bar clear all


2013年5月1日水曜日

都市楽師プロジェクト、鷲野宏さんインタビュー「科学博物館編 3」



確かに1Fの正面扉が開いたらすごかったかも!?
W:都市楽師プロジェクトも建築空間とどう対応するか、って事なんですよ。空間を魅せるために、コンサートを作ったり、インスタレーション だったり、アート・イベント という位置付けでやってきたので、あくまで「空間と」という感覚だったんですけど、今回ティラノサウルスってのが出て来た時に、これも… まぁ、空間を構成するものではある、と。それは思ったんですけど、でも建築ではない。これは人工物ではない。何せ6,600万年前っていう事ですから。今の人に続 く人類が誕生して20万年、 他の人類と戦って勝って2万8千年…

MP:あぁ、鷲野さんのその話も面白かったなー 他の人類の話ー!! もう一度説明してください、すみません。

W:「他の人類」。たぶんこのヴェーセンみたいな人たちなんですけど(笑)その人たちは今は絶滅したって言われてますけど、もしかしたら遺伝子が残っているかもしれない(笑) でも身長があって脳の容積が我々の方の人類より大きかったらしいんですよ。

身体が大きい から脳の容積が大きくなるのは当然なんだけど…。とはいっても大きかったみたいなんですよ。つまり我々より頭がキレたはず。そう いう人類がいたらしいんですが、実は彼らは集団行動をするのが苦手だった。

団体行動の雰囲気を作るというか… これはこっちの方が良さそう だ、と思ったときに、みんなでわーっと流行に流されて動く力とか、命令一過で「これが正しい」となると「正しくないな…」と思ってたことでもみんな「正し い」と思って動くとか。例えば正しい事を言っていた人… いや、むしろ「正しい」「正しくない」よりも…というか、より合理的なことを考えていた人がいたとしても、そのアイディアよりも、より声がデカい人、ヒエラルキーが上の人が言うとそれでみんなが流れて行く…というようことが、出来たのが我々の方の人類の方だったという…。

出来たというかそれはイコール欠点なわけなのだけど、これが僕ら人類の特徴だというわけで、実際声がでかいと100人、200人、1,000 人の人を統率 できるようになるわけですよ
ね。アイディア(の質や合理性)よりも ヒエラルキーが上の人の言う事を聞く、っていう… まるで軍隊みたい。

でも、そういう 事が出来る力によって、他の生物の狩りをしたり、頭がいいと言われる方の人類を駆逐して、今いる我々の方の人類が残った…っていう。そういう話です。それが2万8千年前と言われています。

MP:なるほどー。すごいなぁー。時間の感覚が…

W:でもたった2万8千年前!なんですよね。6,600万年前の彼らに比べたらね。ほんの最近のことなんですよ。何しろ例えば僕らが目にすることのできる世界で最古の木造建築である、法隆寺の五重の塔。あれは1,400年くらい前の建物。1,400年と2万8千年って言った時に、ティラノサウルスの生きた時代と比べると、そこまでは差がない。たった20回分という期間ではあるんですよ(←こいうのをいちいち考えるのが鷲野さんらしい)。

MP:うーん、確かにこれ(スーさん)と比べるとね。

W:つまり僕らが作り手の気持ちも分かるような、今の東京スカイツリーにも通じるような五重の塔というデザイン、そんな風に目に見えるものを見る年月と、恐竜の時代を比較すると、これは、もうものすごい昔の事だ、と!

想像もできないし…。そういえば恐竜は実は毛がはえてたかもしれない、って説がこのところ多くなってますし… だいたい僕らの子供のころは恐竜は毛がはえてないのが定説だったのに、このうん10年で今じゃほぼ毛がはえてるってことになっている。いろんな説が出てますけどね、結局のところ分かんない!という(笑)誰にも分からない!(←とか言いながら、嬉しそうな鷲野さん) 

そういう想像でしかないようなものが、一方では骨がほとんどそろっていて、それを我々が見ることができるって、これは時間と対峙するという…考え方ですよね。そこで「時と遊ぶ」っ てのがぱっと出て来たんです。

ヴェーセンのあのニッケルハルパって楽器が、不思議な楽器で、鍵盤なんだけど、弦を引いていく…という。これが 古いものだということ。そしてスウェーデン特有の楽器という話ですよね。中世のヨーロッパで流行ったハーディガーディって楽器もグルグルと楽器を回しながら 弦をすって音を出すという同じようなメカニズムを持っているのに、ハーディガーディはヨーロッパでワーッて流行って、またワーッとすたれていくわけですけど、それでも世界である程度流行ったわけですよね? ニッケルハルパは流行らなかった。それでも今、残っていて、今でも音が体験できる…という。もちろん時間軸は違いますけど、いろんな物が生まれては消えて行く…極地的に居る、居ない… 

そういう時間軸や空間軸、そういう事を感じるという意味では、ティ ラノサウルスレックスがこのシリーズの一番最初にあるということはインパクトとしては、おもしろいということで、「万物は流転す」というテー マで貫こうということになった訳です。


<参考リンク集>

  


おすすめレストラン/焼肉「鴬谷園」 都内焼肉の最高峰のひとつ

ティラノのスーさんも6,600万年前に、今日の東京みたいな空を眺めていたのだろうか… 

ギターのローゲルが姪っ子の洗礼式のために書いた曲。その後、ダーヴィッシュがカバーしたのでアイリッシュファンにもおなじみですね。



ヴェーセンのコンサート情報はこちら