コロナ禍でみんな「なんで生きてるのか」って考えたと思うけど、わたしはずっと考えてた。なんで人間は生きていくんだろうって。探検家は、その答えをくれるんだ。私にとっては少なくともそういう存在です。先日もナショナル・ジオグラフィックにこんな記事が紹介されました。探検家シャックルトンに学ぶサバイバル術。
というわけで、そんなシャックルトンを含む、おすすめの探検家本7冊をここに紹介することにしました。南極探検隊にみる、コロナ危機を乗り切るヒント | ナショナルジオグラフィック日本版サイト https://t.co/ktx2KC6NTA
— 野崎洋子 (@mplantyoko) June 14, 2020
Here we go!
角幡さんの本はいろんなことを言う人がいるし、これを選ぶのは彼のファンの中でも少数派だかもしれない。同じ北極なら『極夜行』の方が完成度が高いだろうからだ。でも、やっぱり私はこれが好き。響く言葉があちこちに。なんと言ってもタイトルがいい。構成完璧、文章完璧、すべてにおいて完璧な一冊。一番好きな箇所「生きるということは不快に耐えてやり過ごす時間の連なりに他ならない」まさに…。何度も読み、感想を何度もブログに書いている。感想 ここにも感想 ここにもまた感想
西欧民主主義やぶれたり… 日本も敗戦国としてアメリカに自由を与えられるのではなく、こんな風に民主主義を確立していけば良かったのかも。高野さん特有のしなやかさが最高だ。真の国際人とは高野さんのことを言うのだ。多くの人が「アヘン」や「西南シルクロード」をあげるだろうけど、高野本の一冊といったら、私にとってはこれだ。高野さんの本のすごいところは日頃の価値観をひっくりかえされることにある。この本から学ぶことはとても多い。そしてエンタテイメントとしても超一級品だ。感想はここ。
『空へ』ジョン・クラカワー
クラカワーはどれも素晴らしいが、やっぱりこれをあげてしまう。エヴェレストでの大規模遭難事件のすべて。著者は当事者であり、かつ、この件を悩みながら書いているのがいい。もっと時間を置いてからの方がいいと人にアドバイスされたそうだが、いや、書くことでしか彼はその先に進む道を見つけられなかったのだろうと想像する。そして書いたからといって落としどころなんて見つけられていないのだが。その悩みっぷりがすごい。このタイミングでしか書けなかったことだと思う。大迫力だ。感想はここ。
英国のスコット探検隊の南極探検記。これはめっちゃ読みにくい本。まずコマーシャルな本ではなく人に読まれることをあまり想定していないし、訳も古くて読みにくい。でもそれを棚上げしても、ものすごい内容だ。ノルウェー人に比べたら英国人はまったく探検に向いていないが(成功率が低い)でもロマンチストで残された書籍は圧倒的に英国人のものの方が面白い。英国人のそれを「探検」と呼ぶなら、ノルウェー人はスポーツをしているだけにすぎない。「いでて探検のことに従うべきである」英語だとシンプルに「Go out and explore」だ。「探検とは知的情熱の肉体的表現である」と。あぁ、やばい。また涙出てきた。もう食い入るように読んだ。英国人はスコットが大好きで、何度もテレビドラマとかになっている話だが、何度見ても感動してしまう。感想はここ。
『アート・オブ・フリーダム』ベルナデット・マクドナルド
この7冊の中では、一番最近読んだポーランド人の登山家クルティカの本。かっこ良すぎて涙が出る。こんな風に生きたい。ポーランド 人だというのが、またいい。角幡唯介さんが書いてらした「登山や冒険は芸術でなければならない。本書を読んだ今、本当にそう思う。芸術になったときにのみ、冒険は対象との調和にいたる」に強く共感。感想はここ。
この7冊の中では、一番最近読んだポーランド人の登山家クルティカの本。かっこ良すぎて涙が出る。こんな風に生きたい。ポーランド 人だというのが、またいい。角幡唯介さんが書いてらした「登山や冒険は芸術でなければならない。本書を読んだ今、本当にそう思う。芸術になったときにのみ、冒険は対象との調和にいたる」に強く共感。感想はここ。
『極北に駆ける』植村直己
70年代、不器用でわがままな探検家の生き様の最高峰に位置する植村さん。数々の著作を残しているけれど、一番良いのはこれだと思う。誰もが思う。彼のようにタガが外れたような生き方をしてみたいと。余談だが、奥さんの旧姓は野崎と言うらしい。奥さんに向けた書簡集もあって、それも悪くない。あと日本に連れて帰ってきたワンちゃんとのことが書かれた絵本など、とにかく何冊も読んだ。感想はここ。
本の写真の代わりにわたしがiPhoneの壁紙使っている大好きな写真をアップした。シャックルトン隊の誰かとワンちゃん。実はアイリッシュなんだよ、シャックルトンは。イギリス人だと誤解している人が多いけど。歴史上はスコットの方が圧倒的に有名だけど、私はシャックルトンの方がうんと優れたリーダーだと思っている。なんといっても彼は隊員の一人も死なせなかった。というか、一人死んだらもう全員ダメだと彼は知っていた。だから全員生還させた。詳しい感想はここ。
他にもたか号の漂流記とか山野井さんとか、石川さんとか、服部さんとか、新田次郎とか、それこそ山ほど探検本読んだけど、私からしたらこの7冊に比べたら全然弱い。(あっ、すみません、巨匠たちの名作を…)でも、探検本だからってすべてがいいとは限らないし、探検のすごさや危険度が、本の本としての充実度に比例しているわけでもない。上にあげた7冊はどれも本としての充実度がマックスに素晴らしいと思う。