なるほど! なかなか面白かった。が、2冊目の「私の名前はナルヴァルック」方が良かったかなー でもこちらの方が開高健賞受賞作。ちょっとパンチが足りない気がするけど、うーん、女性で初心者でユーコン1500km下ったっ事がすごいという事なのかもしれない。
というか、今回はっきり分かったのは、やっぱり私は地理的探検、身体能力的な事象には興味はないということだ。そりゃあ冒険はすごい。私みたいに身体的能力の低いものには憧れる世界だ。が、人のそれを知ったからといって、どうなるというのであろう。そうじゃなくって、私が冒険本に望んでいるのは、もっと違うものなのだ。人は本の中に自分を発見する。実は私が本に求めることは「自己肯定感」なのだ。私と同じこと考えている人を発見したいのだ。
だから私は自分の仕事感を肯定してくれる自己啓発本も大好き。ホントになんておめでたい性格。自分大好き人間なのだ…(笑)
しかもいつも冒険本を読むと気になる事なんだけど、彼女もあまり練習もせずに結構無茶な状態で、冒険に飛び出している。なんかそういうのがすごく私は気になる。攻めて堂々と「充分訓練した」という状態で行って欲しいと思う。命がかかっているのだから。
あと、もう少しなぜ新田次郎の「アラスカ物語」に弾かれるのかを深く書いてほしかった。そういや私は「アラスカ物語」もイマイチだったので、それを書いてもらってもピンとこなかったかもしれない。あの名著を人生の友とあげる人は多いのだけど、私はあの主人公には、なんか優等生すぎて共感しなかったんだよね…。いや、偉いと思いますよ。でもなんかこう新田次郎の書き方が響かないというか…。(うっ、超巨匠に我ながらひどい意見を…。でもなんというかNHKの大河ドラマ的というか…優等生主人公は難しい)
とはいえ、この本で彼女がフランク安田の家を訪ねてビーバー村に行くところはさすがにグッと来た。この本に登場するフランク安田の写真もちょっと気になり、さっそくググった…。ちなみにこんな方らしい。ネットでググるとすぐ何でも出て来るから、最近は何でも夢がないというか、なんというか…
また最後の方で、フランク安田の名前が現地で忘れ去られそうになるのを知って「これもまた1つの流れだろう」みたいな風に終わるのも…えっ、そうなの?という感じだ。うーん、なんか熱量が足りない。こんなに遠くまでわざわざ川を下ってやってきたのに。いや、川を下ったことで、彼女は充分満たされてしまったのか。でも振り返ってみれば、いや今起こっていることだって、よくよく見据えてもれば分かるのだけど、歴史はだいたい個人が作るのだ。フランク安田の物語しかり。諦めなかった個人が歴史を動かす。そんな個人との共鳴で世界は動いているのだから。もうちょっと彼女が自分の探検の無事成功だけではなく、世界を動かす方に動いてほかったかなぁ、と思う。いや、贅沢か。あまり苦労話が強調されていないが、実際、川を下るだけでも大変だったのだろうから…。
…と、まぁ厳しく書いたけど、全然この本も素晴らしいですよ。明らかに女の人が書いた冒険本としては最高の出来です。点数も80点以上。だが、2冊目の「私の名前はナルヴァルック」の素晴らしさの方が光る。こっちの方が私は俄然良いと思った! いや、両方かなりレベルの高い本であることは間違いない。そもそも文章が上手く面白いのでスイスイ読める。廣川まさきさん、これからも期待しています〜。
というか、今回はっきり分かったのは、やっぱり私は地理的探検、身体能力的な事象には興味はないということだ。そりゃあ冒険はすごい。私みたいに身体的能力の低いものには憧れる世界だ。が、人のそれを知ったからといって、どうなるというのであろう。そうじゃなくって、私が冒険本に望んでいるのは、もっと違うものなのだ。人は本の中に自分を発見する。実は私が本に求めることは「自己肯定感」なのだ。私と同じこと考えている人を発見したいのだ。
だから私は自分の仕事感を肯定してくれる自己啓発本も大好き。ホントになんておめでたい性格。自分大好き人間なのだ…(笑)
しかもいつも冒険本を読むと気になる事なんだけど、彼女もあまり練習もせずに結構無茶な状態で、冒険に飛び出している。なんかそういうのがすごく私は気になる。攻めて堂々と「充分訓練した」という状態で行って欲しいと思う。命がかかっているのだから。
あと、もう少しなぜ新田次郎の「アラスカ物語」に弾かれるのかを深く書いてほしかった。そういや私は「アラスカ物語」もイマイチだったので、それを書いてもらってもピンとこなかったかもしれない。あの名著を人生の友とあげる人は多いのだけど、私はあの主人公には、なんか優等生すぎて共感しなかったんだよね…。いや、偉いと思いますよ。でもなんかこう新田次郎の書き方が響かないというか…。(うっ、超巨匠に我ながらひどい意見を…。でもなんというかNHKの大河ドラマ的というか…優等生主人公は難しい)
とはいえ、この本で彼女がフランク安田の家を訪ねてビーバー村に行くところはさすがにグッと来た。この本に登場するフランク安田の写真もちょっと気になり、さっそくググった…。ちなみにこんな方らしい。ネットでググるとすぐ何でも出て来るから、最近は何でも夢がないというか、なんというか…
また最後の方で、フランク安田の名前が現地で忘れ去られそうになるのを知って「これもまた1つの流れだろう」みたいな風に終わるのも…えっ、そうなの?という感じだ。うーん、なんか熱量が足りない。こんなに遠くまでわざわざ川を下ってやってきたのに。いや、川を下ったことで、彼女は充分満たされてしまったのか。でも振り返ってみれば、いや今起こっていることだって、よくよく見据えてもれば分かるのだけど、歴史はだいたい個人が作るのだ。フランク安田の物語しかり。諦めなかった個人が歴史を動かす。そんな個人との共鳴で世界は動いているのだから。もうちょっと彼女が自分の探検の無事成功だけではなく、世界を動かす方に動いてほかったかなぁ、と思う。いや、贅沢か。あまり苦労話が強調されていないが、実際、川を下るだけでも大変だったのだろうから…。
…と、まぁ厳しく書いたけど、全然この本も素晴らしいですよ。明らかに女の人が書いた冒険本としては最高の出来です。点数も80点以上。だが、2冊目の「私の名前はナルヴァルック」の素晴らしさの方が光る。こっちの方が私は俄然良いと思った! いや、両方かなりレベルの高い本であることは間違いない。そもそも文章が上手く面白いのでスイスイ読める。廣川まさきさん、これからも期待しています〜。