映画「セッション」観ました。なるほどね〜

観た。機内放送で観たので、ほぼ寝ぼけながら観てしまい、細部は分かってないかもだろうけど、なるほどこれは変な映画だった。ここんとこ音楽業界周りで結構あれこれ言われているので興味があった映画。私も観終わったあと気分が悪くなったので、同じく機内放送されてた「ジャージーボーイズ」観なおした。でもまたすぐ寝ちゃったけどねー。いや〜、なんというか変な映画だった。(「ジャージーボーイズは最高の映画ですよ。あのミュージカル風のエンディングが最高!)

「セッション」、なるほど映画としては面白い。話のテンポはいいし、ハラハラしながら見ることができる。時間はあっという間に立ってしまう。エピソード満載。俳優陣もそれぞれ適役。だが、ストーリーがよくない。これはパワハラ先生、バカな生徒。その悲劇を描いたものだ。確かにこんな話は音楽業界の底辺にウヨウヨあるだろう。でも音楽業界だけの話でもない。

どうも気分が悪く落とし所がないと感じるのは、登場人物の誰にも同情できないってことか。同情?   強いて言えば主人公に振られちゃう素敵な彼女。男手一つで彼を育てた優しいパパ。あんなに素敵な人たちが周りにいるのに、主人公は何にも分かってない。 つい先日、偶然にも「音楽は表現活動」ってのを書いたばかりだけど、そこにもつながる。

主人公は自分のアイデンティティーを語る上で、過去の名アルバムや、学校での立ち位置が必要だ。スパルタ先生も、自分の判断に命がかかっている可哀想な生徒たちを執拗にいじめることで自分は偉いと確認する。外の何かに自分のアイデンティティーを頼らないといけない可哀想な人たちよ。こんな薄っぺらな人たちに音楽が出来るわけがない。私は音楽は表現活動だと思う。そしてそこに共鳴する人たちとの心の交流だと思う。

最後の公演?シーンも長すぎてしつこいし、話を面白くするために、ちょっとリアリティーに欠ける脚本になったと思う。そしてこのシーンによって監督が何が言いたいんだか、全く不明。観客無視の自己満足な演奏。

そういやこの映画をめぐる話の中で、この監督のバックグラウンドがどうこう言っている話を見かけたが、うーん、そう言われてもこれは作品としてどうなのよ、と思った。 これは音楽映画ではなく、パワハラと洗脳の怖さや痛さ、思い込みの悲劇を描いた映画だ。それについては異論はないが、そこに音楽巻き込まんでくれよ、と思う。