鶴岡真弓先生『ケルト 再生の思想』を読みました

さてさて、随分前に読み終わって、まだ紹介してませんでした。

鶴岡真弓先生の「ケルト 再生の思想」をご紹介します。鶴岡先生については、ご存知の方も多いと思いますが、ケルトの、主に装飾美術を専門にされている先生です。

いや、あいかわらずこの本を読むとケルトというものが、ますますグルグルしてくるといいますか、歴史を勉強するというより物の考え方、捕らえ方を考察しているような気分になりますね。

ケルトとは何かと言われれば、ちょっと知っている人なら「アイルランド、それからスペイン、フランスの一部、スコットランド、ウェールズなどに伝わる古代の文化」みたいな事を説明できる人も多いと思うんですが、最近日本でも流行りだしたハロウィンが、実はケルトが起源だということが広まり出してる。だからこういうコンセプトを学ぶというか、ケルトって何だろう、っていう本が出るのは当然というか、なんというか。

渋谷で仮装してパーティしたりする人が増えたり、カボチャのケーキ食べたり、またその起源が実はアイルランドだ、ケルトだという話で大使館がキャンペーンを貼ったりしてる。

鶴岡先生によれば、というかケルトの暦によれば、ハロウィンはケルトの祭り「サウィン」が起源で10/31がイブで11/1がまさにその日。これまさにハロウィンですね。ここで夏が終わり、冬が始まる。そしてこのタイミングで死者の魂が、こっちの世界に戻ってくると言われているんで、ちょっと日本のお盆のコンセプトに似ているかな… 

 で、気づいてみれば、「えっ、それもケルトなの?」みたいな話が、この本にはたくさん出て来るわけです。例えばシェイクスピアとかも、ケルト暦が身体に入ってないと理解できないことが本当に多い。で、もっぱら、神話とか伝説とか出て来る中に、突然最近の映画の話とかが、出て来たりするのも鶴岡先生の本ならではといった感じ。これを読めばハロウィンの起源について、理解が深まるのではないかと思います。

この曲なんかまさにこの本のコンセプトだよね…「12ケ月と1日で死者はまた語りはじめる」