原発の“世界最高水準” 驚きの現実…日本は遅れていた


久々にTV番組でまとめておきたかったので… 原発再稼働がささやかれる中、こんな番組がありました。日本の原発ってホントに世界基準の安全なの? フィンランドからのレポートも加えてお送りします。





仙台原発が審査に合格した、という。インタビューを受けて安倍総理は日本の原発は、世界でもっとも厳しい安全基準と胸をはる。本当なのか。
フィンランド。現在最新鋭の原発の建設が進んでいます。
例のオンカロでも有名になったオルキルオト原発は首都ヘルシンキから車で3時間ほど。
映画「10万年後の安全」で有名になったオンカロはこの原発に隣接したゴミ捨て場なのです。
現在3号機が建設中。フランスのアレバ社なのが受注。EPRと呼ばれる次世代の原発。
まずドームの部分が鉄筋コンクリートで二重の構造。飛行機がぶつかっても大丈夫なような構造になっている。911のテロ以降、欧米で安全基準が強化されたんですね。この発送は日本の基準にはありません。
そしてフィルターベント。圧力を放射性物質をまき散らさないように外に逃がしてやる装置。ヨーロッパではすでに標準装備。日本では福島の事故以降,日本もやっと義務づけられるようになった。
そしてさらにメルトダウン対策として格納容器の底にコアキャッチャー。
広げて冷やす。

外に漏れだすのを防ぐということ。チェルノブイリ、スリーマイル…過酷事故が起きるたびにその教訓を活かしてきた。
メルトダウンに至る事象の始まりから12時間、格納容器保護のために人的対応に依存してはならない、という事。
一番大事なのは安全であること。重大事故が起きた場合、数時間、人の手を使わなくてもいいようにと考えています、と。

しかしそうなるとお金がかかってしょうがない。安全審査が厳しすぎる。
規制当局の容赦ない安全審査によってオルキオト3号の工事は長期化。追加措置も指摘され、予定の3倍の予算がかかっている。

安全への投資をやめれば節約にはなるが原発は存在できなくなってしまう、とアレバの役員さん。
もとGEの技師で,原子力コンサルタントの佐藤暁さん。日本の安全基準は周回遅れに遅れている。やっとヨーロッパの10年前に追いついたくらい。
規制委員会の田中委員長も言葉を濁す。「世界水準とか世界最高とかいうのは、やや政治的というか、言葉の問題で、具体的ではないんですよね」
コアキャッチャーや二重格納容器などについては、という質問に「それは設計段階からの話なので、そう簡単ではない」と。既存の施設に追加するのは難しいらしい。
本来は基準から作りなおさないといけない。ここから何をやったらいいのか。ヨーロッパ、アメリカと比べて欠けているところをあらいださないといけない。

フィンランドのあそこの地層は18億年前から動いていないという非常に強固な地層、というのを古館キャスターが指摘。

姜尚中さん「東海村の原発事故もそうだが、人がそこで莫大な被曝をおびた。人間の命というのが甘くみられている。これは生命観の問題。安倍総理は安全と自分が言う事によって自分も信じ込みたいのか。ある種の言霊の世界に追いやっているとしか思えない」


古館キャスターも「ヨーロッパもひどいのは新興国に原発を自分たちの国の安全基準とは違う装備で売りつけたり二枚舌ですよね」と指摘。

なかなか考えさせられる特集でした。