ヴェーセン終わってホッとしている。昨年11月からノンストップで主催公演、連ちゃんノンストップの7ケ月。主催公演は終わったとはいえ、来月もプランクトンさんの手伝いでラウーの来日、そして無印良品さんの手伝いもある。忙しいが、仕事があるのはありがたい。だが、やっぱり忙しい。少しゆっくり自分なりに反省会などしてみたいと思っているところなのだが…
それにしてもヴェーセンが始めて日本に来た時、まさか7回もツアーが出来るとは夢にも思わなかった。初来日は2004年。あの公演はホントに無理をしてやった。南青山マンダラ、そして松阪でのすきやきなど思い出は多い。いろんなツアーをやった。いろんな街に行った。来年はそこから10年目になる。時間の流れるのはホントに早い。大変な時期もあったけど、続けられてホントに良かったと思っている。
ヴェーセンとツアーするのは他のアーティストと比べるとホントに楽だ。時間が守られたり秩序が守られたりするのは当然のことで、集合時間などは15分前に全員が集合してしまうくらい。こういうのに慣れちゃうと…(以下自粛)。それでもツアーは生き物で、ホントにいろいろあったりするけど、彼らは物事をはっきりと言ってくるし、さらにツアーを良くする事について妥協はない。そこがはっきりしている私には非常にやりやすい。まぁウマがあうってこういう事なのかなーといつも思っている。
彼らってホントにかっこいいんだよね。なんか低レベルの事の問題がない。あったとしても、ちゃんと解決しようとなんらかの努力を具体的にほどこす。ぐちゃぐちゃ言ったり、問題を放置したりはしない。ダメなものはダメだけど、今の状況下だって良くできることは幾らでもある。そこがすごくクールだと思う。
時間厳守とか時間に早めに集合するのもギリギリであわてて来たりするのはカッコ悪いと彼らは思っているからだと思う。最初にスカンジナビアの人と仕事をする際に言われたアドバイス(誰からだったかは忘れた)に「彼らは時間に正確で、遅れて行ったとしても怒らず優しいけど、心の中では“まぁ、俺なら15分早く起きるけどね”くらい思っているから気をつけろ」と(笑)
あとアーティストによくありがちなのだが、こちらが良くしてあげると、甘えが出てくる。まぁ人間、誰しもそうかもしれないけど、ツアーとなると四六時中一緒だから、余計に大変だ。そして最後にスブズブになっちゃったりする。甘えるのもいい加減にしろよ、と言いたくなる。でも、そういう甘えがヴェーセンには一切ない。甘えが出ないのはウチのアーティストでも珍しく、せいぜいヴェーセン、そしてスヴェングくらいじゃないだろうか。
ヴェーセンってホントにクールだと思う。そして、やっぱり人間はかっこよくないと行けないと激しく思う自分なのであった。
今回、東京では3つの個性ある会場でコンサートを行ったわけだけど、そこでお世話になった都市楽師プロジェクトの鷲野さんとも最後の打ち上げで、話があっちゃってーあっちゃってー盛り上がっちゃったわけだけど(笑)、代官山がかっこいいのは、ある意味「やせ我慢」もあるからだ、と。こういうかっこいい代官山を維持するのはホントに大変だと思う。でも、みんな土地面積最大有効ということで動いてないところがホントに素晴らしいんだよね。あそこはもう商業エリアで建てようと思えば高いビルも建てられる。でもそれはやらない。そこがクールなのだ、と。
英語でヴェーセンの連中に説明するのに「ストイシズム」と言ったんだけど、彼らも理解したようだった。大変なんだよ、ホントはね。みんな大変だと思う。でもクールでいたい、と思う。そこなんだよね。
でもいいのは自分がそうやって努力して頑張っていれば、同じようにストイックでクールな人が集まってくる、ということ。そこも、ますますかっこいい。ますますクール。人間やっぱりこうでなくっちゃいけない、と思ったんだわ…
今回もいろんな方にお世話になった。鷲野さんのことは、結構いろいろご紹介してきたので、それ以外のところで… もちろんここに書いてなくてもあちこちに感謝,感謝の嵐なんですが(笑)数人ご紹介したい人がいます。
まずは名古屋の今井日出男さん。今井さんがいるから名古屋の公演はチケット代4,000円で実行できる。なにせ東京や関西は6,000円ですからね。そもそも常識的に考えてツアーにおいては人が集まらない地方公演はやらない方が金銭的には全然楽なのだ。申し訳ないけど、地方にはウチがやっているような音楽を聴いている人は少ない。だからお客さんが集まらない。地方都市は日程から自然とカットされていく。そしてその結果、東京と地方の文化の差はどんどんどんどん開いて行く。これは何もコンサートだけに限ったことじゃないと思う。
今回の名古屋公演でヴェーセンが自分の力で集めたお客さんはだいたい全来場者数の1/4だと思う。あとは今井さんがお友達や音楽仲間に声をかけたりして集めてくれたのだ。ホントにホントに感謝している。
過去にはヴェーセンのCDまで出した人もいる名古屋だが(笑)、その人も今井さんが連絡してみたら仕事が忙しくて来れないとか言うことだったそうだ。そうなんだよねー。まぁでもそういう人は…責められないよね。でも私は会場に来てくれた人全員が、その人以上の困難を抱えていないとはとても思えないんだよね。みんな大変な苦労で集まってくれる。みんなそうやって毎回毎回集まるのが大変になってくる。どんどん状況は大変になってくる。でも今井さんはそんな名古屋の救世主だ! 今井さんみたいな人がいると、私も安心してアーティストをつれて名古屋にいける。本当にありがとう、今井さん。またやりましょう!
そして今井さんみたいな人が何人か地方都市にあらわれてくれれば、もっといろいろ実行できるのにな、っていつも思う。今回もツアー宣伝のためにツイートしてたら「沖縄へ是非!」とか「今度は厳島神社で!」とか言ってくる人たちが出現する。それはそれでとても有り難いと思う。でも出来れば、今の時代では「〜して下さい」ってだけじゃ物事は進まないんだ、という事を分ってもらえたらといいな、と思う。「私が友達100人集めるので、ぜひ」とか、せめて「私は〜〜が出来ます、あなたには〜〜が出来ませんか」そういうレベルの会話。お客さんにそれを求めるのは無理だって? そんな事ないよ。私はお客さんと自分の能力はそれほど変わらないと思っている。実際今井さんも、小諸で毎年私のアーティストを呼んでくださるO本さんも、音楽の仕事なんか一つもしていない。でもそこからすべてが始まっている。
ぜひ! 皆さん地方都市からの声をお待ちしています! そしたらウチのミュージシャンがそこへ行くこともできる。もしくはそれがきっかけで新たな来日が決まることもあるかもしれない。そんな風に世の中が回って行くといいなと思っているんです。
そういえば某フィンランドのアーティストをやるとき、北海道在住のある方が、札幌の主催者にたいして「ウチの協会でチケットを●枚、買います。だから〜を札幌に呼んでください」と私にも聴こえるように言ってくれたのはホントにクールだと思った。めっちゃクールだよ。世の中にはスウェーデン協会とか、なんとかスウェーデン会みたいなのものも多いが、だいたいは招待券をねだられるくらいで(笑)具体的にそんな風に手伝ってくれるところはホントにどこにもない。
まぁ、でも別にいいんですよ。普通に生きていても。でも、なんかこう「クールに」生きる、実際に行動する人たちが集まれば、世の中が少しでも動くのにな、と私は思ったりするわけです。
いみじくも鷲野さんが打ち上げで言ってましたが(すみません、バラします/笑)「作り手が多くなればいいと思う。僕はせめて自分が消費する分は作りたいと思う」みたいなことを言ってらして(すみません、酔っぱらってたので間違ってたらすみません)、もう超共感!!と思ったのでした。
ちょうどヴェーセン見送って、iPadで読み始めた津田大介さんのメルマガにも「変えよう」と思う人が一定以上現れば世の中は動くんです」と書いてあって、ちょっと涙出た。世の中、そうやって動かさねばいけない。うん。
加えて、最近気に入っているグノーシーが拾って来たニュースでこんなのものあり。ものすごくするどい指摘。こういうのにも何だか勇気をもらう。そう、何か言っているだけじゃダメなんだ。自分の出来ることは何かを考えないと。高校生にだって出来ることはある。ましてやちゃんとした社会人なら、もっと。
そしてさらに今回のツアー中のクールな人々。畔柳ユキさん。ユキさんは今回条件が非常に難しい求道会館での撮影に足を運んでくれた。そして終演後、私がミュージシャンを乗せるタクシーを拾おうとして、ユキさんと一緒に外に出たら、たまたまウーロフとミッケが自販機で飲み物を買っていたのだけど、そこに声をかけて「ホントにかっこいいコンサートだった」と言ってくれたのだった。その感じが無理がなくて、さりげなくて、ホントにかっこいいよー ユキさん!と思ったのだった。そしてその日の夜のうちに写真を送ってくれて、自分のブログにまであげて翌日の公演の宣伝もしてくれた。感謝だよー。感謝(涙)忙しい人ほど早いよね!! 仕事が! そして忙しい人ほどクールだ。
偉い人ほど自分の立場を分っている。正直カメラマンさん一人一人、そして即売や受付のスタッフ一人一人ミュージシャンに紹介して世間話させる時間は現場には存在しない。が、そんな中、立場をわきまえ、かっこよくクールに仕事するユキさんはホントにかっこいい。ウチの受付/即売周りのスタッフもみんなホントにかっこいいと思うわ、ホント。
関係者とか言って、よく楽屋裏で「自分が〜に会った時はどーだ、こーだ」とか話しだしちゃう人とか、そこまで行かなくても自分の知っていることを確認タイム(笑)を始めてしまう人とか、なんと多いことか! 先日ネットでセミナーなどの「質疑応答」タイムで自分のことを話してしまう人対策、みたいな話題が盛り上がっていたのが、それ程まではないにしても、まさにそれ! なんのためにコンサートの呼んでいるのか、まったく分らんよ。ミュージシャンを励ますためにウチらは存在しているはずなのに。そしてコンサートに来てくれるジャーナリストは多いが、ユキさんみたいにその日のうちにブログにあげて翌日の告知したりしてくれる人の、なんと少ない事か…っていうか皆無じゃないかしら、実際。だから音楽業界だめなんだよ、とホントに思う。これもユキさんが自分でラモーンズのファンクラブやったり、レーベルやったり自分で作ってる人だからだね。作っている人は、分るんだね。分るんだよ。すごいよ。
それから代官山ヒルサイドテラスのオーナー、朝倉健吾さん。日本の建築界を育ててきた、大変な重鎮ですよ。ものすごい人なのだけど、今回は公演前の代官山散策ツアーに一緒に来てくれて、私たちに旧朝倉邸を案内してくださった。ホントにフレンドリーというか、これが、これが、これが本当の代官山なのか!と私は始めて認識したのでした。朝倉さんはコンサートにも来てくれて、かつウチのスタッフが知らないうちにCDを朝倉さんに売ってしまったのだけど…ホントはバンドでサインしてプレゼントしなくちゃと思ってたのに…なんかなんかなんかスマートに、スッと買ってらした、とスタッフから聞いて、ホントにクールだと思った。やっぱり偉い人ほどクールなんだよ。ホントに偉い人は偉ぶらないし、招待券をねだったりとか、そういうことは一切言わないんだよ。代官山ヒルサイドテラス。もちろん建築家、槇文彦さんのデザインは素晴らしいが、やはり心の広いクールな施主がいての事なんだと思う。
そして…今回もお世話になったのがカメラマンの藤岡直樹さん。今回もバンドのポートレート撮影ということで、18日代官山公演の前にバンドをつれて藤岡さんのスタジオにお邪魔することになっていたのだけが、バンドが「自転車のツアーをまた夏にやるから、それ用の写真がほしい」と言い出し、こんな急に無理だよ!と思ったのにも関わらず、藤岡さんは一言も「無理」とは言わず、自転車屋さんと交渉してくださった他、前日場所のロケハンまでしてくださって、ホントにホントにすごいと思った。ここでも忙しい人ほど仕事が丁寧! そして…偉い人ほどすごく親切なんだということを実感する。泣ける!!
でも藤岡さんがウチのミュージシャンのことを気に入ってくれるのってなんとなく何故か分るんだ。ちょっと前の藤岡さんのブログ(このページからNOTEに行くと読めます)には「この仕事は続けていると毒がまわる」みたいな事が書かれていたが、なんか分るんだ。だから何もないけど音楽愛だけは人一倍あるウチみたいな現場に来て撮影したい、って思ってくださるんだと思う。それが、ホントに有り難くて、有り難くて、涙が出る。
というわけで、すみません、藤岡さん、書いちゃいました、ブログに(笑)。その藤岡さんですが、今、西麻布のエモン・フォトギャラリーで、6月頭まで写真展をやっています。ぜひ! 私も行きます。下の写真は藤岡さんからいただいた写真展の案内ハガキです。
ってなわけで、私はそんなクールな人々の足下にも及ばないが、自分も少しでもそのレベルに近づきたい、と思ったのでした。いろいろ考えたよ、ホント。今回のツアーも。
毎日毎日が修行だし勉強ですな。でもいい音楽やってると、こうやってクールな人たちが助けてくれる。それがこの仕事の醍醐味だと思う。ウチの音楽みたいにいい音楽をやってなかったら、たぶん私はこのレベルの人たちには出会えなかったのだと思う。そう思うとヴェーセンにホントに感謝。
そして、ここまで書いたら、すべて忘れて、次へ行く(笑) 後ろはもう振り返らない。
それにしてもヴェーセンが始めて日本に来た時、まさか7回もツアーが出来るとは夢にも思わなかった。初来日は2004年。あの公演はホントに無理をしてやった。南青山マンダラ、そして松阪でのすきやきなど思い出は多い。いろんなツアーをやった。いろんな街に行った。来年はそこから10年目になる。時間の流れるのはホントに早い。大変な時期もあったけど、続けられてホントに良かったと思っている。
ヴェーセンとツアーするのは他のアーティストと比べるとホントに楽だ。時間が守られたり秩序が守られたりするのは当然のことで、集合時間などは15分前に全員が集合してしまうくらい。こういうのに慣れちゃうと…(以下自粛)。それでもツアーは生き物で、ホントにいろいろあったりするけど、彼らは物事をはっきりと言ってくるし、さらにツアーを良くする事について妥協はない。そこがはっきりしている私には非常にやりやすい。まぁウマがあうってこういう事なのかなーといつも思っている。
彼らってホントにかっこいいんだよね。なんか低レベルの事の問題がない。あったとしても、ちゃんと解決しようとなんらかの努力を具体的にほどこす。ぐちゃぐちゃ言ったり、問題を放置したりはしない。ダメなものはダメだけど、今の状況下だって良くできることは幾らでもある。そこがすごくクールだと思う。
時間厳守とか時間に早めに集合するのもギリギリであわてて来たりするのはカッコ悪いと彼らは思っているからだと思う。最初にスカンジナビアの人と仕事をする際に言われたアドバイス(誰からだったかは忘れた)に「彼らは時間に正確で、遅れて行ったとしても怒らず優しいけど、心の中では“まぁ、俺なら15分早く起きるけどね”くらい思っているから気をつけろ」と(笑)
あとアーティストによくありがちなのだが、こちらが良くしてあげると、甘えが出てくる。まぁ人間、誰しもそうかもしれないけど、ツアーとなると四六時中一緒だから、余計に大変だ。そして最後にスブズブになっちゃったりする。甘えるのもいい加減にしろよ、と言いたくなる。でも、そういう甘えがヴェーセンには一切ない。甘えが出ないのはウチのアーティストでも珍しく、せいぜいヴェーセン、そしてスヴェングくらいじゃないだろうか。
ヴェーセンってホントにクールだと思う。そして、やっぱり人間はかっこよくないと行けないと激しく思う自分なのであった。
今回、東京では3つの個性ある会場でコンサートを行ったわけだけど、そこでお世話になった都市楽師プロジェクトの鷲野さんとも最後の打ち上げで、話があっちゃってーあっちゃってー盛り上がっちゃったわけだけど(笑)、代官山がかっこいいのは、ある意味「やせ我慢」もあるからだ、と。こういうかっこいい代官山を維持するのはホントに大変だと思う。でも、みんな土地面積最大有効ということで動いてないところがホントに素晴らしいんだよね。あそこはもう商業エリアで建てようと思えば高いビルも建てられる。でもそれはやらない。そこがクールなのだ、と。
英語でヴェーセンの連中に説明するのに「ストイシズム」と言ったんだけど、彼らも理解したようだった。大変なんだよ、ホントはね。みんな大変だと思う。でもクールでいたい、と思う。そこなんだよね。
でもいいのは自分がそうやって努力して頑張っていれば、同じようにストイックでクールな人が集まってくる、ということ。そこも、ますますかっこいい。ますますクール。人間やっぱりこうでなくっちゃいけない、と思ったんだわ…
今回もいろんな方にお世話になった。鷲野さんのことは、結構いろいろご紹介してきたので、それ以外のところで… もちろんここに書いてなくてもあちこちに感謝,感謝の嵐なんですが(笑)数人ご紹介したい人がいます。
まずは名古屋の今井日出男さん。今井さんがいるから名古屋の公演はチケット代4,000円で実行できる。なにせ東京や関西は6,000円ですからね。そもそも常識的に考えてツアーにおいては人が集まらない地方公演はやらない方が金銭的には全然楽なのだ。申し訳ないけど、地方にはウチがやっているような音楽を聴いている人は少ない。だからお客さんが集まらない。地方都市は日程から自然とカットされていく。そしてその結果、東京と地方の文化の差はどんどんどんどん開いて行く。これは何もコンサートだけに限ったことじゃないと思う。
今回の名古屋公演でヴェーセンが自分の力で集めたお客さんはだいたい全来場者数の1/4だと思う。あとは今井さんがお友達や音楽仲間に声をかけたりして集めてくれたのだ。ホントにホントに感謝している。
過去にはヴェーセンのCDまで出した人もいる名古屋だが(笑)、その人も今井さんが連絡してみたら仕事が忙しくて来れないとか言うことだったそうだ。そうなんだよねー。まぁでもそういう人は…責められないよね。でも私は会場に来てくれた人全員が、その人以上の困難を抱えていないとはとても思えないんだよね。みんな大変な苦労で集まってくれる。みんなそうやって毎回毎回集まるのが大変になってくる。どんどん状況は大変になってくる。でも今井さんはそんな名古屋の救世主だ! 今井さんみたいな人がいると、私も安心してアーティストをつれて名古屋にいける。本当にありがとう、今井さん。またやりましょう!
そして今井さんみたいな人が何人か地方都市にあらわれてくれれば、もっといろいろ実行できるのにな、っていつも思う。今回もツアー宣伝のためにツイートしてたら「沖縄へ是非!」とか「今度は厳島神社で!」とか言ってくる人たちが出現する。それはそれでとても有り難いと思う。でも出来れば、今の時代では「〜して下さい」ってだけじゃ物事は進まないんだ、という事を分ってもらえたらといいな、と思う。「私が友達100人集めるので、ぜひ」とか、せめて「私は〜〜が出来ます、あなたには〜〜が出来ませんか」そういうレベルの会話。お客さんにそれを求めるのは無理だって? そんな事ないよ。私はお客さんと自分の能力はそれほど変わらないと思っている。実際今井さんも、小諸で毎年私のアーティストを呼んでくださるO本さんも、音楽の仕事なんか一つもしていない。でもそこからすべてが始まっている。
ぜひ! 皆さん地方都市からの声をお待ちしています! そしたらウチのミュージシャンがそこへ行くこともできる。もしくはそれがきっかけで新たな来日が決まることもあるかもしれない。そんな風に世の中が回って行くといいなと思っているんです。
そういえば某フィンランドのアーティストをやるとき、北海道在住のある方が、札幌の主催者にたいして「ウチの協会でチケットを●枚、買います。だから〜を札幌に呼んでください」と私にも聴こえるように言ってくれたのはホントにクールだと思った。めっちゃクールだよ。世の中にはスウェーデン協会とか、なんとかスウェーデン会みたいなのものも多いが、だいたいは招待券をねだられるくらいで(笑)具体的にそんな風に手伝ってくれるところはホントにどこにもない。
まぁ、でも別にいいんですよ。普通に生きていても。でも、なんかこう「クールに」生きる、実際に行動する人たちが集まれば、世の中が少しでも動くのにな、と私は思ったりするわけです。
いみじくも鷲野さんが打ち上げで言ってましたが(すみません、バラします/笑)「作り手が多くなればいいと思う。僕はせめて自分が消費する分は作りたいと思う」みたいなことを言ってらして(すみません、酔っぱらってたので間違ってたらすみません)、もう超共感!!と思ったのでした。
ちょうどヴェーセン見送って、iPadで読み始めた津田大介さんのメルマガにも「変えよう」と思う人が一定以上現れば世の中は動くんです」と書いてあって、ちょっと涙出た。世の中、そうやって動かさねばいけない。うん。
加えて、最近気に入っているグノーシーが拾って来たニュースでこんなのものあり。ものすごくするどい指摘。こういうのにも何だか勇気をもらう。そう、何か言っているだけじゃダメなんだ。自分の出来ることは何かを考えないと。高校生にだって出来ることはある。ましてやちゃんとした社会人なら、もっと。
そしてさらに今回のツアー中のクールな人々。畔柳ユキさん。ユキさんは今回条件が非常に難しい求道会館での撮影に足を運んでくれた。そして終演後、私がミュージシャンを乗せるタクシーを拾おうとして、ユキさんと一緒に外に出たら、たまたまウーロフとミッケが自販機で飲み物を買っていたのだけど、そこに声をかけて「ホントにかっこいいコンサートだった」と言ってくれたのだった。その感じが無理がなくて、さりげなくて、ホントにかっこいいよー ユキさん!と思ったのだった。そしてその日の夜のうちに写真を送ってくれて、自分のブログにまであげて翌日の公演の宣伝もしてくれた。感謝だよー。感謝(涙)忙しい人ほど早いよね!! 仕事が! そして忙しい人ほどクールだ。
偉い人ほど自分の立場を分っている。正直カメラマンさん一人一人、そして即売や受付のスタッフ一人一人ミュージシャンに紹介して世間話させる時間は現場には存在しない。が、そんな中、立場をわきまえ、かっこよくクールに仕事するユキさんはホントにかっこいい。ウチの受付/即売周りのスタッフもみんなホントにかっこいいと思うわ、ホント。
関係者とか言って、よく楽屋裏で「自分が〜に会った時はどーだ、こーだ」とか話しだしちゃう人とか、そこまで行かなくても自分の知っていることを確認タイム(笑)を始めてしまう人とか、なんと多いことか! 先日ネットでセミナーなどの「質疑応答」タイムで自分のことを話してしまう人対策、みたいな話題が盛り上がっていたのが、それ程まではないにしても、まさにそれ! なんのためにコンサートの呼んでいるのか、まったく分らんよ。ミュージシャンを励ますためにウチらは存在しているはずなのに。そしてコンサートに来てくれるジャーナリストは多いが、ユキさんみたいにその日のうちにブログにあげて翌日の告知したりしてくれる人の、なんと少ない事か…っていうか皆無じゃないかしら、実際。だから音楽業界だめなんだよ、とホントに思う。これもユキさんが自分でラモーンズのファンクラブやったり、レーベルやったり自分で作ってる人だからだね。作っている人は、分るんだね。分るんだよ。すごいよ。
それから代官山ヒルサイドテラスのオーナー、朝倉健吾さん。日本の建築界を育ててきた、大変な重鎮ですよ。ものすごい人なのだけど、今回は公演前の代官山散策ツアーに一緒に来てくれて、私たちに旧朝倉邸を案内してくださった。ホントにフレンドリーというか、これが、これが、これが本当の代官山なのか!と私は始めて認識したのでした。朝倉さんはコンサートにも来てくれて、かつウチのスタッフが知らないうちにCDを朝倉さんに売ってしまったのだけど…ホントはバンドでサインしてプレゼントしなくちゃと思ってたのに…なんかなんかなんかスマートに、スッと買ってらした、とスタッフから聞いて、ホントにクールだと思った。やっぱり偉い人ほどクールなんだよ。ホントに偉い人は偉ぶらないし、招待券をねだったりとか、そういうことは一切言わないんだよ。代官山ヒルサイドテラス。もちろん建築家、槇文彦さんのデザインは素晴らしいが、やはり心の広いクールな施主がいての事なんだと思う。
そして…今回もお世話になったのがカメラマンの藤岡直樹さん。今回もバンドのポートレート撮影ということで、18日代官山公演の前にバンドをつれて藤岡さんのスタジオにお邪魔することになっていたのだけが、バンドが「自転車のツアーをまた夏にやるから、それ用の写真がほしい」と言い出し、こんな急に無理だよ!と思ったのにも関わらず、藤岡さんは一言も「無理」とは言わず、自転車屋さんと交渉してくださった他、前日場所のロケハンまでしてくださって、ホントにホントにすごいと思った。ここでも忙しい人ほど仕事が丁寧! そして…偉い人ほどすごく親切なんだということを実感する。泣ける!!
でも藤岡さんがウチのミュージシャンのことを気に入ってくれるのってなんとなく何故か分るんだ。ちょっと前の藤岡さんのブログ(このページからNOTEに行くと読めます)には「この仕事は続けていると毒がまわる」みたいな事が書かれていたが、なんか分るんだ。だから何もないけど音楽愛だけは人一倍あるウチみたいな現場に来て撮影したい、って思ってくださるんだと思う。それが、ホントに有り難くて、有り難くて、涙が出る。
というわけで、すみません、藤岡さん、書いちゃいました、ブログに(笑)。その藤岡さんですが、今、西麻布のエモン・フォトギャラリーで、6月頭まで写真展をやっています。ぜひ! 私も行きます。下の写真は藤岡さんからいただいた写真展の案内ハガキです。
ってなわけで、私はそんなクールな人々の足下にも及ばないが、自分も少しでもそのレベルに近づきたい、と思ったのでした。いろいろ考えたよ、ホント。今回のツアーも。
毎日毎日が修行だし勉強ですな。でもいい音楽やってると、こうやってクールな人たちが助けてくれる。それがこの仕事の醍醐味だと思う。ウチの音楽みたいにいい音楽をやってなかったら、たぶん私はこのレベルの人たちには出会えなかったのだと思う。そう思うとヴェーセンにホントに感謝。
そして、ここまで書いたら、すべて忘れて、次へ行く(笑) 後ろはもう振り返らない。