沖縄で「サウンド・オブ・レボリューション」を観ました。ぐっと来た!

沖縄に初上陸! 笑われちゃうかもしれませんが、本当です。始めて来た沖縄。 なんだか湿った空気の感じが台湾みたい。温かいし… と思って、地図を見たら台湾、確かにめっちゃ近かった!  東京より近いや!!

グリーンランドの映画をプロモーションしてたら、この映画が私を沖縄に連れて来てくれたよ! 本当にそれを思うと新しいことはやるもんだと思う。この映画をかけることを決めてくれた桜坂劇場さんに本当に感謝! そしてまさに「少人数の人にしか話されていない言語と音楽」という現場にいる下地イサムさんと楽しいマネージャーさんにも出会えて本当に楽しかった。応援のためにちょっと顔を出そうかなと思ったら、トークショウまで出させていただき、感激。本当にありがとうございました。

昨日の朝は11時ぐらいの飛行機で沖縄へ。羽田空港で買った弁当を食べる。炭水化物はやめておこうと思ったのに…またもや… 炭水化物と糖質と塩分の嵐がオレを吹き抜ける。


沖縄に到着。そして街を歩けば珍しいものばっかり!!


ブルーシール、もちろんいただきました〜


上間綾乃さん、発見!  おじゃましてまーすw


そして…上映です!


しかし沖縄の人たちといっしょにこの映画を見ていると、なんかいちいち映画の中のマリクのセリフが、重かった。「ここは僕たちの島だ。グリーンランド人が治めるべきだ」「僕らは抑圧されている」「まるで植民地じゃないか」沖縄でこの映画を沖縄の人たちといっしょに見ることは、東京で見るのとは意味が全く違う。 こんなすごい経験が出来て、本当に幸せだ。グリーンランドの人たち、喜んでるよー 監督もプロデューサーも泣いていると思う。

で、映画が終わってトークショウをやらせていただいたのだけど、下地イサムさん、「ミャークフツ」という宮古の言葉で歌うシンガーソングライターさんとご一緒させていただきました。

これなんか、字幕ついてるよ。(なぜか埋め込めない…。すみません、リンク先に飛んでください)下地さんがミャークフツで歌い始めたきっかけは、お父さんの還暦のお祝いに曲をプレゼントしたことだったんだって! そしてミャークフツって、日本語と全然違うんだよね。このミャークフツの、言ってみれば言葉が回るような感覚は、日本語にはない、って下地さんはおっしゃってました。下地さんは、その後色々勉強して、言葉を習った。下地さんにとっては、こんなにいいものが自分の近くにあったんだ!という感覚なんだって。 宮古では、方言の大会や、お年寄りが子供に民話を読み書かせするようなスマフツ・ボランティアという機会もあるそうで、沖縄の地方言語の中でも力強く残っている(残ろうとしている)言葉らしい。すごいね!  

で、そうした消えてしまいそうな言葉を運ぶのに、音楽はやっぱりすごく効果的で、 言葉の背景にあるもの、あるがままの気持ちを音楽の力を借りて伝えるような、そんな感覚らしい。下地さんの歌も意味を分っているのかはさだかではないけど、子供が口ずさんでくれてることがあるのだそうです。素敵すぎるよね。

しかし今、このレポートをテレビを見ながら書いているのだけど、自分はLGBTだという方が「LGBTという言葉が流行りだして、前はなんか変なやつ、というくくりだったのに、今ではみんなが“あぁそうなのね”的な視線になった」みたいな話してるのを聞いていて、それとまさに重なるんだけど、言葉ってある意味、限定的/暴力的な部分もあるのよ。それは人間と人間がコミュニケーションをするための道具であったはずなのだけど… 言葉にした途端、全てが何か固定されちゃうというか…。

言葉が分らない方がロマチックでいい、という話を下地さんに持ちかけたところ、下地さんは、確かに通じてない方がなんとか伝えようとする気持ちが働くし、発信する側としては楽しい作業だとおっしゃっていました。うん、ここを楽しいと思えるのが、さすがだと思う。そして、また下地さんは自分は音楽をやっているだけの人間で、この言葉がいい、かっこいい、そして宮古の言葉で歌うのは楽しいと思って続けているだけなので、少しでも言葉が長く残ればいいという気持ちでいるって話されてました。スミのように社会への義務感とかそういうのはないそうで、うーん、下地さん、自然体で、すごくいいなぁ!

そして例えば東京やニューヨークとかで歌うと、相手(リスナー)の貫禄が違うという話も面白かった。向こう側(リスナー側)は圧倒的な多数な訳で、大きく構えて「さぁ、聞いてみようじゃないの」と、ある意味上から目線かもしれないけど、じっくり聞いてくれる場がある。沖縄や地元で歌うのとは全然違うという事でした。それを思うと、やはり外国で自国の言葉で歌うって、ものすごく重要なのかも。 いろいろ考えました。

というわけで、以上、簡単なまとめですが、下地さんの発言は私が対談中にメモったもの(録音したかったのに忘れた…)、もしかしたら間違って記憶しているかもしれません。いずれにしても文責は野崎にあります。あしからず。

それにしても沖縄、面白かった! 食べ物も最高!




そして…コラーゲンいただきます!


「サウンド・オブ・レボリューション」沖縄での上映は12日まで続きます。是非ご来場ください。 詳細はこちら。


 下地さんは、東京でも1月にライブがある。NHKライブビート… あっっ、募集終っちゃった。ガッテム!  下地さんの活動の情報はこちら。下地さん、新良幸人さんと、こんなユニットやってる。かっこいい!!!!



最後に宮古の言葉で「ありがとう」って流暢に言おうと思ってたんだ…「たんでぃがぁーたんでぃ」。覚えられない! でも下地さんに言ってもらって、それを耳で聞いてTandigar Tandyと英語で書くと、覚えられる気がする。ちなみにグリーンランド語の「ありがとう」は「こやな」。「こ」は「く」と「こ」の間だね。 Qで始まる。Qujanaq。グリーンランド語も無理矢理アルファベットを元から存在してた言葉にあわせて付けたわけだけど、沖縄の言葉はどうなのかな。五十音じゃなくて、別の文字があったのかな… なんかいろいろ興味が湧いてきたのでした。沖縄、素敵。行ってハマる人がいるの、分る気がする。私もハマりたいけど、とにかく時間がない!! でもナヌークの2人つれて沖縄に来て、下地さんとやりたいなぁ…

それにしてもこの映画をかけてくれた桜坂劇場さんに感謝。初めて行った桜坂劇場は、なんか本屋さんやカフェもやってこの町の文化のハブみたいなところだった。那覇に来たら、ぜひいらしてください。石巻のくじらカレーとか売ってたので購入しちゃった。 次回はゆっくり買い物に来たいなぁ。それにしても沖縄良かった。

実は年内、もう1回沖縄に来る予定があるのだ。それは、まぁ夏以降、発表します。

「サウンド・オブ・レボリューション」東京はユーロスペースにて1/12(金)1回だけの特別上映。また福岡でも上映されます。


PS.
いろんなアーティストが出演する、こんなフェスティバルもあるよ。2月10日、11日

PPS. 那覇空港のJALの出口の近くにある沖縄そばが美味いというのを聞きつけ、朝ご飯をしっかり食べたのにもかかわらず、これも食べた。お腹いっぱい…


PPS こちらのコンピレーション、わたしみたいな沖縄音楽初心者におすすめ。下地さんのアルバムはアマゾンでは切れてるな〜