2021年6月2日水曜日

加村一馬『洞窟オジさん』ついに本まで読んでしもた。これは大傑作!!!


良かった、良かった、良かったーーー

ドラマも最高に良かったけど、本も最高に良かった!!! ドラマは事実というか、この本の細部を変えているとはいえ、この本の魅力を最高に表現しているということも確認できた。ドラマも素晴らしいけど、本も… いや、このドラマを作らせたこの本こそ、最高だと思う。いやーーー傑作。どうしてこの本に今の今まで出会わなかったのかー 大ヒットしてたんだよね。どうして誰も教えてくれないんだ!? 

ドラマが好きすぎるので、原作どうかなーと思ったけど、いやーいやーいやー本当に素晴らしい。これぞ「生きていること」だと思ったよ。素晴らしすぎるよ。

それにしても、この作品を洞窟おじさん本人が自分で書いたとは考えにくい。おじさんが話をして誰かが起こしているなと思ったのだけど、その人の名前がこの文庫本にはまったく出てこない。ただ時々「本のあんちゃん」とかおじさんの記述には出てくるので、その人のことも知りたくなった。

文庫本はとにかく大幅に加筆してあるというのでオリジナル単行本との違いを確認したくなって、単行本も買ってしまった。「洞窟オジさん 荒野の43年」。そしてこの単行本版には「本のあんちゃん」の名前もしっかり出ており祓川(はらいかわ)学さんという方だということを知る。どうやら児童本の作家さんであるらしい。

うわー 文章上手いはずだよ。めっちゃわかりやすいもの。っていうか、これ祓川さんの勝利でしょう? でもきっと祓川さんは洞窟おじさんに気を使ったのかな… 文庫本ではその後のオジさんについて相当追記されているのだが、祓川さんの名前はクレジットにも載っていない。

反対に文庫本では、この本をドラマ化したサラリーマンNEOも当てていた演出家の吉田さんという方の手記を読めて、これはこれですごく興味深かった。

リリーさんをキャスティングしたのは、洞窟オジさんがストリップを見に行くシーンをリリーさんなら素晴らしく演じてくれるだろう、と思っただからだそうで、確かにあのシーンのリリーさんは最高に素晴らしかった。あのシーンにオジさんの無垢な内面と驚きと人間としての悲哀や人生の悲しさ美しさ、すべてが凝縮されている。

それにしても単行本の方は、文章の端々で「本のあんちゃん」のことを洞窟おじさんが慕っているのがわかる。いいなぁ!! まだドラマ化される、ヒットするうんと前に出た単行本。

ドラマにも出てきた図解(笑)
先日見た宮本亞門の舞台のドキュメンタリーもそうだったんだけど、映画 → 舞台劇 → ドキュメンタリーの流れもそうだったけど、なんというか伝えるべきは物語の筋や話の流れじゃないんだよ。 

伝えるべきは物語の中心のゆずっちゃいけない超コアの部分だ。それが加村さん → 本のあんちゃん → 本 → ドラマときちんと繋がっている。すごいよ。

ドラマは演出がロックでかつコメディで、それが良かった。この演出家さんが当てた「サラリーマンNEO」は見たことはなかったけど、話題になっていたのは知っていたので、なるほどーと思った。でも「洞窟おじさん」にドラマに出てくるユーモアは、洞窟おじさんこと加村さんのものも多く、笑ったのはドラマの…3話だったかな? 冒頭の部分で若い看護師さんによる健康診断の爆笑シーン。お尻にぶちゅっとやられ、耐えるオジさん。あのシーンは、その売れっ子演出家さんが考えたものかと思っていたら、本にも同じネタが出てきた。つまり演出家さんではなく、おじさんネタだったんだねー笑えるよー。

あと本の方ではおじさんに文字を教える「先生」のことにも、ぐっときた。先生の本名ももうおじさんはわからないのだそうだ。泣ける。

単行本から大幅に加筆された文庫本の最後にはリリー・フランキーさんとの対談も収録されていて、これもいい。演出家はストリップシーンに加え、リリーさんと加村さんの顔が似ていることも、リリーさんのキャスティングの大きな要素だったと話している。うん、似てる。

それにしても、困ったもんだ。先日の公演前の一番忙しい時期にこの本を読んだ。あぁ、もうっっっ、こんな読んでも一銭にもならん本。あぁ、もうっっっ、このクソ忙しい時にっっと思いつつ、あっという間に読破してしまった。本が良いと、これが死ぬほど忙しくても読めてしまうのだ…怖いことに。もう仕事しないで本だけ読んで暮らしていきたい。

とにかく洞窟おじさんマイ・ブームはまだまだ続く。洞窟おじさんのブルーベリー・ファームにもいつか行きたいけど、本物の加村さんとはきっとお話するのは難しいだろうなぁ。

きっと加村さんのピュアな精神でのぞかれたら、私の中の汚い部分を全部見つけられてしまいそうである。本当に素敵な洞窟おじさん。ずっとお元気で。

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