2020年12月31日木曜日

2020年の野崎的ベスト本


2020年の何かにベスト10を私がつけられるとしたら、それは音楽でも映画でもなく私の場合は絶対に本なんだよなぁ…

ってなわけで、ベスト3はこちらの3冊です。どれも最高に面白いのでぜひ読んでください。それぞれの感想ブログへはリンクを貼っておきました。

1位と2位は接戦ですが、やっぱり自分の仕事にも深く関係するということで木村さんのこの本が一位(笑)になりました。角幡さんのこれも新しい角幡ワールドの目覚めというか覚醒というか、とにかくパワフルな1冊だったんだよなぁ。

1.  木村元「音楽が本になるとき」

2.  角幡唯介「そこにある山」

3.  河野啓「デスゾーン」

他にも今年は本当に素晴らしいノンフィクションがたくさんリリースされた年だった。フィクションも数冊読んだけど、圧倒的にノンフィクションだよなぁ。

宮口幸治「ケーキの切れない非行少年たち」/高野秀行「幻のアフリカ納豆を追え!」/古賀太「美術展の不都合な真実」/清田隆之(桃山商事)「さよなら、俺たち」/幡野広志「なんで僕に聞くんだろう。」 /樋口耕太郎「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」どれも例年だったら、絶対にベスト3に入っているはずの名作です。

来年もたぶんまたノンフィクションを大量に読むだろう。今、読んでいるのもノンフィクション。今、積読になっている山もほとんどがノン・フィクション。本が読めるということは最高の喜びだ。

こっちはまだ見れます。グラフトンストリートのバスキング、ドキュメンタリー



ナタリー・マーチャントの配信は24時間くらいで削除されちゃったみたいですね、見れなかった方、すみません。

こちらはまだ22日間ほど見れるみたい。ダブリンの年末名物となったグラフトンストリートのバスキングを紹介したドキュメンタリー。このバスキング(路上演奏)には、なんとU2のボノも参加したことがあるんですよ。

このバスキングが始まったきっかけは、年末にグラフトン・ストリートを歩いてたグレン・ハンザードにチャリティのため路上で歌っていたクワイヤの子供たちが「グレン、一緒に歌おうよ」と声をかけ、グレンはその時は参加しなかったものの、家に一旦戻ってからギターを持ってその場に戻りストリートで歌うことを始めたのだそうです。その後、仲良しのムンディ(シャロン・シャノンの「ゴールウェイ・ガール」を歌ってる彼ですね)、当然のようにリアム・オメンリィ(ホットハウス・フラワーズ)なども加わり、年末の恒例行事に。他にもリサ・ハニガンやシネイド・オコナー、ホジエや、話題の新人デイヴィッド・キーナンが参加した年もあったようです。素晴らしいですね。で、ほんとにグレンの毛糸の帽子を観客に回して現金を集め、ホームレスをなくそうというチャリティに寄付してる。そうそう、番組ではメアリー・ブラックの長女のローシンがインタビューでもたくさん登場し気の利いたコメントを残してます。偉いぞ、ローシン! 

今年はパンデミックでストリートで演奏するのはリスクなので、この番組が作られ、なんとシングルが作られた模様。そのシングルはフィル・ライノットの「Old Town」のトラックにみんなの声を重ねたもの。This boy's crackin' up.....本当に最高のクリスマス・プレゼント! この曲はこのドキュメンタリー番組の最後に流れますので必見です。そして最後の最後はなんとあの御大も登場して、みんなに声をあわせます(笑) ちょっとびっくり。収益は全てこちらへ寄付。ダブリンがある限り、ホームレスは存在しません。No One Should be Homeless when Dublin is their home.  

番組は下記のリンクからどうぞ。

それにしても、この感じ。この感じがダブリンなんですよね。とっても素敵だ。

配信More ....ナタリー・マーチャント。そしてシャロン・シャノンなどなど


ナタリー・マーチャント。医療従事者のために歌います。すごく良いですよ。ぜひ。慈愛に満ちた歌声ってこういうのを言うんだよね。沁みるわぁ…(ナタリーの登場は40分すぎ。fbに行かないと見れないけど、下記からリンクしてみてください。いつまでアップされてるんだろう。削除されちゃったらすみません)

 

そしてこちらは配信というか、先日RTEで流れたLATE LATEのシャロン特集が全部こちらで見ることができます。

ハイライトはヒギンス大統領のシャロンへのメッセージ「楽器と一体化した素晴らしい音楽家が時々出現します」

私が好きなシーンは、子供のころの話からの流れでプレゼンターのライアンに「あなたは音楽的にも芸術的にも野心がありましたか?」という質問をされ、シャロンが一瞬固まったところ。そんなこと考えたことすらない…といった風情で「I just wanted to play...」と答えたのがVery シャロンで笑っちゃいました。質問したライアンも笑ってましたが(笑)

「We were all stone mad about music...」っていう回答が良かった。ただただ音楽に夢中になっていたんだよ、と。

いいなぁ、シャロン。ステージでももちろん周りの人を幸せにすることにかけては最高のアーティストだと思います。


そしてこちらも数日前に配信になったメアリー・コクラン、フランシス・ブラック、シャロン・シャノンのコンサート。


最後に林田直樹さんのこの言葉をかみしめて、私は例によって例のごとく年末の経理作業にいそしみたいと思います。なんでこんなにクリエイティブな私がこういう内向き・守りの作業をやらねばならんのだ!! 経理が好きな人、本当に尊敬する!

みなさま、今年もお世話になりました。良いお年をお迎えください。来年はきっと良いことがたくさん待っています。

2020年12月30日水曜日

クリスマス・コンサート from スコットランド



エディ・リーダーや、ラウーのクリス・ドレヴァーなどスコットランドのオールスター!みたいなノリのフィル・カニンガム先生のクリスマスコンサートですが、でもコロナのせいで15回目の今年はオンライン開催。


こちらはクリスマスの時期のみ、と宣伝されていたのですが好評につき1月5日までアーカイヴで見ることができる模様。良かったら、ぜひ!! こちらからリンクに進んで支払いを完了させると何度でも見ることができます。

こちらはエディ・リーダーからのメッセージ。

そちら、こちらもすごく良かったのでご紹介。このトリオなんですが…


かっこいいでしょ。スローな曲といい、テンポが違う曲を組み合わせてくるところといい、いやー かっこいいわー 

で、この3人のクリスマス・コンサートも同じプラットフォームの配信で見ることができます。
特にかっこいいのが、ジョン・ドイルが歌うWilliam Taylor。ビル・ジョーンズが歌っているので私もよく知ってる曲だけど、いやー ジョンが歌うと男らしいというか、かっこいいというか。いいねぇ。こういうの、ほんと大好き。こちらのURLはここ

そんなわけで、ちょっと遅れたクリスマスムードを楽しむには最高のコンサートです。われらが日本が誇るケルト音楽の祭典ケルティック・クリスマスも年明けに再配信あり。こちらもチェキら!

皆さん、良いお年をお迎えください〜 こちらは毎週やってるティム・エディの配信より。クリスマスの10分ほどの映像です。

2020年12月28日月曜日

仕事納め


写真は最近編んでいるアイスランドのロピセーター。簡単で誰にでもあめると思う。輪っかの状態になった棒針でぐるぐる編んでいき、面倒なはいだりする作業はほぼなし。楽しいよー。前にも書いたが夕飯を食べたらもう仕事はしないというのを最近は徹底しており、編み物に興じている。セーターブログもそのうち書いてみようと思うのだけど、世の中にある編み物手芸系ブログはクオリティが高いものが多く、私みたいにいい加減に編んでいたり間違いがあちこちあったりみたいなブログは、どうなんだろうと思うとちょっと腰がひける。それより編み物自体が楽しい。おかげで朝型生活がゆるんでしまい、今朝起きたのは9時。夜寝たのが1時だったのでしかたないのだけど、うーん、これはいけないなぁ。もっとも飽きやすい私なので、編み物熱もそのうち覚めるだろうと、あまり自分で自分のことは心配していない。

世間は今日で仕事納めということらしい。私は例年のごとく今日から経理合宿なので、作業を始める前に「通帳記入」というやつに行かないといけない。仕事で使っている都市銀行の通帳は地元駅に支店があるからいいけど、二つある個人通帳のうち1冊は城南信用金庫のもので、これが都心に行かないと記帳できないんだよねー 外苑前か渋谷。渋谷も今や警察署の前までも派手な感じになっているらしいので、行くのはいやなので、当然外苑前になる。

都心はいまだに電車が混んでいるらしく、うーん、ここへ来てコロナに対する人々の態度について違いが明確になってきている感じがする。通勤がある人は、もうすでにこの状況に慣れてしまっているようだ。混んだ電車、混んでる店なども、あまり気にならないらしい。

なかなか興味深い記事。

私はと言えば、都心に出るにもドキドキで、引きこもりみたいな生活をしている。こんなんで社会復帰できるんだろうか。このまま引退も悪くないよなぁ、なんて思う。もしそれが可能ならば。まぁ、でもきっと手洗いマスクをしっかりして集団で食べ物の上でぺらぺらしゃべらなければ、きっと大丈夫だよね…という感覚は私にもある。

今の生活もツアーがない時の自分の生活とあまり変わりがないといえば変わりはない。といっても週に二度くらいは都心に出てミーティング以外にも友達とランチしたり映画をみたりしていた。それがないのが本当に寂しいねぇ。かといって、ZOOM呑みとかはやる気にもならない…というか、やれば楽しいんだろうけど、なんか虚しいというか…。

そして家でできる事務作業みたいな仕事はコロナ前よりもかえって増えている。いろんな手続き、通るかわからない、通っても実行できるかわからないような企画書も、もくもくと作る。作るために調べ物をする。いつもここで言っていることだが、企画は発表した時点では80%が終了しているのと同じ。発表前が大変なのだ。10本企画を立ち上げて、1本実行できればかなりの高確率ともいえる。そのくらい厳しい。

気がめいる時は、そんな時は掃除をするのがいい。掃除をすると気分がすっきりする。一昨日高圧スチーマーが壊れてしまい現在部品だけ購入できないかメーカーに問い合わせ中だ。おかげで台所の掃除はスチーマーの復活(もしくは再購入)までお預けか。とほほ…

あとはなんとか年内に仕事机周りも整理したい。

今日は昨日から継続している床のワックスかけの続きをしてトイレ掃除をして、夕方通帳記入にくりだし、美味しいものでもソロで食べてから帰りは銭湯か温泉施設によって帰宅しよう。

それにしても、もう少し断捨離も進んでいた予定だったのだけどなぁ。物はいまだに減らない。

…と、まったりと日々はすぎていくのであった。これが幸せということか。こんなブログを読んだりする。こんなふうに毎日死にそうな思いで通勤している人もいるんだなぁ、と思う。それにくらべて自分はなんてまったりしていることか。みんな必死に日々を生きているんだよ。仕事をして世の中をまわしてくれている皆さん、特に今は医療関係の皆さんにお礼をいいたい。ありがとう。

とはいえ、私も水面下ではいろいろ動いている。足をバタバタさせている、というのは言っておきましょう。イベント自体は2月。発表できるのは1月の下旬です。

このロピセーターの本、初心者でも編みやすくてわかりやすいよ。興味持った方は、ぜひ。

2020年12月26日土曜日

ケルティック・クリスマス2020オンライン、再度Live Streamingありますよ〜

 


再放送決定〜! 1月3日、4日、お正月にケルクリなんて洒落てる…

すでに1回目の放送を見た方も、前回見逃した方もぜひ。ちなみに今回はボーナス映像としてマイケル・マクゴールドリックと、ドーナル・ラニー&パディ・グラッキンの映像も加わるようですよ。ちぇきら!!!

詳細はこちらへどうぞ。なお投げ銭希望の方やクラウドファンディングに参加できなかった方からの問い合わせが殺到しているようですが、ぜひぜひ関連CDはこちらで販売しているようですよ。こちらでご購入いただくことで頑張る主催のプランクトンさんをご支援いただければと思います。


こちらの二人からもメリー・クリスマス!



2020年12月24日木曜日

I FELT A SOUL MOVE THROUGH ME  その人の魂は今も自分の中に生きている

 

自分の中でその人の魂が動くを感じた
私が無事で元気である時
窓辺の木の枝も私を傷つけることはもうできない

夜がやってきて

子供の時にいだいた恐怖がよみがえる時

その人の魂が私の中に生きている

それらはすべて消えてしまった


自分の中にその人の魂が生きているのを感じた

電車を降りようとした時

再びスタートを切ろうと新しい生活を始めるため

春が私をここまで連れて来た

冬は私をここに留めた

その人の魂は私の中に生きている

時間の感覚は消えてしまった


その人の魂が私の中で動くのを感じる

空のどこかで 

サヨナラを言うには遅すぎたけど

その人は私に笑いをもたらしてくれた

私は涙でそれを支払った

その人の魂は私の中で生きている

そして自分が存在しているという感覚すらも消えてしまった


その人は私に笑いをもたらしてくれた

私は涙でそれを支払った

その人の魂は私の中で生きている

そして自分が存在しているという感覚すらも消えてしまった


Written by Boo Hewerdine

(訳は私が下手くそながらやってみました)



エディ・リーダーのお父さんとブーのお母さんがほぼ同時期になくなり、二人は奇妙な時間をシェアしたのだという。ブーはHer Soulと歌い、エディはHis Soulと歌う。


私はどちらもはぐらかして「その人」としてみた。この、亡くなったか人のことをふと思い出すあの感覚。いいよね。そういう時、「その人」はあなたの中で生きている。


友達の数日前に亡くなったワンちゃんにこの曲を。一緒にすごした時間に乾杯。あとスタクラと、ビルと、ギャーヴィン。小山田さんと内田さんに。彼らは私の中で生きている。

2020年12月23日水曜日

ヒットが生まれる時 高野秀行さん辺境チャンネルにつられて『ワセダ三畳青春記』マイ・ブーム。

 


今、話題の高野秀行さんの辺境チャンネル、初回からしっかりみている自分なんですが、3回目にしてこれをみたら、第5次高野本マイブーム到来って感じ。だって大好きな一冊なんだもん。高野さんの大傑作『ワセダ三畳青春記』。久々に再読してみました。

もう、バカバカしいとしか言いようがない。バカバカしいんだけど、もう大笑い。最後はほろりと泣ける。これは最高に最高の一冊だ。高野さんの本の中で、ベスト1かもしれない。いや、もちろん『ソマリランド』も『アフリカ納豆本』『イスラム飲酒起工』大好きな本はたくさんあるけれど…

それにしてもかっこいいのは「大家のおばちゃん」だ。へんなバスに拉致(?)されそうになった時、高野さんをかばい「高野さん、逃げて!」とか、めっちゃかっこいい。そして辺境チャンネルに動画で出てきた動く本物のおばちゃんをみるにつけ、まるで樹木希林みたいな感じで本当に素敵な方なのだ。なんて上品で優しくて強い人。あぁいう人を目指したいなぁ、と強く思う。お話もすごく面白く「語り部」って感じ。私にはまだまだ修行が足りないけれど。

そして辺境チャンネルで、この本がヒットした経緯を聞くにつけ、ヒットってなんか愛情&電流だと思う。ヒットになる要素ってのは、実はそこにすでにあって、読者(音楽の場合はリスナーだね)はそこで待っていて、要はそこにうまく電流が流れるかどうかなのだと思う。

以前、元ワーナーチャペル、現在ソニー出版の顧問でもある、業界でもビックネームの大尊敬するAさんはいみじくも言った。「どんな音楽でも2万枚は売れる可能性がある」と。つまり2万売れない場合、それはスタッフが悪いのだ、と。この2万という数字の背景など、もうとっくに忘れてしまったけど、妙に説得力のある言葉じゃありませんか。

作る側の作品に対する愛が、どこまで電流として読者に届くのか、なんだよね。そしてやっとヒットとなった高野さんのこの本(高野本は、それまで増刷ヴァージンだったらしい)、直接の担当を離れてもその後の高野さんを見守る堀内さんの編集者を超えたプロデューサーとしての気持ち、良かれと思い送り出してやる時の気持ちとか、もうたまらない。あの、アーティストが育って、もう自分の役割ではない、手を離して送り出してやらねばという時のあの気持ちは、私にもすごくわかる。結局ダメになって出戻ってきたアーティストもいるのだが、うちで盛り上がっているので、大手から声がかかるようになったというバンドも過去にはいくつかあった。

あぁ、もうやばい。本当にうらやましいです、堀内さん&高野さん。そして堀内さんの魂は、現在の高野辺境チームの中にも永遠に生き続けるのであった。素晴らしいな。堀内さんは何年か前に亡くなられたのだが、今でも高野チームは「堀内さんだったら、どうするかな」って考えるらしい。あぁ、わかる。

プロデューサーとしてもそこまで入れ込めるアーティストと出会えた堀内さんも本当に素晴らしいと思うし、そういうお互いに出会えたのも、また堀内さんの力であり、高野さんの力なのだろう。読者はその恩恵に預かって、自分の手元に届いた作品をぎゅっと抱きしめるしかない。

なんのことを言っているかわからない人は、ぜひ『ワセダ三畳青春記』を読み、上の配信を見てください。私の言っていることがわかると思う。

私も、ほんとに誰にも知られていない音楽を発見し、誰のも知られていない音楽を一人でも多くの人に聞いてもらうべく努力しないといけないな、と思う。そして「あの子は私が育てたのよ」と言ってみたい。

配信の中で杉江さんの言ってた「ちょっと話しかけられない後ろ姿」というのは、私にもわかる。というのは、よく友達が私とミュージシャンが前を歩く姿を後ろから撮影、ということがよくあるのだ。なんか二人の間に入れない感じ。

この写真なんか、ちょっとそうだよね。自慢しちゃおう。友達が撮ってくれた、私と今年7月に突然亡くなったスタクラの写真 in 浅草。スタクラ、よく喧嘩もしたけど、いいやつだった。

なんかアーティストとプロデューサーって喧嘩しやすいんだよね。アーティストの連中はそれこそ遠慮なく、こちらの内側にぐいぐい入ってくる。普通の人なら「野崎さんに悪いでしょ」って思うことも遠慮なく言ってくる。そして喧嘩になる。でもそれがすごく人間が近くに感じられて私は嫌いじゃないんだ。

私は大家のおばちゃんほどかっこよくないし、堀内さんほど熱くないけど、自分のミュージシャンとそういう関係を作っていきたい…と思わず感情移入してしまうのであった。そういう気持ちを忘れたくなくて、自分のブログに自分のためにメモっておく。

2020年12月22日火曜日

SOME FANTASTIC PLACE どこか素敵な場所で

角幡ウヤミリックくんが亡くなったことを今朝角幡さんのツイートを見てしった。ショックだ。 ウヤミリックくんはうちのチラシにもなってくれた。歴代THE MUSIC PLANTのチラシの中でももっとも好きな1枚。写真:角幡唯介さん、デザイン:高橋そのみさん。






 「どこか素敵な場所で」

彼女はぼくにやさしさを与えてくれた

友として 恋人として

彼女の顔をときどき思い浮かべてみる

この空のどこか高いところに

ぼくたち2人はいろんなことを学びながら成長してきた

ぼくたちの人生がどんな素敵な旅路となるか

荒波をわたる航海をへて

たとえようもない穏やかな海へとぼくらはたどりついた


彼女の微笑みは 幾度となく

苦難の底にあるぼくをすくいあげてくれた

彼女が残してくれたいくつかの言葉をぼくは決して忘れない

彼女は素敵な鐘の音を鳴らしてくれた

彼女の気取りのない謙虚さ

彼女の気品あふれる美しさ

いま彼女は新しい人生を歩みはじめたんだ

どこか素敵な場所で


悲しみに沈み 起きあがれないときに

どうすれば笑顔を見せることができるか彼女は教えてくれた

そして聖なる庭で

新しい生命が花開いた

彼女は来るべき世界の姿を描きだし

どうやってその世界を実現させればいいかを示してくれた

彼女は何ものにもかえがたい愛情を残してくれた

永遠に滅びることはない


いずれぼくが彼女のあとを追うときがきたら

ただひとつだけ願いがある

彼女に道を案内してもらいたいんだ

いつのことになるかわからないけれど

彼女の愛情こそが生命と幸福の源

彼女の残した足跡をたどって

ぼくはよりよく生きることができる

どこか素敵な場所で

どこか素敵な場所で

どこか素敵な場所で


(訳:タイコウチ)Glenn Tilbrook Song By Songより


スクイーズの大傑作。ウヤミリックと今年亡くなった友達たちへ。タイコウチさんの素晴らしい訳でお届けします。


しかしワンコに感情移入するのはイヌイット(彼らの言葉で「人々」という意味)らしくないよね、と思いつつも…   つらいよね。ご冥福をお祈りいたします。角幡さんが「どこか素敵な場所」に行く時は、ウヤミリックが先導してくれることでしょう。まさに犬ぞりに乗って。ありがとう、ウヤミリック。


角幡さんのエッセイ「人間とイヌ」は素晴らしいです。よかったら、ぜひ。下記収録。


2020年12月21日月曜日

寺田有希『対峙力〜誰にでも堂々と振る舞えるコミュニケーション術』を読みました

 





ホリエモンチャンネルのMCでお馴染みの寺田さんが本を出した。最初はあまりその存在が気にならなかったのだけど、可愛くてよく通る声で、堀江さんや大物ゲストに対しても物怖じせずビシバシ番組を回しているような感じが好感を持てる。頭のいい子だなぁと思っていたんだけど、この本は出るべくして出たというか…  いやぁ、寺田さんよかったよね。

これは自分の夢がかなえられないと悶々と悩んでいる若者への寺田さんからのエールだ。望まれた場所でやってみる、人が褒めてくれる場所でやってみる。私も若い頃から今にいたるまで、実際はそうだったかもしれないよね。彼女と同じ歳の娘がいてもおかしくない年齢の私が読んでも気づきがたくさんありました。自分用にメモ。

自分は何を求められているのか、その上でどうすべきかを見きわめる。ここはいったいどういう場なのか、自分はなぜここに呼ばれたのか。それを常に考える。

そしてどんなに落ち込んでいてもなんでも(現場では)仕事スイッチを思いっきりいれる!

事前に準備していたことを入れるより番組全体の流れをつかむ(これ、私も自分がラジオに出たりする時にも活かせるアドバイスだよなぁ。いつも反省ばかりなのだけど)。使わなかった武器も、それはそれ。

褒める時は「生まれ持ったものよりも、その人が努力して身に付けたものを褒める」なるほど!! これ、めっちゃよくないですか。このアドバイス響いた。すごく難しいけど、人を褒める時にひとつ覚えておきたいことだよね。

また年上の相手の場合、褒めたりすると、上から目線と取られてしまうこともありかねないので、そういうときはその人に自分がしてもらってうれしかったことを告げてお礼を言うなどするといい。「あの時、いただいた言葉がすごく励みになりました」「あの時は勉強になりました」などなど(これもナイスなアドバイス)

世の中からすごいと思われている人にもできないことがあり、それはあなたができることかもしれない。とにかく素直に相手をリスペクト!

自分の特徴を知って、それを押さえた上で印象を変えることもできる。

反省は本番中にしてはいけない。その場はプロとしてやりきるべき(ここでなんとなく通訳の染谷和美さんが高校でしてくれた「通訳の仕事はすべて本番」という話を思い出した)

失敗した日ほど誰かと飲みたくなる。でもそうすると反省ではなくついつい悪口や愚痴になってしまう。きちんと反省は自分一人でする。

たいていの場合は誰もあなたのことを見ていません。あなたが自分に必死なように、みんな自分のことで精一杯なんです。(これ、私も常日頃思っていること。本当に重要)

キャリアを逆算で選ぶ時期は終わった。5年後の予定とかたてて、だったら今、これをやるべき…とかあまり意味がない。これだけ時代に変化があると予定なんて立てられない。もっと今を生きるべき。堀江さんも「将来の夢なんか、いま叶えろ」と言っている。将来、いつかを夢いて今を過ごすことにあまり意味はない時代。

…いいでしょ! とまぁ、54歳の私にも響く言葉がたくさんあったのでした。寺田さん、この本をありがとう。これからも頑張ってくださいね! 応援しています。

この動画に感動して買いましたが、本当によかったよね。そしてホリプロの社長って、すごいわ。さすがだわ。


2020年12月20日日曜日

アイリッシュ ・トラッドになっちゃった現代の曲

先日シャロン・シャノンが映画『ローカルヒーロー』のテーマを弾いているのをみて友人が感動しており「あれって、トラッドだったの?!」という話になる。

いや、作曲はマーク・ノップラーなんだけど、シャロンが演奏すると、めっちゃトラッドっぽいよね。(ちなみに同映画の中で頻繁に使われているスコットランドのトラッド「Mist Covered Mountain」も、とても印象的。こちらは完全に伝統曲。これなんかすごくいいでしょ。)

というわけで、アイリッシュ ・トラッドになっちゃった現代の曲をいくつかご紹介しましょう。でもこの言い方、語弊があるな。まぁ、なんというか、アイリッシュ・ミュージシャンたちが演奏すると、すべてアイルランド伝統音楽に聞こえてしまう、ってことかしら。そりゃ、マイケル・マクゴールドリックやブライアン・フィネガンが「伝統音楽のスタイルにのっとって」買いた新曲もたくさんあるけど、そういう意味ではなくってね。

まずなんといっても有名なのはこちらでしょう。同じくシャロンのレパートリーなんだけど 「MUSIC FOR FOUND HARMONIUM」

サイモン・ジェフスが京都で見つけた捨てられたハーモニウムのための音楽。こちらはそれを最初に取り上げたアイルランド伝統音楽バンド:パトリック・ストリートの演奏。パトリック・ストリート、いいバンドだったけど長く続かなかったねー。アンディ・アーヴァイン、ジャッキー・デイリー、ケヴィン・バーク、アーティ・マックギンというオールスターメンバーだったんだけど…。よく若い子つかまえて「そんなにたくさんのバンドやっていると大成しませんよ。ちゃんとバンドを育てないと…」って説教するんだけど、それってもう最近の話ではなく昔からそうなんだよね。これは伝統音楽を演奏する人たちにとっては、もう治らないかもしれない現象かも(笑)


こちらはおそらくそのパトリック・ストリートの演奏を聴いて自分でも取り上げたのであろうシャロン・シャノン。ルナサのリズム隊と演奏してまーす。いいよねー。しっかり自分の味付けになっているところが、さすがシャロン。アコーディオンが軽やかで、パトリック・ストリートの演奏がさらに一歩進んだ感がある。


この曲のオリジナルはもちろんこのバンドなんですが…


ちなみに余談ですが、このペンギンカフェの元メンバーには、時々ポール・ブレイディのバックバンドを勤めているジェニファー、サイモン、イアンさんがいる。こちらはそのOBさんたちで作ったバンドによる同曲の演奏。

 

シャロンといえばファースト・アルバムで取り上げらているフリートウッド・マックもいい。シャロンはこういうところすごくナチュラルかも。ちなみにこの曲やろうよと言ったのは、マネージャーのジョン・ダンフォードだったらしい。


そしてローカル・ヒーローのテーマについては、こちらの彼の演奏も素晴らしい。Tim Edey(2時間15分後くらいから)


なんでも演奏すると自分のものにしっかりとしてしまうミュージシャンたちは本当にすごい。このまま300年くらいが経過したら、この曲はもうアイリッシュトラッドということになってしまうのかもしれない。

昨日山下直子さんによるニューグレンジの講座で壮大な人類の歴史を感じさせる遺跡の紹介のあと最後のご挨拶として「今のパンデミックもおそらく世界史に残る」と直子さんが話されていて、はっとする。そうだよね、ミュージシャンたちも、聴いている私たちも、大きな大きな流れの中の一部なのだ。


PS
そうだ、こんなのもあった…まぁ、ちょっと違うかも、だけど。ジェリーのバンジョーがかっこいい。

2020年12月19日土曜日

最近の私


久しぶりに餃子たたんでみた! めちゃくちゃ美味しかったので、また作ろう…。

このコロナ禍でほんとうにソロ活動に拍車がかかる。それでも人に会えば話題はもっぱら「誰々どうしてる?」「仕事どう?」みたいな感じの話題になる。なので、最近の私の生活。野崎はどうしてるんだろうという友達に向けて(笑) 大丈夫。まだ生きています。

病気のこともあったかから地味な2019年に続き、コロナ禍で人にまともに会わなくなったこの1年。このブログを毎日読んでる人がいるならともかく、やっぱり印象に残る投稿だけが書き手の人に与える印象を決めてしまうのだなぁと思ったり。そしてそれは実像と違っていたり。まぁ、私も別に自分のことをわかってもらおうと思ってここに書いているわけではない。単なる自分の備忘録だ。あと、まぁ、うちのお客さんに「THE MUSIC PLANTは毎日動いてますよ」というアピールでもある。

最近は本当にコロナ禍をいいことに家に引きこもり状態。打ち合わせもほとんどない。でも昔からツアーの時以外、週に3、4日はこもって事務仕事しないと仕事がたまりまくるから、そういう傾向はあった。宅急便のお兄さんにしか会ってません、みたいな1日(笑)。それが最近ますます酷くなったかも。

で、現状意図して人に会わないと本当に引きこもってしまいそうになるので、週に1、2度はランチを誰かと食べるようにはしている。GO TOは実際2回温泉に行ったけど、どちらも最高!というわけではなく、これだったら近所の温泉施設および銭湯でも十分な気がしており、最近はもっぱら近所の銭湯か駒込・巣鴨の温泉施設。平日の昼間に行けば、混んでいない。

クラシックの系のコンサートには何度か行ったが、夜出歩くのは、まだまだ抵抗がある。友達との忘年会もやりたいところだが、今年は忘年会ランチ、だ。

朝、ラジオ体操1&2をやって、朝ご飯を食べて、仕事は朝のうちに終わらせてしまい、夕飯後はなるべく仕事をしないようにということを徹底するようにしている。が、なかなか守れない。とはいえ最近は仕事のテンション的には朝がピークで、お昼食べ終わると「夕飯は何にしようか」と考えだし、夕飯を食べたら基本はもう仕事をしないということに決めてはいる。夜はヨーロッパからのメールがピークなので、ついついメールをみると返信してしまうのだが。

夕飯前に荒川土手を歩くということをしていたのだが、さむくなってきて今はさぼっている。走ってたころは寒い中走るのが気持ちよかった。だってすぐあったかくなるから。一方で身体があったかくなるまで歩くのに無理がある。でも早歩きでもしてみようかな…とは思う。こちらも気が向いたら復活かな。

で、夜は何をしているかというとひたすら編み物。昔好きだった映画を見返しながら編み物というのがいい。新しい映画も見てるけど、やっぱりちゃんとみないと理解できなかったりもする。昔好きだったものは真剣に見ていなくても、編み物をしながらでも十分に楽しめるのがいい。再度みてやっぱりいいわと確信した映画「羊たちの沈黙」「レイチェルの結婚」「エレファントマン」「幸せの黄色いハンカチ」「めぐり合う時間たち」「Out of Africa」「モーリス」「ガープの世界」など。特に再度見て「自分は何もわかってなかったな」と反省する映画も多々あり。そのうち昔好きだった映画、再レビューなんてのをブログに書くといいかも。映画のレビューはなんといってもブログのアクセス数稼ぎに良い。多くの人が映画の感想をタイトルでぐぐったりしているからだろう。おかげでウチ程度のブログでもGoogle先生からお小遣いがちょっと入ったりする。Amazonのアフィリエイトもバカにならない。

体調は、肩こりが時々きついのだけど(そしてしばしば腰痛も)、近所の温泉施設(ちゃんと温泉なんですよ)や、銭湯通いでなんとかなっている。最近高血圧の薬はI先生の判断で無罪放免となったが、まだ4種類の薬を服用中。お腹の調子はまだまだで、体重も戻らない。やせっぽっち。あと7kgは欲しいところだよなー。とはいえ、一時はちょっとした階段数段でもまったく登れなかったのだし、それに比べたら大進歩。次のCTスキャンは2月。それまでは当面無罪放免。

料理はあいかわらず三食きちんと作っている。コンビニご飯とか外食は本当にしなくなった。ホットクックの稼働もあまりなくなったが(シチュー系を作る時以外は)、最近は「りゅうじ」というお兄さんのレシピが好きで何度も好きでよく作る。化学調味料が多いのと魚料理がないのがなんだけど、素人でも失敗がなく作れるのがいい。それにしてもお腹の調子はまだまだで、体重もまだまだ戻らない。結構食べているんだけどなぁ。

新規企画は… まだまだ発表できる段階ではない。しかしすでに2022年が妙に忙しくなってしまっている。ありがたいことだ。だから2022年までは引退せずに仕事を続けないといけない。一方で来年はスケジュールがすっからかん。今のところ2021年1月に予定していた来日公演は無事5月にリスケが進み、5月の別の案件も着地が決まりつつある。あとは2月にもしかしたらイベント的ななにかをやるかもしれない。そしてうまくいけばそれのシリーズ化も。それにしても東京は会場が高すぎる!! 何をやるにも会場の費用のために仕事しているんじゃないかと思われるくらいだ。でもそれを言うなら事業の同じで、事務所の家賃のために仕事している感がどうしてもぬぐえない。家賃・場所代は本当に高い。

おかげさまで春のケルト市は日程と場所は決まっており、あとは詳細をつめて発表するのみ。こちらは2月くらいの情報公開かな… 。あとはぜひこのコロナをいいことに実現したかった無謀計画も進めており、こちらは来週まずは会場の下見からスタート。どうなることやら。あとはたま〜にある原稿仕事をポチりポチりとこなす。クライアント仕事もいくつかあるので、打ち合わせが時々ある。それはありがたいのだけど結構大変だ。

ってなわけで、一応仕事してます。利益はないけどねー。あ、あと経理やらなくちゃ。とにかく今のところTHE MUSIC PLANTは無事にやっていけています、という報告でした。いろいろ発表できるのは、いずれにしても2021年の場合、直前になりそうです。コロナ次第ではあるんだよなぁ…

下の写真はちょっと前の編み物スタンバイを待つ毛糸たち。ありがたいことにもらったものが多いのだが、「毛糸をもらった → これで何か作ろう → 自分ですぐつくる」…というほど上手くはない私なので、非常に難しい。

やっぱり「レシピ本を購入 → これなら作れるかなぁ → 該当毛糸を購入」というのが現状である。とはいえ、あれこれチャレンジしている。そのうち「おかんアート」よろしく誰かにプレゼントしだすと思うのでリアル友のみなさん、要注意(笑)

しかし毎日編み物をして料理をしてのんびり暮らしていけるのなら、このままの生活でもいいかなーと思ったり…

でも先日プランクトンさんのケルティック・クリスマスのオンライン開催や、勇気を与えてくれる友人たちに恵まれ、私もがんばらにゃいかんと自分にオイルをいれていく… 大変だけど、まぁ、それは今に始まったことではなく、とにかくがんばろ。

2020年12月18日金曜日

山根悟郎さん『歴代作曲家ギャラ比べ』を読みました。


おもしろい。面白い本だった。特に同時代の作家を二人並べて比較することで、時代のせいだけではなくその人の本来のキャラクターが浮き立ってくる。もちろん「お財布事情」をあかすことの興味深さもあるけれど、これはめちゃくちゃ面白い切り口だし、ある意味お金というフェアな軸を持った視線なのだ。さすがだ。「ビジネスでたどる西洋音楽史」という副題もついている。

読みやすく、雑誌のコラムみたいで、すいすい読める。そしてそれぞれ「収入」「贅沢度」「慈善度」「後世への影響」、育った時の環境を知るためにも「親の経済力」「音楽一家度」などにSABCランクで比較されているので、とてもイメージしやすい。

たとえば、この二人…



ボブ・ディランのスピーチだっけ? シェイクスピアだって生活のために書いていたのだ、と言ったのは。どんな芸術家だってクライアントの依頼や締め切りやギャラ交渉を気にしていたのだ、と。何百年もあとにおいても読者がコピーライトが切れた本を買っているからといって、それがいったい本人にとって、どんな意味があるんだあろう。死んでしまった本人にとっては今、自分の生活がすべてなのである。

いつだったか新田次郎だったかな、あの辺のいわゆる文豪の人の書いた本を読み、あの時代は「NHKの大河ドラマ」採用というのが一つの大きなステイタスで、それを狙って書いていた…という話を聞き妙にしらけてしまったことがあるのだが、いや、そんなことを言ってしまっては本人がかわいそうだ。文豪だって人間なのだ。だから彼らの実態はそうなのだ。そのさらに前の文豪だちだって芥川賞だの、映画化だの、なんとかという有名雑誌に掲載…みたいなことと芸術家たちはひたすら目指してきた。どんなすぐれた芸術家でも生活をしていかねばならない。家族など周りの環境も無視できない。

それにしても、お金をめぐる話題によって、それぞれの仕事への向かい方、価値観など、あらゆることが想像しやすくなる。

ほんと私もこの本を読んでいてクラシック音楽のこと知らなすぎるよなぁ、と半ばあきれた。ショパンについてはさすがにいろんなことを勉強したのでだいぶ頭に入っているのだが、例えば年表を見てラフマニノフがこんなに新しい時代の人だったとしって愕然。あの古臭いというか王道なメロディの感じはなんなのか?(いや、大好きな作曲家なんですよ)…とか、当時の作曲家ってお金持ちや公の組織の依頼で書くことが多かったと思うのだけど、自分で売りこんだ楽曲とまったくの依頼で書いた曲との違いとか、いろいろあるんだなぁ、と改めて。いや〜現代の私たちと何も変わらないでないの!

そうそう、最近ベートーヴェンのFolk Songのプロジェクトに興味を持ち、あれこれ勉強しているのだけど、この「出版社の依頼でお金のためにやった」というのに笑ってしまったり…  (この動画の3分くらいのところ)自分でも何かクラシックの企画ができないかなぁと探っているところなのです。それにしても「(アイルランドの伝統音楽を)出版社が売れる」と判断した、って、私たちも体験した90年代のケルト音楽バブル・ブームも笑えない話ですよね、おもしろい!(笑)


話が横道にそれた…

でも本当におもしろい。学校の音楽の授業って作曲家名と曲名、もっと言えばポートレートの画像などをむすびつけるようなテストばっかりで音楽の楽しみ方とか、作曲家の気持ちや人となりを探ったりとかそういうことを全然教えてくれないんだよね。ベートーヴェンは「えらい人」(笑)みたいな感覚で終っちゃってる。それはあまりにももったいない。

あ、そうそう、ちょっとしたコラムもすごく面白いです。ヴェルディが作って今も存在している音楽家のための老人ホームの話題や、「ワーグナーの手書き楽譜はすごく綺麗なので、ネットで画像検索して見てみてください」とか、面白コラムが満載。(検索してみたらほんとに綺麗でびっくりした…)登場する楽曲のストリーミングへのリンクがついているところなども素晴らしい。

あ、あと自分のばかさ加減をメモ。伝統音楽好きとしてバルトークの存在とその重要性などはもちろん知っていたわけだが、今回ヴォーン・ウィリアムズの存在を初めて知った。なんてこったい。そして英国の伝統音楽のアーカイヴ化に力を注いだ彼はなんとスコット探検隊の映画の音楽も担当している…とな。うーん、この辺も詳しく勉強してみたい!!

学研から出ていて1,600円と値段も手頃。ぜひぜひ皆さんも読んでみてください。なお著者はちょっと前までは武蔵野文化事業団、そして今はMCSヤングアーティスツというプロモーターさんのブログでお馴染みの山根さん。(ちなみにMCSヤングアーティスツさんのブログはここ武蔵野文化事業団さんでの山根さん執筆のブログもまだ読むことができます)

山根さんのブログの文章は最高に面白く、私はファンなのだけど、この本では、あの爆笑のブログでの文章とまるでスタイルが違うところなどはさすがだと思った。書籍の文章とブログの文章は違っていて当然だよね。素晴らしい。でも、この本にもこれであちこちに爆笑ネタが仕込んであるので、電車の中とかで読む方は要注意(笑)いやはや、ブログ同様、楽しませていただきました。


数日前がベートヴェンの誕生日ということで、こちらの配信もありました。

2020年12月16日水曜日

「高円寺メタルめし」美味しかった!


昨日は本当にまた久しぶりの電車に乗っての外出。ほんとコロナの影響もあって引きこもり状態の今日このごろですが、会場下見のアポがあったのでそれをこなしつつ、ロック・フォトグラファーの畔柳ユキさんとランチをしてきました。@高円寺メタルめし

いやー 店内は当然ヘヴィメタルがかかっているのだけど、私がわかったのはヴァン・ヘイレンくらい(笑)。シン・リジーもわからんかったよ… なさけないねぇ。

でも本当にご飯が美味しかった。とにかく優しい味。ユキさんのナポリタンも試食させてもらったけど玉ねぎの甘さが引き立つ。私がたのんだ南瓜が入ったカレー(卵焼き付き)も、かぼちゃがゴロゴロ入っていて身体に良さそう!!!


ね、美味しそうでしょ? 実際、めっちゃ美味しかったのでした。

ナポリタンにはオーナーのフライングVの熱血演奏(チーズ)付き(笑)



しかしこんなに優しい味なのに、お店のキャラクターのせいか常連のお客さんたちが辛いスパイスなどを持ち込むことが多いそうで、こんな味変も楽しめる。この柚子のやつとか凄かったなぁ(笑)


そしてこちらが名物ジューダス・プリン・トースト! ユキさんと半分こしました。アイスクリームは特大サイズ。そしてなにやらスパイスも効いていて、すごく研究されつくした味。



最後はLong Live Rock'n Roll(パープルだっけ、レインボウだっけ?)に送り出されお店をあとに。

とにかくメニューを見ているだけでも楽しい。他のメニューも制覇したいよ。コロナがあけたら、また来よう。現在4席でソーシャルディスタンスで営業中。









なんとオーナーさんの料理本も発見! これはチェックしてみたい。

2020年12月15日火曜日

クララ・キヨコ・クマガイ『インディゴをさがして』を読みました。






いや〜素敵な本でした。2018年から日本に在住の、お母さまがアイリッシュ というクララ・キョウコ・クマガイさんの新著『インディゴをさがして』を読みました。いや〜、これは最高に素敵❤️

この本についてはダブリン在住のツアーガイド山下直子さんのブログで知りました。キョウコさんのことは全然知らなかったー。(そして不思議なもので直子さんはキョウコさんのお父様の握ったお寿司を食べたことがあるとか。すごい!)それにしても染色家で人間国宝の志村ふくみさんのことも、私ぜーんぜん知らなくて、ほんと自分の無知ぶりに呆れるのでした。いやー 深い。いいなぁ、こういう色の世界。

そして直子さんのブログにもあるケルズの書のブルーの話もめっちゃ面白いのでぜひ!! まずは直子さんのブログをお読みください。



この本は色をつかまえる女の子の話です。インディゴという名前の女の子。好奇心にあふれ新しいものにキラキラと目を輝かせ、愛を感じる心を持っていたという女の子。そしてやっぱり小心者の王様とか出てきて話は展開していくわけですが、最後の最後には、どうしてこの藍の色がインディゴ・ブルーと呼ばれるようになったかというオチにたどり着きます。なんというか民話にありがちな落ちではあるのですが、いいですよね、こういうの。

色といえば日本の色の表現も素敵。このホームページが好きで時々眺めています。日本の赤青黄色だけでは割り切れない微妙な色。

そして最近ナショジオのオカルト本で「マミーブラウン」(ミイラから顔料を取る)というのを学んだ私は直子さんのケルズの書にあるブルーについての記述にも本当にわくわく。うーん、色ってすごい。すごい世界だ。昔の人はこうやって色を見つけたのか、そしてそれを書物や着る物やいろいろな物にほどこしていったんですねぇ…  いやぁ、もう目がまわりそうな量の労力。

ちなみにマミーブラウンはWikiにも詳しく載っています。エジプシャン・ブラウンとも言うらしい。添付の画像はマミーブラウンが多用された絵画の一例でマルタン・ドロリングの「台所の情景」という作品だそうです。


ミイラから取られたと思うと、この茶色がまた深く深く感じられますよね! 

そしてブルーといえば、先日も紹介した大好きな映画のこの名シーン。メリル・ストリープの「セルリアン説法」。「それはブルーじゃない。ラピスでもターコイズでもなくセルリアン」最高だわ…日本語訳はこちらを参考に



そして岡山のジャパンデニム「桃太郎ジーンズ」とか浮かびますよねー。岡山デニムのかっこいいジーンズ、私も欲しいよなぁ!(いや、普段のユニクロで十分なんですが)

と言うわけで、この本、めっちゃおすすめです。ぜひ。


直子さんの今週末のセミナーも楽しみですね。お申し込みはこちら。

2020年12月14日月曜日

あなたにも私にも、必要なのは「心の筋トレ」

昨日は昨日とてプランクトンさんのオフィスにてケルティック・クリスマス2日目をスタッフの皆さんと鑑賞。

スタッフの皆さんと観ていると、あれこれ苦労話が聞けて興味深い。締め切りを守らないミュージシャン(笑)、編集作業とか構成考えたりするのも本当に大変だったらしく、いやはや本当におつかれさまでした。プランクトンさんのオフィスも、ツアーや公演がすべてキャンセルになり、いきなり何もないまっさらな海にほおりだされて、仕事の仕方とかゼロから考えなっきゃいけないすごい事態になったわけですが、今回こういう形でケルティック・クリスマスを体験できて、なんかとっても嬉しかった。こういう体験ができてある意味コロナに私たちは感謝しなきゃいけないのかも。いや、もちろん亡くなった人もいるんだし、不用意なことは言えませんけど、でも、本当に何もないところから、限られた時間の中で、これだけのものを交渉、発掘、編集すべての作業をこなしたわけで、みんなすごい!! 上映中、タイムラインに流れたたくさんの賞賛の声を聞き、スタッフのみなさんと「お客さんに喜んでもらえて本当に嬉しい」とあらためて。この仕事は本当にこれが最高なんだよなぁ。まぁ、どの仕事もそうなんだろうとは思うけど。本当に本当におつかれさまでした。

昨日特に私が好きだったのはシャロン・シャノンがアラン・コナーのピアノと演奏した「Going Home」。本当にジーンと来た。他にもアルタンやラウー、リアムやドーナル・ラニーの姿も嬉しかった。ご挨拶で登場したメアリー・ブラックもほんと今でも若いよなぁ!(ただいま65歳ですよ)あぁ、そしてマット・モロイとジーン・バトラーのオープニングもすばらしかった。本当にケルティック・クリスマスって素晴らしい!! これが、この感じがケルティック・クリスマス!

プランクトンの皆さんの頑張りには私も側で見ていて本当にパワーをもらいました。私もがんばらなくちゃなーって思った。いやはや、ほんと私もサボってはいられませんわ。恵子社長のお話されてた「感動は心の筋トレ」ってのが沁みました。ここのところ私もなんか無感動になってた。コロナうんぬんであっちにこっちに心がざわめき、筋トレを忘れてた。なんか心が硬直してた。でもやっぱり感動って大事ですね。それを改めて思い出しました。そうだ、このために私たちは日々の仕事をしているんだったっけな、って。

さて来週は、山下直子さんのオンライン講演もあります! ケルトなクリスマス。これこそ冬至の秘密にせまる圧巻の内容ですよ。キリスト教がはじまるうんと前、紀元前3200年、ピラミッドよりも古いとされる世界最古の古墳(もちろん世界遺産)の秘密がテーマです。詳細はこちら。

直子さんのブログにも前振りが。楽しみだよーん。実は私、ニューグレンジって行ったことないんだ。クラナドの曲で知ったっけなぁ、ニュー・グレンジ。


さぁ、また新しい週が始まった。今週は新規会場下見1件、リアル打ち合わせ1件、ランチアポ1件… のみ。でも、今はとにかくできることを。がんばろー

2020年12月13日日曜日

ケルティック・クリスマス最高!! 今夜も放送がありますよ!

 


なおこさんがしっかりレポートを書いてくれて嬉しい。ありがとうございます。そっかー ダブリンはまだ暗かったんですね! 

昨日のざきはプランクトンさんに誘われて土曜日のオフィスでスタッフの皆さんと一緒に初日を楽しみました。You Tubeのタイムラインにはアヌーナのマイケル、チーフタンズのエイリスも登場してた。チーフタンズのパディ・モローニのスピーチとホイッスルから始まって、ルナサのセッション、アヌーナ、カトリオーナとクリス、ウィ・バンショー・3 など、視聴者のみなさんのタイムラインにまざって、いやはやとっても楽しい時間だった!! 事務所ではK子社長がここ数日おそくまで編集作業に追われたスタッフへの労いのためにお寿司を差し入れてくれ、私はなーんんにもしてないのにご相伴にあずかりました。なんか普段のケルクリもそうなんだよなぁ。毎年スタッフの皆さんが苦労して制作されていて、私は一番楽しいところを楽しむ…という(笑)。本当に楽しかった。ありがとうございます。

ケルクリは本当に毎年手伝ってきて、2018年は病気で参加できず、2019年は多少よくなったので参加したはいいけど顔がヘルペスでボロボロ(笑)。そして今年! やっと復活できると思ったんだけど、コロナでオンライン開催になってしまった。

でもこれによってまったくケルト音楽を知らない人がこの素晴らしい音楽の祭典を体験できるってのが、やっぱりすごいと思った。ここでこの音楽の持つ力を私たちが信じなくてどうする!? そして、まぁ、20回もやってりゃこんなことも1回くらいはあるよ、とそう思えるのでした。こんなにやってきているのだから。

それにしてもYou Tubeのタイムラインで皆さんと一緒に楽しめたのが良かった。ティンホイッスルの音色に「この楽器は?」と質問された方がいたり「アイルランドの飲み物は?」とか質問されている方がいてすごく嬉しかった。きっとどこからかこのフェスティバルのことを聞きつけて参加してくれたんだね!! そして私たちが答えを書きこむ前に他のお客さんが教えてあげたりとかしてて、あぁ、この感じもケルトだよなぁと、この一体感がケルクリなんだな、と改めて。

私が一番好きだったステージはやっぱりカルロスで、あの劇場でたった一人で演奏しながらも共演者たちの頑張りを想像し、リモートなのにありえないほどの熱量を届けてくれた。あのプロフェッショナリズム!! 涙が出ました。東京パイプバンドのメンバーもなんと富士山を背景に撮影&演奏してくれた方もいて…  本当に素晴らしい!! 日本とスペインが一体になったすごい演奏でした。あぁ、またカルロスに会いたい。このパワーをまた再び生で体験したい。ダンサーのデヴィッド・ギーニーのすごい足捌きには目を奪われました。今年本当は初来日するはずだったんだよね。でも、それも近いうちに実現することでしょう。

いや、ほんとに頑張りましょう、皆さん。へなへなへなっと諦めてしまうことは簡単です。っていうか、諦めて当然。そっちの方が頭がいいって、思われて当然。でも余力がある人は、まだまだいけるって自分で思える人は、まだまだStay Foolishでいっていいと思う。こんな時こそ自分の好きなものをあきらめないで。スティーブ、天国からクレイジーな私たちを見てておくれよ…

 
このアップルの有名なCM。ここに訳が何種類もあがっています。

今夜のケルティック・クリスマスはこちら。皆さん、また夕方5時にお会いしましょうね!!


2020年12月12日土曜日

河野啓『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』を読みました。これは最高のノンフィクション!!!

 


栗城さんのことは知っていたが、まったく無視していた。というのも、単なる注目されたがりの無謀な若者というふうにしか評価していなかったから。私が探検家や冒険家が好きだということを知ると彼の名前をあげたりする人も多かったが、私は彼の動画をみたことすらない。もちろん本も読まないし、読む気にもならない。

しかし佐村河内さんといい、NHKがドキュメンタリーで取り上げる人たちのその後は…なんか胡散臭い(と言っては失礼だが)とも思う。例えばフジコ・ヘミングやらの過去の成功体験が忘れられないのか? もちろんショパンのピリオド楽器で2位になったピアニストの川口さんをフィーチャーした番組とか良いドキュメンタリーもたくさんある。いやいや、私自身、評価を下したりできるほどTVのドキュメンタリーを見ていないし、実態知らないし、とはいえTVの影響は本当に大きく実際ドキュメンタリーによって注目され、今でもコンサート会場がいっぱいなる人とかが音楽業界にもたくさん存在していて、その成功例はあとをたたない。この作者がかかわったという義家弘行の話も似たようもんだ。ちなみに著者はそのことについての自分の「罪」みたいなものに悩まされていると言う。まぁ、それについては言いたいことはたくさんあるけど、書かないでおく。

ま、でも簡単に言っちゃうけど要は栗城さんが高らかに謳う「無酸素補給」「単独」すべて嘘っぱちだったと言うことだ。でもそんなことはこの本を読むまでもなく明白だった。本当にいわゆる探検家さんたちに失礼なこと極まりない最低の人だ。例えば私は、極地探検家の荻田泰永さんは身体能力、人生哲学、社会的行動すべてにおいて最高の探検家だと思い尊敬しているのだが、荻田さんをはじめそういう真面目にやっていられる人たちから見たら、ほんと信じられないくらい彼は最低のやつだ。そういう彼が題材になっている。

角幡唯介さんが『空白の5マイル』で受賞し、畠山理仁さんが『黙殺』、河内有緒が『空をゆく巨人』でゲットした開高健ノンフィクション賞の今年の受賞作。未発表の作品に与えられる賞なのだけど、一言で言って、いやー 素晴らしい本でした。あっという間に読めちゃった。

このライターの方は、TV関係者だ。そのせいかもしれないが、非常に臨場感のあるテレビのドキュメンタリー風のストーリー展開だ。最初は私も栗城さんと本と聞き、上記のようにあまり印象を持っていないので「ふっ、こいつか…」という斜めな気持ちで読み始めたのだけど、そのうち「ほんとこいつふざけてる」「こういういい加減なやつ音楽業界にも多いんだよな」「なんで真面目にやってる人がちゃんと評価されないで、こんなやつが…」みたいな気持ちになり、怒り心頭のうちに読み進めれば「本当にかわいそうなやつ」「みじめなやつ」と評価がぐんぐん変わってくるのが読んでいて非常に「楽しい」。そして、最後の方においては、もう言葉もない。でも不思議なことに最後の最後には、なんとなく彼のことが好きになってきたような気持ちにもなり「もしかして彼は幸せだったのかも」とも思えてくるのだ。とにかくこの本の主人公に対する読者の気持ちをあっちへこっちへと揺さぶる不思議な本だ。でも一人の人に対する印象って、そういうことなのかもしれないとも思う。相手のこういう面を見てはこう思い、ああいう面をみてはあぁ思もい。友人だから知り合いだから仲間だから100%どうということではなく、人間にはいろんな面があり、その面もいろいろ変化し、こちら側の評価も変わっていくということなのだなと改めて思った。で、その揺さぶりが大きい人が栗城さんみたいに「妙に目を離せない人」という存在になっていくんだろう。それが非常によく描かれている。

序幕に書かれた「私が語る内容には、彼にとって耳の痛い話も含まれているだろう。しかし遺書も遺言も残さなかった彼が、本当は自分の口で伝えたかった「ありがとう」や「ごめんなさい」も含まれているはずだ。私はそう信じている」という文章にグッとくる。もしかしたら、それが本当の「友情」なのかな、とも思ったり。…うーん、それは著者がいやがるかもしれないな。だから、それが本当の「TVドキュメンタリー制作者の視点」なのかとも思ったり。うん、それだ。きっとそれだね。

しかし… 私のブログを読んでいる人で彼のことを支持している人はおそらく皆無だろうからあえて書くが、やはりこの本を読みいろいろ知った上でも「ほんとにおめでたいやつ」「漫画チックな」「底が浅い」「ぺらっぺらのぺらっぺら」という印象はやはり拭えない。

特に南西壁への展開が、呆れる。あの、私があまり好きではない「神々の山稜」の影響とかがあるのを知り、もう…なんというか、やっぱりね、と呆れる。ある意味、そのくだらなさ、短絡的なところが超わかりやすい。あれは確かにドラマチックな本だと思うけど、私に言わせると漫画すぎるんだよな…。なんか…。あの本や映画が好きな人いたらごめんなさい。私には、ちょっとダメだった。いや、ああぁいったことを書くのであれば、フィクションじゃなダメなのだ、という偏見もあったかもしれない。だからこの栗城さんの本の中であの本のタイトルが出てきた時「やっぱりな」と再度しらけてしまった。あの本と映画に対する私の複雑かつ単純な感想はここに書いたので、よかったら読んでみてください。

ただいつもここにも書くことだけど、どんな人からも学ぶべき点はいくつもある。彼にも私が逆立ちをしても叶わないことももちろんある。そして著者の指摘するとおり私たちには負い目がある。彼は命をかけてそれでも山に登っている。お前はじゃあ何をしているのか?と。その問いかけからは誰も逃げることはできない。

本に登場する北海道の冒険家さんには私もグリーンランドの仕事で札幌大学にお邪魔した時、お会いしたことがあるような記憶がある。はっきりとは記憶にはないのだが…北海道の冒険家、山岳家のネットワークもそれほど大きくはないから、もしかしたらリアルに交差している可能性はある。

私の感じた日本におけるグリーンランド関係者の印象はこうだ。彼らには「科学者」か「冒険家」の2種類しかおらず、私のような「そこに生活している人の気持ち」「そこの人たちの文化」みたいなことを追求している人文系(?)の人はほとんどいない。(サラリーマンを除く)

みんな自分の身体的能力の確認か、科学研究の追求かのどちらかに傾倒している。そしてそう言う人たちは彼の国への渡航費用があまりに高額なため、常に熱心にスポンサーを探している。が、結局みんな夢ばかり語り多くの人が実際の行動を実現できていないのが実情だ。何度かグリーンランドのプロモーションをする中で、そのテの集まりに自分でも参加してみたのだが、みんな「自分が〜をやりたい」みたいな話をするばかりで、まったく具体的な発展性がなく私は乗り切れなかった。ここで実際お金がある人は実行するのだろうが、お金がない人はスポンサー周りを熱心にやるわけでもなく、そもそもそういう場での生命線であるはずのワクワク感すらなく、なんか単に燻っているという印象だった。わかりにくい、売れそうもない本を自費出版して、それを内輪の集まりであるそういう場で売っている人もいたが、買ったのは私一人だった。それ以外の人たちはおそらく毎月その売られている本をながめているに違いないのだから。またそもそもメンバーを増やそうという意思がこの集まり自体にもあまり感じられず、失礼ながら「終わってる感」がぬぐえない。私がプロモーションしているグリーンランドのバンドに興味をしめす人も皆無。ましてやそういうののチケットを買おうなんて人は誰もいない。音楽かぁ、面白いなぁ、では一緒に何か探ってみましょうみたいなことも絶対に起こらず、とにかくあまりポジティブな印象を得られなかったので、わたしは早々に撤退した。そんな状況だから新参者の私も誰か新しい人を誘ってまたこようなんて絶対に思わない。

栗城さんも「業界」に似たような空気を感じていたのかもしれない。そういう空気の中で、唯一ビジネスセンスがあり、栗城さんだけはスポンサー周りを熱心に行い、その行動は褒められない部分が多いものの確かにすごい金額を集めてきていたわけで、その事実はやはり認めないわけにはいかない。彼に本当に山に対する愛と誠実さと、たとえ「終わっている」にしても先を行く人たちへの尊敬があれば本当によかったのに、と思うが、残念ながらそれはなかった。そして栗城さんにとってはそういう「愛ばかりで実行がともなわない」人たちは単なる怠け者に見えていたに違いないのだ。

…とまぁ、いろいろいろいろ考えさせられる素晴らしい本だった。今年はノンフィクションの当たり年だ。この本はベスト3に入るかも…  

2020年12月11日金曜日

佐藤尚之+津田匡保『ファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ストーリー』を読みました


このコロナ禍でますます大事になってきた「ファンベース」という考え方。さとなおさんこと佐藤尚之さんの本が好きである。さとなおさんの本に絶対に実践できないことは書いてない。言ってみればすごく地味な内容だ。だからこそ信じられる。「ファンベース」こそ、今の企業に必要なキーワードだ。

ちょっと前に出た本「ファンベース」の実践ポイントが漫画で明快に紹介されている。ただやっぱり初めてさとなおさんの著作に接する人には「ファンベース」を読んでほしいかな。とはいえ、まったく普段本を読まない人にとってやっぱり漫画は読みやすいのかなとも思う。

漫画といっても、チャートやイラストでわかりやすく紹介されていて、普通の本みたいな部分も多く、まぁ、とにかくわかりやすい。

登場するのはジャイアンツ、ネスレ、カゴメ、ユーグレナ、スープストックトーキョーなど。あらゆるキャンペーンや広報につとめた「中の人」たちの証言だ。非常に勉強になることがたくさん書いてあったので、メモ。

巨人の方のお話>スター選手の引退など、いきなりファン離脱などもありうる。そんな時は「正面から気持ちを受け取る」ことが大事。ファンミーティングにおいて「他チームの悪口を言わない」ジャイアンツの魅力は「強いからではなく」「ファンの人間性が素晴らしい」から。←ここまで持っていけたらいいよなぁ… あと「ファンベース=テクニックではない」ということ。

レタスクラブの方のお話>会議をブレスト制にかえる。企画書を廃止。一行だけのコンセプトを考えて、そこから議論。会議では編集長として「どんな意見でも受け止める」スタッフが安心して発言できる環境を作る。←あぁーこれ、私できてないかも。反省。

ネスカフェ・アンバサダーの方のお話>お金をかけずにできる方法を考えない人は、実際は本気でやりたいわけではない。企画書を書いてとまっていてはだめ。なんとしてでも「自分のやりたいことをやり切る」こと。

ADDressの方のお話>今、話題のADDress。サービスのファンがサービスに関われる「隙間」をつくる。他、この方のお話は非常に興味深かった。

イケウチオーガニックの方のお話>タオルは買ってもらってからがスタート。洗濯レクチャーや工場見学など。社員30人弱なので、ひとりひとりが自分をさらけ出すことも大事。ストアのスタッフや職人さんもTwitterアカウントを持っている。

…などなど。

しかしこのコロナ禍では特にそれぞれの企業、事業主はお客さんに見られてるってことを自覚しないとダメだね。そもそもコロナ前から商品の値段はもちろんクオリティも今や完全にレッドオーシャン状態。この中で争っていても限界がある。そんな中、企業とお客様として長く付き合ってもらえる、企業と一緒に歩んでもらえる「ファン」を作ることが生き残りの術なのだ。お客様は見ているよ。

Go Toやら何やら、政府のいうことや数字に振り回せれるのではなく、利用しながら自分の道を歩いていこう。何度も言うけれど、お客様は見ている。

2020年12月10日木曜日

憧れのロスバルバドスに初めて行った! めっちゃ美味しい



完食!! お皿のデザインもめっちゃ素敵。

いやーー 噂には聞いていたけど、本当に美味しかった。ロスバルバドス。渋谷の奥にある南国居酒屋。素敵なお料理の数々はお店のFacebookページにたくさん掲載されているので、ぜひチェックしてください。

っていうか、都内でワールド・ミュージックの仕事してて行けてなかったのは私くらい? そのくらい有名なお店なのです。お名前はもちろんずいぶん前から知っていた。で、通常こういうところって「マスターが個性的で」「マダムがおもしろくて」「チラシとか置いてもらえそるよ」とかそう言う話題が多いのだけど、行ってる人みんながみんな「めっちゃ美味しいよー」と口々に言うので、気になってたのでした。そして、本当に本当においしい!!

なんというかアフリカとか中東とかのお店はいくつか行ったことがあるけど、ここまで研ぎ澄まされた感があるお料理は、ここが初めてかもしれません。すごい。きっとすごいすごい研究を重ねなりたっている味なんだろうと想像されます。上の写真はランチプレート。税込で1,100円。カウンターだけの小さいお店だけど、扉を開け放ち感染対策もしっかりされているので安心です。みなさんもぜひ。

それにしてもこのお店でキンシャサの音楽シーンの話題になった。ちょっと前に高野秀行さんが話題にされていたこの話も爆笑。

こちらがそのザイコ・ランガ・ランガの話題のライブ盤。(非公式のアップロードだと思うけど、とにかくシェア)みんな日本が大好きなんだね! ムシャシノ!! 
そしてロスバルバドスには、こういう音楽がずっと流れていてご機嫌なのである…


実はこの時一緒にロスバルバドスに行ったのはその昔、パパ・ウェンバの仕事をしてたことある方で、当時はよかったよねーなんて話にもなる。うーん、面白いなぁ、コンゴ!!    なおこの方は当時キンシャサ・プレスのアナログ盤を集めることを趣味にしており(!?)、レコードの溝がおぼつかないことから一生懸命に盤を拭いたり、針の上に一円玉を積み上げて針の圧力を調整したり音を出すのも大変だったそうだ(爆)


アフリカの音楽に詳しくない人も、しばらくは海外に行くこともできないので、こういうお店で雰囲気を楽しむのもいいかも、です。雰囲気はパリの多国籍居酒屋?(笑)内装もこだわりがあって素敵。昔の公演のチラシとか貼ってあって、懐かしい。また行ってランチ全制覇したい。あ、そうそう、渋谷に行くのが怖いという私みたいな方は千代田線の代々木公園の駅からも行くのもおすすめ。徒歩12、3分です。

2020年12月9日水曜日

ナショジオのムック本『オカルト伝説』を読みました


言い訳ですが、この本を注文したのは高野秀行さんの「ウモッカ」本マイブームが来ていた時期だったんです。でもナショジオだよ、ムーじゃないよ。だから、まぁ、まともではある。

「人を魅了する世界の不思議な話」と副題にある。占星術、錬金術、魔女、吸血鬼、UFO。残念ながらウモッカは当然のこと、ネッシーやムベンベ、マツドドン(笑)などは掲載されていなくて残念。ナショジオのこれが限界か(爆)

こんな不思議があった、こういう伝説があった、それによって人が何人も処刑された、でも現在の科学ではこう判断されてる…ということろまでしっかり書いてあって、そこがさすがナショジオ。夢を壊さない程度に科学的、ということか?

しかしなんで人はこういうものに惹かれるんだろう。科学では解明しきれない不思議。うーん、でもそれがいいんだろうなぁ。「わからない」という状態を楽しむ、ってことか?







残念なのはちょっと訳がつまらないかな。予算がゆるすのであれば英語からの訳に加えて高野秀行さん監修とかにすればよかったのにと思いつつも、例えば高野さんの世界とはまた違う世界であり… 。 と同時に高野さんの「世界」も、こういったグラビア本にしたらさらに多くの人に面白く楽しく読まれるのではないかとも思ったり(写真素材も貴重なものがたくさんあるだろうし)。どっかの雑誌のMOOK本としてやってもらえないか(笑)

あとやはり西洋の文化の仕事をしていると、こういうことが体系的に頭の中で整理されているkとは基礎中の基礎で、そう言う意味でもこの本は古本屋に出さず、当分トイレ本棚にでも置いておこうと思う今日この頃である。特に伝統歌の世界とかを深く検証するには、いいかもしれない。

と、同じナショジオで「秘密結社」特集があることも知る。やばい…これも買ってしまいそうだわ… 

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