佐藤尚之+津田匡保『ファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ストーリー』を読みました


このコロナ禍でますます大事になってきた「ファンベース」という考え方。さとなおさんこと佐藤尚之さんの本が好きである。さとなおさんの本に絶対に実践できないことは書いてない。言ってみればすごく地味な内容だ。だからこそ信じられる。「ファンベース」こそ、今の企業に必要なキーワードだ。

ちょっと前に出た本「ファンベース」の実践ポイントが漫画で明快に紹介されている。ただやっぱり初めてさとなおさんの著作に接する人には「ファンベース」を読んでほしいかな。とはいえ、まったく普段本を読まない人にとってやっぱり漫画は読みやすいのかなとも思う。

漫画といっても、チャートやイラストでわかりやすく紹介されていて、普通の本みたいな部分も多く、まぁ、とにかくわかりやすい。

登場するのはジャイアンツ、ネスレ、カゴメ、ユーグレナ、スープストックトーキョーなど。あらゆるキャンペーンや広報につとめた「中の人」たちの証言だ。非常に勉強になることがたくさん書いてあったので、メモ。

巨人の方のお話>スター選手の引退など、いきなりファン離脱などもありうる。そんな時は「正面から気持ちを受け取る」ことが大事。ファンミーティングにおいて「他チームの悪口を言わない」ジャイアンツの魅力は「強いからではなく」「ファンの人間性が素晴らしい」から。←ここまで持っていけたらいいよなぁ… あと「ファンベース=テクニックではない」ということ。

レタスクラブの方のお話>会議をブレスト制にかえる。企画書を廃止。一行だけのコンセプトを考えて、そこから議論。会議では編集長として「どんな意見でも受け止める」スタッフが安心して発言できる環境を作る。←あぁーこれ、私できてないかも。反省。

ネスカフェ・アンバサダーの方のお話>お金をかけずにできる方法を考えない人は、実際は本気でやりたいわけではない。企画書を書いてとまっていてはだめ。なんとしてでも「自分のやりたいことをやり切る」こと。

ADDressの方のお話>今、話題のADDress。サービスのファンがサービスに関われる「隙間」をつくる。他、この方のお話は非常に興味深かった。

イケウチオーガニックの方のお話>タオルは買ってもらってからがスタート。洗濯レクチャーや工場見学など。社員30人弱なので、ひとりひとりが自分をさらけ出すことも大事。ストアのスタッフや職人さんもTwitterアカウントを持っている。

…などなど。

しかしこのコロナ禍では特にそれぞれの企業、事業主はお客さんに見られてるってことを自覚しないとダメだね。そもそもコロナ前から商品の値段はもちろんクオリティも今や完全にレッドオーシャン状態。この中で争っていても限界がある。そんな中、企業とお客様として長く付き合ってもらえる、企業と一緒に歩んでもらえる「ファン」を作ることが生き残りの術なのだ。お客様は見ているよ。

Go Toやら何やら、政府のいうことや数字に振り回せれるのではなく、利用しながら自分の道を歩いていこう。何度も言うけれど、お客様は見ている。