実は数ヶ月前「我が生涯のアーティスト10名」というタイトルで文章を書いてくださいという依頼を某所から受けた。で、400文字くらい、と言われ、それぞれのアーティスト400文字かと思いはりきって書いたら、アーティスト名をリストアップした上で、全部の総評みたいな文章で400文字だった(笑) というわけで、これだけ書いてしまったので、もったいないので、取っておきました。晴れてこちらに掲載します。2回に分けて行きます…
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たぶん私の場合はライターの皆さんと違って、自分のところの所属アーティストが一番可愛いので、どうしてもそういう視点になっちゃいます。もし企画の意図とずれていましたら,申し訳ございません。でも、自分の好きなアーティストと一緒に仕事できるなんて、これ以上の幸せはないと思います。うん、最高、THE MUSIC PLANT!(笑)
<メアリー・ブラック>
私をこの世界に導いてくれた人であり、私が出会った最初のアイルランドのアーティストです。MUSIC PLANTという名前も彼女のダブリンのオフィスからもらいました。彼女抜きで、今の私の人生は語れません。90年、彼女を日本で売り出した頃は「地元でエンヤよりも人気のあるアーティスト」というキャッチでした。どこの国でも人気があるのは、TVやラジオでその姿が見ることが出来、全国ツアーのコンサートをしているアーティストです。まだまだ国際的な成功となるとロンドンやアメリカで契約しないと難しい時代でしたが、彼女は当時も、そして今でも地に足をつけた本当に素晴らしい活動を行っています。2009年には彼女の息子のバンドをビクターさん、アイルランド政府観光庁さんと一緒に日本に招聘できたのは私のとっておきの自慢です。親子二代に渡って仕事が出来るなんて、長く続いてる証拠だもの。本当に良い関係でいる証拠だもの。彼女が完全に引退してしまう前に,ぜひぜひもう一度日本に呼びたいと考えています。
<ポール・ブレイディ>
私にとってはヴァン・モリソン以上に思い入れのあるアーティストです。ものすごく気難しい人で、今だに会うと怒られてばっかりですが、私は真のソウルメイトみたいなつもりでいます。いろいろ言いたいことはありますが、彼ほどピュアでイノセントな人はいない。キャリアは古くはジョンストンズ、プランクシティ、そしてティナ・ターナー(『プライベイト・ダンサー』に1曲書いてます)、ボニー・レイット、フィル・コリンズ、多くのアーティストが彼の楽曲を取り上げ、ボブ・ディランがレナード・コーエン、ルー・リードとともに「Secret Heroes」と高く評価している人でもあります。ギターもものすごく上手いのですが、なんとディランには実際にあってギターを教えたそうですよ。本当に彼の指を取って「そこは違うよ、ボブ」とかやったそうです。ポールの歌には独特のこぶしがあり、アイルランドの太古の歴史を感じられずにはいられない。もっと世界的に評価されて良い人だと思います。今は孫No.2が生まれ、幸せそうなポール。引退に向けてカウントダウンかもしれませんが、彼も本当はもっと頻繁に日本に来てほしい。
<ヴェーセン>
ヴェーセンはいろんな意味で100%自分のバンドだという自負があります。2004年から一緒に仕事をしていますが、本当に最近は動員も増えて、ますます良い状況になってきました。CDのリリースだけではなく来日公演も全部自分で作っているので、なんとなく「かこっちゃって人には触らせていない」体制で、その体制でこれだけ続いているのが、自分でも面白いと思っています。果たしてこの体制でどこまで行けるか? もちろんフジロックみたいな所からオファーがあればすごく嬉しいんですけどね。そういうのは瞬間風速でしかありませんから。なんといっても地道に長くやってきた自信があります。人間的にも素晴らしい彼らは実は誕生年が私と一緒なので、価値観もぴったり、ものすごく仲良し。私の北欧音楽への傾倒も彼らから始まりました。北欧のヘンなリズムやメロディラインに触れると、ケルトものの単純さが本当につまらなく聞こえます。特に彼らのユニークなアンサンブルは音楽的にも、おそらくウチのアーティストの中で一番高い位置にいると思うし、アイルランドに行っても「ヴェーセンとやってんだよ」と言うと尊敬のまなざしで見られます。大きくヒットすることはたぶんこれからもないだろうけど、ずっとずっとお互いが引退するまでずっと一緒に仕事をしていたいです。長く結婚している夫婦ってこんな感じなのかな、と彼らといると思います。
<ルナサ>
ウチの最大の売れっ子で1番売れたアルバムは1万以上のセールスを記録しました。一人でやっているオフィスでこれですから、どのくらい大きなことかご理解いただけると思います。アルバムも全部8枚リリースし、そのどれも良く売れているので、彼らのおかげでなんとかウチはやっていけていると言っても過言ではありません。THE MUSIC PLANTがこれだけ軌道にのったのも、このバンドの成功抜きでは語れないでしょう。プランクトンの川島恵子さんによるツアー制作との協力体制で、本当に知名度が上がりました。初期の初期、まだまだバンドが無名のころから一所懸命に一緒に頑張ってきました。何度かのメンバーチェンジや、マネージャーのチェンジ(これは本当に大きかった)、グリーンリネット問題、すべて一緒に切り抜けることで本当に結束力が固まったと思います。今はそれぞれがゆっくりのんびり成功を楽しんでいる感じでしょうか? 彼らがルナサというバンド名を付ける前から知ってますから、もう15年以上の付き合いになります。生涯に「My band」と呼べるバンドがあるとしたら、今でもそれはルナサの事だし、ルナサ以外には考えられません。
<マーティン・ヘイズ&デニス・カヒル>
アイルランドの伝統音楽を次の次元に引き上げた、ものすごい、奇跡のデュオです。彼らのことを念頭におくと他の音楽が子供っぽくって,子供っぽくって(笑)私はマーティンはアイルランド音楽界のマイルス・デイヴィスだと思っています。そのくらい、ものすごい。なんというか、魂の音楽なんです、これは。加えて点描のように描かれるデニスのギターも、音数が少ないのに、少ない分だけ、ものすごい迫力です。この二人は音楽にすべてをささげている。自分のエゴなどそこにはまったく存在しません。彼らの音楽を聞くと、音楽は神様のものだと実感することが出来ます。何度ライブに足を運んでも飽きることがなく、何度でも何度でも聞きたい。でも素顔のマーティンは結構おとぼけで、天然で、世間話好きで、小麦粉好きで、結構甘えん坊ちゃんなところもあり、私は大好きです。
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たぶん私の場合はライターの皆さんと違って、自分のところの所属アーティストが一番可愛いので、どうしてもそういう視点になっちゃいます。もし企画の意図とずれていましたら,申し訳ございません。でも、自分の好きなアーティストと一緒に仕事できるなんて、これ以上の幸せはないと思います。うん、最高、THE MUSIC PLANT!(笑)
<メアリー・ブラック>
私をこの世界に導いてくれた人であり、私が出会った最初のアイルランドのアーティストです。MUSIC PLANTという名前も彼女のダブリンのオフィスからもらいました。彼女抜きで、今の私の人生は語れません。90年、彼女を日本で売り出した頃は「地元でエンヤよりも人気のあるアーティスト」というキャッチでした。どこの国でも人気があるのは、TVやラジオでその姿が見ることが出来、全国ツアーのコンサートをしているアーティストです。まだまだ国際的な成功となるとロンドンやアメリカで契約しないと難しい時代でしたが、彼女は当時も、そして今でも地に足をつけた本当に素晴らしい活動を行っています。2009年には彼女の息子のバンドをビクターさん、アイルランド政府観光庁さんと一緒に日本に招聘できたのは私のとっておきの自慢です。親子二代に渡って仕事が出来るなんて、長く続いてる証拠だもの。本当に良い関係でいる証拠だもの。彼女が完全に引退してしまう前に,ぜひぜひもう一度日本に呼びたいと考えています。
<ポール・ブレイディ>
私にとってはヴァン・モリソン以上に思い入れのあるアーティストです。ものすごく気難しい人で、今だに会うと怒られてばっかりですが、私は真のソウルメイトみたいなつもりでいます。いろいろ言いたいことはありますが、彼ほどピュアでイノセントな人はいない。キャリアは古くはジョンストンズ、プランクシティ、そしてティナ・ターナー(『プライベイト・ダンサー』に1曲書いてます)、ボニー・レイット、フィル・コリンズ、多くのアーティストが彼の楽曲を取り上げ、ボブ・ディランがレナード・コーエン、ルー・リードとともに「Secret Heroes」と高く評価している人でもあります。ギターもものすごく上手いのですが、なんとディランには実際にあってギターを教えたそうですよ。本当に彼の指を取って「そこは違うよ、ボブ」とかやったそうです。ポールの歌には独特のこぶしがあり、アイルランドの太古の歴史を感じられずにはいられない。もっと世界的に評価されて良い人だと思います。今は孫No.2が生まれ、幸せそうなポール。引退に向けてカウントダウンかもしれませんが、彼も本当はもっと頻繁に日本に来てほしい。
<ヴェーセン>
ヴェーセンはいろんな意味で100%自分のバンドだという自負があります。2004年から一緒に仕事をしていますが、本当に最近は動員も増えて、ますます良い状況になってきました。CDのリリースだけではなく来日公演も全部自分で作っているので、なんとなく「かこっちゃって人には触らせていない」体制で、その体制でこれだけ続いているのが、自分でも面白いと思っています。果たしてこの体制でどこまで行けるか? もちろんフジロックみたいな所からオファーがあればすごく嬉しいんですけどね。そういうのは瞬間風速でしかありませんから。なんといっても地道に長くやってきた自信があります。人間的にも素晴らしい彼らは実は誕生年が私と一緒なので、価値観もぴったり、ものすごく仲良し。私の北欧音楽への傾倒も彼らから始まりました。北欧のヘンなリズムやメロディラインに触れると、ケルトものの単純さが本当につまらなく聞こえます。特に彼らのユニークなアンサンブルは音楽的にも、おそらくウチのアーティストの中で一番高い位置にいると思うし、アイルランドに行っても「ヴェーセンとやってんだよ」と言うと尊敬のまなざしで見られます。大きくヒットすることはたぶんこれからもないだろうけど、ずっとずっとお互いが引退するまでずっと一緒に仕事をしていたいです。長く結婚している夫婦ってこんな感じなのかな、と彼らといると思います。
<ルナサ>
ウチの最大の売れっ子で1番売れたアルバムは1万以上のセールスを記録しました。一人でやっているオフィスでこれですから、どのくらい大きなことかご理解いただけると思います。アルバムも全部8枚リリースし、そのどれも良く売れているので、彼らのおかげでなんとかウチはやっていけていると言っても過言ではありません。THE MUSIC PLANTがこれだけ軌道にのったのも、このバンドの成功抜きでは語れないでしょう。プランクトンの川島恵子さんによるツアー制作との協力体制で、本当に知名度が上がりました。初期の初期、まだまだバンドが無名のころから一所懸命に一緒に頑張ってきました。何度かのメンバーチェンジや、マネージャーのチェンジ(これは本当に大きかった)、グリーンリネット問題、すべて一緒に切り抜けることで本当に結束力が固まったと思います。今はそれぞれがゆっくりのんびり成功を楽しんでいる感じでしょうか? 彼らがルナサというバンド名を付ける前から知ってますから、もう15年以上の付き合いになります。生涯に「My band」と呼べるバンドがあるとしたら、今でもそれはルナサの事だし、ルナサ以外には考えられません。
<マーティン・ヘイズ&デニス・カヒル>
アイルランドの伝統音楽を次の次元に引き上げた、ものすごい、奇跡のデュオです。彼らのことを念頭におくと他の音楽が子供っぽくって,子供っぽくって(笑)私はマーティンはアイルランド音楽界のマイルス・デイヴィスだと思っています。そのくらい、ものすごい。なんというか、魂の音楽なんです、これは。加えて点描のように描かれるデニスのギターも、音数が少ないのに、少ない分だけ、ものすごい迫力です。この二人は音楽にすべてをささげている。自分のエゴなどそこにはまったく存在しません。彼らの音楽を聞くと、音楽は神様のものだと実感することが出来ます。何度ライブに足を運んでも飽きることがなく、何度でも何度でも聞きたい。でも素顔のマーティンは結構おとぼけで、天然で、世間話好きで、小麦粉好きで、結構甘えん坊ちゃんなところもあり、私は大好きです。