言葉の壁って厚いんだな…


アマゾンとかいって、アメリカはともかく、UKのアマゾンは結構普通に使っている。郵送も早いし4日くらいで到着したりするし便利だ。が、こんなサービスがわざわざ始まるところを見ると、やっぱり言葉の壁って厚いのかな、と思った。英語は中学生の義務教育で誰でも3年習っているはずなんだが… 今朝も今朝とてウチのミュージシャンからの「PAYPALで日本から注文来たんだけど、住所も名前も日本語だから読めない〜」というメールで起こされるはめになる。トホホ… オレの仕事を増やしてくれるなよ…  ミュージシャンの皆さん、一所懸命日本語真似して書いたらお客さんにウケるだろうし、プリントアウトして貼るなりしたらいいとも思うのだが。

そのくせ何かというと、オレたちみたいな仕事には、いつでも「中間業者だろ、お前」という厳しい目がそそがれている。お客さんからも、ミュージシャンからも。こっちがしっかり仕事していることを表明していかないと、あっという間に双方から見捨てられてしまうだろう。ま、そんな厳しい世界なのだ。それは私も自覚しているつもり。時々双方からねぎらいの言葉をかけられて嬉しく思うことはあるのだが、そんなのは社交辞令だ。オレも馬鹿じゃない。そんなことは分っておるぜよ(笑)

CD中心に事業を回していたころはホントに嫌な気分になったものだ。例えばウチでエクスクルーシブ(独占する権利)を結構な額の印税前渡金を渡して取得し、それを1枚でも多く売るべく宣伝費をついやし、時間を費やし、頑張ってプロモーションしても、すぐ脇からゴキブリみたいな連中がやってきて、並行輸入ものを売ったりするわけだ。アマゾンもその最たる例で、在庫持ってやしないのに商品紹介載せたりする。アマゾン以外の小さい通販業社でも、ひどいものになると、ウチの動向みながら明らかに入荷してるでしょ的な動きもあり、げんなりさせられるのだった。ま、昔はそんなのをわざわざ確認してはイライラしていたさ。

友人の同業者の中には、そういったゴキブリたたきに必死になっている人もいた。私は時間の無駄と思い、多少辛くてもやせ我慢していたのだが… ま、ホントに商売というのは厳しい。こっちが頑張ってやっているのに…というエクスキューズは、誰にも聞いてもらえない。ゴキブリたちは1円でも自分の収入を多くしようとなりふりかまずに必死についてくる。あぁ、やだ、やだ。せめて自分はそうならないように気をつけよう。それにつきる。

昨日は赤羽で昼呑み。ホントは平日にやりたいw
アーティストにとって時間やお金を投資してくれる存在は大事だと思いたい。ウチは自慢じゃないけど、なんでもゼロからやってきたという気概はある。唯一ゼロから初めてないのは、グレン・ティルブルックだけだ。だからグレンにはいつもすごく複雑な気持ちを持っているのだが… 別に私がやらなくてもいいんじゃないか、と。ま、それはまた別のお話なのだが…

しかしアマゾンのこれで、いわゆる正規代理店や商社なんかどうするんだろう。ウチなんか私一人でやってるから、まぁ、どうにでもなるのだけど…。他の仕事でもしてこの赤字は埋めるさ… 。でもバックや高いお洋服を宣伝していた正規代理店や商社の人たちはそうはいかないだろう。大変だ。

ワールド・ミュージック界隈ではおかげさまで、仕事を取り合うとか、そういうことはまずない。とはいえ、ちょっとジャンルの分母が大きくなっただけで、プロモーター同士、アーティストの取り合いとかしょっちゅうらしい。他のジャンルの話(うわさ話)を聞いて震え上がる。ひぇ〜 怖すぎるでしょ、と。それこそ来日するたびにプロモーターが違うアーティストがいるが、あぁいうのを許しているのは、いったいどういう世界なんだろうかと複雑な気持ちになる。とはいえ、プロの皆さんの仕事に、私なんぞが何を言えただろう。とにかく私は黙って自分の仕事をするだけだ。そして自分の村が平和なのを確認できれば、それで良しとしないといけない。

いつだったかヴェーセンに「やせ我慢」って日本語を英語で説明しようとしてぐぐったら「Stoicism」と出て来て、英語は言い得て妙だよなぁ、と感動した。

ま、なんでも思いどおりにはならないのよね。頑張ったところで、足を引っ張られる要素はいくらでもある。でも、それ以上にたくさんいろんな人から応援もしてもらってもいる。だからこんな風に私だって毎日食べて行けるのだ。それはすごいことじゃないか…とはいえ、そろそろ老後の安定が欲しいわー なんか考えちゃうよな。

ま、うだうだ言ってないで、とにかく今日も張り切って参りましょうかね。