今日は都内数カ所、チラシ配りの行脚。チラシ配りは直前にやらないと、あまり効果がない(ように思える)。なので、最近は直前1ケ月に集中投下する事にしている。いよいよ公演まであと1ケ月ということで、あちこち配ってくる予定。
誰か詳しい方、こんなコンサートで折り込みしたらいいかもとか、ここのカフェやバーは散らし置いてくれるよ的情報ある方、メールかTwitterのメンションでご教授いただければ嬉しいです。自分で調べがついたりするものは、とにかく実行するのみですが、まだまだ見逃している場所/コンサートなどがあると思うので。よろしくお願いいたします。こういうとき、一人でやってるオフィスは大変なんだよなー。こういうシンプルな作業は人数がいれば、なんとか分散できるんだが。
レコード店といえば、こんな思い出がある。ポールが2度目に来日した時だ。ポールを渋谷のタワーに連れていった。私はいつもやる行事のひとつとして、素早くポールにばれないようにタワーの担当者に電話をし「今からポール・ブレイディ連れて行きますので、すみませんけどBGMお願いできますか?」と連絡した。ま、普通にたいがいの店は協力してくれる。店に到着して、ポールは驚き、自分の曲がかかっていて嬉しいという顔をする。嬉しくなって自分の携帯で動画まで撮ってる。曲を一緒に書いた作詞家に送ってあげるんだとまで言っている。良かった、と私は思った。ところがポールったら、なんとこれを本気にしちゃったのだ。
その日の夕食の時、ポールが言った。「ヨウコ、そういえば、今日,店にいったとき曲が流れていたよね。あれは良く考えたらToo Goodだった。あれはもしかしてお前が仕掛けたのか?」と。いったい、私はなんと答えれば良かったんだろうか。今でも悩む。NOと応えれば良かったんだろうか。私はうっ、とたじろいだものの、ウソはつけないというとっさの判断で、イエスと応えた。とっさのジョークでかわすとか、そういうアイディアすらも浮かばなかった。私自身、ちょっとショックだったのだ。えっ、ポール、本気にしちゃったの? ポールは「そうか」と言って「俺がToo innocentだった」と言って、ちょっと寂しそうに笑った。うっ、やばい。傷ついちゃったよ……でも私が気を使ったことを喜んでくれて、ありがとう、とも言ってくれたけどね。
っていうか、普通本気にしないでしょーーっっ!よーっっ! ラウーだって、ヴェーセンだって、ルナサだって、ヴァサラットだって、マーティンやデニスだって、今まで連れて行った人全員、店に着いた瞬間、自分の曲がかかっていることに気付き「まったく、お前って奴は!」って私の肩をつっつく、それが普通なのだ。それが普通っていうか、普通ですよね??? ね? つまり、これは私の愛情表現の一つでもあるのだが……まったくポールの純情ぶりには呆れてしまった。つまり、そのくらいピュアな人なんですよ。
以前、ポールはアメリカの音楽大学で公演し、その公演の一環として午後ソングライティングのワークショップをやった事があった。ワークショップの内容はすごく面白く、私はずっとメモをとって熱心に聴いていた。(そのときのメモ、またいつか公開しますね)そこに熱心な女の子の学生がいて、その子はポールに熱心に質問し続けたばかりか、なんとポールの前で自分の曲まで披露したのだから、ある意味絶句ものだ。でもポールはその子が気に入ったらしく、温かいコメントを彼女に与えていた。
でもその彼女。なんとその日の夜のコンサートに来なかったんだよね。まぁ、彼女にしてみたら、たまたま自分の大学でそういうワークショップがあり、自分もプロなりたいという気持ちがあり、それでワークショップにやってきたにすぎない。ポールの音楽に興味なんてなかったんだろう。っていうか、もっと言えば、アメリカの田舎って結構難しいのだ。大学の文化事業ででしか公演がなりたたない場所もある。そんな時、昼間ワークショップをやれば、大学側も予算を出しやすい…blah blah blah。そんな事、ちょっと業界にいれば分かるもんでしょ。いちいち気にするなよ、と私は思った。そんな事でいちいち傷つくなよ、と私なんぞは思ったのであるが……ポールったら、そんな事で、ホント〜〜に傷ついちゃうのだ。っていうか、音楽業界、一つ一つ気にしてたら前にすすめない。こんなの、さっとドライにかわしていかないと、やってられないよね?
でもって今までだって、ポールにそういう事あったと思うんだよね。大レーベルについてLAのプール付きのすごいホテルにとまってレコーディングとかやっていたのに、そのあとあっけなくクビ切りとか、そういうのあったと思うんだよね。良い事ばかり言うくせに何も責任をもたないレコード会社とか、そういうレコード会社のバックアップがあるときだけ良い顔をするメディアの連中とかジャーナリストとか。この世界で生きて行くなら、そんなことにいちいち傷ついてられない。いや、逆に優しい言い方をすれば、この世界はみんな必死なのだ。みんな生き残って行くのに一杯一杯。そしてエゴとエゴのぶつかり合いなのだ。みんな傷つけようとしてないのに誰かを傷つけて、なんとか生き残っている。そういう事なのだ。でもポールったら… いまさらながらというか、60すぎて、40年以上この業界にいて、まだそういう事にいちいち怒ったり傷ついたりしてたら、身体がもたないよ。
だからお客さん、初日の公演に来て、サイン会で「すごく良かった。今まで聴いたどんな音楽より素晴らしい」とか、「あなたの公演を見るのが20年の夢だった」とか、「あなたのおかげで人生変わりました」とか言ってポールに話しかけたら、絶対に翌日も来てね。じゃないとポール、マジで「あいつはあんなに感動していたのに今日は来なかった」とか言って、本当にマジで傷ついちゃうから。
ちなみに終演後のサイン会はポールの機嫌しだいですが、私は積極的にやりたいと思っています。(っていうか、ウチの常連さんであればご存知のとおり、私が作ったコンサートでサイン会やらないような事って0%ですよね)昔のアナログとかをもってくるのも良いのですが、出来れば会場で最新作のCDを買って、それにサインをもらってあげてください。そして今のあなたが大好きだと言ってあげてください。そして、そしてずっとずっと応援しているから、また日本に来てね、と言ってあげてください。皆さんの援護射撃がないと、次の来日は、あるかどうか、まったく分かりません。
ポールを連れて行ったあの時、タワーレコード渋谷でかかっていたのは、この曲。「スマイル」
誰か詳しい方、こんなコンサートで折り込みしたらいいかもとか、ここのカフェやバーは散らし置いてくれるよ的情報ある方、メールかTwitterのメンションでご教授いただければ嬉しいです。自分で調べがついたりするものは、とにかく実行するのみですが、まだまだ見逃している場所/コンサートなどがあると思うので。よろしくお願いいたします。こういうとき、一人でやってるオフィスは大変なんだよなー。こういうシンプルな作業は人数がいれば、なんとか分散できるんだが。
レコード店といえば、こんな思い出がある。ポールが2度目に来日した時だ。ポールを渋谷のタワーに連れていった。私はいつもやる行事のひとつとして、素早くポールにばれないようにタワーの担当者に電話をし「今からポール・ブレイディ連れて行きますので、すみませんけどBGMお願いできますか?」と連絡した。ま、普通にたいがいの店は協力してくれる。店に到着して、ポールは驚き、自分の曲がかかっていて嬉しいという顔をする。嬉しくなって自分の携帯で動画まで撮ってる。曲を一緒に書いた作詞家に送ってあげるんだとまで言っている。良かった、と私は思った。ところがポールったら、なんとこれを本気にしちゃったのだ。
その日の夕食の時、ポールが言った。「ヨウコ、そういえば、今日,店にいったとき曲が流れていたよね。あれは良く考えたらToo Goodだった。あれはもしかしてお前が仕掛けたのか?」と。いったい、私はなんと答えれば良かったんだろうか。今でも悩む。NOと応えれば良かったんだろうか。私はうっ、とたじろいだものの、ウソはつけないというとっさの判断で、イエスと応えた。とっさのジョークでかわすとか、そういうアイディアすらも浮かばなかった。私自身、ちょっとショックだったのだ。えっ、ポール、本気にしちゃったの? ポールは「そうか」と言って「俺がToo innocentだった」と言って、ちょっと寂しそうに笑った。うっ、やばい。傷ついちゃったよ……でも私が気を使ったことを喜んでくれて、ありがとう、とも言ってくれたけどね。
っていうか、普通本気にしないでしょーーっっ!よーっっ! ラウーだって、ヴェーセンだって、ルナサだって、ヴァサラットだって、マーティンやデニスだって、今まで連れて行った人全員、店に着いた瞬間、自分の曲がかかっていることに気付き「まったく、お前って奴は!」って私の肩をつっつく、それが普通なのだ。それが普通っていうか、普通ですよね??? ね? つまり、これは私の愛情表現の一つでもあるのだが……まったくポールの純情ぶりには呆れてしまった。つまり、そのくらいピュアな人なんですよ。
以前、ポールはアメリカの音楽大学で公演し、その公演の一環として午後ソングライティングのワークショップをやった事があった。ワークショップの内容はすごく面白く、私はずっとメモをとって熱心に聴いていた。(そのときのメモ、またいつか公開しますね)そこに熱心な女の子の学生がいて、その子はポールに熱心に質問し続けたばかりか、なんとポールの前で自分の曲まで披露したのだから、ある意味絶句ものだ。でもポールはその子が気に入ったらしく、温かいコメントを彼女に与えていた。
でもその彼女。なんとその日の夜のコンサートに来なかったんだよね。まぁ、彼女にしてみたら、たまたま自分の大学でそういうワークショップがあり、自分もプロなりたいという気持ちがあり、それでワークショップにやってきたにすぎない。ポールの音楽に興味なんてなかったんだろう。っていうか、もっと言えば、アメリカの田舎って結構難しいのだ。大学の文化事業ででしか公演がなりたたない場所もある。そんな時、昼間ワークショップをやれば、大学側も予算を出しやすい…blah blah blah。そんな事、ちょっと業界にいれば分かるもんでしょ。いちいち気にするなよ、と私は思った。そんな事でいちいち傷つくなよ、と私なんぞは思ったのであるが……ポールったら、そんな事で、ホント〜〜に傷ついちゃうのだ。っていうか、音楽業界、一つ一つ気にしてたら前にすすめない。こんなの、さっとドライにかわしていかないと、やってられないよね?
でもって今までだって、ポールにそういう事あったと思うんだよね。大レーベルについてLAのプール付きのすごいホテルにとまってレコーディングとかやっていたのに、そのあとあっけなくクビ切りとか、そういうのあったと思うんだよね。良い事ばかり言うくせに何も責任をもたないレコード会社とか、そういうレコード会社のバックアップがあるときだけ良い顔をするメディアの連中とかジャーナリストとか。この世界で生きて行くなら、そんなことにいちいち傷ついてられない。いや、逆に優しい言い方をすれば、この世界はみんな必死なのだ。みんな生き残って行くのに一杯一杯。そしてエゴとエゴのぶつかり合いなのだ。みんな傷つけようとしてないのに誰かを傷つけて、なんとか生き残っている。そういう事なのだ。でもポールったら… いまさらながらというか、60すぎて、40年以上この業界にいて、まだそういう事にいちいち怒ったり傷ついたりしてたら、身体がもたないよ。
だからお客さん、初日の公演に来て、サイン会で「すごく良かった。今まで聴いたどんな音楽より素晴らしい」とか、「あなたの公演を見るのが20年の夢だった」とか、「あなたのおかげで人生変わりました」とか言ってポールに話しかけたら、絶対に翌日も来てね。じゃないとポール、マジで「あいつはあんなに感動していたのに今日は来なかった」とか言って、本当にマジで傷ついちゃうから。
ちなみに終演後のサイン会はポールの機嫌しだいですが、私は積極的にやりたいと思っています。(っていうか、ウチの常連さんであればご存知のとおり、私が作ったコンサートでサイン会やらないような事って0%ですよね)昔のアナログとかをもってくるのも良いのですが、出来れば会場で最新作のCDを買って、それにサインをもらってあげてください。そして今のあなたが大好きだと言ってあげてください。そして、そしてずっとずっと応援しているから、また日本に来てね、と言ってあげてください。皆さんの援護射撃がないと、次の来日は、あるかどうか、まったく分かりません。
ポールを連れて行ったあの時、タワーレコード渋谷でかかっていたのは、この曲。「スマイル」