炭水化物オン炭水化物の、とある日の「おやつ」 神保町にて まいう〜 490円くらい |
ビジネス啓蒙関係で良く取り出されるこの法則。私は好きだし、ホントにそうだと思っている。私も20代のころはホントに寝食忘れて死ぬ気で働いたし、それが今の自分を作っていると信じている。もちろんジョブズやビートルズなどの世界的レベルまで到達することは滅多にないのだが、とりあえず自分が1人で生きて行けるレベルにまでは持っていくことはできた。それが、やっぱり1万時間なのだ。
でも、数日前にこんなブログを友達がFacebookでシェアしてて、なるほど、と思う反面、ちょっと思うこともあったりしたので、自分の意見をここにまとめておく。で、気がつけば、この1万時間の法則、ちょっとググると最近は否定的な意見が多いのね。うーん、どうなんだろう!?
まず大前提で言えることは、ほとんどの場合、私たちはみんな凡人なのだ、ということだ。特別の才能がある人というのは、ほとんど存在しないし、世の中で成功している多くの人が「自分には才能があった」とは思っていないだろう。たま〜に「まさにこの職業をやるために生まれて来た人だ」という人に会うことはあるが、滅多にない。多くの場合、みんな普通に才能があり、みんな普通に才能がない。普通なのだ、普通。ふ・つ・う。わたしもふくめて。
昔、音楽の仕事が世間の憧れの職業だった時代、よく若者に聞かれたものだった。「音楽関係の仕事って、どうやったら就けますかね」と。で、そんな時、わたしの答えは決まっていて「本当に就きたいと思ったら絶対に就ける。というのも、本気で音楽の仕事がしたいと思ってる奴って何人もいないから」というものだった。
そう、就職するなら音楽関係がいいな、ちょっとかっこいいし…程度で口にする奴は多くとも、本気でなりたいと思っている奴なんか、いない。誰もが物事を口にするだけで、あなたほど真剣にそれを考えちゃいないのだよ、と。そんな風に若者を励ましてきた。今や音楽業界なんて、今いる人材たちでも余っちゃって余っちゃってしょうがない時代なのだが、そしてそれよりなにより特に録音物の販売については、非常に厳しい職業になってしまったわけだが、昔は憧れの職業の1つだったからねぇ。ホントに時代は変わったよねぇ。(そして、今年もわたしが知っているだけで2名、本当に優秀な女性が音楽業界を去った。しかし彼女たちにとって、それは次なる飛躍への前進であるので応援したい)
そして、最近では、この紹介したブログに書かれてるみたいに、向いてない仕事を1万時間やったとしても、無駄なのじゃないかと…そういう意見が多いんだわな。特にヴァイオリニストを職人、作曲家こそ本当の芸術家と言っちゃってるところもなんか違うと思うし(クラシックの世界ではそうなのかもしれないけど)、さっさと他の仕事に移った方がいい人をその場に止めておくのは悲劇的だという判断… なるほど。うーん、それもあるが、ただオレみたいな年代(もうすぐ50歳になります)に言わせてみれば、若いうちに3年くらい死ぬ気でやってみないで、どうする?ってのはあるのだよ。
平日の昼間、銀座で女二人で 高級A5ステーキ食べ放題ランチ。 5,000円なり まいう〜 |
職業の喜び知らない人は、本当にもったいないと思う。いや、職業じゃなくてもいいや…社会との係わりっていうのかなぁ。人間である以上、社会的であることは生きていくことは必要で、それはほんとに大切なことだと思うんだが。
今、職業が余っていて、でも人は仕事がないって騒いでいて、上手く世の中の経済の血流が流れていないことを感じるにつけ、健康で動けるのであれば、働かないのは非常にもったいないことなのではないか、とぼんやり思ったりもするのだ。そして、明らかなブラック企業ならまだしも、若いうちは「これだ」と思った好きな仕事に向けて3年くらい精進するのも悪くないのではないか、と思うのだよ。
…みたいなことを最近とある人に聞かれたので書いておきました。それにしても、みんな「やらない事の言い訳」がものすごすぎる。それ、やってから言おうよ、行動してから考えようよ、みたいな事を言いたくなるのさ、オレみたいな頭の悪い人間からしてみれば。みんな最短距離を行こうとしすぎ!
ま、でもオレも何かが分ったわけでもなく、人生も歩ける人生は1本切りなので、自分の経験がそうだった、って事を言ってるにすぎないんだけどね。ホントいくつになっても、人間なんてダメなもんよ。でも若者,頑張れよ! 君の頑張りは無駄ではない!
バンドもステージでのトータルタイムが1万時間を経過したあたりから、アンサンブルがグッとよくなる。頑張れよ、ウチのバンドたち! フルックも本当に長くバンドを続けている。フルックの来日公演はこちら。
それにしても3カメも使っているわりにはひどい映像。ライティングもへったくれもあったもんじゃないが、演奏はいいでしょ、これ。
とか書いてたら、ゲーテ先生が良い事を書いていたのを見つけたよ。
まったくもってその通りでございます。
PS.
とか書いてたら、北区が誇る最高の言論人、小田嶋隆さんがこんなことをつぶやいていた!! Stay hungry, Stay Foolish
以下、ちょっと長いので5分割して当稿します。
(1) オレらおっさんが、若い人たちをバカと決めつけてしまいがちなのは、実際に若い人たちの言動を見てそう判断しているのではなくて、自分が若い頃バカだったことをおぼえているからです。
— 小田嶋隆 (@tako_ashi) 2015, 12月 27
(2) それゆえ、賢そうにふるまっている若者を見ても、その一見賢明な若いヤツの内心に、穏当な態度とは裏腹の、バカな情熱やバカな衝動が渦巻いているであろうことを、仮定せずにはいられないわけです。
— 小田嶋隆 (@tako_ashi) 2015, 12月 27
(3) つまりここで言っている「若い者のバカさ」というのは、理知的ね面で劣っているという意味ではなくて、「理知的な判断を無視した行動を選んでしまいがちな傾向」それ自体を指しています。
— 小田嶋隆 (@tako_ashi) 2015, 12月 27
(4) ところで、若い人たちが理知の上では当然理解できているはずの常識的な判断を「ええいうるせえ」と蹴飛ばしてしまうのは、多くの場合、自分自身をあきらめきれていないからです。
— 小田嶋隆 (@tako_ashi) 2015, 12月 27
(5) と、そうやって考えてみると、心配なのは、若い人たちがバカであることよりも、むしろ、バカじゃないことの方で、というのも、われわれの社会は、愚かな失敗をしたバカな若者の死体を燃料にしないと前に進むことができない仕様になっているからです。
— 小田嶋隆 (@tako_ashi) 2015, 12月 27