ヒリヒリするような切羽詰まった感覚の中で、選んでほしい

外苑前のおそば屋さん。まいう!
先日やっとだいぶ前に某所に出来た本屋のようなCD屋のような、おしゃれな店に立ち寄った。業界内でも話題になっているお店。おしゃれな雑貨や本とともにCDが並ぶ。おしゃれな感じ。素敵な感じ。こういう店が流行っているみたいだ。わたしの好きな有楽町の某小売り店さんも、最近CD屋でも本屋でもないのに、このテの路線に方向転換した。

なるほど、こういうのが流行っているのね。こういうのが人気なのね。

なーんか、でも私は「違う」と思う。

どうしても自分はこういう場所で本やCDを選ぼうという気にはなれないんだよね。なんかもっとヒリヒリと切羽詰まった感覚の中で、ウチの音楽を選んでほしいんだ。なんかこう「絶対にこれじゃなきゃダメなんです」って言って、選んでほしいんだ。ちょっと素敵だからとか、ちょっとお洒落だからってことじゃなくって!! CDも本も、そんな切羽詰まったものであるべきだ(あ、また「べき」とか言っちゃった)そして熱い気持ちで何度も何度もCDがすりへるぐらい私が紹介する音楽をきいてほしいんだ。本当に心から本やCDを欲する人間は、そうなんだと思う。そうなんだと思いたい。

Amazonで本を買うのは紙皿でステーキを食べるようなもの、と小田嶋先生は言っていた。名言だ。





私もステーキが食べられるのであれば、紙皿でいいやと思っている節もある。先日も紀伊国屋で探検本のハードカバー本をドカ買いしてしまったが、普段は本もCDも、どうしても通販にひっぱられる。私の場合、何が食べたいかは常にはっきりしているからだ。そして食べたいものが決まっているのに、店に行くと大抵の場合はそれが見つからない。そして代わりの何かでは私は満足しない。

では、おしゃれなワインと一緒に素敵な食器で出される食事だったら、自分の目当てのものでなくても食べるのか?ということなのだ。私はイヤだ。私は絶対にイヤだ。食べ物には妥協したくない。これでなくては絶対にイヤだからだ。これ以外の他のものではイヤだからだ。

…とか言ってるからウチはヒットが出ないんだよな。ちょっと「すべてのジャンルはマニアが潰す」に通じるかも。そしてそれは白馬の王子様を待つようなもんだ。私もだから結婚できない。がははははは(と、高笑いしておこう)

PS
とかいって、単におしゃれじゃない自分だから、おしゃれな場所に付いていけないだけなのかも…?(笑)

PPS
別に本やCDを指名買い、ってことではないのよ。言ってること分かる? 昔の小売店はもっと真剣に勝負してた。「自分を救ってくれる音楽」「自分を受け止めてくれる本」を探して必死なお客さんと、真っ向勝負できる何かがあった。

PPPS
例えば六本木WAVE、一時のHMV渋谷のジャズコーナー。あのくらい強く薦めてくれなければ、人のレコメンなんて買わないのだよ…