もーーーー めちゃくちゃ良かった!!! 超感動した。
まず、こちらの番組を見て、この本のことを知りました。いや、素晴らしかった。
浜田敬子さんがプッシュするものは、本でも映画でも、かなり素晴らしいので疑ってはいなかったのですが、早速ゲットして読み、いや、ほんとに素晴らしいと感動したのでした。2日で読めちゃった。
第1章は、フジテレビの例の調査委員会のレポートをわかりやすく読み物にしたもの。いや、改めて…本当にひどい。あまりに辛すぎた、その経緯。そして、彼女が会社の対応に、心からの絶望を感じたこと。それが痛いほどわかる。
それでも彼女は、当初健気にも仕事は続けると主張していたことを知る。心が痛い。涙、出るわ。気持ちわかるわ。悔しいわ。そんなことに自分の人生ダメにされたくはないもの。
それにしても… 自分の娘でもおかしくないような、こんな若い子に手を出すかな、普通。彼女は頑張るが、けっきょく身体を壊し、最後は「わたしからすべてを奪うんですか」というくだりには、本当に言葉もない。本当にひどすぎる。
で、周りはといえば、みんな、頭がおかしい。みんな、正常な判断力を失ってる。なんでこうなっちゃうわけ?? どうして? みんなそれなりのガッコ出てる頭のいい人たちなんじゃないの???
改めてここにフジテレビの報告ドキュメンタリーを貼っておく。
それにしてもG編成部長の言葉が呆れる。「女性Aが立場上、中居氏の誘いを断れなかったとは思わなかった。だから『人権意識がない』と怒られているのだろう」…と。
「怒られているのだろう」???? 自分は被害者であるようなこの認識。でもこれが実態なわけだ。信じられないけれど。そして、その彼を誰が責められただろう? 彼もまた集団の中で正常な判断を失ってしまった一人なのだから。
フジテレビの社員、いやもしかしたらテレビ局の社員、全員が震え上がらないといけない。自分たちは、こんなにも人権に対して無知だったのだ、ということに。
そして文春にあれこれ書かれ批判されていた佐々木アナ。佐々木アナウンサーって、今、どうしているのだろう。私は知らないけど、これも本当に酷いなと思った。
この本でも、第三者委員会の報告書でも、こういった性被害の人への対応については素人ながらも、同性なのだからなんとか彼女の力になろうと頑張ったとされている佐々木アナ。特に本書では、彼女の名誉回復のためにも実名で何度も何度も言及している。
いや、私だってこの立場に置かれたら佐々木さん以上の何かができるわけがない、と思うよ。とはいえ、「うちの会社の上層部は頭がおかしい」といって、ブチ切れるくらいか…
いや、でもこんな会社にいたら自分でも無理だったかも。
まずこの本は、フジテレビの第三者委員会の報告書を「魂の報告書」と呼び、そこにこめられた意図を、古賀さんが読みやすい本として、まとめあげたものだ、という前提がある。そう、あの報告書から、たった半年で。
いや、ほんとあらためて、まずはこの第三者委員会が作った報告書が、本当にすごいということを改めて噛み締める。立ち上げからたった2ヶ月で、まずはその報告書が出来上がった。
上に貼ったポリタスの番組で津田さんも言っているように「まさに、第三者委員会の報告書は日本中に届け、と言っている気概を感じる報告書だった」、と。これは普通の報告書ではない。
本当にそうだ。そうなのだ。ここに絶望的な世の中を、なんとか変えようという人々の熱意がここにはある。その熱意が第三者委員会から、この本の著者である古賀さんにパスされたのだ。
確かに第三者委員会の報告書は素晴らしいものだたっけど、私も最初から最後まできちんとじっくり読めているわけではない。
そういう人が多いだろうということで、古賀さんが立ち上がってくれたということ。わかりやすく伝えるのがライターの仕事だと、古賀さんは熱く語る。(この本の冒頭部分)
そう!! 社会をよくしようという気持ちのリレーなのだ。この本は。その気持ちのリレーのパワーを絶やしてはいけない。
このまま弱い人が泣き寝入りするような世の中ではいけない、人権に無知な日本社会ではいけないと思っている人が、こんなふうに日本にはまだ存在している。
なんとかしていこう、変えていこう、今変わらないとダメだ、と。私たちはもう遅いかもしれないけど、変わる努力をしよう、そして次に伝えていこう、と。同じ失敗をしないように。
そうして、ほんと重ねて思うのだ、なんで人間は集団になると馬鹿になるんだろう、と。
でもそれはル・ボンも言ってる。「群衆は知能の点では単独の人間よりも常に劣る」と。そしてトップに君臨する人たちは、なぜか耳が聞こえなくなってしまう、と。
確かに集団のパワーは日本を強くしてきた(時期もあった)。でも、今は違うのだ。集団は常に多様な視点から自分たちを内側から外側から見つめ、常に自分の判断を疑いながら成長していく必要がある。そうしないと生き残っていけない時代がやってきているのだ。
そして、この本がすごいところは、そういった日本社会における原因や歴史をさぐっているばかりではなく(第2章)、何度も書くけど「具体的に」その解決方法も紹介していることなのだ。
そこには… 確実に希望がある。こうすればいいんだよ、と教えてくれてもいる。ほんとこれ集団で働く人、チームを作って働いている人、すべてが読んでほしいパワフルな内容なのよ。
私もこの本の感想を書くことで、第三者委員会の、そしてこの本を古賀さんに書くように勧めた浜田さんの、そして本当に本として半年でこれを仕上げた古賀さんの、そしてその本を紹介したポリタスの、キャッチボールされてきた熱意を、誰かにパスしていきたい。
だからここに感想を書いた。みんなが変われば、日本は変われる。信じてるよ、日本!(おおげさ?)無駄に主語が大きくなった。でも何度も読みたい。今年読んだ本の中でもプラチナ本、決定。
この本、とにかくおすすめなので、ぜひ読んでください。アマゾンのリンク(アフィリエイト付き)はここで、ここを踏んでアマゾンで何か買ってくれれば、私にはお小遣いになるけど(笑)、できればアマゾンでは適当なものを買ってお茶を濁し(笑)、本は近所の書店で買うのがいいかな。
あまりに感動したので、同じ著者の『嫌われる勇気』も買っちゃった。前から気になってた本だったし。読むのが楽しみ。
それにしてもテレビ、怖い世界だけど、実際日本社会すべてに通底する話でもあるわけで。そして今日は今日とて、松谷さんがシェアしてた記事。本当に闇が深すぎるよ。
「国分太一の人権を潰してでも…」テレビ業界は大絶賛《日テレの即断》から透けて見える「経営陣の保身ぶり」 https://t.co/2Icj8Us1i8
— MATSUTANI Soichiro (@TRiCKPuSH) December 15, 2025
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◎1996年からかかげてきたTHE MUSIC PLANTの看板は2025年12月にて下ろすことにしました。公式サイトは近日中にアーカイブ化する予定。主催公演や招聘はもう行う予定はありませんが、2026年も若干雇われ案件があるので、それはゆっくりとこなしていきます。
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