プランクトンさん、CDキャンペーン実施中 スペシャル価格!!? これは見逃せない! おすすめアルバム その3



はい、また土曜日がやってきました。なんか1週間があっという間に終わるのでびっくりです。

さてちょっと前から始まっているプランクトンさんのCDキャンペーン。100タイトル。どれを選んでいいのかまったく分からないという方、あと1枚どうやって選ぼうかと悩んでいる方、プランクトンさんの「おせっかい小姑」である野崎による推薦盤をご紹介していきます。

ドリーマーズ・サーカス『セカンド・ムーヴメント』

今週はこちらを紹介しましょう。今、北欧シーンで最も注目されるグループ。ドリーマーズ・サーカス。この曲はアルバム『セカンド・ムーヴメント』の先行シングルみたいな感じで出た。A Room in Paris。



めっちゃかっこいいでしょ。いいよね、なんというか、バンドが目指している方向性がいい。こういうバンド、大好き! 言っちゃ悪いけど方向性とかセンスって本当に大事なんですよ。例えば下手なのはバンド続けてれば、ある程度は治るんです。一生懸命練習すれば治る。ツアーしてりゃ、治る。でもセンスの良さは治らないことが多い。方向性とかセンスとかって、もう持って生まれたものなのかも。 

それにドリーマーズはそれぞれのメンバーが楽器がものすごくうまい。フィドルの彼はクラシック界でも認められている凄腕だし、ブズーキのアッレは間違いなくヴェーセンのローゲルの後輩としてはNO.1の位置につけているでしょうね。この世代では北欧イチの弦楽器奏者。ニコライのアコーディオンもいいし、何より作曲能力がすごい。この曲もニコライのペンによるものです。

あと彼らの1枚目から2枚目への飛躍の幅が大きいことも将来が期待できる。通常バンドのCDは気合をいれて準備したファーストに比べセカンドアルバムってだれることが多いんだけど、彼らのこのセカンドは素晴らしいものがあります。彼らの場合、最初のアルバムも十分良かったけど、それよりもファーストが成功し、ライブ活動が成功し、自信をつけてここでやっと200%出せたって感じなのかも。例えばウチのアーティストでいうとフルックが、ファーストの出来と2枚目の出来とものすごい飛躍しているってのがあって、それもすごいんだけど、このグループも同じだね。彼らもフルックみたいに長く長く続いてほしい。

北欧のグループって、本当に掛け持ちが多くて、メンバーチェンジも多いし、それはアーティストとして音楽的に健康的なことなのかもしれないけど(音楽的に煮詰まる前に辞める、みたいな)、でもアンサンブルはやっぱり一緒に演奏していかないと固まらない。だから彼らにはこの不動のメンバーでずっと長く長く続けてほしいと思うんです。

それにしても、この曲ほんとによくできてる。ライブ・ヴァージョンで聴くとさらによくわかるので、ライブの映像を貼っておきます。


最初ヴァイオリンの流麗なメロディから始まって、それが15秒くらいで両脇二つの楽器が加わって膨らんでいく。(この時のアコの右手、いいからよく聞いてみて!)0:56からヴァイオリンが次のフレーズに進む。1:15あたりからインプロみたいにして入ってくるアコの右手もいい! ヴァイオリンは裏手に回るんだけど、これがちょっとエイダン・オルーク(ラウー)みたい。

1:38でコード感がぐっと変わる。ここで展開その1だよね。曲がもたらす風景が変わってくる。2:03にアコが右手で最初のメロディを入れてくるのもめっちゃいい!!! これはうまい。そしてそれにヴァイオリンが呼応していく。そして2:24あたりで、いったん静かになってぐっと聞かせる。ここはクラシックの素養があるヴァイオリンの真骨頂! そして2:50あたりで、すべてがシンクロしてくる。どんどん盛り上がる。3:11あたりまでぐわーーーっと上り、そこからまたぐわーーーーっっと急降下していく感じがたまらない。最後メロディが重なって、それぞれ今まで登場したフレーズがこの曲にどんな意味をもたらしているのかがわかる。くわーーーっっと視界が広がる感じ。空を飛んでるみたい!! もう1ラウンド聴きたかったよなー ちくしょーーーーみたいな(笑) でもわかる。ここでやめておいて正解なのだわ。

若いトラッドバンドのこういう演奏が私は大好きだ。本当によくできている。こういうのはセッションみたいなのんびりした演奏からは生まれない。ちゃんとバンド活動してそれぞれのメンバーの個性を把握し練りに練っていかないと生まれない。一緒に苦楽を共にしないと生まれない。3:22あたりのニコライの嬉しそうな笑顔がいいね。

最後お客さんの手拍子も入る。普段は手拍子嫌いな私だけど、この手拍子は大好きだ。だってちゃんとバンドの音を聞いて楽曲のことを理解して入ってくる手拍子だから。彼らの低音とちゃんと呼応しているからよく聞いてみて。まぁ、彼らのリズムがまっすぐだということもあるんだけど。このように手拍子を入れるという行為は非常に難しいもんなんです。(あくまで個人的見解)

しかし彼らも演奏が盛り上がると、足元のモニターとか無視してヴェーセンみたいにどんどんメンバー同士がくっついて来ちゃうのもいいよね。わかるわぁ〜。お互いの音を熱心に聴く。それによってアンサンブルが無敵のものとなる。そうよ、これが大事なのよ、アコースティックバンドにおいては!!

すみません、うまく説明できなくて。言葉の使い方とか間違っているかもしれない。私、ちゃんとした音楽教育受けてないんで…

しかし彼ら惜しいのは、北欧きってのハンサム・ガイたちなんだから、もっとアーティスト写真かっこいいのを使えば?ということ。アーティスト写真は実物より良くないといけない。彼らの場合、本物にあって「なんだ、写真よりかわいいじゃーん」といつも思うのだった。だからプランクトンのK君に余計なお世話を言って嫌な顔されてまーす。ま、ウチのヴェーセンとかもひどいから人ンチのこと批判はできないよなぁ(爆)。ヴェーセンも写真より本物の方がかっこいいよね。

前回の彼らの来日時、私は民音さん主催のゴサード姉妹ツアーで彼らの公演は見れなかったのだけど、横須賀のウチらの公演に彼らが見に来てくれて、うちの妹たちは狂喜乱舞したのでした。彼女たち、もちろんドリーマーズのことはよく知っていてコンサートも見たことがあったのだそうです。憧れのバンドに自分の公演を見てもらえるなんて素敵。ステージに上がる前も「どうしよう、今日は緊張しちゃう」と騒いでおりました。そして終演後に挨拶に来てくれた彼らとパチリ。その後、二組がfacebookで、友達同士になっているのを見て、いや〜こういうのいいよなぁと思ったのでした。よかったね〜 姉妹たち!


というわけで、今回のおすすめ盤はドリーマーズ・サーカスのセカンドでした。迷っている人はぜひこれをチョイスしてね!!

さて来週は何を選ぼうかな〜 お楽しみに!