2021年6月5日土曜日

グリーンランドの映画を手がけるようになったきっかけ #pbmff


かっこいい! この映画は本当にかっこいい。『サウンド・オブ・レボリューション〜グリーンランドの夜明け』この映画に出会えて本当に良かった。

このチラシ、かっこいいでしょう? ほんとに私の作るチラシって文字が多くていやんなっちゃうんだけど、デザイナーの高橋そのみさんの天才的なレイアウト力で、なんとかなった。高橋さん、いつも本当にありがとう!!

この映画は70分ほどの短めの音楽ドキュメンタリーで、グリーンランドの独立運動はとあるロックバンドがきっかけだったということ。

THE MUSIC PLANTが、なんでグリーンランドの映画を…?と疑問に思った方に、もちろん当時からこのブログで書いていることですけど、また書いておきます(笑)。橋田壽賀子さんが言ってたけど、大事なことは3度言ってやっと人に伝わるんだって(だから彼女のドラマはセリフが長い)。

2017年、私はデンマーク大使館から依頼を受け(紹介してくれた後輩のN、ほんとにありがとう!)、デンマークの皇太子夫妻が来日するので、それにともなう音楽イベントを制作する仕事をしたのでした。ご夫妻の来日にともなってグリーンランドの文化の展示会が催される。ついては来日するのはグリーンランドのバンドだ、と。

へぇー!と思いました。だって、イヌイットの文化は素晴らしいけど、少数民族の文化だし、決してデンマークのメインストリームではないからです。ま、言ってみれば日本の皇族が来日する、ついては沖縄の文化を紹介したい…ってそういうことだよね。素晴らしい。で、さっそく資料をもらったら、これが、なかなか良さげ。

バンドは2組で、一つはニーヴ・ニールセンという女の子のシンガーソングライターのバンド。もう一つがグリーンランド語で歌うナヌークというバンドだったのでした。

なんというか、ニーヴはイヌイットっぽいルックスで可愛くてモデルもしていてアメリカにも何度か行っていて、アメリカ人のバンドメンバーを連れて英語で歌う野心家だった。ただし正直私の印象は…  もう時効だから書いちゃうけど国の補助金の上にのらりくらりと美味しいところだけゲットし、あちこち旅を楽しんでいるミュージシャンだった。でも、それはいいんだ。だってそのくらいグリーンランドって厳しいところだから。それに、間違いなく彼女はグリーンランドのひとつのアイコンではあります。グリーンランドにある唯一の国際空港には彼女の巨大ポスター(Wearing カナダグース)が貼られ、本当に人気者なのはわかる。でも私、女性アーティストには厳しいんです。メアリーだって、エディだって、女性シンガーで世界的に成功してフロントに立つ人は、いつもとても人間も素晴らしいから。そして人一倍面倒見がよく、人一番努力している。歌が上手いだけじゃない。ニーヴィー悪い子じゃないんだけど、こんなんで成功できるわけないよと私は彼女のことは正直厳しい目で見ていました。

一方のナヌークは、グリーンランド人ではあるけれどデンマーク人のお母さんの元で生まれて、いかにもデンマーク人の人の良さを受け継いだ優しさがありました。私たちスタッフにも気を使ってくれる、とてもいい子たち。フロントはエルスナー兄弟というソングライターの二人です。子供のころ友達が自殺をしてしまったことがきっかけで(イヌイットの自殺率はとても高い)曲を書き始めたというお兄ちゃんのクリスチャンも、ハイトーンヴォイスがとても印象的な弟のフレデリックも、なんとかグリーンランドの人たちを励まそうと頑張る真面目ないい子たちなのでした。

写真は、その皇太子夫妻のパーティ@デンマーク大使館の庭に併設されたテントにて。ナヌークと、河野ワクチン大臣(笑)。当時はデンマーク友好なんちゃら議員さんでした。


懐かしいなー。

この時、そういえば日本でいろんな国の音楽を紹介しているジャーナリストやDJの方を招待ということで、多くのジャーナリストさんたちとともにピーター・バラカンさんご夫妻にも来ていただいたのだった。で、それらの皆さんの代表ということで、皇太子ご夫妻にも挨拶していただいたのです。暗くて、写真がよくない。残念! でも奥様の真弓さんが着物を着ていらしてくださって、本当に素敵だった。こういうの、ほんとに助かる。ううう、ありがとう、真弓さん、ピーターさん。

しかし感慨深いな…。思えば、今回の映画祭への道はここから始まっていたのかも。今、振り返れば、まさにスティーブ・ジョブズのドットとドットの話ってやつですか(笑)


こちらは同じく挨拶をお願いしたプランクトンの川島恵子社長。「デンマークのアーティストは本当に素晴らしい」と言っていただき、皇太子ご夫妻も嬉しそう。そう、皇太子と恵子さんが何度も招聘しているハラール・ハウゴーは大親友。それにしても恵子さんも、お忙しい中、ありがとうございました! こちらも写真が暗くて残念無念。



そして、まぁ、このパーティも無事終わり、翌日は、「後(あと)パブ」(イベントの事後に掲載される記事)になるような取材もぜひ入れてほしいという司令が大使館からあったので、熱血取材日。私たちは大使館さんに会議室を借りて取材をいくつかブッキングしました。2組のアーティストの並行取材で大変でしたが、実際滅多にない珍しいグリーンランドの取材ということでなかなか盛り上がりました。

その時に、確か松山晋也さんだったと思うんですが、音楽ジャーナリストさんがナヌークの二人に「あなたたちはグリーンランド語で歌ってているわけですよね。日本に来てもグリーンランド語で歌って、日本の人たちに通じると思いますか?」って聴いたんです。ちょっと意地悪な質問だったかもしれないけど(笑)。

そしたら、お兄ちゃんであるクリスチャンが「絶対に通じる」って速攻で力強く答えたんです。私はその瞬間、

ズギューーーーン

……このバンドと恋に落ちた(笑)

これは私のバンドだと。あの瞬間を今でも思い出すと涙が出ます。これが私が、彼らと恋に落ちた瞬間だったのです。ズギューーーーン(笑)これは私のバンドだ。このバンドをなんとかしよう。

正直、音&雰囲気としてはニーヴの方が日本市場でウケるんじゃないかとかアドバイスをもらいました。それはわかるんだ。それは、すごーくわかる。そして私の周りのほとんど人がこのバンドをやることに反対だった。最初、音楽ジャーナリストで応援してくれる人は最初はほとんど誰もいなかった…

でも、あの瞬間、私とナヌークの乗った泥舟…ってのもひどいな、筏船は荒波へ向かって漕ぎ出したのでした。どんぶらこ… どんぶらこ… そしてそれが、彼らが出演しているグリーンランドの映画へと続いていくわけです。要望があれば、この話題は続く。

この曲、ほんとにいい曲だな。確かに演奏力とかまだまだかもしれないけど、私はこのバンドが大好きです。

 

映画『サウンド・オブ・レボリューション〜グリーンランドの夜明け』はピーター・バラカンさんの音楽映画祭で上映されることが決まりました。詳細はこちらをちぇきら
7/14(水) 18:10からの回では、上映後にピーターさんと野崎のトークもあります。楽しみ。






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