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2018年6月1日金曜日

ライコー・フェリックス(from ハンガリー)来日決定!


ライコー・フェリックスのことを知ったのは、実は比較的最近の話です。

昨年ノルウェーのフェスティバルに招待された時、行く前にプログラムを眺めながら、You Tubeでそれぞれのアーティストのライブ映像をチェックしていて偶然見つけたのでした。それはヴェーセンやアンビョルグ・リーエン、ハラール・ハウゴーなど、北欧のアーティストが勢揃いするフェスティバルで非常に楽しみにしていたフェスティバルだったのですが、そもそも招待だから仕事だし、せっかく4日間も行くのだし、知らないアーティストのプログラムも積極的にみて、新しい出会いを見つけないといけません。なので、プログラムがフィックスし、それが送られてきたので、事前にバイオグラフィーやYou Tubeでの動画を検索し勉強していたわけです。そしたら、すごい、なに、この人?!みたいなのを見つけちゃった。それがフェリックスでした。

また同じフェスティバルに招待されていた世界各国の音楽ジャーナリストたちのうち、私がもっとも信頼を寄せるfROOTS誌のアンドリュー・クロンショウ氏も「今年の目玉はフェリックス・ライコー」と太鼓判を押していたのでした。 このフェス、すごくバランス感覚にすぐれていて、いわゆる大きなステージで演奏するものがイコール、プロデューサーの一押しではないというのが結構ミソなんです。さすがに、あのようなすごい田舎であれだけのものを実現しているだけあります。まぁ、その事に関する詳しい説明はいいとして、そんなわけで玄人受けする本格的なものはメイン・ビルでないことが多いんだけど,この年もプロデューサーの影の一押し(そしてそれをしっかり把握しているアンドリューたち音楽評論家の一押し)は、比較的小さめの会場(200人くらいか…)で演奏する、このフェリックスなのでした。

で、その時すでに「2019年春のポーランド企画」が走り出していたので、うーん、これはもしかすると「中欧ヨーロッパシリーズ」みたいなものを作るといいかもな…と頭に思い浮かんだんですよ。ちょうどバルトロメイ・ビットマンとの交渉もまとまりつつあったので、そんなアイディアも固まってきました。
  
そして、もちろんシリーズ第1弾のバルトロメイ・ビットマンもかっこよかったけど、あれはなんというか、死ぬほど練習すれば、もしかしたら他の誰かが到達できる域にあるものなのかもしれない。でもフェリックスの音楽は違います。なんというか、絶対に誰にも真似できない音楽。神様か悪魔が偶然その人を選び、その人だけに与えた音楽。それがフェリックスの音楽なのでした。

ちなみにハンガリー人なので、フェリックスがファーストネームで、ライコーがファミリーネームです。ノルウェーでは彼の演奏を2回聞くチャンスがありました。すでに彼の音楽を自国で体験済のアンドリュー先生は「ロンドンでソロ公演をみて、ホントに吹っ飛んだ」と、めっちゃ興奮しておりました。

で、まずは昼公演、期待はマックス。先生はかぶりつき、私も2列目ぐらいに陣取り、息をのみます。トリオで演奏した彼でしたが、とにかく観客の方をいっさい見ないのに、呆れました。サングラスをして、お辞儀もしなければ、もちろんMCなんてのもいっさい無し。ステージに駆け上がると、ベースとヴィオラの人を引き連れて、本当にいきなり演奏が始まったのです。



ちなみに観客席右端の白髪の方がアンドリュー先生
で、もう頭3秒で、こりゃーすごい!!と思ったのでした。 ありえないでしょ、このフィドル! っていうか、音数すごすぎ、っていうか、音が多すぎて見えない!?

でも私が彼の音楽と恋に落ちたのは、その嵐のような演奏がすべて終った後のことでした。約1時間の演奏が終るとフェリックスは最後の最後にやっと観客のほうを向き、ペコリと1回だけお辞儀をしたんです。

そのお辞儀が… なんというか、小学生の低学年の男の子がするみたいなお辞儀で… 私はその瞬間、このアーティストを日本に呼ぼうと決めたのでした。(まさに恋に落ちる瞬間ってこんな時!)

そして… さらにものすごかったのが、その日の夜。今度は3、4組のアーティスとが一緒に出演するような会場…というか、ほとんどレストランみたいな場所だったんですが、この時の彼らの演奏は、なんというか常軌を逸していました。何というか,完全にトリップした。ほんの20分程度でしたが、ありえない世界を、その場に作りだしていました。

彼らの演奏が終ったあと、私とアンドリュー先生は次のコンサートを追いかけて別会場に移動したのですが、その時、外でモクモクとタバコを吸っているフェリックスにすれ違いました。「すごいコンサートだった」と声をかけると「Thank you」と、まるで自分の鼻の上から私をのぞきこむようにこちらを見て言ってくれましたが、どうやら彼のドイツ人マネージャーによると彼は英語はほとんど喋れないのだそうです。ますます萌え!

そしてこのフェスティバル中、彼のマネージャーと何度か打ち合わせすることも出来たのですが、良かったのは、私とマネが打ち合わせをしているカフェの横を通るこのフェスのメインアクトのビックな方々みんなが(ヴェーセンとか、ハラールとか、アンビョルグとか)私に「ハイ、ヨーコ」とか声をかけて挨拶していくことです。何せ中欧ヨーロッパは私にとっては未知の世界。でも北欧なら多少ですが顔が利きます。こういう「へぇ〜、北欧のアーティストのことはよく知ってんだ」っていう印象をマネに与えるってのは、新規の仕事において、めっちゃ大事なのでした!!! ただでさえ、チビの中年女だからナメられることが多いからな!(笑) それはさておき、ドイツ人マネは私がそれだけたくさんのアーティストを日本に呼んでいるんだと知り、それなりに信用してくれたようでした。

帰国した私は、彼のCDを集め、あれこれ勉強し、こんな映画にも出会いました。なんとフェリックスこの映画の主役をつとめ、カンヌまで行ってるんですよ。映画、観たけど、ホントにかっこいい!(っていうか、フェリックスそのままの役柄でセリフも少なめ。めっちゃ良いです)ま、そんな話もいずれ…(もっともビョークの映画出演よろしく、もう2度と演技は嫌だと思ったのか、これ以降の映画出演は一切ないようです)2008年の作品。10年前ですね。



そして、さらにすごいことに、彼はなんとあの日本を代表するダンサー田中泯さんと共演していたのでした。っていうか、フェリックスと泯さんの出会いはフェリックスが10代の時、まだ現地でも無名な頃だそうです… 泯さん、どうやってフェリックス見つけたんだろ。さすがすぎる!!


"Táncos vagyok és földműves" from magyarnarancs.hu on Vimeo.

というか、バカすぎる私は、日本を代表するすごい芸術家である、泯さんのこともよくわかっておらず、友人に薦められ『たそがれ清兵衛』をオンラインで見て感動し、中野のplan Bにも何度かうかがって、泯さんの世界を必死で勉強しました。本も2冊読んだ!(本の感想はまたいずれここでご紹介します) この映画(映画の感想はリンク先)も見た! 泯さんの世界については、とにかくとっても素敵なので、このブログでも公演まで何回かに分けてご紹介したいと思います。


Felix Lajko from Rob Farmer on Vimeo.

いずれにしても、このすごいヴァイオリンが、とうとう日本にやってきます。信じられないよ! ちなみに前回の来日は10年以上前で、それは泯さん主催のフェスティバルだったのでした。



チケットは6月15日発売。300席ない会場です。お早めにお買い求めください。 詳細はおそらく再来週くらいにオープンするフェリックスのホームページにて。

公演はこんな感じ。(クリックで拡大します)


豊洲は遠いイメージあるかもしれませんけど、永田町から有楽町線で11分。有楽町から7分。ホールは駅と直結してますので、めっちゃアクセス良いですよ。

あ,あと、この本にもフェリックス登場するのよね。ちょっと感動。こんな話もまたおいおいこちらのブログで紹介していきます。