川内有緒の大ファンで「バウル」はあっという間に読み、先日出た「国連本」も楽しく読ませていただいたのに、まだ彼女のデビュー作「パリでメシを食う。」を読めてなかったので、やっと読んだ。うん、期待を裏切らない作品。さすがの文章力。とにかくすいすい読める。読んでる間、すごく楽しかったよ。
パリにたどり着いた人びと。それぞれに理由があるような無いような… でも海外に骨を埋める人というのは、やはり日本を窮屈に感じるんだろうか、と思ったよ。パリには自由があるそうだ。
私はパリは… 好きな町じゃなかった。おそらくフランスはパリもフランスの田舎もあわせて学生時代をあわせても2回くらいしか行ったことがないと思う。ベルギーは好きで5回くらい行ったし、また近く行く予定もあるが、フランスは…どうも好きじゃないんだよね。最初に行った外国がイングランドで、もう大好きになって泣く泣く帰りはパッケージツアーで仕方なくパリに行った。だからパリは印象が悪い。観光するなら楽しいだろうよ、と思ったものの、私はどうもパリが好きになれなかった。そもそも言葉が通じないし。
なんというか私はいろんな意味で英国派ですからぁ〜(笑)英国はほんとにいい。あの適当にほおっておいてくれる感じがホントにいいんだよ。英国なら自由になれる、ってのも、なんか感覚的に分るような気がする! それに比べて…
…とパリについては悪口しか出てこないので、もう黙るにして、それにしてもいろんな人生があるなぁ、とこの本を読んで思う。今日は赤ちゃんが生まれた友人宅に遊びに行き、赤ちゃんヒーリング三昧で楽しかったのだけど、新米ママがポツリと「海外に住んでみたかった」と言う。私も「そうねぇ」と返す。
うん、そうね。今思えば、若いうちに2年くらいでいいから海外暮らしを体験したかったね。でも、行くのは勇気いるよね。仕事で行くならまだしも…。よくあるのは留学して日本にアジャスト出来なくなっちゃうという最悪のパターン。それこそMBAとか取らない限り、日本にも不満をかかえ、海外で生き残ることも出来ず、どっちつかずの根無し草になっちゃうコース。そういう例は自分の周りでも死ぬほど見て来た。特に語学留学とか中途半端なことで海外に行くと、ろくな結果にならないと思う。
またこのブログでも何度か書いているとおり、以前自分が海外に住みたいなぁ、とぼんやり考えていた時期にロンドン在住の先輩が言っていた「私はこの町に絶対に残る。たとえウエイトレスしてでも」という言葉に、私の目はぱっちりと覚めたのだった。だってウエイトレスじゃいやだもの。そうして分った。どこに住むかじゃない。どうやって生きるか、だって。
が、とはいえCDがたくさん売れてTHE MUSIC PLANTがまだ余裕があった時代は、ダブリンに部屋を持つ事が出来ていた。…というとかっこいいが、単なるハウスシェアだ。でもちゃんと毎月レンタルを払っていたんだよ。1回引っ越しをしたのだけど、最初の家主はギタリスト。二人目の家主はドラマー。だからツアーが多く、だいたい私は広い家を1人で占拠し自分の東京の家よりも道具の揃ったキッチンで楽しくダブリン暮らしを満喫していた。家主の持ってるコメディのDVDなどを見てグダグダ過ごしたりして。たった数日のことなのに楽しかったなぁ。結局その部屋も今は手放してしまったのだけど、部屋を持っていた、だいたい5年間くらいの間、東京でダブリンの部屋の鍵を眺めてはニヤニヤしていた。
海外に住んでいる人たちを羨ましく思う気持ちが、今でもないわけではない。でも…今、歳くったから、ほんとに分るんだけど、人の人生なんてたいしたことないんだよね。誰のどの人生もほんとに全然たいしたことない。海外にいるからいいって事は絶対にないわけで… 有名になったからっていいことは絶対にないわけで… お金持ちになったから… 素敵な旦那が見つかったから…いいということは絶対にない。誰に取っても人生は厳しい。とはいえDon't take me wrong。それはつまり、どんな人生であっても、とってもプレシャスってこと。
まぁ、とにかく今も後悔はないよ。しっかりここに足を踏ん張って生きてきたから今があるわけだし、自分は音楽業界数少ない、好きな音楽を仕事に出来てる恵まれた人間だ。それはプラプラと海外に行かなかったからこそ出来ている事だと思う。
でも海外に行くと自分が何をすべきか明確に分ってくる、それだけは確実に言えるんじゃないかな。ちょっとこのヘンは、この前読んだ東浩紀本にも通じるんだけど。だから川内有緒はこの本のあと傑作「バウルを探して」を書き、新田次郎賞をゲットした。
まぁ、でも有緒作品で一番パンチがあるのは、やっぱりこれだな。有緒のパリ本2冊を読めば読むほど、すべてはバウルにつながっているのだ、と思う。
パリにたどり着いた人びと。それぞれに理由があるような無いような… でも海外に骨を埋める人というのは、やはり日本を窮屈に感じるんだろうか、と思ったよ。パリには自由があるそうだ。
私はパリは… 好きな町じゃなかった。おそらくフランスはパリもフランスの田舎もあわせて学生時代をあわせても2回くらいしか行ったことがないと思う。ベルギーは好きで5回くらい行ったし、また近く行く予定もあるが、フランスは…どうも好きじゃないんだよね。最初に行った外国がイングランドで、もう大好きになって泣く泣く帰りはパッケージツアーで仕方なくパリに行った。だからパリは印象が悪い。観光するなら楽しいだろうよ、と思ったものの、私はどうもパリが好きになれなかった。そもそも言葉が通じないし。
なんというか私はいろんな意味で英国派ですからぁ〜(笑)英国はほんとにいい。あの適当にほおっておいてくれる感じがホントにいいんだよ。英国なら自由になれる、ってのも、なんか感覚的に分るような気がする! それに比べて…
…とパリについては悪口しか出てこないので、もう黙るにして、それにしてもいろんな人生があるなぁ、とこの本を読んで思う。今日は赤ちゃんが生まれた友人宅に遊びに行き、赤ちゃんヒーリング三昧で楽しかったのだけど、新米ママがポツリと「海外に住んでみたかった」と言う。私も「そうねぇ」と返す。
うん、そうね。今思えば、若いうちに2年くらいでいいから海外暮らしを体験したかったね。でも、行くのは勇気いるよね。仕事で行くならまだしも…。よくあるのは留学して日本にアジャスト出来なくなっちゃうという最悪のパターン。それこそMBAとか取らない限り、日本にも不満をかかえ、海外で生き残ることも出来ず、どっちつかずの根無し草になっちゃうコース。そういう例は自分の周りでも死ぬほど見て来た。特に語学留学とか中途半端なことで海外に行くと、ろくな結果にならないと思う。
またこのブログでも何度か書いているとおり、以前自分が海外に住みたいなぁ、とぼんやり考えていた時期にロンドン在住の先輩が言っていた「私はこの町に絶対に残る。たとえウエイトレスしてでも」という言葉に、私の目はぱっちりと覚めたのだった。だってウエイトレスじゃいやだもの。そうして分った。どこに住むかじゃない。どうやって生きるか、だって。
が、とはいえCDがたくさん売れてTHE MUSIC PLANTがまだ余裕があった時代は、ダブリンに部屋を持つ事が出来ていた。…というとかっこいいが、単なるハウスシェアだ。でもちゃんと毎月レンタルを払っていたんだよ。1回引っ越しをしたのだけど、最初の家主はギタリスト。二人目の家主はドラマー。だからツアーが多く、だいたい私は広い家を1人で占拠し自分の東京の家よりも道具の揃ったキッチンで楽しくダブリン暮らしを満喫していた。家主の持ってるコメディのDVDなどを見てグダグダ過ごしたりして。たった数日のことなのに楽しかったなぁ。結局その部屋も今は手放してしまったのだけど、部屋を持っていた、だいたい5年間くらいの間、東京でダブリンの部屋の鍵を眺めてはニヤニヤしていた。
海外に住んでいる人たちを羨ましく思う気持ちが、今でもないわけではない。でも…今、歳くったから、ほんとに分るんだけど、人の人生なんてたいしたことないんだよね。誰のどの人生もほんとに全然たいしたことない。海外にいるからいいって事は絶対にないわけで… 有名になったからっていいことは絶対にないわけで… お金持ちになったから… 素敵な旦那が見つかったから…いいということは絶対にない。誰に取っても人生は厳しい。とはいえDon't take me wrong。それはつまり、どんな人生であっても、とってもプレシャスってこと。
まぁ、とにかく今も後悔はないよ。しっかりここに足を踏ん張って生きてきたから今があるわけだし、自分は音楽業界数少ない、好きな音楽を仕事に出来てる恵まれた人間だ。それはプラプラと海外に行かなかったからこそ出来ている事だと思う。
でも海外に行くと自分が何をすべきか明確に分ってくる、それだけは確実に言えるんじゃないかな。ちょっとこのヘンは、この前読んだ東浩紀本にも通じるんだけど。だから川内有緒はこの本のあと傑作「バウルを探して」を書き、新田次郎賞をゲットした。
まぁ、でも有緒作品で一番パンチがあるのは、やっぱりこれだな。有緒のパリ本2冊を読めば読むほど、すべてはバウルにつながっているのだ、と思う。