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2018年3月29日木曜日

ケヴィン・クロフォード インタビュー ルナサ新作『CAS』について その3

さて、忙しいアメリカツアーの中、ルナサのケヴィンが私がメールで送った質問に答えてくれました。ケヴィン、ありがとう。 いや〜、意外な内容の回答も多く、すごく興味深いです。是非、もうすでにCDを手に入れられた方も、まだの方もお読みください。

その1、その2へのリンクはここ (その1) (その2)

 ★ ★ ★ 

続くメアリー・チェイピンのトラック『Irish Girl』。ごめんね、長くしゃべりすぎだよね…ははは。でも実は僕はこのトラックが一番気に入っているんだ。なんといっても、このトラックのトラックのサウンドが最高だ。ルナサの録音史上を見ても、音響的にもっとも最高のものが録れたと思っている。ギターとダブル・ベースが最高に美しい。トレヴァーのベースが本当に素晴らしいんだ。毎回聞くたびに涙が出ちゃうよ。特にセカンドバースに入るところとかコリンのフィドルの旋律が入ってくるんだけど、もう最高だろ? 僕が今までに聞いた歌の伴奏における最高のヴァイオリンのフレーズだと思う。 本当にこのトラックを聞いていて、このチーム全体を本当に誇りに思うよ。キリアンのパートもめちゃくちゃ素敵だし、僕はほとんどの場合、ホイッスルでシンプルな旋律を吹いていただけどね。

グレアム・ヘンダーソンがキーボードを加えてくれたんだが、実はグレアムがダブル・フルートの旋律を書いてくれたんだ。僕らがやってる演奏のカウンター・メロディーみたいだろ? それはいつもとはまったく違うメロディで、僕が絶対に自分自身では演奏しないタイプのフレーズなんだ。結果、めちゃくちゃ素敵なものになったと思う。まるで全体を補完する… というか下から支えるような感じで、グレアムの手法が僕たちの演奏をささえてくれている。

あとさ、ちょっとボシー・バンドっぽくもあるだろ? この2つのフルートがやってることが、すごくボシーっぽいと僕は考えるんだ。このボシーな感じが、このトラックにまったく違う味わいを加えている。僕にとっては、このトラックがこのアルバムの中で、もっとも洗練された楽曲だと思う。本当にこのサウンドが素晴らしい出来だ。どの楽器も本当に素晴らしい。

あとメアリー・チャイピンの、ヴォーカルの繊細さがいいんだよなぁ。あの高音に行く時の繊細さというか、もろさというか。彼女が苦労してその高音を出しているということではなくて、あのヴォーカルの手法だよね。彼女のすばらしい創造力の1つだと思う。そこに彼女のエモーションがこめられているんだ。こうやって繊細さと、壊れやすさを表現することによってね… 本当にすごく美しいトラックだ。

そうそう、彼女が歌うのをこの曲にしようといったのは、実はまた僕なんだ。ジューン・テイバーのレコーディングからアイディアを得た。僕は彼女の大ファンだから。いつも彼女の歌は素晴らしいと思っていた。例えばシリー・シスターズのアルバムとか。

(ジューン・テイバー。『Irish Girl』がなかったので、このへんを貼っとく)



(シリー・シスターズも、ご紹介がてら貼っておきましょうかね…。そういやマディ・プライヤは何度か来日してるけど、ジューン・テイバーは私が知るかぎり来日したことがないな…)



(それからメアリー・チェイピンも。メアリー・ブラックがカバーしたこの曲、大好き。今のMe Tooムーヴメントにあうんじゃないかしら)



そんなわけでこの曲を収録することになった。『Irish Girl』はそうやって出来上がった。

ここで、インストルメンタルトラックに参加してくれた素晴らしいミュージシャンについても紹介しておくね。

レオン・ハント
レオン・ハントの参加は最高だろ? ラリー・レイノルズのためにトリビュートのトラック。彼はエド・ボイドの友達だったんだ。エドが彼がこのチームに連れて来た。このトラックに、こういうブルーグラスっぽい、リズミックなバンジョーが欲しかったんだ。2曲のリールを通して演奏されるこういったタイプの演奏がほしかった。

グレアムは、また言うけど、信じられないくらい…なんというか、あったかいブランケットをバンドに提供してくれたと思う。なんというか、とても才能があって、絶妙な匙加減の魅力を付け加えてくれてるんだ。彼の耳は本当に素晴らしくて、彼のアレンジは絶対にチーズ臭く,ダサくなったりしない。とにかく音楽的な人なんだ。僕らは彼がこのレコーディングのためにスケジュールをあけてくれて参加してくれたことをとても嬉しく思っている。

 あとトレヴァーのプロデューサーとしての立ち場も本当に素晴らしかった。彼がこのアルバムに費やした時間、どんな音が必要かとか突き詰めて、いろんな音を加えたり、すべての作業を進めたり…それを思うと本当にすごいと思うんだ。ラップスティールみたいなブズーキとか…。

でも、本当に正直言って、いつもいつもびっくりさせられるのだが、やはり彼のベースラインなんだ。あのベースには、本当にいつもいつも感激させられる。トレヴァーの演奏がバンドに持ち込む音楽的貢献度は、ホントにすごいと思う。彼の音はいつもそこにあって、いつも迷いがない。彼がこのレコーディングにもたらしたすべてを聞いていると、彼のベースラインと、彼の気持ちの動きとか、グルーブとか、彼がベースの音で行く新しい境地とか、いつもその先が想像できないのだけど、本当に素晴らしいと思う。このアルバムは、ベースの演奏においてルナサの『Otherworld』(1999)以来の、ものすごい作品だと言っていいだろう。このアルバムのトレヴァーのベースを、ずっとずっと聞いていたいくらいさ。本当に本当にすごいと思う。

(お互いに尊敬しあう、ホントに素晴らしいバンド…ということで、カッコよすぎるので、こんな写真でも貼って、落としておきましょうか…/笑)

from Lunasa fb page

全体のミックスも今回はすごく良いし、このアルバムには、現在ルナサである僕らがみんな参加した。(アメリカツアーを手伝ってくれている)コリンの曲も今回は収録したし、そういう新しいことがバンドに良いバランスをもたらしている。そして才能あふれるフィドル奏者のショーン・スミスとコリン・ファレルの両方がレコーディングに参加しているのも聞きどころさ。

コリン・ファレル
例えばオープニング・トラックは、ダブルのフィドルの旋律から始まるんだが、これはショーンとコリンが一緒にフィドルを演奏している。他のトラックにもフィドルが両方入っているのがある。それは本当に素晴らしいことだ。

それから僕らの新しいギタリスト(パトリック・デューシー)が参加してくれたのも嬉しい。パトリックは、今,ルナサでギターを弾いているエド・ボイドがフルックなどで忙しいときとか、主にアメリカを手伝ってくれているんだ。パトリックは僕らの新しいルナサ・ファミリーの1人だ。彼ら全員が今のルナサがルナサであるための重要な人たちだ。ルナサの30年目の時代を形成する重要メンバーだよ。本当にこのアルバムの結果には、とても満足している。

ルナサの新作『CAS』は、THE MUSIC PLANTのCDショップにて好評発売中。どうぞご利用ください。