Eテレ「ニッポンのジレンマ」を観ました

実は最初は観る予定はなくなんとなく見出して結局最後まで観てしまった、という感じ。しかもあまり真剣に観ていた訳ではない。でも最後の方で安藤ミッフィーさんが言った「恐怖を超える情熱」という言葉はすごく心に残ったので、それをネタにブログを書いてみようと思う。

みんな不安なんだな、とまずは番組を観ていた思った。今の時代は情報がたくさんあるだけに不安なのだ。情報過多な現在の状況の中、なるべく近道を行こうとみんな頭が良くなりすぎているのも事実だと思う。日本人の勤勉で真面目な性格が悪い方向に出ちゃったのかもね。しかも有能な若者ほどよく悩む! しかし論者たちの熱弁とは別にオーディエンス側からは「それは成功したあなただから言えるんでしょ、いったい俺ラはどうしたらいいの?」ってな空気も見えたわけで、そのヘンが辛かったかなー。

でも私も自分のやりたい仕事を手にいれているラッキーfewだからこそ、私にもこのジレンマが分かる。だから、そんなことより「みんな、目の前の自分の役割をちゃんとやろうよ」それが私から若い皆さんへのメッセージだ。

私も46歳(もうすぐ47歳)だが、おかげ様で、自分のしたい仕事に出会い、これ以上の人生はきっとあり得ないだろうというくらい、今の状況を楽しんでいる。もちろんそれによって失ったことも多いだろう。例えば子供とか、例えばペットとか… でもそれらは私の価値観においては、今、手にしている事から比べたら,比較にならないくだらない事なのだ。本当に私は自営業が向いていたんだね。まさか自分でもこういう道が歩めるとは夢にも思わなかったんだけど。

実は私が独立したときは、自分で独立しようと思ってしたわけではない。当時、友だちの会社で事業部組織を与えられ、かなり利益も出していたのだが、その人から他の社員の手前もあるから辞めてくれ、と会社を追い出されたのだ。すでに事業部時代でしっかり利益も出ていたし、なんとかなるだろうとは思っていたが、まったく恐怖がなかったと言えば嘘になる。もっとも、その時在籍していた会社はPR会社だったのだが、自分が共感しない音楽ほど予算が高く(つまりバカな音楽ほどレコード会社がお金を出して宣伝しようという体制になるのだ。世の中の仕組み上、これは仕方ない…)、自分の好きでもないものを宣伝するということに耐えられなくなっていたのも事実だった。それにレコード会社の下請けみたいな会社の立場にも大きな疑問を感じていた。安定か、自分の好きな音楽かの選択をせまられ、私は好きな音楽の道を選んだ。今でも追い出してくれた社長にはほんとに感謝している。そして大尊敬するプランクトンの川島社長の「好きなアーティストについていけば絶対に大丈夫」という応援の言葉も。

私も若い頃は「本当の仕事ってこんなんじゃないはずだ」「私は将来どうなっちゃうんだろうか」とか常日頃から悩むタイプだった。でもだからこそ! だからこそ、今、これだけ充実した日々がおくれているのだと思う。「今の現状が最高に幸せ」と思えるようになってから、たぶん10年以上はたっていると思うが、20代、30代の前半の悩みは相当なものだった。特にメーカー時代は心ない親父の言葉に深く傷ついたりもした。「あんまり頑張らない方がいいよ」と、その親父は言った。今じゃその親父たちは業界から消えた。私はこうして自分の好きな音楽で生き残っている。そこで分かった事は、悩んだ人は絶対に自信を手にいれられると言う事だ。私の経験から、そして最近の若い人の成長ぶりを見た経験からはっきり言うと、真面目な奴ほど悩むし、前進しているかどうかは自分では分からない。でも、のらりくらりと問題意識もなく毎日を生きている人と、真面目に悩む人の差がでなくてなんとしよう?だ。大丈夫。真面目に悩む人はきっと自信を手にいれられる。

ただ言える事は現状の不満を人のせいにしていてはだめだ。実際、ネットを観ていてもTVをつけても、どこの誰だか知らないが文句ばっかり言う奴ばかりで「だったらお前がやってみろ」と突っ込みをいれたくなるような人たちばかりだ。それを当たり前のことと思ってはいけない。人はちゃんと評価しているし、自分が思うより自分のことを見てていてくれるものだ。そして頭の良い奴なら気づくだろう。自分が結果にコミットできないことについて文句を言うのは格好悪い、と。常に覚えていて欲しいのは「不満=行動しない人の意見」だということ。偉そうに意見を言う奴ほど、実は行動していない、ということ。

安藤さんが言っていた「辞めるのが怖い」「不安だ」と言っている人はまだ自立する時期じゃないのだ、という事については、すごーく良く理解できる。とはいえ、私はフリーランスや起業をむやみやたらに薦めたくはない。やはり組織の中でこそ活躍するタイプの方が日本人には多いと思う。実際、会社を辞め、フリーになろうとして自滅した人は何人も知っている。情熱だけ先走り、まったく行動がともなってない人もいる。フリーランスとかいいながら、音楽業界にはバイトしながらも音楽の仕事を続けている人も多い。でも組織や人のやっている事に文句を言うなら、自分で責任を取ってみろ、そういう事なんだよね。結局のところ最終的に試されるのは自分の行動と実績なのだ。だから不安に思っている時間があるなら、とにかく身体を動かして仕事をしなさい。世の中にはいい仕事がたくさんある。目の前のことをしっかりやっていれば、答えは絶対に見えてくる。

…とここまで書いて、最近はブラック企業というのもあるみたいだから、それは気をつけた方がいい。意味もなく長時間働いていてる若者が多いね。誰についていけば良いのか、誰の言う事を聞くべきか、そして自分が何をすべきか、それは頭のいいキミなら絶対に分かるはず!

というわけで、皆さんも自分の周りだけでも明るく前向きな社会になるようがんばりましょう。若者頑張れ!! 君たちの未来は明るい!