映画『 #ナースコール 』見た。これは間違いなくヒットでしょう。



映画のレビューが続きます。

映画『ナースコール』原題『LATE SHIFT』。あちこちに映画の感想は読めると思うので、あえていろんなことは書かないが、まぁ、ホント、すごく良く出来た映画だと思った。

ちょっと先日の『入国審査』にも似ている。パニックしているうちにあっという間に時間は過ぎ、そして終わっちゃうところとか。

そして同日公開の『オーロラの涙』(原題『ON FALLING』)もそうだけど、女性監督そして女優さんのすごい濃密なタッグということ。いや、もう彼女がすごい。主演俳優さん、すごい。そして彼女を背中からも追いかける長い、長いカメラワーク。

後ろからカメラが行くと「どうでしょう」効果があるんだよね。つまり一緒に移動している感覚。この映画では一緒に院内をくるくると動き回っている気持ちになる。

ほんと迫力である。すごい作品だ。この昨日を見た多くの人が看護師さんに感謝をしないと…と思うだろう。監督が脚本も手がけ、研ぎ澄まされたメッセージがこの作品に込められている。

が、私がこれを見て、何を思ったか…。ごめん、私は映画がどうこうとか、そんなことはいっさい考えなかった。もちろん、私も入院経験など多数あり、日頃から看護師さんは大好きだし、感謝しているよ。

でも、私がこの映画を見て思ったのは…実は「まるで私の仕事みたい!」ということなのでした。

すみません、以下、単なる愚痴になります。

もちろん看護師さんには敵わない。敵わないよ、だって、あっちは「命」がかかっているから。でもこっちだって「公演」という「超生物(なまもの)」がかかっているのだよ。この映画と同じ。時間との戦い。同時に多くのタスクを考えなくてはいけない、ということ。

自分の持てる集中力を総動員し、とにかくライブの現場は、めちゃくちゃ忙しい。あっちもこっちもやるべきことが同時発生しているのに、そこに加えて直前になって、今でなくてもいいことをあれこれ言ってくる人に、本当に悩まされた30年間ではあった。

(と、自分に引き付けて考える・笑)

細かいことはあえて書かないが、いや、書くのはあと10年後くらいにしようと思うので、今は書かないが(個人攻撃になっちゃうので)、言いたいことは山のようにある。

とにかく私が声を大にして言いたいのは、人から見えてる仕事なんてほんの一部なのだよ、ということ。それを多くの人がわかってなさすぎる。

本当は、今目の前にいるあなたのことで時間とられている以外に、大量の問題が同時に起こっている。それをあなたに説明している時間なんてないのだよ、ということ。

特に私なんか、ここにこうやってブログ書いている弊害で、ほとんどの出来事はここに書いていると思われがちなんだよね。

ブログに書けることなんて、全体の5%だ。いや、0.5%なのに!

でも忙しがること、そして大変がることはカッコ悪いなという気持ちもあり、それを人はプロフェッショナリズムと呼ぶのかもしれないが、やっぱり書けないことは書かない。私も現役時代は(なるべく)書かないで来た。

だからこの看護師さんみたいに私もどんなに忙しい時も、あまり忙しくみえないように努力はしていた。でも、結果を見て! これ一人でやってんのよ!と私は強調したい。どんなに忙しいか、ちょっと想像すれば分かるでしょうよ、と。

わかるでしょ?と言っても、想像力のない人にはわからない。でも、ほら、この看護師さん、見てよ。どんだけ忙しいか? そしてどれだけの集中力が必要とされるか。この映画みて、わかったでしょ?

そして、「こっちは忙しいんだけど!」、「すみません、今、忙しいんです。今、それどころじゃないんです」「あなたの案件だけで仕事してるんじゃないんです」とは絶対に言えないのが、ライブの現場なのだ。それは病院も同じなのだ。

ね、この主人公の彼女と一緒でしょ。

そりゃ大きなプロモーターならいろんなことは人に任せて、私は優雅に綺麗なお洋服でも着て、関係者に「ご挨拶」なんてしてりゃいいのだろう。が、実際は床を這いずり回って現場を回しているのだ、こっちは。

そんなわけで、お世話になった人が会場に来ていても、本当に不義理をしてしまうことがよくある。ちゃんとお礼も言えないことも多い。本当に申し訳ありません。

一方で私が忙しそうにしているのをみて、仲の良い人でも、公演に来ても、私に黙って帰ってくれる人がいたりもする。

そういうのを見ると、きっとその人の職業も、きっと私と同じくらい忙しいんだろうな、と想像できる。本当にそういうの助かる。

そして、そういう人はさりげなく「良かったよ」と後から感想をメールしたりしてくれる。本当にありがたい。それを当たり前と思ったらバチがあたる。

(一方、素人からの素人感想、クソバイスも後を経たないのだが、まぁ、これは主催者として公演を世の中に発表したら、一応聞いているふりをするのが社会人たるものの礼儀だろう。ふむ。これについてもまたいつかここに書く)

とはいえ、そんな仕事スタイルも私だけの問題かもしれない。問題が起きてもまったく意に介せず、なるようになるだろうと、スタッフに丸投げでほったらかしのプロモーター主も少なくはない。誰とは言わないが。

でも、それは人ンチのやり方だ。私には関係ない。私には私の公演のやり方がある。それを貫かせてもらう。いや、貫かせてもらった。

そして、私の場合は、たまのライブの現場以外は、比較的自分のペースで仕事できていたから(とはいえ、普通のサラリーマンより30%増しで忙しいだろうなとは想像する)、看護師さんより、ずっと楽ではあることは強調していこう。

看護師さんの場合は、これが毎日。しかも守っているものは「命」なのだから。

そして…そういう私だって、こういう仕事を自分でしていなければ、おそらく他人の、そういった事情に鈍感な、バカな社会人になっていた可能性も大なのだ。

今の私の職業が、今の自分を作ってくれた、とも言える。自分の職業を尊敬してもらいたいから、人の職業も尊敬する。人の仕事を無駄に邪魔する人は、自分の仕事にもプライドがないのであろう。

ま、そんなわけで、私が言いたいのは!! 言いたいのは!(笑) 人の仕事というのは見えている部分なんて、ほんの一部だということ。その裏には苦労が山ほどある、ということ。

でも普通に考えればわかるよね。誰だって、人の働いているオフィスに来て、友人とはいえ仕事をしている人にあれこれ話かけたりはしないだろう。

でもライブの現場ではなぜか、それが許されることになっている。不思議だ。音楽業界って、(表面上は)フレンドリーな場所だから、みんな仕事をしているんだってのが、一般の人には実感できないのかもしれないな。

…と想像する。

そして!!看護師さん、ありがとう! 看護師さんとは、本当にすごい仕事だ。

と、同時に!!(いちいち、今回は暑苦しいです。すみません)。社会なんて自分がいなくても十分回るということも、あるのだということを忘れずにいたいとも思う。

もちろん、そんな風に冷めた目で物事を見て、一生懸命頑張るあなたを冷笑するわけにはいかない。当然のことながら、あなたが必死にフル回転で働いたことは、あなたの人生の無駄にはならない。そしてもちろん、それは人の役にもたっているのだから。

たとえばそれが人生の一時期でしかすぎなくても、必死にこういう仕事をしたという経験は、あなたの人生を豊かにしてくれると思う。(先輩ずらの上から目線、すみません・笑)

この看護師さんにも、幸せな、もう少しは落ち着いた素晴らしい未来が訪れますように。すべての、自分の仕事を使命を持って戦うすべての人に乾杯! 絶対に見て!…っていうか、この映画、間違いなくヒットすると思う。


   

◎1996年からかかげてきたTHE MUSIC PLANTの看板は2025年12月にて下ろすことにしました。公式サイトは近日中にアーカイブ化する予定。自分の主催公演や招聘はもうやりません。ただ2026年も若干の雇われ・お手伝い案件(笑)があるので、そちらはゆっくりとこなしていく予定です。

◎現在リリースしたCDの販売は終了しておりますが、書籍はあいかわらず販売しております。アイルランド名盤ガイド。楽曲への配信のリンク(Spotify)や、来日時のインタビュー、エッセイなど充実の内容。ポール・ブレイディ、メアリー・ブラック、マーティン・ヘイズ&デニス・カヒルの3冊です。こちらへどうぞ。

◎神保町すずらん通りのパサージュにてケルト書房という棚を運営しております。ケルト関係の書籍や友人の書籍などを販売中。こちらへどうぞ。


◎パンデミック後くらいから作曲家:日向敏文さんのお手伝いしております。昨年の6月25日に新作「the Dark Night Rhapsodies」がリリースされました。こちらが特設ページ(Sony Music Labels)。アナログ盤と、ピアノ小品集の楽譜は日向さんのサイトで通販中


◎その日向さんは、91年の大ヒットドラマ『東京ラブ・ストーリー』のサントラを手掛けていたわけですが、そちらが35周年記念のリイシューされることになりました。詳細はこちら。 最新インタビューをotonanoにて連載中!