映画『よみがえる声』を観ました。これは圧巻。



とにかくこの秋は観たい映画が多すぎる。ツアーで、どーんとスケジュールが取られ、まったく時間があわなかったため、とにかくあわてて、上映が終わらないうちにと急いで観に行ってきました。

そして見てから2週間くらいたっちゃいました。遅ればせながら…

すごい作品でした。ヤン・ヨンヒ監督が強烈にプッシュしておられ、前からずっと気になっていた『よみがえる声』。

絶対に見なくちゃと思っていたら、都心での上映期間を逃してしまっていたのだけれど、なんとか田端の映画館で見ることができた。感謝。

っていうか、満席でした。すごい話題になっているの、わかる。本当にあそこは小さな映画館で、20名でいっぱいになっちゃう場所なんだけど、平日の昼間の上映に申し込んだら、すでに最後の1名だった。危ない、危ない。

それにしても、世の中には知らないことがたくさんあるよなぁ、と。

今まで、社会には問題が山積みだから、自分が自信を持って発言できるイシュー以外は、あまりブログなどにも書かないようにしようと思ってきたけど、最近、ここ数年はわからなくてもいいからとにかく観にいく、紹介する、ということをするようにしている。

わからなくてもいいから、とにかく行こう。行って応援をしよう、と。そんなふうに方針を変えたのだった。それによって、何か自分の人生にも影響を与えるすごいもんに出会えるかもしれないのだから。ここを読んでくれている人に心に私の感動が伝わりますように。

というわけで、韓国のことや歴史問題など、ほとんどわかってない私ですが、行ってきました。

本作品の中心にいるのは、1935年生まれの朴壽南(パク・スナム)監督。在日朝鮮人2世として生まれ、天皇を神と信じて育ち、5歳の時、民族衣装を着た母親に向けられた差別をきっかけに自分のアイデンティティを一度封印。

でもその後、朝鮮学校で歴史を学び、再び自分を取り戻して行ったという経歴を持つ。

 1958年、女子高生殺害事件で、犯人とされた李珍宇(イ・チヌ)との往復書簡がベストセラーとなり、その後ライフワークとして、朝鮮人の原爆被害者の実情や、徴用工問題、沖縄の問題などを映像作品として記録していくようになった…と。

本作はそんな朴監督のドキュメンタリーだ。 90歳になる監督だけど、共同監督として娘の朴麻衣(パク・マイ)が、母親に寄り添い、膨大なアーカイヴと戦いつつ、本作の製作にあたった。 

 ちょっとジョージアの母娘のゴゴベリゼ監督のことを思い出した。 

ドキュメンタリーには母娘の会話も収録されており、なにせ親子だから垣根がなくて、あれこれストレートなのがちょっと辛い(笑)。喧嘩するシーンもふんだんにあるのだけれど、一方でホッとするシーンも。

とにかく監督の、弱い者、声を封じ込められた者の声を、伝えようとするパワーに圧倒される。 会場で購入した分厚いパンフレットは¥2,000という価格だけれど、内容充実、映画の副読本としておすすめだ。

伝えようとするパワーに圧倒される、これに尽きる。

紹介されているイシューについては、詳しく一つ一つは紹介しないが、とにかく知って欲しい、と思う。それにしてもよく残っていたよなぁという貴重な証言たち… 

   

こちらヤン・ヨンヒ監督が登場した望月いそこさんのチャンネル。 
 

こちらはデモクラシータイムス 
 

終わったあとに某放送局の地下で食べた、シーフードフライ定食。なんだろう、しっかり食べて戦おう、という気持ちになる自分だった。



このブログをアップしようとしたら、伊藤詩織さんがあの人の良さそうなタクシードライバーさんに謝罪したというニュースが入ってきた。良かった。

しかしドキュメンタリーの力である。証言の力。映画は強いと信じたいのなら、そして信じて仕事をしているのだったら…と私も思う。Better than Never。

あとはあの元代理人弁護士さんと、集会に参加していた皆さんとちゃんと話をして、無断で撮影したことをきちんとと謝罪してくれれば、私もまた堂々と応援できる。

ホテルはこの事態におけるホテルの公共性やモラルとして映像提出は義務と思う。捜査員は、これはしょうがない…かな。ちょっと気持ち悪いし、セクハラとも考えられるかな…。

 

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