「元刑務官が明かす死刑のすべて」

TVで流れている幼い子供を餓死させた母親(バカ女の象徴みたいな容姿だ)が許せない。赤い服を着た二人の笑顔がつらいな。ところで、今、こんな本を読んでいるところ。他の本を読んでいたのだが、昨日街で見かけて買って、そのまま帰り道に読み始めてしまい、今読んでいる本を横において、こっちを先にぐいぐい読み始めてしまった。

ヨーロッパを相手に仕事をするものとして、またフォーク/ワールドミュージックという比較的リベラルな思想の中で仕事をする者として、私の死刑への意見は絶対に「反対」である。いろいろ考察すべき点はあるが、もう人の意見はどうであれ、私はずっと自分が反対するもの2つに「原発」と「死刑」をあげてきた。原発は現在これだけ話題になったが、死刑については、今だいろんな意見が飛び交うことすら許されていないのではないか。どうやって死刑が行われているのかも、詳しく知っている人は本当に少ない。少なくとも私の周りにはいないと思う。以前、千葉法相が死刑執行所の場所を写真や映像で公開したのは,本当に意味があったと思う。

ウチの馬鹿な母親などは「死刑がなくなったら凶悪犯罪が増えて大変でしょ」とばっさりで、まったく物事に対して想像力が働いていないのだからイヤになる。ま、この世代はしょうがないかなと思っていたので話をする気にもなれないのだが、実は意外にも自分の大学の後輩からも死刑はあってしかるべきという言葉を聞き、びっくりしてしまった事がある。もうだいぶ前だが。某カソリックの国に子供の頃に住んでいたというのに、その彼女は死刑は絶対にあるべきだと言い、私は彼女をみる目がすっかり変わってしまった。今や死刑がある国はEUに加盟できないはずだよね。

ま、それはともかく…ヨーロッパの友人からは日本みたいに(表面上は)礼儀正しく親切な国民性を誇る国で、今だにデス・ペナルティがあると言うとびっくりされてしまう。でも、そういう私も実はちゃんとした本を読むのは初めて。死刑についても「ヨーロッパの友人に知られるのが恥ずかしい」という理由から反対しているにすぎなかったと深く反省しております。

この本は刑務官の日常を書いたにすぎない。死刑に対して反対でも賛成も投げかけていない本である。知ってほしい事実をえんえんと話しているだけにすぎない。明らかにえん罪で死刑になる(と思われる)人がいる一方、本当に反省の色もまったくなく、本当に極悪の最低の態度の死刑囚もいるのだそうだ。

この本を読んで何を感じるかは自由だが、税金を払って人の命をうばうというシステム自体の「無理」をしっかり知っておく必要があると思う。それにしても、今さらながら、このように自分たちの税金がどういう風に使われているのかという事について、自分のあまりの無知ぶりに唖然としてしまう。