現役キャリア官僚が書いたらしい、限りなく現実に近いらしい、でも一応フィクション、「原発ホワイトアウト」
これを読むといかに日本という国が官僚の手のひらの上で良いように転がされているかがよく分かる。
どこまでが真実かは分からないけど、河野太郎さんがブログで取り上げていたので、思わす購入した。そしてWall Street Journalまでがこの本を取り上げている。
という事は，ある程度信憑性があるのではないか、と思わずにはいられないのです。
しかしすごい本です。なんの話かというと福島での事故のあと、再び自民党政権が復活し（ちなみにすべてが仮名なので自民党とは言っていません。が、とにかくこれは間違いなく自民党と分かります）、再稼働を反対する県知事が追い込まれ（これもどこの知事だかすぐ分かります）、原発が再稼働し、次の原発が爆発するまでがリアルに書かれている。確かに帯にあるように、こんな調子じゃ、原発は間違いなくまた爆発する… それはもう必然だと思う…そう思わせる本です。
たてまえだけを繕いながら、とにかくすべては原発再稼働へと流れて行く。そして本来あってはならない規制側と規制される側の癒着。検察との癒着。また一方、原発のメンテナンスの現場でどうやって手抜き工事が行われて行くかも、非常に具体的な例が紹介されている。それは非常に納得のいく説明です。マスコミのスクープや火種をどうやって火消しするか。これがまたすごい。そして原発推進派のジャーナリストやコメンテイターをどう育てるか。これもすごい。反原発のアイコンとして選ばれた議員（これも誰だか分かりますよね）をどうやっておとしめるか。デモをどうやってコントロールして、逮捕者続出状態に持って行くか。ちなみに河野さんがモデルとおぼしき人物も登場します。４代目おぼっちゃま総理（私が言っているんじゃないんですよ、本にそう書いてあるんです）をどう上手く動かし、どのように一部の関係者だけが美味い汁をすするか。そしていったいどうやってバカな大衆をコントロールするか。とにかくすべてが非常に功名です。
この本を読むと日本はいかに官僚に食い物にされているかが分かる。
もちろんこの本にあることがすべてだと私は信じていません。ここまでひどくはないだろう、と。でもおそらく多少の誇張はあれ、60％くらいは本当の事が書いてあるだろうし、これが彼らの思考回路であることはおそらく間違いないのです。そして、それはおそらく現在も進行中なのです。
まぁ、いずれにしてもこんな地震の多い国にこれだけすごい量の原発が動いてなくても存在しているわけだから、いずれ、どこかの地域が犠牲になることでしょう。ちなみにこの本の中では、最後、原発がまた爆発するわけですが、それでも官僚どもはまったく動じず、まったく懲りていません。