昨晩はフィギュアスケートで、ウチのミュージシャンが参加しているフィンランドの伝統曲が使われたらしく、複数の友人から「野崎さんっっ、大変っっ」とレポートがあり(笑)、世の中にはフィギュア観てる人多いなぁ、と思ったりしたのだった。
過去ウチのCDの中からもロリーナ・マッケニットのとっくに廃盤になった音源を使った人がいたりして、CD屋さんから問い合わせが何度か入ったことがあるが、うーん、なるほど、どういう風に音楽に人に接触する機会が与えられるのか、まったく分からないな、と改めて思う。そこが面白いところであって、結局偶然の産物みたいなところがあるから、それをプロモーションという形で作為的に作っている自分の仕事は何なんだろうなぁ、と考えたりもする。ほんとやわな商売だよね(笑)
過去にはノルウェー/アイルランドの混合グループが書いた曲が、スケートで使われたことで一斉を風靡したこともあったが、あの曲は「ダニー・ボーイ」とほぼメロディが一緒だし、私なんぞは世間と自分とのズレに「うーん」と唸ってしまったものだった。もっとも、そもそも「ダニー・ボーイ」自体、アメリカで商業目的で制作されたと言ってもいい曲なわけで、いったい音楽とは何なのかと、ここでもまた考えたのだが…
こういうアイルランドというかケルト音楽のスローでださい演奏を、私や複数のウチのアイリッシュミュージシャンは「チーズくさい」と形容する。チーズくさいケルト音楽は、今でも、いつの時代でも、とても人気がある。いや、いいんですよ、音楽ですからね。音楽は聞く側各々によって判断されていいんです。チーズ臭くてもいいんです。
じゃあ、野崎さんが言うかっこいいアイルランド音楽って何ですか?っていうと、本当に数えるほどしかいない。アイルランド音楽だったら何でもいいというわけではない。というか、アイルランド音楽だからこそ、ついついウルサくなってしまう、と言っていいかも。
アイルランド音楽は、そもそもそのメロディの美しさから、いつもそういう「格好わるさ」「ダサさ」「コマーシャリズム」との戦いに晒されてきた。そして、一歩間違えば、そういう「チーズ臭」の向こう側へ落ちてしまうような、そんなギリギリのところが、実は一番かっこよかったりするのだからホントに難しいと思う。いや、これはあくまで私の好みの事を言っているんですけどね。
一方でかっこいいアイルランド音楽を目指す連中の中にも、ボシーバンドからこっち、「速い」のがかっこいいとされる「スピード信仰」が横行しており、どのバンドも演奏自体のクオリティの高さよりも、競ってメロディの速さを追求してきたところがある。メロディには本来、そのメロディをより効果的に聞かせる適正スピードというものがあってしかるべきだ。(あ、また「べき」って言っちゃった!)ところが上手く弾ける連中ほど速さに走る傾向にある、だから問題なのだ。
いつだったか来日したグラーダなんかがそうだった。今ではルナサのトリに時々入るコリン・ファレル(フィドル)と、アラン・ドハティ(フルート)がフロントにいた時は、速いも速い、自分たちの初期のレパートリーも通常の20%増しで早く演奏していた。2人は上手いから、とにかくどこまでも果てしなく速く弾ける。実際コリンは、作曲家でもある前任のブレンダン・オサリヴァン(フィドル)よりも、明らかに上手いフィドラーだったが、それがバンドに良い影響をもたらしていたかというと、とても疑問が残る。その後、バンドはアランが脱退し、演奏の腕はおとるが従順な若いメンバー2人を加えてツアーするようになった。正直、アランがいた時の輝きはもうあのバンドにはない。一方で彼らはALDOCという新しいバンドで、新たな進化を遂げている…それはさておき。
いつだったかチーフタンズでいつも踊っているキャラ・バトラーとジョン・ピラツキが、日本でルナサと初めて共演し「はっえーーー」と絶句していたのにも笑ったが、確かにルナサの早さも尋常ではない。特にパイプ。パイプであんなに早く演奏のはルナサのキリアンくらいだと思う。普段意識しないで聞いているからよく分からないが、ルナサと他のアイルランド音楽のメロディのスピードを取り出して比較してみるといい。その早さのすごさがとても良くわかる。
そんな風にルナサはかなり早いのであるが(笑)実は、私はルナサの真の格好良さはスローな曲をかっこよく演奏できるところにあると思う。スローな曲を弾いているのに、チーズ臭くならない。かっこいい。それが、ルナサの他のバンドとは違う最大の魅力なのだ。いやいや、すべてこれは1リスナーの単なるワガママな意見にすぎないんですけどね!
先日過去のツイートを観ていたら、過去の自分がこんな事をやっているのを見つけたので紹介する。「ルナサのスローでかっこいい曲」というシリーズ。一時やっていた「おやすみのケルト音楽」だ。今やすっかり挫折してしまったけど、今ならべてみても結構いい曲を紹介している。
これなんかいいよね。曲の展開が最高!! こういうのが出来るのはやっぱりルナサしかいない。フルートのソロで始り1:42くらいからバンドの演奏になる。そして慌てず騒がずこのメロディを重ねていく感じはどうだ! かっこいいよなぁ、おい!! そして3分くらいからフィドルのメロも泣かせるが、さらにすごいのは3:25だ。また低音域に戻りながらも、この展開はどうだ!!
過去ウチのCDの中からもロリーナ・マッケニットのとっくに廃盤になった音源を使った人がいたりして、CD屋さんから問い合わせが何度か入ったことがあるが、うーん、なるほど、どういう風に音楽に人に接触する機会が与えられるのか、まったく分からないな、と改めて思う。そこが面白いところであって、結局偶然の産物みたいなところがあるから、それをプロモーションという形で作為的に作っている自分の仕事は何なんだろうなぁ、と考えたりもする。ほんとやわな商売だよね(笑)
過去にはノルウェー/アイルランドの混合グループが書いた曲が、スケートで使われたことで一斉を風靡したこともあったが、あの曲は「ダニー・ボーイ」とほぼメロディが一緒だし、私なんぞは世間と自分とのズレに「うーん」と唸ってしまったものだった。もっとも、そもそも「ダニー・ボーイ」自体、アメリカで商業目的で制作されたと言ってもいい曲なわけで、いったい音楽とは何なのかと、ここでもまた考えたのだが…
こういうアイルランドというかケルト音楽のスローでださい演奏を、私や複数のウチのアイリッシュミュージシャンは「チーズくさい」と形容する。チーズくさいケルト音楽は、今でも、いつの時代でも、とても人気がある。いや、いいんですよ、音楽ですからね。音楽は聞く側各々によって判断されていいんです。チーズ臭くてもいいんです。
じゃあ、野崎さんが言うかっこいいアイルランド音楽って何ですか?っていうと、本当に数えるほどしかいない。アイルランド音楽だったら何でもいいというわけではない。というか、アイルランド音楽だからこそ、ついついウルサくなってしまう、と言っていいかも。
アイルランド音楽は、そもそもそのメロディの美しさから、いつもそういう「格好わるさ」「ダサさ」「コマーシャリズム」との戦いに晒されてきた。そして、一歩間違えば、そういう「チーズ臭」の向こう側へ落ちてしまうような、そんなギリギリのところが、実は一番かっこよかったりするのだからホントに難しいと思う。いや、これはあくまで私の好みの事を言っているんですけどね。
一方でかっこいいアイルランド音楽を目指す連中の中にも、ボシーバンドからこっち、「速い」のがかっこいいとされる「スピード信仰」が横行しており、どのバンドも演奏自体のクオリティの高さよりも、競ってメロディの速さを追求してきたところがある。メロディには本来、そのメロディをより効果的に聞かせる適正スピードというものがあってしかるべきだ。(あ、また「べき」って言っちゃった!)ところが上手く弾ける連中ほど速さに走る傾向にある、だから問題なのだ。
いつだったか来日したグラーダなんかがそうだった。今ではルナサのトリに時々入るコリン・ファレル(フィドル)と、アラン・ドハティ(フルート)がフロントにいた時は、速いも速い、自分たちの初期のレパートリーも通常の20%増しで早く演奏していた。2人は上手いから、とにかくどこまでも果てしなく速く弾ける。実際コリンは、作曲家でもある前任のブレンダン・オサリヴァン(フィドル)よりも、明らかに上手いフィドラーだったが、それがバンドに良い影響をもたらしていたかというと、とても疑問が残る。その後、バンドはアランが脱退し、演奏の腕はおとるが従順な若いメンバー2人を加えてツアーするようになった。正直、アランがいた時の輝きはもうあのバンドにはない。一方で彼らはALDOCという新しいバンドで、新たな進化を遂げている…それはさておき。
いつだったかチーフタンズでいつも踊っているキャラ・バトラーとジョン・ピラツキが、日本でルナサと初めて共演し「はっえーーー」と絶句していたのにも笑ったが、確かにルナサの早さも尋常ではない。特にパイプ。パイプであんなに早く演奏のはルナサのキリアンくらいだと思う。普段意識しないで聞いているからよく分からないが、ルナサと他のアイルランド音楽のメロディのスピードを取り出して比較してみるといい。その早さのすごさがとても良くわかる。
そんな風にルナサはかなり早いのであるが(笑)実は、私はルナサの真の格好良さはスローな曲をかっこよく演奏できるところにあると思う。スローな曲を弾いているのに、チーズ臭くならない。かっこいい。それが、ルナサの他のバンドとは違う最大の魅力なのだ。いやいや、すべてこれは1リスナーの単なるワガママな意見にすぎないんですけどね!
先日過去のツイートを観ていたら、過去の自分がこんな事をやっているのを見つけたので紹介する。「ルナサのスローでかっこいい曲」というシリーズ。一時やっていた「おやすみのケルト音楽」だ。今やすっかり挫折してしまったけど、今ならべてみても結構いい曲を紹介している。
これなんかいいよね。曲の展開が最高!! こういうのが出来るのはやっぱりルナサしかいない。フルートのソロで始り1:42くらいからバンドの演奏になる。そして慌てず騒がずこのメロディを重ねていく感じはどうだ! かっこいいよなぁ、おい!! そして3分くらいからフィドルのメロも泣かせるが、さらにすごいのは3:25だ。また低音域に戻りながらも、この展開はどうだ!!
これもいいでしょう! ロウ・ホイッスル3本ってのは、けっこうルナサはよくやる。Last Pintなんかも、すごくいいけど、これもいいよねぇ〜 うっとり。ホントかっこいい。おやすみのケルト音楽:ルナサのスローな曲特集Week Lunasa - Harp and shamrock https://t.co/PrBVMXJ41X— 野崎洋子 (@mplantyoko) 2016年1月9日
これもロウ・ホイッスル3本の名曲。死ぬほど聞いた、Miller of Drohan。懐かしい。ホントにこのCDも良く売れた。おやすみのケルト音楽:ルナサのスローな曲特集Week もう1週行けるかも? Lúnasa - The Raven's Rock https://t.co/0yNNI1FO2Y— 野崎洋子 (@mplantyoko) 2016年1月10日
「Otherworld」にはこういう曲も入っている。いやー いいねぇ!!おやすみのケルト音楽:ルナサのスローな曲特集Week 2 死ぬほど聞いたなーこのころのルナサ LÚNASA - The Miller of Drohan https://t.co/eJhBxwI2TW— 野崎洋子 (@mplantyoko) 2016年1月14日
ドナが婚約者、ポーリンのために書いた曲。結局ふたりは結婚しなかった。ドナは別の女性と一緒になりパパに。ポーリンも結婚したけど、あそこは子供はいないみたいだ。おやすみのケルト音楽:ルナサのスローな曲特集Week 2 LÚNASA - O'Carolan's Welcome - Rolling In The Barrel https://t.co/IhulxPZ8uJ ホントいいなー これー— 野崎洋子 (@mplantyoko) 2016年1月15日
この曲はまるでレッド・ツェッペリンみたい。スローなのに、めちゃくちゃ熱い。かっこいい。おやすみのケルト音楽:ルナサのスローな曲特集week ドナ・ヘナシーが書いた名曲。 Lúnasa~Iníon Ní Scannláin https://t.co/I2WRgHyiNr が、今聞くとベースの良さが光るねぇー— 野崎洋子 (@mplantyoko) 2016年1月7日
こちらも絶対に紹介しているはずなんだけど、ツイートが見つけられなかった。ケヴィンが亡くなった友達のために書いた超名曲。後半はディアムド・モイニハがピアニストの妹の為に書いた「アイボリー・レイディ」 この展開がホントに素晴らしい。名盤「シェイ」に入ってます。おやすみのケルト音楽:ルナサの静かな曲特集Week 2 こんなにスローなのに熱いんだよなー ボシーの血だなー Lunasa - Iuil https://t.co/g0GPEOO13k— 野崎洋子 (@mplantyoko) 2016年1月13日
ルナサも出演するTHE MUSIC PLANT20周年記念コンサートは、11月5日(土)、6日(日)の2日間で16:00開演。チケットはスタンディングで8,500円、着席券は13,500円。高くなっちゃって申し訳ありませんがウチの2大バンド来るんで、ご理解ください。何度も言いますが、音楽は絶対に最高のものをお届けします。他にもセッションコーナー、ニッケルハルパの体験コーナーや、グリーンランドコーナーあり。詳細はこちら。(本日24時までチケット販売中〜っ。そのあとはチケットの輸送期間を考慮し「当日精算」に切り替わります)