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2011年9月17日土曜日

出張DAY 1  

久々の海外出張です。震災以降、どうも海外に行く気がずっとしなかった。忙しかったのもあり、自分の出張はずっと見送ってきました。以前は3ケ月に一度は海外に出てた。忙しくても本気を出せば4日でいけるし、マイレイジもたまりまくっているので行こうと思えばいけたんですが、どうもそういう気分になれなかったのです。

が、今回は実は久々のクライアントさん仕事。なのでホントに「仕事」です。もう逃げられない。行かねばなりません。で、行くとなると元気がでてきて仕事場所はダブリンなんですが、クライアントさんにわがまま言って、他の皆さんより2日ほど前に日本を出ました。なのでこの2日間は普段の自分の出張と同じとおりライブレポートなんぞお届けできる予定です。

最初ダブリンで仕事が決まったときは、今夜(金曜日)見る某公演があることしか知らなかったので(まだ何かは内緒)、16日出発と思っていました。公演が遅い時間にスタートする海外のコンサートは、到着日に公演を見る事はそれほど難しくない。でも経由するフライトの時間が遅かったので15日を取っていただいていたのです。クライアントさんが手配してくれるチケットなので、日付けはずらしたとしても目的地までずらすわけにはいかないだろう、ということで。

というわけで15日出発、私にしたら公演をみるわけでもないのに海外に余分に宿泊するなんて、なんて贅沢! でももう歳だし時差ボケもあるだろうから、今夜みる某公演の場所に2泊してのんびりしようと思っていたのが当初のプラン。

ところが出発2日ほど前になって、ジョン・スミスがクリス・シーリの前座をやるということが発覚。クリス、ご存知ですよね、ニッケル・クリークの天才少年。これは絶対に観たい!

が、しかしコークに当日行けるものか‥と悩む。電車でダブリンから3時間もかかるんですよ、コークは。ホントこれが最初から分かっていれば経由地のフランクフルトから直接コークに飛ぶ方法もあったし、フランクフルトが無理ならロンドン経由にしてもらう、という手もあったと思うのです。が、前に書いたとおり、2日ずらしてもらうだけでも面倒なのにあまりクライアントさんの手をわずらわせたくない‥ というわけで、最終的にダブリン/コークの国内線、しかもライアンエアーという凄いコースを発見し、これにかけてみることにしました。

ライアンエアーがどんなに大変か。ググってみたらたぶん日本人でも経験してる人、多いんじゃないかと思います。アイルランドのバジェットプライスの航空会社。とにかく安い。席は自由席。機内サービスはいっさいない。タイムテーブルもいい加減、荷物ロスラゲした、ギターを壊された等、とにかくミュージシャン連中には評判がすこぶる悪い。私も普段の出張はお金より時間重視のプランニングなので、いつもひどい日程を組むのですが、それでも普段はもう絶対にライアンエアーじゃ飛ばないと思ってきたわけです。とにかく予定通りにいかない航空会社では、タイムイズマネーの出張が台無しになる、と。

でもとにかくジョンのため! ジョンとクリスを生で観るのはここしかチャンスがありません。16日の目的地にゆっくり電車で入ってゆっくりするか、すごい日程をこなしてジョン&クリスを観て、それから行くか。

で、思い切ってダブリン/コークの航空券を買ってみました。90ユーロほど。決して安くないけど、これなら公演の時間に間に合う!

東京からフランクフルトまで11時間。あいかわらず仕事が直前まであったので、睡眠2時間ほどで家を飛び出し成田へ。成田からフランクフルトに到着しトランジット1時間ほどでダブリンへ。さーて、ライアンエアーだ。あぁ、そうだターミナル。ターミナルは同じターミナルなんだろうか。そういうのもちゃんと調べないで出て来たのだけど、なんとか同じターミナル(ダブリン空港も今はでかい!)ちなみに接続の時間はすべてが予定通りに言ったとしても1時間しかないというかなりのギャンブル。荷物はもちろん預けておらず、すべて手持ち。これ危ない出張の基本中の基本。が、なんとそこで知らされた‥「ライアンエアーはボーディングパスを自分でプリントアウトしてこないと40ユーロの罰金」という厳しい文字! ほんとだ、よくみたら、もらったConfirmationにも書いてある。もちろん迷っている時間はない。しかも悪いことにライアンエアーのカウンター、クレームの人たちで長蛇の列‥ あああ、間に合うのか! さんざん焦りまくり、ボーディングパスをゲットし、空港の中を走った、走った。とにかく走った。というか、たぶん外側から私をみたら走ってなんかいなかっただろう。もう走るのもホント無理がある‥‥帰ったら、すこしはエクササイズしよう。こんなに体力落ちてるなんて。でもラッキーなことにライアンエアーが定刻に飛ぶはずはなく、フライトは20分ほどの遅れ‥ で、なんとか間に合ったというわけです、それにしてもやっとライアンエアーにのれて、これでちゃんとしたアイリッシュになった気がした。これでミュージシャンたちとも話があう! なんでも経験値はあげておかないとね。

コークには20分遅れで到着。タクシー飛ばしてホテルに飛び込み、余裕のよっちゃんでシャワーも浴びれたし、ホントよかった。ジョン、素晴らしかった。本当に来てよかった。

会場は古い会場を改装したような場所で、すごくすてきなアコースティック。当然、この響きを利用したPAなのだが、ものすごく上手だった。こういうのいいなぁ。PAがかかっていることが分からないようなホントに静かな静かな公演。

ジョンの曲は5曲ほど。invisible boy 、To have so many, Another country, Ax mountain、Winter。ホントにジョンは短時間できっちり自分をプレゼンするのが本当にうまい。ペラベラ必要ないことをしゃべったり、だらだら長く演奏したいがためにすべてを台無しにするミュージシャンが多い中、こういう子はホントにのびると思う。そうなんだよね、素人はホント時間オーバーすんだよなぁ。私は最前列でかぶりつきでみちゃったけど、気づいてなかったよ、ジョン。あいつ目が悪いんだ。眼鏡とっちゃうと。

クリスのステージも圧巻でした。ホントにマンドリン1本でなんでもやっちゃうのね。ほんとにかっこ良かった。すごいわ。ちょっとバロックみたいなマンドリンのインストをやったと思うとブルーグラスの(おそらく)スタンダードを演劇みたいにして演奏して歌いまくり会場を沸かせる。すごい。今日の公演は本当はデュオということになっていたのだけど、なぜかクリス一人のステージ。相方ちゃんは具合が悪い、と言ってましたが‥一人のやつが観れて良かったと思う。一人でこれだけできるなんて、ホントすごいわ。あ、そうそう「プランクシティが大好きで、もうそれしか聴いてない時期があった」と言って演奏したのがBlacksmith。かっこよかった!

そして最後には期待どおり!!の共演も2曲あり本当に感動。いや、やると思ったのよ。だってジョンは普通の前座じゃないんだもの。ジョンを今回のアイルランドツアーで紹介され、クリスは本当にびっくりしたと思う。ジョンのことを「普段は前座がやっている間にいろいろ自分の準備するんだけど、今回はもうジョンから目が離せなくって」と紹介していた。で、本当にスゴイや。この二人。ちょっと前にこのブログに「聴くことの美学」みたいなことを書いたでしょ。お互いを聴いていないセッションは本当につまらないが、これはホントに素晴らしかった。良かったね、ジョン。クリスにすごく気に入られたみたい!! でも私の方がクリスより先にジョンを見つけたんですからね。ふーんだ、って感じです(笑)

それにしてもこのコンサート。たった15ユーロなんだから、うらやましい。いつぞや「マーティン・ヘイズのアイルランドの公演は10ユーロでした。なんで日本ではこんなに高いのか理解できません」とお客さんから怒られたことがありますが、ホントその仕組みを私に説明してほしいもんですわ。もっと安く良い音楽を届けられないか、とにかく事務所のランニングコストを安くして、自分のライフスタイル安くして(笑)、自分ではベストをつくしているもんですが、なかなか難しいですよね、ホント。そしてお客の数はどうかというと、100名ちょいくらいなんだから、ホントびっくりする。マネージャーと二人でアメリカから来て、クリス、もと取れてんのか?!

それはさておき、会場でカレン・ケイシーにあいました。ここから10マイルくらいのところに住んでいるのよ、と言ってました。子供は旦那にまかせて一人で出てきました、って様子でした。立ち話で話ましたけど、ジョンのことはまったく知らなかったようで、すごい、すごいと感動してました。ちゃんと紹介してあげたかったけど、時間がなかったなぁ。

ジョンと終わったあと少し話をすることが出来ましたが、私が突然来たので、ジョンはホントにびっくりしてました。私はいつも本人には黙って行くんです。だって彼らも向こうで仕事があるし、なんたってツアー中だし、私が行くと事前にメールするとミーティングや食事の時間とったりとか、大変でしょ。彼らは彼らの向こうでの生活がある。仕事の話はメールで充分だし、よっぽど真剣な打ち合わせがあれば別だけど、たいていの場合、私は連絡なしで行くんです。で、その方が喜ばれるしね。印象にも残るってわけで(笑)

それにしてもジョンと話していて、原発の事、今の日本の事、まったく自分の英語力のなさに軽く反省しております、私。でも‥ なんか話せてよかった。実は海外に行くのをとどまっていたのは、なんか質問攻めにされるかも、と思ってた部分もあったのです。でもそんなことないね。やっぱりみんな聴いてくれる。そしてホントに日本の人たちはすごいね、と言ってくれる‥ ううう、ありがとう。ジョンはこれが終わるとリサ・ハニガンのアメリカツーにくっついていく。すごいね、ジョン。どんどん出世しちゃう。

私はホテルに帰ってほとんどバタンキューでしたが、翌日は長距離電車を2本のりついでいかないといけないので、とにかく寝る。だけど寝てもしっかり朝5:30に目がさめた。ここで寝ちゃうよりも、早く移動しちゃおうということで予定よりもうんと早く7:30の電車に飛び乗りダブリンへ。

ダブリンについたら、次の電車に乗るまでに、まずはアイルランドの携帯電話をなんとかしないと‥ こっちにきてからLimited Serviceの文字が出ちゃっている。そういやまた1年以上アイルランドに来なかった。1年以上開くと携帯がこういう自体になる。前の出張はたしか11月末だったけどアイルランドには来れなかったからなぁ。

というわけで、昨晩のコンサートもすごかったけど、今日みるものはもっとすごいので、楽しみにしててください。この投稿はコークからダブリンへ向かう電車の中で書いています。しかし66ユーロとは、ホントに電車高いなぁ! しかも車内で買った紅茶とサンドイッチで7ユーロ。これもひどく高く感じる。日本ってほんと深刻なデフレかもしれません。