「私にとっては作曲家の大先輩、レジェンド」と日向さんを紹介してくださった西村さん。日向敏文さんが、西村さんの番組にゲストでおじゃましました。ありがとうございます。
内容をざっくりレポートします。あくまで野崎が聞き取った内容。誤解があったらすみません。文責のざきでお願いいたします。
ちょうど「東京ラブストーリー」のあとのドラマが、西村さんがサントラを手がけた「101回目のプロポーズ」だったんですね。 いわゆる月九というやつ。 月曜日の9時からのドラマ。
「たて続けにいろんなドラマが出て行った時期でしたね」と日向さん。西村さん「(前回のゲスト出演時に)日向さんに(お話を聞いて)台本を見ないまま曲を書いていたってのが衝撃的でした」「それなのに、こんなにセリフと心情と音楽がぴったりなのがすごいと思った。まさかと思った」
「もちろんドラマを見て作るのが理想なんだけど、当時はああいうドラマの創世記だったから、スタッフ全員すべてにとって何もかもが初めてでした」(by 日向さん)
そしてここで西村さんのサプライズ!(西村さん、ありがとうございます・笑)「前回の日向さんの番組出演時には初めまして、って挨拶してたんですが、なんと雑誌で対談したことがあったんですよ!」と。
「ほんとだー!」と日向さんもびっくり。「これどこなんだろう」「スタジオだと思うんですけど」
そして、ここで西村さんの生演奏。あぁ〜、これは素敵🎵 東京ラブストーリーの「リカのテーマ」
西村さんいわく「鈴木保奈美さん演じるリカちゃんが「かんち!」って言って、日本中がきゅんと来たという音楽です」
(演奏を聴いて)「すごい」「僕が作ったヴァ〜ジョンよりもゴージャス!」と日向さん。
西村さん「かんち〜っっ!っていうあとに"じゃかじゃーん"ってストローク入ってましたよね。あのストロークで、すべてが見えるような」
「ディレクターからの発注は「必ずその"じゃかじゃーん"をやるから、その前に何か作ってくれ」ということだったんですよ」と日向さん。(確かにこの曲、じゃかじゃーんまで2分ある…)
「あー、それであのオルゴールの…!」
「そう。だからディレクターは、"じゃかじゃーん"ばかり言ってました(笑)」
そこから話題は1億3,000万再生の「リフレクションズ」の話へ。
そしてニューアルバムについて。
「オーケストレーションも自分でやられたんですね」と、うっとりの西村さん。
話はブタペストのオケを見つけたきっかけへ。「実はinstaで見つけたんです。すごい、いいオケだなとインスタで見てて思ったんです」
「このオーケストラだったら、自分のやりたいことが実現してもらえるかな、と。で、そのオケにメールを送ったらすぐ返事が返ってきた」
ニューアルバムから「Vendetta」をかけていただきました。
「Vendetta 復讐」というタイトルは「優雅な生活をすることが最高の復讐である」と言う意味の本から来ている。「過去にいろいろ大変なことがあっても、優雅にしていることが、一番の復讐だ、みたいな。優雅はあくまで気持ちの問題だと思います」と日向さん。
オーケストラの演奏について西村さんの感想「昔からある曲のように、みなさん自信を持って演奏しているのが、すごいですね」
「ファーストテイクはみんな間違えたりするんですよ。でも映画音楽と同じだからみんなクリック聴いて演奏しているんで、テンポは最初から合っている」
西村さん「そうか、映画音楽が専門のオーケストラですもんね」
「なので、楽譜にすべてを入れておかないといけないんです」
「なるほどねー」と西村さん。「気持ちで、ということではなく、ちゃんと(譜面に)書くということなんですね」と。
「そうなんです。それが第一で、それに彼らが答えてくれる。そういうレコーディングなんです」「僕の思うリタルダンド(だんだん遅く)やクレッシェンド(だんだん大きく)を理解して再現してくれるんです。指揮者にも感謝ですけどね」
ここで西村さんがニューアルバムの感想を話してくれました。
「いろんな曲が他にも入っていますけれど、クラシカルなところもあるんですけど、それぞれの曲の最後の終わり方が、まだずっと曲が続く感じがする。ポップスっぽいんだけど、同じメロディが何度も出てこない」(← これこれ!! 私も同じ感想を持ちました!)
「短い時間の中でいかに展開していくかは、僕にとってもいつもチャレンジです。時間をかけて練り込みますね」
「その練り込んでいる時間は楽しいですか?」と西村さんに聞かれて「ものすごく楽しいですね」と日向さん。
「お話されている表情も、今ね、少年のように楽しんで作られたんだな、ってのが伝わってきます」(← これこれ、私も同じ感想を持ちました! 日向さんの、この音楽のことを話す時のワクワク感がいいんですよ)
最近は東北にも行かれたんですね、と。そうなんです。この番組は東北を中心にネットされている。
実は、日向さん、今、岩手県の安比高原に年に一度行くお友達の家があるんです。「釣りとかスキーが好きな方で、そこに家建て、年に一回そこに集まって音楽聞いたりしてる」とのこと。「作曲の材料もあるんですよね」
ちなみにそんな安比高原の素敵な景色は日向さんのこちらのインスタでもご覧いただけます。
このアルバムで伝えたいことと話題を向けられて「今の世の中、混沌ですよね。平和なところもあるけど、戦争で苦しんでいる人もいる。人間としてこの狭い地球で、そういった人たちのことを忘れないで、音楽でそう言うことを投げかけていきたいんですよね」
「なにかドキュメンタリーのような、音で物語を紡いでいるような気もしますね。社会情勢を描いているような」
「西村さんもご存だと思うんですけど、ドキュメンタリーの音楽って難しいんですよね。悲しい曲ってあわないじゃないですか?」
「そうです、そうです」と大きくうなずく西村さん。
「悲しい曲を悲しい場面に当てると本当に失礼な話で…」「だからいつもチャレンジです」
というわけで、ぜひ番組を聴いてくださいね。Radikoへのリンクはこちら。Radikoは月額385円で、東北エリアにお住まいでない方も、エリアフリーで聴けます。
THE MUSIC PLANT、次の主催公演はこちらです。
Caoimhín Ó Raghallaigh クイヴィーン・オ・ライラwith 黒木千波留
2年前にレコーディングした無印良品BGM29 スコットランド編がやっと公開になりました。良かったら、聞いてください。プロデュースはLAUのエイダン・オルークにやってもらいました。現在無印良品の店頭で聞くことができます。