「ジャン・シベリウス 交響曲でたどる生涯」を読みました

シベリウス、来年アニバーサリイヤーなんですよ。なんでいろいろ企画を練るのに勉強しなきゃ…と思いつつ、これも「積ん読」になってた本。このテの本はとっつきにくいかな、と思っていたわけだけど、読み始めたらスルスル読めちゃいました。面白かったよ。

しかしシベリウスも自分の芸術の才能と、そして生活のリアルさと間で悩んでたんだねぇ… でも奥さんが相当しっかりしてたみたいだけど…それはホント良かったよね。

たとえば教授職をオファーされて海外で楽でのんびり出来る生活を送ることも可能だったのに、それを友人の助言「君はここに留まり作曲に打ち込め」というアドバイスのもと…そして本人もそれが正しいことだと知っていたのだろう…作曲に打ち込むことにしたわけですよ。でもこういう職業は見た目ほど生活は楽ではなく、ロンドンからの入金はないのかとか、かなり家計は大変だったらしい。すごい才能を持った人は、ホントに辛い人生を歩む事になるね。アル中気味だったらしく、家族はホントに苦労したらしい。

それにしても、以前ショーン・オリアダがアル中で大変だった、という話を聞いたときに、ぐっと彼の孤独が見えて来て、彼のことをぐっと親密に感じるようになったのだけど、それと似ているかな。芸術とはかくも厳しい世界なのだ。誰も楽にハンドルできた奴なんかいない。

しかもシベリウスの時代、フィンランドは第1次世界大戦や内戦など、ホントに激動の時代だったわけだから。そもそも作曲に集中することもかなわなかっただろう。大変な時代だったのは想像できる。

これがシベリウスの「フィンランディア」。合唱付きってのがあるの、知らなかったよ…っていうか、ホント勉強不足だよね、私。