幸せなサラリーマン

普段サラリーマンの人を羨ましいと思ったことはないのだが、昨日はとっても素敵なおじさまと出会った。とある大企業の文化系子会社に勤務。ここは誰でも知っている企業で素晴らしいコンサートホールや美術館、そして文化財団を運営されている。

「和みの会」という、こちらも某企業系コンサートホールの設立にかかわられ、現在はとある文化施設にかかわられているHさん主催の「業界内勉強会」。お話しされる方は、ほとんど邦楽、クラシックの世界の方なので、非常に目うろこで毎回勉強になる。開催場所が家から歩いていけると言うこともあって、私はほぼ毎回必ず出席している。毎回、7、8名でこじんまりと集まる。

まずその方はその企業の理念を会社設立当時の話からお話しされ、その後、現在も社内に流れる先代のDNAのお話しを取締役を非常に楽しそうにお話しされていた。当時一番下っ端の自分を、うんと後になっても覚えていてくださったという心あたたまるエピソードなど、なんだか聞いているこちらまで幸せになってしまった。これが日本の企業DNAというやつか。もちろん、いわゆるみんなが憧れる大企業で給料も沢山出ているのだろうから、おおきなホールや文化事業への貢献について「そんなのやる暇があったらオレたちの給料あげろ」という人は社内では誰もいないというのも納得できるが、それにしても、である。こういう企業が日本をささえているのか、と本当に考えさせられた。サラリーマンなんてけっ!と思ってた自分が小さく見えたよ。

今、その方は本社を離れ、某文科系施設の館長さんをされている。そこでの苦労話も多少聞かせていただいたが、ところがどっこい、やはりここでもこの企業のDNAがこの方の仕事をする上での、この方の存在意義をしっかりささえているのである。大変だろうが、本当に素晴らしい。

思ったのだけど,幸せな人の話は、聞く人も幸せにするなー。私は会社というところで良い経験をしたことがないから、本当にいろいろ考えさせられた。そして自分も周りの人を幸せにするような仕事をしていかなくちゃ、と改めて思ったのでした。っていうか、そもそも文化にかかわる仕事してんだもんねー。周りの人、お客さん、幸せにしてナンボだよね… ホント反省、いろいろ頭のさがる思いです。

写真はこれまた「食べ物で人を幸せにする」六本木CLUB HOUSEの古藤シェフのご自慢の一品。感動です。