レコード会社ってそんなに悪者?!

アイルランドからホットプレスが届いた。エイミー・ワインハウスの追悼記事の片隅にレコードレーベルの方のメッセージ。エイミーの突然の死について「次のアルバムを出すようプレッシャーを与えたレコード会社が悪い!」と言うファンの人たちがいるらしいのだ。で、「我々はエイミーのプレッシャーを軽減するために、ものすごく努力した」と、そういう釈明記事。ちょっと痛々しい。

アーティストがボロボロだったら投資したレーベルはたまらないよね。でも昔からレコード会社は何につけ悪者にされる。

私もレコード会社は大嫌いである。大嫌いで辞めて、自分のレーベルを作った。今や私も悪者なんだろうか? それも含めて、なーんとなくレコード会社がなんでもかんでも悪者役にされてしまう状況には疑問を持たずにはおられないわけだ。だってレコード会社にも真面目で本当に音楽を愛している人たちはいっぱいいるのだから。そしてレコード会社に対してなんでもかんでも権利を放出しろっていうのにも全面賛成できないわけだ。だって彼らはあきらかにそれに投資しているわけで、回収する権利はすくなくともある。そしてちょっとした権利それによってなんとか成り立っている小さなレーベルだってあるだろうからさ。

そもそもみんなが愛する音楽をビジネスにするって事で、アーティストにとってもファンにとっても「敵」と見なされるわけだ、レコード会社は。気持ちは分からなくもない。でもちょっと待ってよ。リスナーの人たちだって、結局何年もたった後で、大多数の人が追いかけるのは、レコード会社から超プッシュされてヒットチャートを駆け上がった、あのバンドやこのバンドじゃないの? そしてあの曲やこの曲じゃないの? 昔の名前で出ています的バンド。そんなのばっかり追いかけているリスナーにレコード会社に文句言う権利ないよね。だってあなたの好きなその曲を教えてくれたのは、あなたの嫌いなレコード会社なんだから。

だからこそ、やっぱりウチのお客さんはすごいなと思うのである。ウチみたいな自分から探さないと見つけられないような宣伝費ゼロのレーベルに注目してくれているのだから。ウチは古いカタログはほとんど扱っていない。だって私が好きなのはマスターテープでなくアーティストなのだから。ウチのお客さんもCDだけじゃなくライヴにも積極的に来てくれる。リスナーとして超現役だ。そして皆さん厳しい。皆さん、自分の耳を信じている。私もそんなお客さんの期待をうらぎらないように良い音楽を紹介しないとな、と思う。ウチのお客さんは厳しいから、つまらないものやっても支持してもらえない(笑)

ってなわけで、ウチの自信作(笑)ヴェーセンです。これ以上の音楽があるなら、ぜひ教えてほしい。この完成度。この自由度。そして……すべてにおいてこのバンドは最高だ。今週末、名古屋と京都公演発売です。よろしくお願いいたします。詳細はこちら