「今まではパフォーマンス、演奏についての話だ。セッションとなるとまた別の話になる。僕はときどきセッションに参加する。その理由はセッション自体が嫌いにならないようにという自分に対する警告と、人々が僕を一晩中演奏させようと期待する事を嫌いにならないようにという理由からさ(笑)」
「シカゴに住んで時は自分でセッションをオーガナイズもしていた。そして僕はセッションが特別に良い音楽を作り出そうという場では必ずしもないことを学んだ。いろんなレベルにあわせてセッションをするわけだが、実は一番下手な人にあわせることが一番楽しいことを発見した。人々をまとめて彼らの音楽に対する感情のコンセプトへと近づこうと試みるが、そこではあえて高い音楽経験値を得ようとはしないように気をつける必要がある。ときたまそういう高いレベルに達することもあるが、一晩でたった5分しかそこに到達しない事がほとんどだ」
「シカゴに住んで時は自分でセッションをオーガナイズもしていた。そして僕はセッションが特別に良い音楽を作り出そうという場では必ずしもないことを学んだ。いろんなレベルにあわせてセッションをするわけだが、実は一番下手な人にあわせることが一番楽しいことを発見した。人々をまとめて彼らの音楽に対する感情のコンセプトへと近づこうと試みるが、そこではあえて高い音楽経験値を得ようとはしないように気をつける必要がある。ときたまそういう高いレベルに達することもあるが、一晩でたった5分しかそこに到達しない事がほとんどだ」
「まだ10代の頃、一人で家へ続く道を歩いていた。家畜の数を数えた帰り道だった。僕は地元の音楽のことを考えた。そして未来においては、誰もこの音楽を聴きたくなくなるかもしれないな、と考えた」
「誰も聴かない…と僕は思った。例えばジョー・バーンのことを将来に渡って聞きたいと思うだろうか? ホイッスルを演奏するときにノイズがたくさん起きるから? 悪い音色が多く発生するから? イントネーションが良くない? だいたい曲だって間違って演奏しているじゃないか、と」
「しかしこれらは演奏家の音楽への強い気持ちを反映しているものなのだ。音楽のどんな表現においても、それが持つメッセージは実は時々芸術という輸送手段(テクニック)よりも意味深いものだ。彼らは彼の内側にある強い憧れや思いを、その土地特有の音楽で表しているのだ。それはどんな成熟したミュージシャンであっても、なかなか達成できないものだ。この音楽は広く受け入れられないかもしれない、それはこれがローカルで…というか…ほとんどとても個人的で、地元特有のもので、彼らの外側は、あまりにも洗練されていないからだ。マーティン・ロックフォードや、ジョー・バーン、ビル・マレイ、ジュニア・クリハン、ボビー・ケイシーらはしかしながら、僕にとってはものすごく重要なのだ。僕はたとえばマーティン・ロックフォードが実際の演奏をする時よりは、チューンを僕の耳に向かって口ずさむとき、そして彼が音楽のことを語る時、本当に楽しいと感じ、彼の音楽への強い気持ちを感じることができるた」
「ジョン・ノートンは僕が子供のころよく家に遊びに来た。トミー・ポッツもそうだ。他のいろんな人びとも。いつも高揚感が感じられる瞬間があり、そしてリスナーと演奏者の間には対話があった。そして演奏者本人すらコントロールできない、ものすごい瞬間もあった。でも同時に乾いた、音楽はまぁまぁだな、みたいな長い長い時間もあった。実際、ほとんどの場合、そんな感じだった。それが実際のところ事実であり、僕はこれらの人々のそういった特別な瞬間を選んで覚えているにすぎない」
「マーティン・ロックフォードやジュニア・クリヒンを選んでよく聞いていたが、彼らをコピーしたわけではない。僕は誰のコピーもしない。でもある意味において、彼らの音楽への気持ちは僕の伝統を決定づけるものとなったし、僕は彼らの後に続き、そこへ達しようとする目標にしている。アーティストとして僕は手を伸ばして手にいれようとするもの、深く入り込むものがなければ、それは本当の芸術家の生活とは言えないと思う。伝統はそうやって、過去を模倣することなしに次のステップへと前進する」
「僕の音楽についての話は、僕が音楽家としている位置に反映されているわけではないと思う。僕は自分が演奏者じゃなかったとしても、これらのことを信じてきたと思うし、これらは僕が切望する事なのだ。そこには僕がほとんどの場合において達成できない事もたくさんあるし、いくつかのことはたぶん一生かかっても達成しえないだろう。でも気持ちをこめて演奏するという最初の教示は、僕にとって今でも僕が知る限りもっとも意味のある教えなんだよ」
「父が良く言った。“この音楽は伝統がない…” “この音楽はこうだ” これらはとても素朴な表現だと思うけれど、それを言う時、彼は間違いなく正しかった。彼にとっては、伝統は伝統の様式で演奏される音楽ということではなく、気持ちや感情がそこにあるのか、という事だった。気持ちがないかぎり、それは伝統音楽とはとても呼べないのものなのだ」
<マーティン・ヘイズ&デニス・カヒル来日公演>
11/3(土)トッパンホール with 田辺冽山 当日券あり! 18:30開演
11/5(月)小諸高原美術館 白鳥映雪館 18:30開演
11/6(火)名古屋 秀葉院 当日券あり! 19:00開演
11/8(木)京都 永運院 当日券あり! 19:00開演
11/10(土)松江 洞光寺 18:30開演
小諸、松江公演の当日券についてはお問い合わせください。
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