昨日は国際女性デー(International Women's Day)だったそうだけど、私自身は普段はあまりそういう事を考えない。わざわざ「なんとかデー」とか盛り上げて、返って差別を助長しないか…とか思っちゃうんだけど間違っているだろうか。もともと政治的平等を目的とした日らしいのだが、今は先進国においても、もっと深い意味を持っている。もちろん紛争地域や中東の国で、女性の安全や自由をうたうのは重要だが、日本みたいなところではどうなんだろう。
私自身は結構女性に対しては厳しい目を持っているので(というか、女の敵は女ってのは、ホントだと思う)女だからというだけで保護は必要ではないと思っているし、女を相手に批判することは躊躇しないし、どちらかというと日本は女性が社会に対して責任を持とうとしないから原発みたいなものがたくさん出来ちゃうんだよ、と怒ったりしている。それについては、またどこかでちゃんと書きたいと思うけど… でもどちらかというと、そういう視点は今は流行らないのよね。弱い立ち場の人に優しく…。あぁ、それにしてもこの歳で子供を産む予定もないのに生理があるのがとてもうっとおしい。早く終わってくれないかしら…(爆)…とか書くとフェミニズムの急進派の女性から石がたくさん飛んできそうである。くわばら、くわばら…
それはさておき! 今日は昨晩読み終わったこの本を今日は紹介したいと思います。
普段、書評は結構時間を置くのだが、今日はちゃっちゃと書く。というのも、残念ながら期待したほどパンチがある本ではなかったからだ。噛み締めて、よく考えて書く感想文というのも、この本については似合わないと思う。女性誌MOREでの連載をまとめたもの…ということで、女性誌だということだけで、もう私にとっては苦手な部類に入ってしまうのかもしれない。酒井順子はだいたいの作品は響きまくりで、味わいつくして読むのが、今回のはそういう意味ではパンチが足りなかった。
この本は2部構成。「この年齢だから」「この年齢なのに」に分かれているが、どれも女性の人生の「転機」となった歳をあげ、その人の人生を紹介する、というエッセイだ。読んでいる間は最高に楽しいし、あっという間に読み終わってしまうので、トイレの中で読んだり、通勤に読んだり、お風呂の中で読んだりするのはいいと思う。さすがに酒井順子。とにかくおもしろい。しかし別に女性本である必要はなかったんじゃないか、男性の人生に切り込んでもおもしろかったんじゃないか…とも思ってしまう。(ま、MOREでの連載なんで、しょうがないか…というところだけど)
そして、もちろん、彼女のするどい視点に感動した部分もなくはない。一番響いたのは、市川房枝さんの章である。私たちの世代は比較的選挙に当たり前に行くのは、生きている市川房枝さんの姿をテレビで見ているからだろう、という下りなどは響きまくってしまった。確かにあの地味で痩せたスーツ姿の市川房枝さんが記憶に残っている私にとって、選挙に行かないというのは、ありえない選択だ。
一方で音楽/芸能関係の「マドンナ」「ガガ」「オノ・ヨーコ」「安室奈美恵」「山口百恵」などについては、私が考えていたこととさほど差はなかったけど、やはりパンチが足りないとは思った。オノ・ヨーコの章で語られている「お嬢様の方が飛べる」といった下りも共感したが、でもこのことって彼女の他の本ですでに充分語られている気がする。私もこれは普段考えていることの1つだ。面白い事をやっている人は、育ちが良かったり,家庭がしっかりしている人、親の愛情をがっつり受けて育った人が多い。私が楽しく仕事が出来ているのも、中流家庭ではあったものの、親の愛情については疑いなく育っているからだ。もっとも必要以上に厳しい家庭だったので、今だに「自由」の有り難さや重要さをしみじみ感じているのも、親のせいだとも思っているけどね。
あ、あと「岡本かの子」の章はやっぱり良かったなー。でもこれは酒井順子の視点というより、岡本かの子本人の面白さに他ならないのかも。美人でありブス(あっ、言っちゃった)であり、インテリであり馬鹿(あっ、また)でもあった不思議な女性。おそらくリアルでいっしょにいたら、私なんぞは一番正面切って悪口を言っていただろうな。いまだに彼女の作品は一冊も読めてないが(あらら)、彼女のことを書いた漫画も好きだった。あの漫画、どこへやったかな…また読みたいな。
そして「清少納言」や「紫式部」。なるほどねぇ。こちらも、実はぜーんぜん読めてません。よくブログに読書感想文をあげているので、「野崎さんは本をよく読んでますね」って言われるけど、私は好きな本を何度も読む傾向があるので、たくさん読めてはいないんですよ。特に学生時代は本を読まない人だったので、普通の人なら読んでいるはずの常識的な古典については、まったく分かってない。「枕草子」「源氏物語」面白いのかな… 古文状態では絶対に読めるわけがないので、原題役でも手に入れて読むか… おすすめがあったら教えてください。あ、あと英国文学好きなのに「ジェーン・オースティン」も1冊も読破してないのは考えものです。読まなきゃなぁ。ブロンテ姉妹はほとんど読んだし、彼女達の産まれた牧師館や嵐が丘にまでも行ったんだけどね…
では、今日も元気に行ってきまーす。