをチェックはできてなかった。

で、このnoteである。

一気に最初から現在発表されているところまで読んでしまった。

「自分も生きる意味を問わずにはいられない人間だった」と告白する玉城さん。でもある日「自分とは…とか考えること自体、図々しい。自分なんてなんぼのもんじゃい」と思うようになってから心が楽になったのだという。

それ、すごくわかる。私もそうだ。私も何かというと「人間はなんのために生きているんだろ」っていつも思ってる人間だ。だから自分の存在価値が社会的に発揮できる仕事が大好きだし、なんとか人の役にたちたくて努力してきた。

でもある時気づいたんだよね。それは裏をかえせば、私が努力をしない人たちに対して、この人たち生きる意味がないよ、って厳しく思っていうことの裏返しだってことに。役にたってない人は生きている意味がないという、何かを生み出さない人間はダメだという、あまりもひどい偏見を自分が持っていたことに。

いや、いまだにこれを100%納得なんかしていない。何もしない人に、イライラ。仕事しない会社に通ってるだけの親父とバカ女にイライラ。自分の思い通りにならないいろんなことに、イライラ、イライラ、いつもイライラしている。そして、ふと気づくと、その裏返しみたいに、いつも自分の生きる意味を考えている。

生きることは本当につらいんだよね。びっくりするほどつらい。それこそイヌイットや、ブータンの山奥に住む人たちや、洞窟おじさんの洞窟時代みたいに、その日の食べ物を狩猟しているようなそういう状態にでもならなければ、私に幸せなんて訪れないのかもしれない。食べることが、貨幣経済とか社会の分業とか、そういうことが要領よく解決されている今だからこそ、空いてる時間で生きる意味とか考え出しちゃって、逆にもう生きる意味がないって言うか…(笑)

常に何かの役にたっていないと気がすまない、そして人にも役にたつことを要求している、ちっちぇー自分のことを確認せずにはいられないのであった。

そんな自分ではあるが、とにかく玉城さんとこの彼女の連載、続きを読むのが楽しみである。彼女と玉城さんがいったいどこに着地するのか。いや、着地なんてないのかも。ま、でも誰の人生もたいしたことはない。ただその時その時に妥協して、自分を誤魔化しながら、生きていくしかないのである。それは誰にとっても同じなのだ。

「生きるということは不快に耐えてやり過ごす 時間の連なりに他ならない」by 角幡唯介(from 『アグルーカの行方』)

…と言う言葉が好きだと角幡さんご本人に言ったことがあるんだけど、角幡さんはきょとんとしていた。どうやらご本人はたいした思い入れもなく書いたフレーズらしい。まったくすごいよなぁ、天才だよね(爆)

そういえば、角幡さんのこの映画の上映後トークもすごくよかった。生きる意味とはいったい? こちらにレポートを書きました。『生きること自体が目的』

生きること自体が目的。

玉城さんの音楽。

2021年6月11日金曜日

ICU国際基督教大学高等学校に田中美登里さんと一緒にお邪魔してきました

最近みかけるこの素敵なお花。紫陽花の一種みたいですね。いつも白しか見ないけど、白しかないんでしょうか。

さてさて、もうなんだか真夏日の東京ですが 久しぶりのICU-HIGH国際基督教大学高等学校にうかがってきました。朝、いわゆる「人流」にのって学校へ。普通の人はこんなに朝早くから活動しているんだ。みんな身なりがきちんとしているなぁと感心しながら、それでもそれほど混み混みの電車を体験することなく武蔵野へ。今年はTOKYO FMの田中美登里さんと一緒です。この講座は、今までは自分だけでやったり、アルテスパブリッシングの鈴木茂さんやカメラマンの畔柳ゆきさん、通訳の染谷和美さん、うちのアーティストのぺッテリ・サリオラ、そしてなんとノンフィクション・ライターの角幡唯介さん、川口有緒さんにも登場いただき「好きなことを仕事にする」「音楽の仕事をする」というテーマでやってきたわけですが、今年はほんとうに久々の参加になりました。

というのも昨年はコロナで、企画自体が飛んでしまったし、その前はサラーム海上さんをブッキングしていたのに、自分が緊急検査入院で「ごめん、サラームさん、一人で行ってー」とお願いしてしまったので、私がキャンパスにうかがうのは超久しぶりということになります。久々のICU-HIGHは、緑があいかわらず綺麗で、玄関のところがリニューアルされて綺麗になっており、あいかわらず素敵でした。

訪問する2週間前からしっかり保健の先生に渡された体調管理表と検温の紙を提出。教室は広い会議室で、ソーシャルディスタンスをとって行われました。生徒さん40人くらいが参加してくれて、いつもだいたい私の講座は女子が多いのだけど、今回は男女半々だったかな… 皆さん、とってもかしこそう(笑)そんな雰囲気の中でスタートしました。

今、それこそICUの大学の方からアナウンサーやTV局、ラジオ局に勤める人は多いと思うんです。だけど田中美登里さんのように自分の表現したちことがあり、信念をつらぬいて30年も同じ番組を続けて、きっちりと伝える仕事をしている人は本当に少ないです。いや、誰もいないんじゃないかな。それは本当に素晴らしいと思います。私はキングレコードに勤務していた89年くらいからずっとこの番組のお世話になっており、今もウチのアーティストが来日するたびに番組にお邪魔しているんです。

でもなかなか美登里さんの、こういうお話をゆっくり伺う機会ってなかったので、今回の講座、個人的にもとても楽しみにしておりました。

なんとびっくり偶然なのですが、美登里さんは、学生時代ICUのキャンパスにしばらく通っていたことがあったのだそうです。それは藝大の楽理科に入学するため、教わっていた先生がICUのキャンパス内に住んでいたからだそう。美登里さんは5歳からピアノを学び、音楽が大好きな少女だったとのことで、好きだったアーティストはなんとエルトン・ジョン! 確かにエルトンってポップスにしてはコードも展開も複雑だしクラシックとか好きな人にも響くし、わかるなぁ、という感じです。そして60年代だったのですが、電話が当時は高かったので、四国に住んでいた美登里さんは「声のたより」といって、東京のおじいちゃんおばあちゃんに自分の声を録音したテープを送ってやりとりしていたのだそうです。それは例えばおじいちゃんの方はご自身の尺八の演奏や、百人一首を詠んだりしたものを、美登里さんはピアノの演奏を録音したりしたものを文通みたいにして送りあっていたそうですから、そんなところにも、すでに今のお仕事へ続く片鱗が感じられて、すごいなぁ、と思いました。素敵!

実際、美登里さんは、クラシック音楽も洋楽もみんなラジオから知ったそうで、美登里さんにとってラジオはまさに「世界へ開いた窓」だったのだそうです。

そして藝大で出会った小泉文夫先生の話、ブルガリアンヴォイスを聞いて「こんな和声があるんだ!」「音がぶつかっているのに、なんか好き!」とびっくりしたお話など、実際に音楽を紹介しながら生徒さんたちにご紹介いただきました。

生徒さんたちにまずはブルガリアだって言わないで「この音楽どこの音楽だと思う?」と聞いたら「海っぽい」って答えてた子がいておもしろかったです。確かにブルガリアン・ヴォイスって、独特の「うねり」もあって、それが波にように感じされることあるかもしれない。なんだろう太古の人類からつながっている、お母さんのお腹の中の羊水の中で泳いでいる感じか? そんなことを考えたりしながら講義はすすみます。

なお今回の講座は「音楽関係の仕事」ということで、お話しているわけだけど、自分がミュージシャンになったり表現者になることの他にも、例えばエンジニアやコンサートの照明さん、野崎みたいな仕事もあるし… みたいな中で、ちなみに今の藝大には「音楽環境創造科」というものもあり、そこでマネジメントや音楽の周辺の仕事を教える学科もできているんですよ、というお話もうかがいました。

美登里さんがTOKYO FMに入ったのは1979年。なんとそれは最初に女性がニュースを読んだ年。それまで女性はニュースを読ませてもらえなかった。当時女性アナウンサーはいわゆるトピックス的なものや、天気予報くらいしか読めなかったそうで、またレコード会社なども4年生の大学を出ても採用の枠がないという環境だったそうです。一方で、80年代に入ると、アナウンサーも大学の放送研究会みたいなところやミスコンから入る人も出てきたそうで、また別の時代の到来と言った感じだったのかもしれませんね。

美登里さんは最初報道部所属だったのですが、空いている深夜の枠で『民族音楽を訪ねて』という番組を作ります。これが月〜金の帯で8年間続き、そして10年目にして制作へ移動、今の『トランスワールドミュージック・ウェイズ』の30年に続くわけだから、すごい。『民族音楽を訪ねて』の時は1週間1テーマだったそうですから8年間、これだけでも合計400テーマを紹介してきたことになります。ただこの番組のことはまだまだ放送局がアーカイヴ化に積極的ではなく、残念なことにほとんど当時の記録が残っていない、とのこと。(もっとも当時残そうと思ったら、テープの量も大変な量になっちゃいますもんね)で、逆にゲストに来たかたがご自身の記録してもらっていらしゃるものや、リスナーの方が録音したテープを持っていたりすることで、多少拾える程度のようです。

また初期の取材について、いわゆる重い、肩に食い込む(笑)、15分しか録音できないデンスケ…電スケ?(笑)から、DATで録音するようになるまで等、本当に興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。でもラジオだと照明もカメラもなく「音だけ」で良いから、取材は小回りが効く、というお話でもありました。グループを追いかけてヨーロッパ取材に行かれたお話などもありました。

また講座では番組にゲストで来られた方の興味深い方たちの音源やゲスト出演した時の生ライブなど貴重な録音もいくつか聞かせていただきました。その中で、この人、全然知らなかったけど、おもしろいーーーー 岡大介さん。カンカラ演歌師!! それにしてもこれを「アートにエールを!」に提出しちゃう岡さん、そして載せる東京都、素晴らしい!!! いや、こうでなくっちゃダメだよね! 


カンカラ三線も売ってるのを発見!! すごい!!


そしてもちろん美登里さんと仲良しのパスカルズも〜 こういう音楽を聞いて高校生は何を思うんだろう(笑)


美登里さんが常に意識してるテーマは「越境する」ということだそうです。つまりジャンルにとらわれず、固いことを考えず、どんどん枠をこえて新しいものをみつけていこう!と。

そして「音」で伝えていくということにこだわりたい、というお話もありました。「音を聞く」「音声で伝える」ということ。講座では美登里さんが作られた小冊子『平成好音一代女』という番組のアーカイヴ本に寄せられた大竹昭子さんの文章も紹介されました。美登里さんがマイクなしの生声で伝えてくださったので、私も文章を目で追いながらではなく、本を閉じて、じっとその声に耳をかたむけました。

「人の声には、その人がそこにいなくてもいるように感じさせるなにかがある。写真と比べるとよくわかるだろう。たとえばここに亡くなった人の写真があるとする。見れば、写した時の状況がさまざまとよみがえり、懐かしさに胸が熱くなるが、その人がそこにいるようには感じられない。むしろこの人はもういないのだという感悪の方が強まる」
「ところが、声がもたらすものは逆である。亡くなった人の声を録音で聴く時、その人がいまそこにいて声を発しているような錯覚に陥り、その人のいる時空と一体化してしまう。その力は遅っ露しいほど強い」
(大竹昭子さん:『平成好音一代女』によせられたエッセイ「声の反乱」より)

なんかこのレポートを書いていても、私もすぐ文字にしたりしちゃうから、それはそれでダメなんだよなぁと思ったりしました。たとえば講座中も、アシスタント的役割を担うものとして、例えば美登里さんの説明したキーワード(例えばアーティスト名とか、小泉先生の名前とか)黒板に書いていったりしましたが、そうじゃなくて音声で覚えておくって大事かもです。
美登里さんが音、ラジオにこだわるのもわかる気がしますね。

ちなみにこの番組の歴史をまとめた小冊子『平成好音一代女』は、こちらにメールいただければ美登里さん自ら送るのを手配してくださるそうです。興味持たれた方は、ぜひ。

そしてちょっとこれは興味深かったのは「滑舌をよくするにはどうしたらいいか」という私のバカな質問に、美登里さんとしては特に答えはないそうで、これは講座の中ではなく帰り道にうかがったお話なのでこちらに書いてもしまうのもどうかと思いつつ… ご紹介すると実はTOKYO FM時代、NHKの元アナウンサーをやってたおじいちゃんが来て、あれこれ講義をしてくれたりしたそうなんです。でも「それがいかにもって感じでね…」どうやらあまり心には残っていらっしゃらないご様子(笑)。また逆に「“はい、トランスワールドミュージックウェイズです!”とかあまり声を貼って張り切ってもダメよねぇ、もっとクールにやりたいわよねぇ」とかおっしゃってたのもなんか印象的でした。多くの人が「羨ましい」と思うことでも、当のご本人はそんな風に思ってはいらっしゃらないのかもしれません。

それにしても楽しかった。この講座、高校生の皆さんにどこまで通じたかわかりませんが、でもいつもこういう場で話して思うことは「楽しそうに仕事している大人がいる」ってのはわかってもらえたかなぁ、ということです。

私が子供のころなんて、知っている大人は親と親戚と学校の先生くらい。誰も楽しそうに仕事してる人はいませんでした。だから子供のころ、ずっと仕事はつらく我慢してやるもんだと思ってた。でもそうじゃない(笑)

それにこれからの時代はもっと自由になるんじゃないのかなとも思う。がんばれ、高校生! 貴重なあなたたちの高校生活の、もしかしたら半分以上コロナに邪魔されちゃったかもしれないけれど…  君たちが将来何かを思った時、この講座の片鱗を思い出してもらえますように! 

本当に美登里さん、貴重なお話をありがとうございました。

なおお話の内容は私があくまで聞き取ってメモったことをベースにしています。何か誤解やちゃんと理解できていないことがあるかも。とにかく文責は野崎ということで。

 

PS
『平成音楽史』はここに私の感想も載せています。

PPS 
美登里さんの番組、今週はなんと永田音響の豊田さんだよ! 来週も後半を放送なんだって。楽しみ!!

2021年6月10日木曜日

The Gothard Sisters新作『The Dragon Fly』到着


うちの妹たち(笑)の新譜が出ました〜。The Gothard Sisters『Dragonfly』全曲オリジナル作品。オリジナルアルバムとしては5枚目。うわーい。そしてブックレットを見て、びっくり。役得ながら、こんな曲をいただいちゃったよ。「Happy Sad Empty Full」

日本ツアーの終わりに近づいた時、私たちのツアーマネージャーのヨーコ・ノザキがツアー終わりの気持ちをこんな風に表現しました。「ハッピーだね、だって無事に終わったから。悲しいね、だってもうすぐ終わっちゃうから。お腹いっぱいだよ、いろんな経験をしたから。でもからっぽだよ、すべてを出しつくくしたから」このワルツをヨーコに。

そうなんだよね。大成功だったツアーの終わりはいつもそんな気分。幸せなんだか悲しいんだか良くわからない。ただただそれを受け止めるしかない。ぽっかり穴があいたような、でもお腹いっぱいなような変な気分。あれが味わいたくて、またツアーをする。

それにしても、とっても素敵なワルツ。

アートワークも女の子3人ってだけで、あがるよねぇ〜❤️💚❤️💚❤️💚❤️💚


おそらくこのCDを日本のコンサート会場で買える日もそれほど遠くはないはず。でも待ちきれない方は彼女たちのホームページの通販でサイン入りのものが買えますので、ぜひ。

本当に若い彼女たちに教えられることは多い。私は…あなたちに比べたら私はまだぜーんぜん修行中です。いつもありがとう、The Gothard Sisters。

待ちきれない人は、ベスト盤ならウチのCDショップにありますんで、こちらへどうぞ。












ソラナは日本語勉強してて、結構書けるみたい。すごいよね。

2021年6月9日水曜日

ハーモニーフィールズさん「MIDSUMMER 夏至 初春夏・北欧の暮らしを伝える音」


おおっっー 旅に出られないわたしたちのためにハーモニーフィールズさんがこんな素敵なCDを企画してくれました。その名も「MIDSUMMER 夏至 初春夏・北欧の暮らしを伝える音」

羊飼いのキューラや、トナカイの音、鳥の合唱と雪解けの小鳥の声、サウナの音、ヨイク、ガールズトーク、幼稚園やおじいさんの人生がたりなど…あまりにも素敵すぎる12トラック。

自然の音はもちろんなんだけど、結構癒されるのは人間がしゃべる声。なんて言っているかわからない言語はそれだけで、もうロマンチック。わからないことが素敵なんですよね。海外に行って、現地の人が自分に話かけるときは英語なんだけど、現地の人同志で話しているのを傍でなんとなく聞いてる。あの素敵な感覚を思い出しました。

さすがの企画!!! 素晴らしい。アートワークもとってもいい。こういうの、ほんとハーモニーフィールズさんは上手なんだよなぁ。どうせなら、この暮れにクリスマス企画も出して!! ウチもケルト編を企画しようかしら。



この素敵なCDは、ハーモニーフィールズさんのショップで購入できます。こちらへどうぞ。

これは秋のケルト市(今年も北欧テイストもあり)で売りたいなぁ。でもそれまで在庫あるかな… 限定200枚だそうですから。絶対に手に入れたい人は、急げ!! ¥1,600とお手頃な価格も魅力的。

しかし仕事仲間が頑張っているのを見ると元気がでるわ。私もがんばらなくちゃ… と、仕事仲間同志でお互いに燃料を注入しっこしながら、一生懸命に業界内で自家発電中(笑)早くみんなにまた会って仕事の愚痴を言い合いたい。いろんな苦労は同業者じゃないとシェアできない! 

さーて、今日もがんばりまーす!!

2021年6月8日火曜日

これは今年NO.1決定…かも!!? 映画『ブータン 山の教室』を観ました


いやーーーーー めっちゃ良かった。もう6月だし、今年は去年以上の作品が出てこないんじゃないかと思ったけど…  これは素晴らしい!! 圧巻です。『ブータン 山の教室』

とある人が「きっと野崎さんは好きだと思う。音楽も印象的だし」と言ってくれたので、見に行った。そしたら、もう大ヒットだったのでした。響きまくり!! それにしてもこの映画、岩波ホールでかかってたんだね… 知らなかったわ。やっぱあそこには映画の神様がついてるわ…


冒頭で初日に寝坊した先生を起こしに来た女の子ペム・ザムが登場した瞬間から、なぜかずーーーーっと泣いてました。じわーーーっっって感じで。なんだろう。お涙ちょうだいには絶対になっていない。でもあの子見てると、もうそれだけでいっぱいいっぱい。このブログを書きながら、また泣いています。コロナのせいなのかな。なんか最近、泣けるんだよなぁ。

なんというか、普通の映画です。普通の映画。別に奇跡も起こらない。でもそのリアルさやお涙頂戴ではないところが、かなり私の大好きな映画『ローカル・ヒーロー』に似ている。

そう、私たちはあの場所には住めない。でも…だけどあそこでの日々がその人の一生を支えていくんだよね。この終わり方、嫌いな人もいるかもだけど、私は大好き。こうでなくちゃ。映画はこのくらいリアルじゃなくちゃ何も伝えられないと思う。いいよ、すごくいい!!!

ブータンのことを国民全員が幸せな夢の場所みたいに書いてないのも良かった。実はブータンって、いろいろ思うところがある。私も良く知っているわけじゃないけど、興味ある人は高野秀行さんのこの本を読んでみて。すごく興味深いから。ある意味、世界の理想を実現しているように見える幸せな国ブータン。私たちはそこに天国を夢見る… でも高野さんの本を読むと見えてくるものがあるんだよね。高野さんのブータン本の感想はここに載せてある。この映画、ブータン人の監督だから、その辺はリアルだし真摯に描いていると思う。必要以上に美化もしてないし、必要以上に卑下して、見る側の夢をつぶしてもいない。ありのままの、今の、おそらく今だけのブータン。多分この場所ももうすぐ消滅してしまうのだと思う。

しかし、この映画びっくりしたことに、監督はカメラマンが本業で、めっちゃ印象的な女の子ペム・ザムは子役さんではなく、本物の彼女なのだ。だから映画というよりは半分ドキュメンタリーっぽいのだ。

そこがちょっとこの映画を思い出させた。この映画も半分ドキュメンタリーであり映画でもあったよね。こっちはただ話の盛り上げを作るためにエピソードを盛り込んでおり、フランス人の監督が撮ってる。グリーンランドに行くデンマーク人の先生の話。私の感想はここ。


これはこれでまぁまぁ嫌いじゃなかった。でも!!! 『ブータン 山の教室』の方がリアルで、こっちの方が圧倒的に良い。それは、すべて、監督の視線および出演者というかカメラに映っている人たちによるところが非常に大きい。村長さんもいいけど、私はもう最初からあのミチェンという先生の面倒見役の彼に惚れた!! なんか、かっこいい。やる気のない先生を見て静かに力なく微笑むところとか、とってもいい。静かに、都会から来た何も知らない先生に対する皮肉もあるのかもしれないんだけど、決して先生を馬鹿にしたりしていないし、冷たい感じは一切受けない。そこのサジ加減が本当にふるってる。パンフレット買ったらバイオのところに「音楽と演じることが好きな失業中の土木技術士」って書いてあった。良、良すぎる!! 良すぎるよー。そして、もちろん歌が上手い彼女も最高に素敵だ。この彼女は都会のカレッジに通う歌い手さんだそうで、今回が俳優デビュー。彼女も笑顔に嘘がなくってすごく良かった。

でも、やっぱり圧巻はあの子だよーーーあの子。ペム・ザム!!! ペム・ザムにやられたー もう最高である。実際、彼女の家は、映画で描かれている同様の家族であり(お父さんはアル中だで、祖母と暮らす)車を見たことがないという。あの子の瞳に心を動かされない人がいたら、それはうそだと思う。もう素晴らしいんだから!! あぁ、やばい。ほんとにあの子すごい。

これは魔法だ。映画の魔法!!

さてこの本編映像からのクリップも見てね。ONE OF一番好きなシーン(先生は未来に触れることができる、というシーン)と、監督が初めてペム・ザムに出会ったときの彼女の歌(2分くらいからスタート)。すでに、この映像でかなりやばい。「ニトイーキタト、ニトイーキタト、ズンズンズン、チューレレズンド、チャンランラーン〜♪」

 

この、下に貼り付けたインタビューもすごくいいからぜひ読んでみて。ドルジ監督、是枝監督のファンらしい。わかるよー 是枝監督、この映画見てくれたかなぁ!!

ブータンには映画産業というのものがなく、映画上映も市営ホールみたいなところでパソコンを使って行われたんだって。そして何日もかけてバスにのって見に来てくれた親子とかいるんだって。だからこの映画の出演者たちもまだ出来上がった映画をみていないのだそう。

ブータンに映画はないけど、私たちみたいな外国人がこの映画を見ることで、彼らの応援になる、と監督は語る。監督いいよ!!! 「ブータンの映画産業はとても小さいです。私たちは外国で成功することにかけています。(この映画が)日本を居場所を見つけたことを光栄に思っています」と。あぁ、やばい、これは応援しなくっちゃ。
 
都内では岩波での上映を終え、現在銀座のシネ・スイッチで1日に一度だけかかっているみたい。みんな急げ!!

あと、この映画がなんでこんなに響いたかっていうと、週末に見たミャンマーのDr.Sasaの講演の影響があったと思う。Dr. Sasa龍馬(命名:高野秀行さん)、ミャンマーの本当に貧しい少数民族の村出身で、村を出る時、村人たちが鶏をプレゼントしてくれてそれを腰にくっつけて行ったんだって…そこからはもう想像を絶するようなすごい貧しさと苦労の中でドクターになった。そういうのが頭に残っていたからだと思う。まぁ、こっちはミャンマーで、この映画はブータンだけど。

先週末に行われた配信でのスピーチ、素晴らしいと思ってたらテキスト出た! 


Dr Sasaのプロフィールはここ。 本当に地球上のすべての人が幸せでありますよう…ナイーブすぎる言い方かもしれないけれど、そう願うしかない。


あっっ、映画といえば… こちらもよろしく(笑)。私はたぶんほぼ毎日のように通うことになりそうです。うちの映画が有楽町でかかります!! うれしすぎる。7/14にはトーク出演もあり。みなさんと一緒にこの映画を見れるのがとても楽しみ。詳細はピーターさんの映画祭の公式ページまで。

それから映画『サウンド・オブ・レボリューション〜グリーンランドの夜明け』公式サイト、最近アップデートしました〜。スマートフォンでも見やすくなったと思います。



2021年6月7日月曜日

オカンアートもここまでくれば大したもんでしょ、クッキーちゃん❤️ 


なんと私のニットが世界に紹介された(爆)

しかもエディさんの公式ページにもご紹介いただいちゃったよー うわーい(ミーハーな私)。すごいまだ4時間くらいしかたってないのに400いいねとかついてる。っていうか、すごいコメント量で、ちょうどワンちゃんを亡くされたファンの方も喜んでくれてる。これは素敵❤️ ニッター冥利につきるわーーー 喜んだりおもしろがったりしてくれる人がいるの、うれしい。編んでても楽しかったけど、ほんと嬉しい❤️🖤❤️🖤❤️🖤❤️🖤
 

普通わんこ用のニットって個体差があるから測ったり、実物に会ってないとだめなことが多いので大きめ大きめになってしまうのでした。

でも真理子さんによりば、寒くなると毛も多くなるということで、ちょうどいいとのこと。ほっ。なんか今度はもっとデザインがかわいいやつ編んであげたい。このわんこニット本に載ってるスカート付きのやつとかかわいいんだ…

それにしても嬉しいなぁ!! オカンアートは、幸せを運ぶ。人のために編むのは楽しい。あらためてこのアイディアをくれたユキさんと、ナミカに感謝。二人はエディさんのキャリアにも詳しくて「あーでもないこーでもない」とアイディアくれたのでした。そう! ロックのいろんなことって知らないと難しい。例えばレコ社に言われて無理くりつくった作品とか、世間では酷評を受けたとか、あのジャケットは本人は実は気に入ってない…とかいろいろ背後にあるわけで、それを川崎のペルー料理屋さんで注意深く考え、しかも編みやすそうな柄ということで、このファーストの柄にしてみたら、とユキさんが思いついてくれたのでした。あのファーストアルバムは本人も好きな作品のはずだ、私も死ぬほど聞いた、と。

それにしても編み物はいい。ここ数週間忙しすぎて編めてないので、ちょっとイライラ。編み物ってヒーリング効果あるよ。なんか無心に手を動かしていると落ち着くんだ。早くまた編みたいなぁ。来月かなぁ。夕飯のあとは仕事しないで映画みながら編むという公約が全然果たせていない。

2021年6月5日土曜日

グリーンランドの映画を手がけるようになったきっかけ #pbmff


かっこいい! この映画は本当にかっこいい。『サウンド・オブ・レボリューション〜グリーンランドの夜明け』この映画に出会えて本当に良かった。

このチラシ、かっこいいでしょう? ほんとに私の作るチラシって文字が多くていやんなっちゃうんだけど、デザイナーの高橋そのみさんの天才的なレイアウト力で、なんとかなった。高橋さん、いつも本当にありがとう!!

この映画は70分ほどの短めの音楽ドキュメンタリーで、グリーンランドの独立運動はとあるロックバンドがきっかけだったということ。

THE MUSIC PLANTが、なんでグリーンランドの映画を…?と疑問に思った方に、もちろん当時からこのブログで書いていることですけど、また書いておきます(笑)。橋田壽賀子さんが言ってたけど、大事なことは3度言ってやっと人に伝わるんだって(だから彼女のドラマはセリフが長い)。

2017年、私はデンマーク大使館から依頼を受け(紹介してくれた後輩のN、ほんとにありがとう!)、デンマークの皇太子夫妻が来日するので、それにともなう音楽イベントを制作する仕事をしたのでした。ご夫妻の来日にともなってグリーンランドの文化の展示会が催される。ついては来日するのはグリーンランドのバンドだ、と。

へぇー!と思いました。だって、イヌイットの文化は素晴らしいけど、少数民族の文化だし、決してデンマークのメインストリームではないからです。ま、言ってみれば日本の皇族が来日する、ついては沖縄の文化を紹介したい…ってそういうことだよね。素晴らしい。で、さっそく資料をもらったら、これが、なかなか良さげ。

バンドは2組で、一つはニーヴ・ニールセンという女の子のシンガーソングライターのバンド。もう一つがグリーンランド語で歌うナヌークというバンドだったのでした。

なんというか、ニーヴはイヌイットっぽいルックスで可愛くてモデルもしていてアメリカにも何度か行っていて、アメリカ人のバンドメンバーを連れて英語で歌う野心家だった。ただし正直私の印象は…  もう時効だから書いちゃうけど国の補助金の上にのらりくらりと美味しいところだけゲットし、あちこち旅を楽しんでいるミュージシャンだった。でも、それはいいんだ。だってそのくらいグリーンランドって厳しいところだから。それに、間違いなく彼女はグリーンランドのひとつのアイコンではあります。グリーンランドにある唯一の国際空港には彼女の巨大ポスター(Wearing カナダグース)が貼られ、本当に人気者なのはわかる。でも私、女性アーティストには厳しいんです。メアリーだって、エディだって、女性シンガーで世界的に成功してフロントに立つ人は、いつもとても人間も素晴らしいから。そして人一倍面倒見がよく、人一番努力している。歌が上手いだけじゃない。ニーヴィー悪い子じゃないんだけど、こんなんで成功できるわけないよと私は彼女のことは正直厳しい目で見ていました。

一方のナヌークは、グリーンランド人ではあるけれどデンマーク人のお母さんの元で生まれて、いかにもデンマーク人の人の良さを受け継いだ優しさがありました。私たちスタッフにも気を使ってくれる、とてもいい子たち。フロントはエルスナー兄弟というソングライターの二人です。子供のころ友達が自殺をしてしまったことがきっかけで(イヌイットの自殺率はとても高い)曲を書き始めたというお兄ちゃんのクリスチャンも、ハイトーンヴォイスがとても印象的な弟のフレデリックも、なんとかグリーンランドの人たちを励まそうと頑張る真面目ないい子たちなのでした。

写真は、その皇太子夫妻のパーティ@デンマーク大使館の庭に併設されたテントにて。ナヌークと、河野ワクチン大臣(笑)。当時はデンマーク友好なんちゃら議員さんでした。


懐かしいなー。

この時、そういえば日本でいろんな国の音楽を紹介しているジャーナリストやDJの方を招待ということで、多くのジャーナリストさんたちとともにピーター・バラカンさんご夫妻にも来ていただいたのだった。で、それらの皆さんの代表ということで、皇太子ご夫妻にも挨拶していただいたのです。暗くて、写真がよくない。残念! でも奥様の真弓さんが着物を着ていらしてくださって、本当に素敵だった。こういうの、ほんとに助かる。ううう、ありがとう、真弓さん、ピーターさん。

しかし感慨深いな…。思えば、今回の映画祭への道はここから始まっていたのかも。今、振り返れば、まさにスティーブ・ジョブズのドットとドットの話ってやつですか(笑)


こちらは同じく挨拶をお願いしたプランクトンの川島恵子社長。「デンマークのアーティストは本当に素晴らしい」と言っていただき、皇太子ご夫妻も嬉しそう。そう、皇太子と恵子さんが何度も招聘しているハラール・ハウゴーは大親友。それにしても恵子さんも、お忙しい中、ありがとうございました! こちらも写真が暗くて残念無念。



そして、まぁ、このパーティも無事終わり、翌日は、「後(あと)パブ」(イベントの事後に掲載される記事)になるような取材もぜひ入れてほしいという司令が大使館からあったので、熱血取材日。私たちは大使館さんに会議室を借りて取材をいくつかブッキングしました。2組のアーティストの並行取材で大変でしたが、実際滅多にない珍しいグリーンランドの取材ということでなかなか盛り上がりました。

その時に、確か松山晋也さんだったと思うんですが、音楽ジャーナリストさんがナヌークの二人に「あなたたちはグリーンランド語で歌ってているわけですよね。日本に来てもグリーンランド語で歌って、日本の人たちに通じると思いますか?」って聴いたんです。ちょっと意地悪な質問だったかもしれないけど(笑)。

そしたら、お兄ちゃんであるクリスチャンが「絶対に通じる」って速攻で力強く答えたんです。私はその瞬間、

ズギューーーーン

……このバンドと恋に落ちた(笑)

これは私のバンドだと。あの瞬間を今でも思い出すと涙が出ます。これが私が、彼らと恋に落ちた瞬間だったのです。ズギューーーーン(笑)これは私のバンドだ。このバンドをなんとかしよう。

正直、音&雰囲気としてはニーヴの方が日本市場でウケるんじゃないかとかアドバイスをもらいました。それはわかるんだ。それは、すごーくわかる。そして私の周りのほとんど人がこのバンドをやることに反対だった。最初、音楽ジャーナリストで応援してくれる人は最初はほとんど誰もいなかった…

でも、あの瞬間、私とナヌークの乗った泥舟…ってのもひどいな、筏船は荒波へ向かって漕ぎ出したのでした。どんぶらこ… どんぶらこ… そしてそれが、彼らが出演しているグリーンランドの映画へと続いていくわけです。要望があれば、この話題は続く。

この曲、ほんとにいい曲だな。確かに演奏力とかまだまだかもしれないけど、私はこのバンドが大好きです。

 

映画『サウンド・オブ・レボリューション〜グリーンランドの夜明け』はピーター・バラカンさんの音楽映画祭で上映されることが決まりました。詳細はこちらをちぇきら
7/14(水) 18:10からの回では、上映後にピーターさんと野崎のトークもあります。楽しみ。






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