2020年6月30日火曜日

原田マハ『たゆたえども沈まず』を読みました。これは素晴らしい。


原田マハ、現状3冊読んだわけだけど、これが一番好きだったかも。他のも、ものすごい完成度で読み進めるのが楽しかったけど、あまりにポップすぎて、ちょっと流行りのテレビ連続ドラマを見ているような感じもしていた。本作はそこに重厚感も加わり、その重さも程よく、これはかなり好きな作品だ。ゴッホと弟のテオ、日本人の画商二人の友情と交流を描いた作品。

確かに最初の物語の引っ張り度は『本日は〜』や『楽園のカンヴァス』の方が強いかもしれない。でもこれは地味にスタートするものの、全体的にもっともパワフルな作品だと私は思った。

当時の浮世絵をめぐるフランス在住の日本人の様子、そして海外で認められて国内での評価が変わってくるって、今も変わらないね、芸術への評価。

結局のところ芸術の真価なんて、誰にもわからないのかもしれない。

この本は特にゴッホの弟であるテオ、そして画商の若い方、重吉の気持ちを中心に描きながら進み、読んでいて、まるで当時の様子が浮かぶようだった。

そして芸術家と付き合うときは相手をとにかく信じること。生活能力のまったくない兄のフィンセントを必死で支える弟のテオ。それを励ます重吉。

彼は言う「正直、僕にもわからない。なぜ世間がフィンセントの絵をなかな認めようとしないのか。そして、フィンセントの絵が本当に『認められる』ものなのか。そもそも何をもって世間に『認められる』ものになるのか」

芸術とは何か、特に画商の林が語る時、それはとてつもなく重い。特にそして芸術家とは弱そうに見えて実はとても強く、芸術家と付き合っていくためには自分も強くないといけないとテオに諭す林の言葉には震えた。

「テオドルス。あなたは、もっと強くならなければいけない」

「フィンセントは、あなたよりもはるかに強い。だから、あなたはもっと強くならなければ、兄さんを支えることなど到底できはしない。ほんとうに、あなたが兄さんを世界に認めさえたいのなら… 強くなってください」

忠正は、フィンセントにも言う。

セーヌに受け入れられないのなら、セーヌに浮かぶ舟になればいい、と。

嵐になぶられ、高波が荒れ狂っても、やがて風雨が過ぎれば、いつも通りおだやかで光眩しい川面に戻る。だから、あなたは舟になって、嵐が過ぎるのを待てばいい。

たゆたえども、けっして沈まずに。そしていつか、この私をはっとさせる1枚を描き上げてください。

かっこよすぎるよ!! 私もこういう言葉を芸術家にかえてあげられるようなプロデューサーになりたいなぁ。そう画商は画家のプロデューサーなのだ。

それにしてもゴッホがアルルに向かうことになったきっかけのエピソードなどは実話なのだろうか。折鶴で表現されたこのエピソードは、ものすごくその美しい話だ。ゴッホと実際の林が交流したという記録はまるでないそうだから、ここは原田マハの創作なのだと思うのだけど、どうしたらこんな素敵な話が作れるんだろう。すごいなぁ!!

そうそう、文庫本の解説で本当に歴史上あったこととの対比が書かれているのがよかった。私なんぞは下手すると自分が納得いくまで、どこまでが裏が取れている史実で、どこまでが創作なのか、あれこれ調べてしまうからだ。この解説はとても助かった。うーん、原田マハ。ただ売れている作家ということではないね。すごいわ。

話はちょっとこの本から離れるが、ゴッホが浮世絵に影響を受けていることは彼の作品の背景に描かれた浮世絵や、日本の西洋美術館だったかな…で随分前にやったジャポニズム展で私も知っていた。またアムステルダムにメアリー・ブラックの公演を観に行ったとき、みんなでゴッホ博物館に行ったことがあるのだ。当時メアリーはツアー先に遊びに行くと空いた時間にメンバーや私を誘ってそういう地元の有名観光地に行くことがよくあった。あの時の話題は当時、ちょうどメアリーたちがアイルランドを発ったその日に明らかになったアイルランドの某音楽プロデューサーと某大物女性歌手の大スキャンダルだった。(なので、それが2003年だったことを、よく覚えている)しかもバンドのメンバーたちとゴッホって本当に貧しくて、頭もおかしくて、何度も自殺もはかり「しかも上手に死ねなくて5日間(ほんとは2日)も生死を彷徨った」「うわ、それきっつー」とかなんとかふざけた会話したのを覚えている。懐かしいそんなことも思い出された。

ところでこの本には書かれていないが、フィンセントやテオの死後、ゴッホの作品を世に出したテオの妻で義理の妹のJo(ヨー)の奮闘ぶりはここで読むことができる。(ゴッホミュージアムのHPより)




この上に貼った有名な画商の爺さんのポートレートは実は3枚あるという説もある。すごいな。でも小説にあるように、この筆遣いからフィンセントが彼を慕っていたことが窺える。そういえば、こういう映画もあった。『ゴッホ 最期の手紙』

 

こんなドキュメンタリー(BBC制作)も見つけた。他にも映画になってたりするんだねー。参考までにリンクをはっておきます。

さーて次はTwitterでフォロワーさんが教えてくれた「ゲルニカ」、そして先日このブログでの著作を紹介した木村元さんが教えてくれた「リーチ先生」が控えているので、数冊読んだあと、またマハ・ワールドに戻ることとする。いや〜、でもこの作品を超えることはできるのか。読むのが楽しみ。

2020年6月29日月曜日

映画『タゴール・ソングス』を見ました。歌がつなぐ人々の想い。


映画『タゴール・ソングス』を見ました。作家の川内有緒が教えてくれたんだけど、いや〜彼女の書いた『バウルを探して』も素晴らしかったが、そのバウルからさらに進んで「タゴール」です。日本人の映画監督なんと27歳の佐々木美佳さんによるドキュメンタリー作品。素晴らしいです。(佐々木監督のツイッター佐々木監督のNote

ポレポレ、久しぶりに行きましたが、平日の昼間なんだけど20名ほどのお客。場内はともかくあの狭い地下のロビーで20名がたまるとちょっとドキドキしたけど、すぐ開場になって、一応座席は1つ置きになっており安心できる。消毒液も入り口に設置あり。お客さんはマスクがマスト。でも『若草物語』よりは密が濃い(笑)。オンライン「仮説の映画館」でもみられるので、不安に思う方、遠方の方、体調がすぐれない方はそこをご利用ください。

タゴールは日西欧圏で初めてノーベル文学賞を受賞した詩人。全然知らなかった。バウルの伝統からも影響を受けたこのベンガルの詩人は、イギリス植民地時代のインドを生きた。彼の題材はベンガルの自然、祈り、愛、喜び、悲しみ。その作品は2,000以上におよぶと言う。100年の時をこえてベンガルの人々に愛されているこの歌に誘われて日本人の女性監督がインド、バングラディッシュを旅していく。日本でいうとどんな人?という言葉に監督はインタビューで、瀧廉太郎であり、宮沢賢治であり、中島みゆきであり、ブルーハーツであるともいう。タゴールさん、ポートレートからもいろんな思いが伝わってくる。真摯な眼差しがいい。ぐっとくるいい写真だ。


映画ではタゴールを愛するいろんな人がててくるが、特にラップでタゴールを歌う若者、親と喧嘩しながら世界が見てみたいと主張する若い女子大生など若い人たちが印象に残る。タゴールは特定の宗教や考え方にとらわれることがなかった。だから多くの人を時代を超えて捉えて離さないのかも。

タゴールのドキュメンタリーと言っても、タゴールの生涯にスポットライトを当てるわけではなく、作品を人々の思いを収録しながら、タゴールの形を少しずつかたどっていく。…というか作家ではなく歌そのもの作品そのものにフォーカスしていく、そういう手法だ。

 

あとドキュメンタリー・ノンフィクションが見逃しがちな「見応え感」もしっかりあって、特に若い女の子が日本にやってきてから収録された日本でのシーンはいろいろ考えさせられた。お父さんと言い合いをする彼女。「未来は自分で作っていくものじゃないの?」そんな彼女に「ひとりで進め」とタゴールは歌いかける。「もし君の呼び声に誰も答えなくても、ひとりで進め」

そして歌が持つ不思議。まさにMagicだよね… タゴールの歌が人の気持ちをつないでいく。あなたも同じなんだ、私も同じく感じる、そういう気持ちの交流。歌がメディアの一つになって、人をつなぐんだよね。

それにしても若い子たちがいい。20歳そこそこの頃に出会ったインターナショナルな友達とか…いいよなぁ。私もあの頃の自分を思い出したよ。80年代の中頃。あの頃はもう一度さよならしたら、彼ら・彼女らには会えなくなると思ってた。今やSNSで再びつながって日本の友達なみに交流があるのだけど、あの頃はもう2度と会えないかもくらいに思ってた。あの頃のそういう気持ちが懐かしい。いやいや地球は狭い。またきっと会えるんだけどさ…

7月に入ると監督とのトークイベントも上映後に予定されているらしい。川内さんも出るのでぜひ皆さん、駆けつけてくださいね。


その川内有緒の『バウルを探して』がたくさんの写真とともにヴァージョンアップして再登場! しかしハードカヴァーから文庫本になり、また再びこういう本になるという、この本の辿る数奇な運命も不思議だ。バウルも不思議だ。こちらもまたゆっくり改めてご紹介しますが、とりあえずリンクを貼っときます。

パンフレットに川内有緒は素晴らしいコメントを寄せているが、隣にあるユザーンも真面目で素敵なコメントを書いているので必読。本当にインドって憧れるんだよなぁ!!! 北とぴあで、いろんな文化にフォーカスして「祭」やった中で、一番好きだったのは実は「インド祭」。あの日は具合が悪くて、わたしはボロボロだったけどスタッフに助けられてなんとかなったのだった。あのチームの皆さん、本当によかった。懐かしい。またやりたいよー とっても楽しかったもの。

2020年6月28日日曜日

レシス・アルノー&ヤン・ルソー 『誰も知らないカルロス・ゴーンの真実』を読みました



読んだ。なんというか悪いやつのストーリーは面白いな。

企業のCEOなんて悪いところや人間として冷たいところがないと務まらないものだと思うし、そりゃー真っ白だなんて誰も思っちゃいない。日産 vs ゴーンの縮図だって悪い奴と悪い奴が喧嘩しているようにしか思えないんだが、違うかな。日本をベースにしているフランス人ジャーナリスト2名の共著。なかなか面白くスイスイ読めた。正直経済関係のこととかは読んでてもさっぱり理解できなかったのだけど、面白いのはやっぱり生い立ちやプライベートライフとか、そのへんだよね。

もっともあくまで二人による周辺調査の結果であって本人が明かしているわけではないから(ヴェルサイユの件など本人から話を聞いた郷原さんの本の方が信用できる気がする)この本だけでどうこう言えるわけではないけれど、まぁ、端的にいうと謎に満ちた妙な子供時代、最初のミシュランでのコストカッターとしての成功、日本社会がチヤホヤしてこういうモンスター作っちゃった感じなんだろうか? 

ゴーンはレバノン人の両親のもとブラジルで生まれ、ブラジルで育ち、中等教育はベイルート(レバノン)で受けた。そしてフランスで活躍した。衝撃の事実はお父さんの存在。いや、こんな風な書き方をすると偏見とか差別とか、その見方はバイアスがかかっているよと言われそうだけど、彼の実父は死刑判決を受けるほどかなり重いすごい犯罪を犯した人だった。ほとんど片親だけで育ったようだが、家は裕福ではあったらしい。その後ミシュランでの成功が彼をルノーへと導き、その後日産のCOOとなる。

それにしても、日産の西川さんのあだ名が「座布団」(もちろん上に座るのはゴーン・笑)だったことや、日本でのある意味ミーハーな人気(でも彼はいわゆるパーティやらイベントに顔を出すのは好きじゃなかったようだ)。外国人としてちやほやされる状況(いわゆる『カリスマ・マン』症候群)。GMに誘われたことなどあれこれ興味深い。実際GMの誘いにのっていれば年収もアップしたし、拘置所に贈られることもなかっただろう、とこの本は言う。

いずれにしても日本の経営者陣はサラリーが世界水準にまったく達していないというのはあっても、その地位にくっついてくるグレーで妙なメリット、いわゆる「役得」が山のようにある、ということをこの本はするどく指摘している。ゴーンが会社の予算で使ったプライベート・ジェットが向かう先では、ビジネス先ではない場所へ行く家族の姿が、娘のSNSなどで明らかにされている。まぁ、日本の場合、政治家とかも一緒なんだけど、なんか、サイテーって思うわ、ほんと。でもマジで社会的責任もある大企業における役員報酬の透明性というのは必要だよね。例えば就寝待遇、運転手付きの車、高級レストランやバーでの公私混同の交際費。ヨーロッパ諸国の税務局はこういった交際費を認めていない。

あとは、まぁ、最初の奥さんと上手くいかなくなり、奥さん変えたのも悪かったように思う。前に出てくることのない最初の奥さんと長く続けば、彼も勘違いすることはなかったのかも? 新しい奥さんは派手な人だ。いや、それも日本社会が前の奥さんと生活や人生の価値観を割いたのかもしれないし、なんとも言えない。

とはいえ、郷原本同様、この本でも日本の検察のゴーンの扱い方について批判的に書いている。例えば福島原発の安全対策をおこたった東京電力の幹部、エアバックの事故で死者をたくさん出したタカタ、粉飾決算を長年行ってきた東芝の幹部などに対しては異様に寛容だった検察が、ゴーンに対しては田中角栄、佐藤優、小沢一郎など日本の大物を狙いうちにしたときと同様のひどい扱い。

こっちの方が郷原さんの本よりポップで引っ張る内容なのは事実。もっとも日本人が読まなきゃいけない度は郷原さんの本の方が圧倒的に高いと思う。

2020年6月27日土曜日

プランクトンさん、CDキャンペーン実施中 スペシャル価格!!? これは見逃せない! おすすめアルバム その3



はい、また土曜日がやってきました。なんか1週間があっという間に終わるのでびっくりです。

さてちょっと前から始まっているプランクトンさんのCDキャンペーン。100タイトル。どれを選んでいいのかまったく分からないという方、あと1枚どうやって選ぼうかと悩んでいる方、プランクトンさんの「おせっかい小姑」である野崎による推薦盤をご紹介していきます。

ドリーマーズ・サーカス『セカンド・ムーヴメント』

今週はこちらを紹介しましょう。今、北欧シーンで最も注目されるグループ。ドリーマーズ・サーカス。この曲はアルバム『セカンド・ムーヴメント』の先行シングルみたいな感じで出た。A Room in Paris。



めっちゃかっこいいでしょ。いいよね、なんというか、バンドが目指している方向性がいい。こういうバンド、大好き! 言っちゃ悪いけど方向性とかセンスって本当に大事なんですよ。例えば下手なのはバンド続けてれば、ある程度は治るんです。一生懸命練習すれば治る。ツアーしてりゃ、治る。でもセンスの良さは治らないことが多い。方向性とかセンスとかって、もう持って生まれたものなのかも。 

それにドリーマーズはそれぞれのメンバーが楽器がものすごくうまい。フィドルの彼はクラシック界でも認められている凄腕だし、ブズーキのアッレは間違いなくヴェーセンのローゲルの後輩としてはNO.1の位置につけているでしょうね。この世代では北欧イチの弦楽器奏者。ニコライのアコーディオンもいいし、何より作曲能力がすごい。この曲もニコライのペンによるものです。

あと彼らの1枚目から2枚目への飛躍の幅が大きいことも将来が期待できる。通常バンドのCDは気合をいれて準備したファーストに比べセカンドアルバムってだれることが多いんだけど、彼らのこのセカンドは素晴らしいものがあります。彼らの場合、最初のアルバムも十分良かったけど、それよりもファーストが成功し、ライブ活動が成功し、自信をつけてここでやっと200%出せたって感じなのかも。例えばウチのアーティストでいうとフルックが、ファーストの出来と2枚目の出来とものすごい飛躍しているってのがあって、それもすごいんだけど、このグループも同じだね。彼らもフルックみたいに長く長く続いてほしい。

北欧のグループって、本当に掛け持ちが多くて、メンバーチェンジも多いし、それはアーティストとして音楽的に健康的なことなのかもしれないけど(音楽的に煮詰まる前に辞める、みたいな)、でもアンサンブルはやっぱり一緒に演奏していかないと固まらない。だから彼らにはこの不動のメンバーでずっと長く長く続けてほしいと思うんです。

それにしても、この曲ほんとによくできてる。ライブ・ヴァージョンで聴くとさらによくわかるので、ライブの映像を貼っておきます。


最初ヴァイオリンの流麗なメロディから始まって、それが15秒くらいで両脇二つの楽器が加わって膨らんでいく。(この時のアコの右手、いいからよく聞いてみて!)0:56からヴァイオリンが次のフレーズに進む。1:15あたりからインプロみたいにして入ってくるアコの右手もいい! ヴァイオリンは裏手に回るんだけど、これがちょっとエイダン・オルーク(ラウー)みたい。

1:38でコード感がぐっと変わる。ここで展開その1だよね。曲がもたらす風景が変わってくる。2:03にアコが右手で最初のメロディを入れてくるのもめっちゃいい!!! これはうまい。そしてそれにヴァイオリンが呼応していく。そして2:24あたりで、いったん静かになってぐっと聞かせる。ここはクラシックの素養があるヴァイオリンの真骨頂! そして2:50あたりで、すべてがシンクロしてくる。どんどん盛り上がる。3:11あたりまでぐわーーーっと上り、そこからまたぐわーーーーっっと急降下していく感じがたまらない。最後メロディが重なって、それぞれ今まで登場したフレーズがこの曲にどんな意味をもたらしているのかがわかる。くわーーーっっと視界が広がる感じ。空を飛んでるみたい!! もう1ラウンド聴きたかったよなー ちくしょーーーーみたいな(笑) でもわかる。ここでやめておいて正解なのだわ。

若いトラッドバンドのこういう演奏が私は大好きだ。本当によくできている。こういうのはセッションみたいなのんびりした演奏からは生まれない。ちゃんとバンド活動してそれぞれのメンバーの個性を把握し練りに練っていかないと生まれない。一緒に苦楽を共にしないと生まれない。3:22あたりのニコライの嬉しそうな笑顔がいいね。

最後お客さんの手拍子も入る。普段は手拍子嫌いな私だけど、この手拍子は大好きだ。だってちゃんとバンドの音を聞いて楽曲のことを理解して入ってくる手拍子だから。彼らの低音とちゃんと呼応しているからよく聞いてみて。まぁ、彼らのリズムがまっすぐだということもあるんだけど。このように手拍子を入れるという行為は非常に難しいもんなんです。(あくまで個人的見解)

しかし彼らも演奏が盛り上がると、足元のモニターとか無視してヴェーセンみたいにどんどんメンバー同士がくっついて来ちゃうのもいいよね。わかるわぁ〜。お互いの音を熱心に聴く。それによってアンサンブルが無敵のものとなる。そうよ、これが大事なのよ、アコースティックバンドにおいては!!

すみません、うまく説明できなくて。言葉の使い方とか間違っているかもしれない。私、ちゃんとした音楽教育受けてないんで…

しかし彼ら惜しいのは、北欧きってのハンサム・ガイたちなんだから、もっとアーティスト写真かっこいいのを使えば?ということ。アーティスト写真は実物より良くないといけない。彼らの場合、本物にあって「なんだ、写真よりかわいいじゃーん」といつも思うのだった。だからプランクトンのK君に余計なお世話を言って嫌な顔されてまーす。ま、ウチのヴェーセンとかもひどいから人ンチのこと批判はできないよなぁ(爆)。ヴェーセンも写真より本物の方がかっこいいよね。

前回の彼らの来日時、私は民音さん主催のゴサード姉妹ツアーで彼らの公演は見れなかったのだけど、横須賀のウチらの公演に彼らが見に来てくれて、うちの妹たちは狂喜乱舞したのでした。彼女たち、もちろんドリーマーズのことはよく知っていてコンサートも見たことがあったのだそうです。憧れのバンドに自分の公演を見てもらえるなんて素敵。ステージに上がる前も「どうしよう、今日は緊張しちゃう」と騒いでおりました。そして終演後に挨拶に来てくれた彼らとパチリ。その後、二組がfacebookで、友達同士になっているのを見て、いや〜こういうのいいよなぁと思ったのでした。よかったね〜 姉妹たち!


というわけで、今回のおすすめ盤はドリーマーズ・サーカスのセカンドでした。迷っている人はぜひこれをチョイスしてね!!

さて来週は何を選ぼうかな〜 お楽しみに!

2020年6月26日金曜日

岡本かの子の世界にひたる


岡本かの子って、太郎の変なお母ちゃんという認識しかなかったけど、素晴らしい!

岡本かの子って、どんな人なんだろうとずっと思ってた。斎藤なずなさんの漫画『千年の夢』でしか知らなかったから、いったいどんなエキセントリックな女性なんだろうと、あれこれ想像を巡らす。夫以外の男性とも夫公認で付き合い、自分大好きで、あまり美人ではなかったのに自分は美しいと信じ切っていた。そして異様に男性にモテたらしい。亡くなった時も若い男とのデート中だったらしい…等々。

ところが最近のコロナ禍でfbでブックレビューが流行りだし、友人の音楽ライターさんが彼女の短編集を推薦してらしたのを見て興味を持ち、さっそく青空文庫(アマゾン0円)でゲット。

最近はkindleは、音声で読ませるようにしているので、土手を読みながら歩いた。とはいえ、やっぱり機械だと読み方があまい。「なんとかして行った」なんていうのを「なんとかして<おこな>った」とか読んじゃうし、人の名前はもちろん読み仮名とか全部無視で、時々本の画面を確認するハメになる。それでも土手での読書はなかなか気分が良い。いいぞ、荒川土手! これだけでもiPadからiPhoneにメインのガジェットを変更した意味がある!

岡本かの子は、明治から昭和にかけて生きた女性だけど、どの作品でも当時の生活が生き生きと蘇る。短編は本当にあっという間に読めちゃうので、おすすめです。読んだ3つをまとめて紹介。

これなんか本当に当時の鮨屋の風景が浮かぶようだわ… 食が細かった子供の頃の郷愁に満ちた母の思い出と、それを思い出し鮨屋の娘に語る男性の話。

年取った女の妙な執着心を描いたこちらもすごくよかった。男のだらしなさも。

これはちょっと長めだけど、すごく面白い。お嬢様をなんとか手にいれたい主人公。お嬢様はお嬢様で彼に冷たくしながらもいろんな意味で彼をとらえて離さない。彼は行き場のない気持ちを金魚の生育に昇華させる。そして最後のオチも良い。

まぁ、どれも無料ですからぜひ。そういや入院中に芥川とか夏目とか初めて読んだけど、今いちピンとこなかったが、岡本かの子はかなり好きになった。出張時の読書用にもっとDLしておこうっと。

2020年6月25日木曜日

幸せってなんだっけ? 「のらぼう」さんでご飯を食べることさ!

昨晩、やっとお友達と一緒のご飯を解禁しました。嬉しい〜! 西荻窪たべごと屋のらぼうさんへ。

入り口の消毒薬の設置。それからスタッフさんは全員かっこいい透明のシールド製のマスクを着用。お客さんは普段のキャパシティの半分かな… いつもはカウンターに多分8名だったと思うけど、今回は私たち2名以外にも、もう1組2名のお客様がいて合計4名という配置。5時の開店とともに突入〜

お通しは青トマトのピクルスだったかな。すっぱすぎず美味しい。


あのポール・ブレイディが「世界一美味しい」と絶賛したサラダ。いろーんなものが入っていて、本当に美味しい。


お刺身の盛り合わせ。いつもすごくきれいなんだけど、今日はまた特別にきれい。


気がつけばとうもろこしの季節❤️ あっま〜い!!


糠漬けもこんなふうに、とてもきれいなんですよ。芸術作品だなぁ。普段はロジカルクッキングしている自分ですが、料理は「手間」だよなぁ、と思います。本当に素晴らしい。


これ以外には土鍋ご飯も食べたんだけど、ご飯の半分は持ち帰り。いや〜中年女子二人でお腹いっぱい。

それにしても友人と会って話すのも本当に久しぶりです。幸せ。日常が少しずつ戻ってきた…かな。電車もかなり空いており楽しい1日となりました。

帰り「うちのら」でだし巻き玉子とチャーハンを持ち帰り。(メニューは下記)今日も1日のらぼうの食事だよ。だし巻き玉子は冷蔵庫に入れておけば大丈夫ということで、今朝冷蔵庫から出して、いただきました。あっためかえそうと思ったけど、待てよ…と思いそのまま食べてみたら、冷たいのも美味しい! 普段はお店でできたてほくほくを食べるのだけど、出汁のかおりと、大葉が入っているので、つめたぁ〜いままでも美味しい。というか、夏はこの方がいいかもしれない。

それにしてもお店の雰囲気といい、スタッフの皆さんの優しさといい、のらぼうさん大ファンなんですけど、昨日ほどそれをしみじみと味わったことはなかったかも。本当にのらぼうさん、至福の時間をありがとうございました。また伺います。

皆さんもぜひ行くってみて。最高に贅沢な時間を味わうことができますよ。

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こんにちは、のらぼうです😊  毎朝、いろんな鳥たちが自宅お隣の庭木にやって来ては鳴いています。 僕は、花の名前はいくつか知っているつもりですが、鳥の名前はあまり知らなくて、最近は鳴き声で調べる癖をつけるようにしています。 今朝、僕を起こしてくれたのはどうも「アオジ」のようです。 鳴き声メチャ可愛い。 おかげで寝坊せずに仕入れに行けたよ笑  火曜日は府中方面へ。 『元気屋』さんのできたて豆腐、揚げ類、いただいて来ました。 三鷹の畑からは朝採れのトウモロコシ、なす、インゲン、きゅうり、万願寺唐辛子、トマト、ズッキーニ、などなど❗️ 夏野菜は一通り揃ったかな? あ、あとはゴーヤがまだだ。 料理が楽しい季節です。  それでは今夜も店内、ウチノラ、共にお願いいたします。 休み明け火曜日はウチノラのお渡しは18:00以降とさせていただきます。悪しからず。  ☎︎03-3395-7251

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2020年6月24日水曜日

スウェーデンのヘーグベリ高山大使、子供たちの質問に答える

スウェーデンより昨年秋より着任されたヘーグべリ大使。ご自身のことを「高山」と呼ぶチャーミングな大使なんですよ、ヘーグべリ=スウェーデン語で高い山という意味だから(笑) 大使のInstagramのアカウントはこちら



子供たちの質問に答えます。「スウェーデンって寒いの?」「ゲームは好きですか?」

 

 こちらは番外編。いいねぇー

大使と奥様、スタッフの皆さんの素敵な歌声もお楽しみください。音楽は3分30秒すぎくらいから。

今日は天気が悪いみたいだけど、張り切っていきましょう〜。私は久しぶりに都心を経由して某所で友達とご飯するので、ちょっとドキドキです。電車に乗るの久しぶり。

2020年6月23日火曜日

新生フレアーク、ニューアルバムに向けて始動!

いえーい!

ちょっと前に代替わりしたフレアークですが、新作に向けていよいよ動き出したようで寄付をつのっています。

フレアーク。78年結成のオランダの名門グループで、創始者はギタリスト・プロデューサーのエリック・ヴィッサー。正直エリックには言いたいことが100くらいありますが(笑)好きな人でした。たくさん喧嘩もしたけど、まぁ言いたいことも言い合って、仲はよかったと私は思っています。っていうか、エリックみたいなすごい音楽家と互角に戦った自分は偉かったよなぁ、と今でも思います。

フレアークを知ったのは、ずいぶん前。ケンソーがライブアルバムでこの曲をカバーしていてオリジナルに辿り着いたというわけです。当時、清水さんに誘われてコンサートも見に行ったよなぁ!



45年弱続いいるこのグループですが、今現在フレアークを率いているのはエリックの番頭ともいうべき存在だった若くてハンサムなマルチ・インストルメンタリスト、パブロ・オルティツ。若いメンバーといえど、すでに現在までにパブロは13年もバンドに在籍したことになりますからベテランです。メキシコ出身の彼も現在はベルギー在住。オランダ在住のメンバーとともに若いフレアークを率いる頼もしい若きバンドリーダー。私も一緒に仕事するようになった時期から本当にフレアークのメンバーの中でパブロを一番頼りにしていて、パブロがいなかったらフレアークとはとっくに切れていたことでしょう。何年前だったかの長い長い一ヶ月に及ぶツアーでもパブロの存在は圧倒的で、フレアークのメンバーばかりか日本側スタッフの信頼も厚く、本当に本当に私は感動したのでした。

これは先の日本ツアーのコンセプトだった13名のグローバル・オーケストラ。これを一人で引率してツアーして、私は本当に終わった!…って感じでしたが、がんばりました。疲れた。まぁ、終わってみれば楽しい思い出ばかりですが。


よくフレアークはワールドミュージックに分類されますが、その基本屋台骨はロック。だからわかりやすいキメのフレーズがたくさんあって、まぁ、いろんな意味でポップだと思います。

今まで主にヨーロッパ内で大ヒットしたショウのコンセプトはチーフタンズよろしくすべて頭のいいエリックがあれこれ作り出したもので、どれも非常に興味深い。そしてどのショウも最高に楽しく、いろんな前知識がなくても楽しめるハイクオリティのものです。ちょっとミュージカルっぽい要素もあり…。

オランダみたいな小さい国ですが、その国をくまなくツアーし、大きなシアターを満員にしてこれだけのお客さんを動員できるってのは、やっぱり老若男女に受けないといけない。そういうことに関してはフレアークの右に出るものはいないと言って良いでしょう。かつ日本ではケンソーのこともあったし、ラジカルトラッドとか熱心な音楽ファンの熱狂的な音楽的信頼を集めていた。本当にすごいグループです。

パブロは、そんなオランダの名門バンドを2年前に引き継ぎ本当に頑張っています。ツアーは何度か行ったようですが、いよいよ新作のレコーディングに取り掛かり出したようで、これはもう絶対応援しなくっちゃ。楽しみ!! 日本にもなんとか呼べたらいいんだけどなぁ。




2020年6月22日月曜日

何が正解なのかはわからない。が、自分の立ち位置は決めるべき?


終わったと思っていた薔薇がまた咲いた。2番薔薇というらしい。可愛い❤️ サムソン高橋さんにいただいた薔薇のおかげで、自分の女子力が少しあがった気がする。

さて、今日は最近、映画業界内界隈で話題になっているこれについて。


これ書いた方、面識ないけど、気持ちはすごくよくわかる。ものすごく悩ましい。確かに映画産業に関わる人、映画を題材に物を書く人は、この場合、黙っているわけにはいかないということはあるだろう。辛いな…   自分の好きな俳優さん、監督さん、プロデューサーさんを信じたい。でもわからない。作品を好きだった自分は騙されたことになるのか? 

もちろん究極的には「法的な手続き」をよりどころにするしかないというのが正解なのだと思う。でも、かといってスッパリ割り切れるものではない。一方で、立場をはっきりさせなければ卑怯な感じもする。

結局のところ自分が実際目撃したことや、信頼できる人の意見を取り入れながら、自分の頭で考え、最終的には直感で判断するしかない。情報は探せば探すほどあるけれど、それのどれがどこまで正しいのかは当事者でなければ、わからない。また当事者だってわかってないことも多い。そして罪を憎んで人を憎まず…ということなのだろうか。その件によって人を全否定することもしてはいけない、と思う。最近も芸能人の不倫にともなう引退やらでも、あれこれ考えるが…

そして。ここが大きな問題なのだが、価値観は今やころころ変わる時代なのだということだ。ちょっと前までは大丈夫だったことが、今はもうNGだったりもする。それを渡り歩いていくのはとても難しい。相当な柔軟性を必要とされるし、変わらなければ生き残っていけない。

ミニシアター系のシーンを引っ張ってきたアップリンクの浅井代表の件。

浅井さんを個人的に存じあげているわけではない。ただポルーニン騒ぎの時の時、吉祥寺のへんな映画館(結局あっという間に閉店)の時の浅井さんの言動には、結構感動し、心を動かされた。いろんな映画に対する感想も、たとえば「ラ・ラ・ランド」の感想とか、自分の考えと重なる部分が多くて親近感を持った。そして浅井さんの言葉をツイッターのRTなどで、ウチのフォロワーさんに紹介したり推薦したりもした。

そして、何より浅井さんのところのスタッフの、何人かにはとても世話になった。何度かあの場所を借りてイベントを行ったこともあったが、どれもなかなか良いイベントになった。

ただ場所を借りるという行為は本当に難しくて、これはどのライブハウスに対しても同じ気持ちを抱くのだが、借りるにあたり、とても複雑な気持ちが交錯することも事実だ。確かにウチみたいなどこのバックアップもない個人事務所にゴチャゴチャ言わずサッと貸してくれるのは本当にありがたい。だが正直に自分の気持ちを言うと「なんでこんなに高いんだよ」といつも腹立たしく思っていることは白状しておこう。そして「宣伝にまったく協力してくれない」「リスクも取らない」と貸し主にイラつくことは多々ある。

いいや、リスクを取らないで…というのは嘘で、彼らはその場所=都会の一等地を押さえ日々運営してているということでリスクはすでにMAXに取っているつもりなのかもしれない。だから一つ一つの企画を宣伝し手伝うということについてまで手が回らないのだろう。それは理解できる。でもそれは音楽や映画などの文化のリスクじゃなくて、不動産屋のリスクじゃないの?と嫌味の一つでも言いたくなる。ただ場所を押さえて、それを日々分割して販売することで、どうしても文化ではなく「不動産業」に見えてしまうのも事実だ。

アップリンクさんではないが、某渋谷のライブハウス。ウチは1日50万払って借りているのに、その会場の自分たち主催の公演だと3,000円のチケットで入ってるお客10名なんてのもあった。わたしは彼らの月々の家賃を払うためにそこにいるのではない!と心の中で激怒したもんだが…  うーん、まぁ、このくらいにしておこうか。向こうだってこちらに対してたくさん不満をかかえているのかもしれないし…

うーん、でも「ウチみたいなどこのバックアップもない個人事務所」ってのも、自分の気持ちに対する嘘だな。私は自分の企画にはいつもすごく自信がある。こんなに面白いことがあるんだよ、って大声で恥ずかしげもなくいつも言ってる。貧乏かもしれないが、文化度は高いつもりだ。だから会場さんに対しては、いろいろ思うんだ。なんでこんな良い文化度の高い企画なのに協力してくれないんだよ、って。

まぁ、でもそれも独りよがりだよね。結局そのイベントをコンサートをやりたいのは誰なんだ、という究極にはそういうことだ。はい、それは外でもない私です、私がやりたいんです、と答えるしかない。非常にアンビバレントな気持ちだ。どう見たって、これじゃ利益なんか残るはずもない。そういう企画を「面白いから」という理由だけで続けてきたのは、誰のせいでもない。自分の責任なのだから。

ま、いいんです、別に。私は数々のイベントを実現させて、とても楽しかったから。そして他の誰でもなく「私が」この企画をやりたかったのだから。でも場所を貸してくれるライブハウスさんやホールさんには、そういう複雑な気持ちを絶対に隠せない。

そうそう、アップリンクには、web Diceにありがたくもこんな記事を書かせてもらったこともある。あれはとてもうれしかった。うちの窓口をしてくれてるKさんが、編集長の浅井さんにかけあってくれたものだ。

そうなのだ。こうやって一緒に仕事をしていれば、いい時も悪い時もある。いいと思えばその場所をお金を払ってその場所を使う。究極的にはそれだけのことだ。それ以上でも以下でもない。アップリンクさんとは、よくも悪くもそういう関係だ。私の窓口をしてくれているKさんは、とても感じがよく、私が何か問合せしてもすぐ返事をくれるし、終わったあと「ここでやらなければよかった」と思わされたことは一度もない。いつも気持ちよくイベントをやらせていただいている。私は機会があれば、またいろいろお願いしたいと思っているし、向こうも「野崎の企画なら」と言って取り上げてくれることだろう。それはうぬぼれかもしれないけれど。

あ、あともう一つ書いておかなくちゃ。アップリンクさんにコンサートのチラシを置いてください、とお願いして断られたことは一度もない。もちろんウチの企画がすごく良いという自信はあるが(くどいよね、私も)、それにしたって渋谷の一等地の文化的なお客さんが集まる場所にきちんと置いていただけるのだから、本当に本当にありがたく思っている。いつも感じのいい受付のスタッフさんにも大感謝だ。

だから、この浅井さんの件はなんなの?と言われても非常に困る。

…と、まぁ、いろいろ複雑なんである。だから「アップリンク、野崎さん付き合いあったよね、この件、どう思う?」と聞かれても、直球では答えられない。ただ映画業界、音楽業界内において、こういうことはよくある。ギャラをろくにもらえすらしないのに業界から足を洗わない若者たちも。でもこの「よくある」ということが大問題なのだ。この次のこの世界を担う若い人たちのために、私たちは少しでも良い業界にして次の世代に引き継いでいかないといけない。

そうこう書いているうちに浅井さんのコメントが出た。


でも運営が大変だから、自分じゃないと代表はできないと思っているのは勘違いだよ、きっと。後輩を育ててこなかったということもあるのかもしれない。でも本当に社会にとって必要な会社であり事業であるなら、どんなことがあっても続いていくだろう。後輩に道を譲るということを検討しないと会社や事業が本当に変わることはできないのではないかとは思う。あくまで個人の意見だけど。私もTHE MUSIC PLANTを誰かに譲るべきなんだろうけど、果たしてどうやって譲ろうか。相当経営つらいけど、私より上手くやれる自信がある人はぜひ連絡ください。いや、冗談じゃなくて。

まぁ、私のような立場で何を言えたものか…と思う。従業員を雇っている、というだけで社会に貢献していることになる。私みたいな一匹狼と違って、私に彼らはすごく偉い人だと思えてしまう。それだけに辛い。とにかく働く人たちがみんな幸せでありますように。やりがいのある仕事だけにね…。
PS こんな記事も。音楽業界も一緒だ。

2020年6月21日日曜日

木村元さん『音楽が本になるとき』を読みました。早くも今年のプラチナ本決定か!? 


読書ってある程度パワーを必要とするみたいで、昨年は体力不足でほとんど読めなかったのだけど、今年はバンバン読んでます。読んでも読んでも読み足りない活字中毒? また最近は情報が充実しているせいでたくさんチョイスもある。でも、まだ一生読みたいプラチナ本は今年は出ていなかったのですが、この本はもしかしたら今年のプラチナ本かもしれません。とにかく素晴らしい本でした。音楽に関わる人は絶対に読んだ方がいいと思います。とにかく美しい。美しいと言う言葉がぴったりくる一冊です。

まず言葉が美しいです。木村さんやるなぁ。著者は鈴木茂さんとともにアルテス・パブリッシングを率いる木村元さん。リアルで存じ上げている方なので多少のバイアス、贔屓目が入っているかもしれません。で、この本、美しくも難しい言葉もたくさん出てくるんだけど(読み方わからなくて漢字ずらで想像したり・笑)、言葉の選び方がとても的確で、しかも美しい。また決っして読みにくいとか難しい本というわけではない。なんというか、整理されてきちんと読んでる者の中にすとんと入ってくる。その感じがたまらないんですよね。こういう厳選された言葉で形作られている本は本当に素晴らしい。言葉をきちんと選んでゴシゴシ磨いて名作を作る、みたいなそういう感じ。

加えて、この本、内容が美しいです。数日前の私の探検本セレクションのブログを読んでくれた方、もしくは今日のこのブログを読んでくれるのであれば、私はあれこれあれこれ思考を巡らせ、答えが出しにくいことを考えるのが大好きだということがわかるでしょう。この本は、そういう気持ちを受け止めてくれる本です。もっともこの本みたいに上品な方法ではないけれど、私もこういう「音楽とは何か」とか、そういう答えが出ないことを延々と考えるのが大好きなんです。だからこういう本ならいつまでも読んでいられる。そして音楽を聞くっていったいどういうことなのか。人間はなんで音楽を聞くのか、そしてなんで生きているのか。そんなことをぐるぐる考える。そしてこの本はそれに対してある一定の答えをくれる。それこそ本を読むことの醍醐味だと思う。

たとえば「物語」と「音楽作品」を考える「音楽と物語」の章。ここで紹介される佐村河内騒動の話には本当に考えさせられました。私もあの映画『FAKE』についてはいろいろ考えたし、私の感想はここに描きましたが(この投稿、実はすごいアクセス量なんですよね。多くの人があの映画について考えた、ってことなんでしょうか)、木村さんは佐村河内の非凡さはむしろ自分の音楽を世間が聴く前に<物語>としてプロデュースしてしまったところにある、と解いていきます。うーん、するどすぎる。そしてあの森監督の映画についても、私の言いたいことを明快にここで言葉にしてくれたか!?という感じ。もう木村さんの言葉に激しく同意マックス! それにしても私の描き散らかしたブログとの違いよ…。そう、私が言いたかったのはこれなんだよー、と(笑)泣いてうなずきまくる。

とまぁ、暑苦しいかもしれないけれど、こんな風に読者は本の中に自分を発見した時にその本が好きになると言ったのは角幡唯介さんだったと思うけど…まさにそれだよね。

他にも音楽は作曲家にとっても演奏家にとっても聴衆にとっても謎の存在なのだ、ということ。その謎の前では誰もが平等であるということ。あと大好きなディーリアス本『ソング・オブ・サマー』に関する記述も。

そして「音楽との出会いはいったいどこからやってくるのか」ということも。聴く人たちと音楽との出会いは、まさに私の今の仕事と直結することだけに本当に考えさせられた。前にもここに書いたことのあるエピソード「うちの近所のスーパーマーケットでたまたまジョニ・ミッチェルが流れた」でも「何も起こらなかった」。「高島屋タイムズスクエアのHMVに営業にいく時に、エレベーターの中でヴァン・モリソンが流れた」でも「何も起こらなかった」。そういう話を書き連ねてきた。だから宣伝したい音楽があったら、それを単に分母が大きいところに流すだけではダメなんだ、と。ラジオで偶然かかっても、TVのコマーシャルで使われても、それだけではダメなんだ、ということを私は自分の仕事人生の中で嫌というほど考えさせられてきた。これを欲している人のところに届けるにはどうしたらいいのか、とそれをずっとアーティストとともに悩んできた。木村さんはそれを実に理路整然とわかりやすい言葉で説明していく。

それからライブ会場、コンサート会場での体験を書いた「皮膚感覚について」の章も必読だ。そしてスマホの画面の中では「人は自分にしか出会えない」。あぁ、するどすぎて言葉もないよ! このコロナ禍の中で感じていた疑問はそれだ。それだったのだ!

そして後書きの「音楽の道に進むことを選んだ人たち」へのメッセージ。これにはもうひたすら熱く熱くうなずくしかなかった。出会っちゃったんだよね、聞いちゃったんだよね…  あぁああああ(とため息)

さらに! ここにも書いておきたいのだが、この本、すっごく装丁が美しいです。よく私がお風呂で本を読むとか言うとアルテスのもう一人の社長である鈴木さんに「信じられない!」と呆れられるのだけど(笑)、確かにこの本はお風呂で読むのを躊躇するくらいきれいな装丁なのでした。カバーも不思議な色味で、カバーの下もとっても不思議な色味。ちょっと「和」テイストなのは、ご出身が京都だから? この素敵な出版社さんも京都の出版社さんだという。いずれにしても今度はお風呂の中ではなく、次に読む時は素敵な音楽を聴きながらお茶でもいれてからじっくり読もうと思う。巻頭にこの本用のBGMのプレイリストがついていることだし。


それにしてもこの本にありがとう、だ。今、この状況下で私たち音楽のもとで働く人間の価値観はグラグラ揺れている。いったい自分たちの存在にどんな意味があるというのだ。そういったことにも答えをくれる(かもしれない)本だと思う。その他、私の音楽とは何かという問いにある一定の答えをくれた4つのアイテムも再度ご紹介しておきましょう。

まずは映画『めぐり逢う朝 All the morning of the world』。そして本書でも取り上げられてた『ソング・オブ・サマー〜真実のディーリアス』(私の感想文はここ)。そして漫画『オルフェウスの窓』(あれは音楽が主役の物語なのです)。ロリーナ・マッケニット『パラレル・ドリームス』もおすすめ。これからもこういう物語に出会いながら、音楽って何か考えていきたい。木村さん、素晴らしい作品をありがとう! 続編を熱く期待してます!


PS

2020年6月20日土曜日

プランクトンさん、CDキャンペーン実施中 スペシャル価格!!? これは見逃せない! おすすめアルバム その2


さてカトリオーナ・マッケイの後は、女性インストルメンタリストが続いちゃうけど、プランクトンさんのCDキャンペーンから、2枚目のおすすめを今日はご紹介しましょう。…というか、早くもタイトルを眺めていると、品切れになってるアイテムも多く、急いで紹介しないと私が選ぶアルバムも売り切れちゃうよね…。

2枚目に選ぶのはシャロン・シャノン。シャロンについては、ここにも何度か書いているから説明の必要はないと思うけど(シャロン物語参照 →   前編 中編 後編)、なんというかシャロンを相手に「超絶テク」とか言っちゃうと、ちょっと違うかもなといつも思う。そもそもアコーディオンってすごく難しい楽器で右手の、蛇腹の使いのアタック感(というのかな…)や低音やコードなどを出すボタンなどが重要だと思うんだけど、シャロンの場合、彼女の右手はいつもスポンジの上でヒラヒラしてる。一方で、いわゆる超絶テク系のアコ奏者は、みんな右手より左手の方がすごかったりする(あくまで私の個人的意見です)。

ただシャロンの音楽を唯一無二にしているのは、右手の昔からあるメロディの捉え方だと思う。もちろんそれには左手の蛇腹使いは非常に大きな役割を果たすのだけど、とにかくメロディをどう捉えるか、ということが重要なのだ。例えばヴェーセンのニッケルハルパ奏者であるウーロフが「ヴェーセンのリズムは、いわゆる伝統音楽アンサンブルでリズム楽器とされるギターではなく、ニッケルハルパのメロディの中に内包されてる」って言ってたけど、まさにそれだよね。シャロンの場合、リズムは左手ではなく、右手(+左腕の蛇腹さばき)からやってくる。

いつだったかシャロンのインタビューで、子供の頃に聞いていた音楽は本当に伝統音楽ばっかりだったというのを話していたのに同席し、いたく感心した記憶がある。普通伝統音楽のミュージシャンでもラジオから流れて来たりするポップスやロックを聞くことは多い。シャロンの上の世代でもマット・モロイがザッパのマニアックなファンであるとか、アルタンのマレードがボウイのミーハーなファンだとか、そういう事例がたくさんあるにもかかわらず、シャロンの場合、もう純粋培養というか、根っから田舎の女の子というか、農場の子というか、そういう環境だったのだろうと想像する。尊敬するミュージシャンは?と聞かれてマイコ・ラッセルとか言ってたかな…。年齢が離れていようが超・爺さんだろうが関係ない。大親友になっちゃうシャロン。シネイド・オコナーやポール・ブレイディなど難しい人たちとも仲良しなのも理解できる。しかも兄弟が多くてみんなで楽器を取り合うようにして演奏していたという子供時代。なんとなくシャロンみたいな子が育った環境というのが想像ができますよね。

そういやポール・ブレイディが最初に公式来日した時、アルタンやシャロン・シャノンのバンドのゲストとしてケルティック・クリスマスに登場したわけですが、たまたまシャロンのバンドと到着日が一緒で、それでもフライトが違っていて、早く到着したシャロン一行はバスの中で待っていたんです。そこに御大登場。御大がめっちゃ不機嫌なので、みんなバスの中はシーーーーンとなっちゃったんですが、その時、明るくポールに話しかけていたのがシャロン。おかげでポールも少しずつ機嫌がよくなり、成田空港から都心までの長いバス旅の間、空気が和みました。あぁいうシャロンの誰に対しても壁を作らないところは本当に素晴らしいと思う。

シャロン・シャノン&アラン・コナー『イン・ゴールウェイ』

そんな明るくて、素敵なシャロンなんですが、この作品はおすすめ中のおすすめ。ぜひこちらも皆さんが選ぶ3枚? 5枚?の選択肢に加えてください。絶対に損はしない1枚。いや、DVDもついてるから2枚だよ。

とにかくこのライブで登場するアラン・コナーがめっちゃいい仕事してるんです。彼のことは私は詳しくは知りませんが、キーボードだけではなくギターやパーカッション、とにかくマルチなインストルメンタリスト。ちょっとしたフレーズがもうセンスがすごく良くって、彼の演奏に注目しながらこのCDを聴くと、なんというかニヤニヤが止まらない。

おそらく楽器を演奏する人ならわかってもらえると思いますが、メインのメロディが強いとバックする人は遊べるんですよね。何度も言いますがヴェーセンなんかもそう。ウーロフ(ニッケルハルパ)が絶対にゆるがないから、ローゲル(ギター)とミッケ(ヴィオラ)は自由に飛び回る。本当に音楽アンサンブルって、有機的というかオーガニックというか、生き物なんだよなぁ、って思いますね。

絶対に楽しい気持ちになれる一枚。ぜひ! 詳しくはこちら



2020年6月19日金曜日

映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』を見ました。最高です。これは最高!!


いっやーーーー 良かった。途中からボロボロ泣けてきて、その後はずっと最後までずっと泣いてました。最高に素晴らしい映画です。期待裏切られなかったわ、さすがだわ。『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

日比谷や有楽町、銀座などで見たら激混みだったのかもしれないが、私は家から便利な西新井の映画館へ。

入り口で体温チェック(入国管理の時にやられるカメラみたいなのを使ってた)。そしてところどころに消毒液の設置。そして席は一席ずつあけて販売しているそうだけど、なにせ400人くらいの会場で、10人しかいなかった(数えることができた)ので、密になりようもなくゆったり。私はだいたい映画は前から3列目くらいで見上げるように見て、視界に誰もいないというのが普段から理想なので、これは最高の環境。いいですよ、西新井。イオンの大きなショッピングモールの中にあり、気分はまるで千葉。大きなシネコンですが、コロナ禍と、なんといっても場所柄か、寅さんのリバイバル上映やってた。普段からファミリーものじゃないと満杯にならない劇場であることは事実です。

ちなみに同じ日に新宿で見た友達いわく、やはり400人くらいの会場で10名ちょいだったそうです。他にも川崎でやはり10名とか。まぁ、平日昼間の洋画なんて今やよほどのヒット作じゃないと入らないのかもしれません。映画の配給ビジネスって本当に不思議。このあとDVDになったりして回収していくんだろうけど、みんなあんなにすごい宣伝費かけてフリーのプロモーションチーム雇って、広告も打って、試写会もやって、2,000円程度の入場料を一等地にある会場と折半してどうやってビジネスにしているのかがまったく理解できない。ま、それはともかく、今、改めて映画という文化が与えてくれる素晴らしさを感じずにはいられない。こんな素晴らしい、パワフルな作品がこんなに気軽に楽しめるわけだから。皆さん、ぜひぜひ劇場にかけてつけてください。

もともと『レディ・バード』も大大大好きだった私ですから、この二人が再びタッグを再び組むと言えば、見ないわけにはいかないでしょう。監督脚本:グレタ・ガーウィック、主演:アメリカ生まれアイルランド育ちのシアーシャ・ローナン。もう鉄板です。とにかくセリフの一つ一つが素晴らしく、いちいち響くわけですよ。そりゃあもう、いちいち、いちいち。

物語は有名なオルコットの『若草物語』がベースになっているのだけど、それだけじゃない。私は最初の1冊しか読んでないけど(どうやら4冊くらいあるらしい)、子供のころ大好きで何度も読んだはずなのに、かなり内容を忘れていて、ピアノがプレゼントされるところとか、ジョーの髪の毛の件とか「あぁ、そうそう、そういうエピソードあったわなー」などと1つずつ思い出しながら見ていた。私の記憶が間違ってなければ、小説の方では病弱なベスがもっとうんと美化されていたようにも思う。そして四女のエイミーがもっと悪い性格のように描かれていたと思う。

が、この映画のジョーはもちろん最高に素晴らしのだけど、四女のエイミーが妙に印象に残った。フローレンス・ピュー。彼女、眼差しと、あと声がものすごくいいんだよね。「ミッド・サマー」の時も、ものすごいいい演技してた。あれは映画自体がへんな映画だったけど彼女はよかったもの。その彼女がグレタの力を得て、まったく新しいエイミー像を作り出したと言っていい。いや〜、素晴らしいわ。本当によくできている。

映画は姉妹の子供時代と、子供時代を懐かしく思う大人時代とをいったりきたりして進むんですが、その間が7年くらいのギャップしかないので見た目が大きく変わるわけでもない。でも子供時代に戻った時の目の動きとか、表情とか、もう女優さんたちみんな天才としか言いようがないわ。ほんとにすばらしいわ。

そしてもちろんティモシー・シャラメも良い味だしてた。しっかりと四姉妹の友人役を押さえていた。(しかしソニーピクチャーズのSNS担当者はよほど彼のことが好きらしく、映画公式SNSはティモシーのネタが並ぶのであった…笑)あぁ、あと彼のおじいちゃん役の俳優さんもすごく良かったなぁ。

そしてなんといってもジョーが編集部に作品を売り込みに行く冒頭のシーンからつながる最後のオチがいい。うまいわ、グレタ。冒頭でライターを目指してニューヨークに下宿するジョーは「これ、友達の作品です」なんて言って出版社に持ち込みつつ営業をする。彼女のインクで汚れた指先から、本当は自分の作品であることはバレバレ。そこで意地悪編集者に言われる「女性が主人公なら最後は結婚。もしくは死なせなさい。そうじゃないと売れない」と。

原作のオルコットはジョーがモデルだと言われている。「若草物語」のジョーは結婚するわけだけど、オルコットは生涯独身だった。その両方を内包する素晴らしい最高のエンディングには、もう震えるしかない。グレタ天才だ!!!

オルコットはこの時代でしっかり印税を獲得し、学校を運営し自立した素晴らしい女性だったようだ。かっこよすぎるよ。なんていうのかなぁ、こういう、なんていうんだろ、シスターフッドってやつだよね。私のfacebookには、この映画をみて絶賛!!というコメントが並ぶ。中年女たち、みんな号泣(笑)。女同士だからわかるなにかとか、そういうのがもうびんびん伝わる映画で、もう感動しかない、って感じ。

何度も言うけど絶対に見に行ってください。最高です。今年の多分ベスト・フィルム。

 

この出演者による解説動画も面白いからぜひ。そうなんですよ、セットとかもすごい素敵で細部にもこだわりが満載だし、衣装もすごく良い。衣装の方はグラミー取ったんだよね。それぞれのイメージカラーが、それぞれの姉妹にあって、お母さんはそれぞれのカラーがまざったものを身につけているという設定なんだって。だってお母さんから4姉妹はいろんなものを引き継いでいるのだから…と、下のビデオで出演者と監督のグレタが語っています。


なおこさんのブログより。シアーシャの地元アイルランドでも大ヒットだったそうです。
あ、そうそう、このビデオも笑えたので載せておきます。良いわ、この子。オックスフォード出身なんだって。


オルコット、ありがとう。160年をへて、あなたの妹が(比較的)自由な中年女やってます。それにしてもグレタは本が最高なんだよなぁ。この素晴らしい脚本にとにかく惹きつけられてしまう。グレタは私が欲しいと思う言葉をくれる。ジョーは私だ。エイミーは私だ。グレタは私だ。みんなオルコットの妹たちなんだよね。
劇場リストはここ。

そしてメリル・ストリープいいわぁ〜。私はお金持ちにはなれなかったけど、自活が可能だって本当に素晴らしいことだと思う。夫を亡くしでもお金持ちだから再婚の必要もなかった大叔母様の役。出番は少ないけど、めちゃくちゃ印象に残るはまり役。最高。


勢いあまってこんなイメージ・ブックまで買っちゃった。さすがディスクユニオンのDU BOOKS。おたくが向かう方向をよく掴んでる。早くも定価より高い値段で売ってるところもあるみたいなので要注意。
 

2020年6月17日水曜日

青木ゆり子『世界の郷土料理辞典300』これはすごい!




いや〜、これはすごいな!! 世界の郷土料理事典。なんというか、辞書です、辞書。まぁ、事典ってタイトルにもあるんだけど、本当にすごい情報量。いつでも手元に置いておきたい一冊。すごいなぁ。

イラストも本当に可愛い。アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカ&カリビアン、南アメリカ、オセアニアと網羅されている。なんとヨーロッパにはフェロー諸島まで載っている他、英国はイングランド、ウェールズ、スコットランドなどにも分かれているし、北欧のところにはびっくりフェロー諸島の料理もあるし、グリーンランドの料理がないのは残念だけど(あざらしのステーキとか?)これはすごい。


イラストも本当に可愛い〜っっ


外国人をもてなす者として、これは助かる「宗教の食規定」


でも基本的にはレシピ集です。それにしても「辞書」なのにオールカラーで、写真もめっちゃ素敵。当然ながら索引は必須(笑)


これ今夜作ってみようかな〜〜


最近は本当に私も出不精で、もう2年も海外行ってないし(ありえない!! 今までは三ヶ月とあけずに行っていたいのに)、もうなんて言うか、知らないところには面倒くさくて行く気にならないわーくらいのことを言っていたのだけど、いや、まだまだ世界は広い。あれも食べたい、これも食べたい。食べ物ってすごいね。音楽もまたしかりだけど、これはすごいよ。食文化って伝えるものの情報が本当に多いと思う。

しかし辞書って普通は高くなっちゃうことが多いんだけど、これは2,300円+税と手に取りやすい値段。出版社さんの努力を感じる。

自分でどう行動するかなんて、自分で決める。


まだまだ電車に乗って出かけるまでには勇気が必要。ショパン展以来、電車には乗っていない野崎ですが、皆さんはどうお過ごしですか? いよいよ来週、友達と好きなご飯写真はアラマーイルマン・ヴァサラットというユニークなバンドのリーダー、スタクラ。もうだいぶ前の写真ですが、懐かしいなぁ。プロモ来日の時かな。日本人がマスクをしているのを見て、自分もしたいというから買ってあげたのだった。

ご飯を友達と食べるという行為はまだ解禁していないが、来週大好きな友人と大好きなレストランをついに予約。早めの時間帯で、間引き営業みたいなことになっているらしいし、よく知っている場所なのでたぶん大丈夫でしょう。そうやって少しずつ自分の行動を考えていきたいと思う。

でもきっといろいろ難しいよね。例えばご飯だって、とりわけるのを自分たちでやらないでお店の人にやってもらうとか、喋る時はマスクするとか、人によって温度差もいろいろだろうと思う。いつだったかべるファースト出身の友人が80年代の北アイルランドの状況について「その人がカトリック系か、プロテスタント系かどういう考えの持ち主か、そしてどのくらいそのことを真剣に考えているかは、もう探っていくしかないのよ」と教えてくれたのだが、そんな感じなのかもしれない。彼女は教えてくれた。考えが違っても最初から喧嘩や口論なんかしないんだ、と。少しずつ会話の中でさぐっていきながら、その人がどういうことを考えているかを探りながらいくしかないんだよ、と。相手がコロナにたいしてどんな風に考えているか。よく考えながら行動しないといけない。よく知っている友達ならストレートに聞く、というのもありだろう。でも、まったく知らない人には少しずつ探っていくしかないよね。しかし道のりは長いな。

さて数日前にこんな記事が…

これですが、私も元新潟県県知事のこの意見に賛成です。医療関係者だっていろいろ。「感謝しろ」と強制されるものではないはずです。子供だって、大人だって、誰だって、自分の頭で考えて自分なりの評価を下すことが重要だと思う。

ライブハウスだってそうです。一つの職種に一つの評価って絶対におかしい。いろんな意見があって当然。自分が接した方がたまたまそうだっただけ…ということもあるでしょう。

例えば今、ライブ・ビジネスが大変だって言うけれど、それだってリスクを自ら取って一生懸命に制作してきた主催者、リスクを取らずに儲かることしかしてこなかった主催者いろいろです。スタッフに対してもきちんと補償をする主催者、口ばっかりで何もしてくれない主催者、まったく無視を決め込む主催者、いろいろでしょう。会場だって、必死に融通をきかせてくれる会場、キャンセル料をばっちりとってまるで痛みを感じてない会場…さまざまです。

そういうことを考えずに「〜に感謝しなさい」というのをマストにしてしまうのは、どうかと思うわけです。…っていうか医療関係者に感謝って、海外から触発されて始まった感じないですか? 私の印象だけで言ってますけど。日本にちゃんとエッセンシャルワーカーの皆さんに感謝するって自然発生にできたかどうか、甚だ民度が…(以下、自粛)

逆なことも言えるわけで、私は東京のタクシー運転手を評価していないことは、時々ここにも文句を書いていますが、そんな中でも素晴らしい運転手さんに出会うことがあります。まるで空を飛んでるみたいな運転、まったく感じさせないブレーキ。すべてが完璧な運転手さんに池袋であったとこがあります。ツアーの時でも、ツアーじゃない時でも、運転が上手い運転手さんは、私は必ず褒めるようにしています。まぁ、おばちゃんに褒められても嬉しくないかもだけどさ。そういうことは自分で決めたい。評価されるべきは「職業」ではなく「その職業に対する従事者の態度」だと私は思うんですよ。

そういや松山晋也さんがポール・ブレイディにインタビューした時、松山さんのビッシリ書かれたノートをのぞきこんで「すごい準備(preparation)」と通訳の染谷和美さんが言ったら「attitudeだ」とポールが言い直したのが思い出されます。なるほど、と私も染谷さんも納得したのでした。

みんなが誇りを持って、みんなが自分がたちが何ができるか考えてベストを尽くせば、この世はもっと良い場所になることは間違いありません。大事なのは、自分の職業に対する態度だし、それを周りの人は、自由に自分の頭で考えて評価する。そういうことだと思うんです。

昨日よりベターな明日になることを願いながら、今日も1日頑張りましょう!!

今朝は元気になれる、この不思議な音楽をお楽しみください(笑)


PS
昨日アップリンクさんのこの件が話題になっていた。浅井さんとは何度かご挨拶した程度で向こうは覚えていないと思う。ただリアルにお付き合いのあるところだから、私も自分なりの印象は持っている。パワハラ的な部分は映画業界にも音楽業界にもよくあることだが、それをよくあることだ、と片付けてはいけない。いろいろ価値観が変化しているこんな時代だが、ただそこに「愛」があるか、ということに尽きると私は思う。

2020年6月16日火曜日

北欧のおうちで音楽ピクニック ハーモニー・フィールズさん、20周年おめでとうございます!



うちでも大変お世話になっているハーモニー・フィールズさんが、こんな企画を放送しますよ〜。すごい。北欧を中心にバルト、そして日本など各国からたくさんのアーティストが参加。

以下、社長の小巌さんからのメッセージ。

 

ハーモニー・フィールズさん、20周年おめでとうございます! そしてこれからもうちのアーティストともども、どうぞよろしくお願いいたします。

皆さん、21日はおうちでこの配信を見ましょう。楽しみ。6月21日(日)お昼の12時から配信スタートです。詳細はこちらへどうぞ。

2020年6月15日月曜日

ヤヌシュ・プルシノフスキ・コンパニャ 高崎公演チラシができました〜

公演のチラシができました〜 かっこいいよ〜!




公演の詳細はこちらへ。

探検ノンフィクション 最高の7冊

コロナ禍でみんな「なんで生きてるのか」って考えたと思うけど、わたしはずっと考えてた。なんで人間は生きていくんだろうって。探検家は、その答えをくれるんだ。私にとっては少なくともそういう存在です。先日もナショナル・ジオグラフィックにこんな記事が紹介されました。探検家シャックルトンに学ぶサバイバル術。 というわけで、そんなシャックルトンを含む、おすすめの探検家本7冊をここに紹介することにしました。

Here we go!


『アグルーカの行方』角幡唯介
角幡さんの本はいろんなことを言う人がいるし、これを選ぶのは彼のファンの中でも少数派だかもしれない。同じ北極なら『極夜行』の方が完成度が高いだろうからだ。でも、やっぱり私はこれが好き。響く言葉があちこちに。なんと言ってもタイトルがいい。構成完璧、文章完璧、すべてにおいて完璧な一冊。一番好きな箇所「生きるということは不快に耐えてやり過ごす時間の連なりに他ならない」まさに…。何度も読み、感想を何度もブログに書いている。感想 ここにも感想 ここにもまた感想 


『謎の独立国家 ソマリランド』高野秀行 
西欧民主主義やぶれたり…  日本も敗戦国としてアメリカに自由を与えられるのではなく、こんな風に民主主義を確立していけば良かったのかも。高野さん特有のしなやかさが最高だ。真の国際人とは高野さんのことを言うのだ。多くの人が「アヘン」や「西南シルクロード」をあげるだろうけど、高野本の一冊といったら、私にとってはこれだ。高野さんの本のすごいところは日頃の価値観をひっくりかえされることにある。この本から学ぶことはとても多い。そしてエンタテイメントとしても超一級品だ。感想はここ



『空へ』ジョン・クラカワー
クラカワーはどれも素晴らしいが、やっぱりこれをあげてしまう。エヴェレストでの大規模遭難事件のすべて。著者は当事者であり、かつ、この件を悩みながら書いているのがいい。もっと時間を置いてからの方がいいと人にアドバイスされたそうだが、いや、書くことでしか彼はその先に進む道を見つけられなかったのだろうと想像する。そして書いたからといって落としどころなんて見つけられていないのだが。その悩みっぷりがすごい。このタイミングでしか書けなかったことだと思う。大迫力だ。感想はここ


『世界最悪の旅』ジェリー・ガラード 
英国のスコット探検隊の南極探検記。これはめっちゃ読みにくい本。まずコマーシャルな本ではなく人に読まれることをあまり想定していないし、訳も古くて読みにくい。でもそれを棚上げしても、ものすごい内容だ。ノルウェー人に比べたら英国人はまったく探検に向いていないが(成功率が低い)でもロマンチストで残された書籍は圧倒的に英国人のものの方が面白い。英国人のそれを「探検」と呼ぶなら、ノルウェー人はスポーツをしているだけにすぎない。「いでて探検のことに従うべきである」英語だとシンプルに「Go out and explore」だ。「探検とは知的情熱の肉体的表現である」と。あぁ、やばい。また涙出てきた。もう食い入るように読んだ。英国人はスコットが大好きで、何度もテレビドラマとかになっている話だが、何度見ても感動してしまう。感想はここ。


『アート・オブ・フリーダム』ベルナデット・マクドナルド
この7冊の中では、一番最近読んだポーランド人の登山家クルティカの本。かっこ良すぎて涙が出る。こんな風に生きたい。ポーランド 人だというのが、またいい。角幡唯介さんが書いてらした「登山や冒険は芸術でなければならない。本書を読んだ今、本当にそう思う。芸術になったときにのみ、冒険は対象との調和にいたる」に強く共感。感想はここ。


『極北に駆ける』植村直己
70年代、不器用でわがままな探検家の生き様の最高峰に位置する植村さん。数々の著作を残しているけれど、一番良いのはこれだと思う。誰もが思う。彼のようにタガが外れたような生き方をしてみたいと。余談だが、奥さんの旧姓は野崎と言うらしい。奥さんに向けた書簡集もあって、それも悪くない。あと日本に連れて帰ってきたワンちゃんとのことが書かれた絵本など、とにかく何冊も読んだ。感想はここ


『エンデュアランス号漂流記』アーネスト・シャックルトン
本の写真の代わりにわたしがiPhoneの壁紙使っている大好きな写真をアップした。シャックルトン隊の誰かとワンちゃん。実はアイリッシュなんだよ、シャックルトンは。イギリス人だと誤解している人が多いけど。歴史上はスコットの方が圧倒的に有名だけど、私はシャックルトンの方がうんと優れたリーダーだと思っている。なんといっても彼は隊員の一人も死なせなかった。というか、一人死んだらもう全員ダメだと彼は知っていた。だから全員生還させた。詳しい感想はここ

他にもたか号の漂流記とか山野井さんとか、石川さんとか、服部さんとか、新田次郎とか、それこそ山ほど探検本読んだけど、私からしたらこの7冊に比べたら全然弱い。(あっ、すみません、巨匠たちの名作を…)でも、探検本だからってすべてがいいとは限らないし、探検のすごさや危険度が、本の本としての充実度に比例しているわけでもない。上にあげた7冊はどれも本としての充実度がマックスに素晴らしいと思う。

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