映画『ベートーヴェン捏造』を観ました。面白い!!!


まだツアー終わりでヘロヘロなんですが、一刻も早く観たかったので、観てきました。映画『ベートーヴェン捏造』。

もちろん作家の、かげはら史帆さんの応援のため。普段は日本制作の映画はあまり観に行かないわたくすですが、かげはら先生の本が映画になったとなれば行かないわけにはいかないじゃなないですか。

原作本は、前々回の手術入院の時、その面白さに、本当に命を助けていただいた(笑)。いやいや、大袈裟ではなく。

一回目の入院時に持ち込んだ大量の本は全然読めなかったので「そうか、具合が悪い時は本って読めないんだ」「本って読むのに体力いるんだ」と思っていたのだけれど、しかし2回目の入院の時に持ち込んだこの『ベートーヴェン捏造』は、そのあまりの面白さに一気読みしてしまったのだった。

その間には病院のベットで管につながれ、結構しんどい思いをしていたというのに! 本の面白さってすごい。

またかげはらさんの本は次に出たニジンスキー本も抜群に面白く、これまたいたく感動したのであった。(感想はここ

そしてその本が映画になるという。しかも実写とのこと。日本人が欧米人を演じるというのが、どうかなというのが、まずあった。子供の時、ご多分にももれず、ベルバラの宝塚版を見に行き、私はいまいちそれに乗れなかった。舞台用の厚化粧も、どうも違和感あったし。

いや『テルマエロマエ』は、阿部寛さんのあのキャラもあって最高に面白いとは思ったが…はたして?

しかし!! この作品においては、そんなことは危惧に終わった。

脚本がいいのか、とにかく原作好きには特に響く箇所ばかり。読んでから時間がたっているせいか、本の内容を思い出し、ストーリーをそうだった、そうだったと楽しんでいる間にあっという間に終わってしまった。

そもそもバカリズムさんって方も実はあまりよく知らなかった。でも頭いいなぁ!!! 無駄もないし、すっきりとした脚本である。何よりおもろいし…と思ったら、コメディアンさんなのね。

それにストーリーが、中学校の音楽室から始まるのも、すごく上手い! そしてシンドラー役の俳優でもある音楽の先生が、そのまま語る形で、物語は進行していく。

最後の中学生のセリフもいいし、そう、この本が言わんとしていることは、そこなのよ!!と思わず膝を打つ。

かげはらさんは、ベートーヴェンが大好きで、それでこの本を書いたのだとは思う。が、それを突き詰めていくと、歴史上の何かが明らかになる…ということではなく、史実といわれるもののほとんどは残ったものが描いたひとつの世界にすぎないという、そういう真実に突き当たるのだ。

そこがこの本のキモなのだ。映画の製作陣、わかっちょるなぁ。(なぜか上から目線)

それに古田さんが演じるベートーヴェンが、めちゃくちゃいい! っていうか、古田さんのベートーヴェンが出てきてセリフをしゃべったところで…具体的にはファンだと訴えるシンドラーに「へぇー、ありがとう」と答えたところで、一気に空気が変わった。

…というか、この映画を見る私の視線がぐるっと変わった。ほんとうにまったく違和感ない! もうその後の古田さんは、ひたすらベートーヴェンにしか見えない。いやー、キャラぴったりじゃない? 

難を言うなら、また原作本を読み返す時、このベートーヴェンのキャラが頭に浮かんできちゃって吹き出しそうになるんだろうな、ということかな。とにかく原作本が好きだった人をまったく失望させない。

一方、映画だけを見て、本を読んでない方は、かげはらさんの原作本を絶対にチェキら!! 何と言うか、普段本を読まない人でも、まったくストレスなくスイスイ読めるよ。とにかくめちゃくちゃ面白い。

まぁ、そこがかげはらさんの非凡な才能なんだろうけど。私の当時の感想はここ




 

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