すごい作品でした。ヤン・ヨンヒ監督が強烈にプッシュしておられ、前からずっと気になっていた『よみがえる声』。
絶対に見なくちゃと思っていたら、都心での上映期間を逃してしまっていたのだけれど、なんとか田端の映画館で見ることができた。感謝。
っていうか、満席でした。すごい話題になっているの、わかる。本当にあそこは小さな映画館で、20名でいっぱいになっちゃう場所なんだけど、平日の昼間の上映に申し込んだら、すでに最後の1名だった。危ない、危ない。
それにしても、世の中には知らないことがたくさんあるよなぁ、と。
今まで、社会には問題が山積みだから、自分が自信を持って発言できるイシュー以外は、あまりブログなどにも書かないようにしようと思ってきたけど、最近、ここ数年はわからなくてもいいからとにかく観にいく、紹介する、ということをするようにしている。
わからなくてもいいから、とにかく行こう。行って応援をしよう、と。そんなふうに方針を変えたのだった。それによって、何か自分の人生にも影響を与えるすごいもんに出会えるかもしれないのだから。ここを読んでくれている人に心に私の感動が伝わりますように。
というわけで、韓国のことや歴史問題など、ほとんどわかってない私ですが、行ってきました。
本作品の中心にいるのは、1935年生まれの朴壽南(パク・スナム)監督。在日朝鮮人2世として生まれ、天皇を神と信じて育ち、5歳の時、民族衣装を着た母親に向けられた差別をきっかけに自分のアイデンティティを一度封印。
でもその後、朝鮮学校で歴史を学び、再び自分を取り戻して行ったという経歴を持つ。
1958年、女子高生殺害事件で、犯人とされた李珍宇(イ・チヌ)との往復書簡がベストセラーとなり、その後ライフワークとして、朝鮮人の原爆被害者の実情や、徴用工問題、沖縄の問題などを映像作品として記録していくようになった…と。
本作はそんな朴監督のドキュメンタリーだ。 90歳になる監督だけど、共同監督として娘の朴麻衣(パク・マイ)が、母親に寄り添い、膨大なアーカイヴと戦いつつ、本作の製作にあたった。
ちょっとジョージアの母娘のゴゴベリゼ監督のことを思い出した。
ドキュメンタリーには母娘の会話も収録されており、なにせ親子だから垣根がなくて、あれこれストレートなのがちょっと辛い(笑)。喧嘩するシーンもふんだんにあるのだけれど、一方でホッとするシーンも。
とにかく監督の、弱い者、声を封じ込められた者の声を、伝えようとするパワーに圧倒される。 会場で購入した分厚いパンフレットは¥2,000という価格だけれど、内容充実、映画の副読本としておすすめだ。
伝えようとするパワーに圧倒される、これに尽きる。
紹介されているイシューについては、詳しく一つ一つは紹介しないが、とにかく知って欲しい、と思う。それにしてもよく残っていたよなぁという貴重な証言たち…
こちらはデモクラシータイムス
伊藤詩織さんが謝罪文 - 記録映画に映像無断使用https://t.co/58R0JmLfFw
— 共同通信公式 (@kyodo_official) October 26, 2025
◎2年前にレコーディングした無印良品BGM29 スコットランド編がやっと公開になりました。良かったら、聞いてください。プロデュースはLAUのエイダン・オルークにやってもらいました。現在無印良品の店頭で聞くことができますし、配信でも聴けます。





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