北極業界騒然!!!フランクリンのテラー号発見! 勝手にお祝い、角幡本プレゼント〜

荻田さんのツイートで知った。
あわててナショジオのHPを確認した。今、北極業界では、このニュースで持ち切りである。角幡さんもブログで紹介している。
そういう私ももちろん北極業界の末端に今ちょこんと座っている人間として、めっちゃ感動しておる。すごい!

名著「アグルーカの行方」で紹介されているフランクリン隊の2隻の船、エレバスとテラー。エレバス号は数年前に発見されていたが、それに続きテラー号も発見されたのだ。しかも状態は良いと言う。これはものすごい大発見。フランクリン隊は、今から150年くらい前に夢の北西航路(つまり地球は、南側をグルリと進むより北極を抜ける方が早くヨーロッパからアジアへ行けるんですよ)発見のため、2隻の船で英国を出発した。フランクリンを隊長とする総勢129名。最終的に彼らは氷の海に閉じこめられ、そこからなんとか人間世界へと脱出するべく(なぜか)いくつかのグループに分かれて、それぞれ南へと歩きはじめる。その途中においては、壮絶なカニバリズムが行われていた、という証言もある。この頃の探検は巨大な国家事業。エレバスとテラーに何年か越せるはずの食料などを蓄えていたにも係らず、なぜ船を捨てて仲間割れしてしまったのか。彼らの行動には謎が多い。イヌイットによる目撃証言もある。それにしても129名の隊員全員が亡くなったという壮絶な結果だ。その謎が、いよいよあかされる日が来るのかもしれない。

こっちの記事がもうちょっと詳しいかな…

どうやら7年くらい前に海面にマストが露出していたのを発見していた2人組が、その時写真を撮っていたのだけど、その写真を紛失してしまったり2人で内緒にしておこうと約束したり、その後1人が亡くなったりとかで、実際の発掘が遅れたようなのである。北極には木なんてないから、木材が海面にあらわれていたとしたら、それは船に他ならないのだ。

それにしても英国の探検家はいちいちチャーミングだ。ノルウェー人がスポーツ的に合理的に次々と探検を成功させているのに係らず、英国人の探検隊はどうも悲劇的な結果に終ることが多い。全員生き残った奇跡のシャックルトンだって、実際は何も達成していないのだ。だけど、それがまたいいんだ! おかげで英国隊のあれこれは、映画にもなったり本もいっぱい出たり資料が充実している。英国人は英国人の探検ドキュメンタリーが大好きでだ。ビクトリア時代の栄光を思い出すからなのか。スコット隊とかもホントに大人気。イギリス人はみんなスコットが大好きだ。生存者がいる探検は、映画やドキュメンタリーもたくさんつくられて、You Tubeにあがっているそれを見るだけでも時間がいくらあっても足りない…

こちらは氷の中から発見されたフランクリン隊のミイラの発掘作業。すごい…


あああ、テラー号。こうしてアグルーカの謎の解明が進むであろうか。

このドキュメンタリーのエンディングでも流れているが、伝統音楽ファンにはなんといってもこの曲がたまらない。Lord Franklin ミホール・オドンネルの歌唱でお送りします。


ペンタングルのヴァージョン


It was homeward bound one night on the deep
Swinging in my hammock I fell asleep
I dreamed the dream and I thought it true
Concerning Franklin and his gallant crew

With a hundred seamen he sailed away
The frozen ocean in the month of May
To seek a passage around the pole
Where we poor seamen do sometimes go

Through cruel hardships the mainly strove
Their ship on mountains with ice was drove
Only the Eskimo in his skin canoe
Was the only one that ever came through

In Baffin Bay where the whalefish blow
The fate of Franklin no man may know
The fate of Franklin no tongue can tell
When Franklin along with his sailors do dwell

And now my burden it gives me pain
For my long lost Franklin I'd cross the main
Ten thousand guineas would I freely give
To say on earth that my Franklin do live

というわけで… このタイミングでやります! 祝テラー号発見! 先週もちらっと書いた「勝手に角幡本プレゼント」キャンペーン。今日このBlogがアップされて以降、ウチのコンサートチケット、CDを通販された方で「角幡本読みたいよ」という人は、是非その旨を、お申込フォームに書いてください。先着順でプレゼントいたします。ちなみにこれらの本は野崎が勝手にトークイベントや書店で購入したものです。

「勝手に角幡本キャンペーン」対象商品は下記のとおり

「アグルーカの行方」4名さま
フランクリン隊の足跡をたどりながら北極行を描いた大傑作。今のところ私の角幡文学ベスト1です。もう細かい表現とか、いちいち響きまくり! 北極とは何か、生きるとは何か。これを読んで野崎と熱く語り合いましょう(うっとおしいよね… すみません)

「旅人の表現術」1名さま
角幡さんが雑誌などで行った対談や、最近話題になった外道クライマーの解説まで、多くの名文を集めたオムニバス。実はこれは2冊もっているのですが、もう1冊はイベントに行って名前入りでサインしていただいたので、そのイベントに参加する前に私が1度読破していた方の1冊になります。一度わたしが読んでますが、汚れ/よれなし。すみません。

「漂流」2名さま
新作も合計3冊も買ってしまった私は、ものすごい角幡ファンなんですが(笑)、サイン入りが2冊あって、すみません、これも私の名前を入れていただいた1冊を手元に置いておきたく… となると1冊は角幡さんのお名前だけのサイン本。そしてサインなしの、私が1度読んだ1冊になります。

以上、このキャンペーンは在庫が終了し次第、終了とさせていただきます。皆さん、ふるって応募ください。ナヌークのコンサート前に、北極に夢をはせましょう。


現在THE MUSIC PLANTで紹介している公演は…
10月 ロビン・ヒッチコック来日公演(東京のみ)
11月 辺境の歌コンサート with 松田美緒、ナムガル、ナヌーク(残券わずか)
11月 THE MUSIC PLANT20周年公演 with ヴェーセン、ルナサ、ナヌーク
11月 映画「サウンド・オブ・レボリューション〜グリーンランドの夜明け」上映会
12月 ウォリス・バード来日公演(東京,京都)