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2016年2月3日水曜日

ムヴィオラさんにまたもや映画の神降臨。映画「緑はよみがえる」を観ました

いや〜 あいかわらず素晴らしい映画ですわ。映画の神様がついてるよね、配給会社のムヴィオラさんにはね。

今回も素晴らしい。本当に圧巻でした。「緑はよみがえる」。試写で拝見させていただきました。ありがとうございます。

なんというか重い映画でした。すっごく重い。でも嫌じゃない。イタリアの巨匠エルマンノ・オルミ監督が、自分が子供のころ、自身の戦争体験を良く話してくれた父に捧げた映画だそうです。とにかくものすごい迫力の重い映画です。是非覚悟をもって観てほしい。

第一次世界大戦中。アルプスの雪山の中にある掘建て小屋みたいな小さな基地に身を潜めるイタリア軍の兵士たち。極寒の山の、深い深い雪に囲まれた厳しい自然の中に、人間が息もこおるように潜んでいる。劣悪な環境のもと、病気になる者もいる。食べ物も充分でもなく、願うのはただただひたすら戦争が早く終り故郷に帰ることだけ。そんな小さな基地に派遣されてくる何も知らない若い中尉。まったく想像もしなかった過酷な状況に上司は自ら辞職してしまい、中尉は圧倒的な無力感に打ちのめされる。

それにしても、この監督、めっちゃくちゃ画面が綺麗なのだ。月の薄明かりの下とか、もう画面がすごく綺麗。これだけ圧倒的な自然の美しさと冷たさの中に、バカな人間が起こす戦争のための爆弾が投下される。常緑の木も、あっという間に燃えてしまう。基本的にものすごく静かな映画なのだが、途中心臓がぶっとびそうな迫力の爆撃シーンがあり、これがものすごい。これが戦争の現実。

音楽が、これまためちゃくちゃいいんだわ! 最初のアコーディオン(バンドネオン?)で、もうすでに泣きそうだ。

戦争はイヤだ。人間とはいったいなんなのだろうか。なんのためにこの若者たちは戦っているんだろうか。だいぶ前にみた、そして今決行ヒットしているらしい「サウルの息子」でも感じたけど、戦争みたいな狂気の沙汰の中で、いったい人間性とはなんなんだろう、って事を問う映画。最後の主人公のつぶやきが心にささる。「一番難しいのは、人を赦すことですが、人が人を赦せなければ人間とは何なのでしょうか」

チラシにかかれたキャッチも秀逸。

 春がかならずめぐりくるように
 人の世界もいつか美しくよみがえるのだろうか。

 愛する母さん、
 今夜の山はなんて
 美しいのだろう

…など。

ううう、泣けるよ。第65回ベルリン国際映画祭特別招待作品。4月23日より岩波ホール他にて公開されます。皆さん、ぜひチェックしてみてください。



PS
この映画そういえば76分という素晴らしい長さ。このくらいがやっぱり一番集中できる。あと登場人物たちに名前がないんだよね… そこがはっとさせられる。