見栄と虚飾の世界…

最近のベランダ。サフィニアがグイグイのびてる…

最近多く聞くんだよなぁ… お金のトラブル。いや、私が直接被害を被ったわけではない。ちなみにこれだけ長くやっていながら、また女1人の事業をやっていながらも、お金の取りっぱぐれは少ない方だと思う。いや、本来そういうのはゼロじゃなくちゃいけないのだが、だけど。

今まで踏み倒された請求書は2件。原楽器の倒産(2万くらい?)。回収するだけ時間の無駄と思い、とっとと諦めた。あとは某ディストリビューターへの請求ミス(こちらは普段滅多にあげない請求書を1年以上放置しておいたので、私の責任もある。でも商品貸し出してたし…、あの会社は誠意を見せてくれると思ってた。こちらは5、6万くらいか。あの社長もなぁ…)。どちらも大きな金額ではない。女1人事業だが、そういう意味でナメられたことはない。ありがたいことだと思っている。

しかし最近は(とかいうと偉そうだけど)資金も回っていないのに事業を続ける同業者が多いのがホントに気になる。音楽業界。見栄と虚飾の世界。見栄をはるのは勝手だが、人に金銭の迷惑をかけてまで続ける仕事なのか? どうなんだろ? うーん、ありえないよなぁ。

でもそんな中、事業もきちんとこなし、そして副業やアルバイトなどでつなぎながら誠意ある事業を回している事業主さんもけっこういる。音楽ライターさんとか、最近はバイトしてる人、ホントに多いし、そういう人たちには本当に頭がさがる。っていうか、きちんとしているよ。毅然としてるよ。現実的だよ。そうやって、金銭的なことと、自分の事業をきっちりと分けて、しっかり仕事を続けているのだ。ちゃんと人に迷惑をかけずに、きちんと。丁寧な生き方だよなぁ。本当にそういう人たちには頭がさがる。ホントに素晴らしい。逆に専業ではないからこそ、良いものが書けたり、作品をピュアなものに出来る、という事だってあるわけで…

が、少なくはない数が…、というか驚くほど多くが、実はかなりの割合で金銭トラブルを起こしながらも事業を無理に続けているのが最近の状況だ。そこまでしてみんなこの業界にすがりたいのか… あれこれ考える。で、お客さんはそういうことは当然知らないから、そういう会社からもチケットを買ったりCDを買ったりしている。そしてその本人が偉そうに音楽についてあーだ、こーだSNSとかで言ったりしているのを聞くと、真面目にやってる私たちはどうしたらいいんだよ、と、ちょっと頭に来る。が、そんなのに引っ張られてはいけない。明日は我が身。ウチは借金もない健全経営を目指しているが(というか女1人のこんな事業にお金を貸してくれるところもなく/借りたいとも思わないが)、人の心配をしている場合ではない。私もしっかりしないと。ホント。

ま、いろいろ世知辛い世の中だし、音楽業界なんて、いったい誰がどうやってマネタイズしているのか、今や超不明だ。どう考えてもみんな儲ってないでしょ。

ところが先日、人と話していて気づいたことがある。某プロモーターさんがつくるライブ。とても小さくてお金になんかなってないのは見た目あきらか。そのくせ綺麗なオフィスと従業員わんさかみたいな状況で社長はあいからず働いてない感じ。が、素人は…下手すればプロでさえも「小さくても会場がいっぱいになってさえいれば」儲っているものだと勘違いする。これはホント驚愕なんだけど… 

でも、それを聞いてなんとなく分かった。なぜみんなこんなにお金がつらいのに続けているのか。分かってしまったのだ。それは、事業を続けてさえいれば周りがチヤホヤするからだ。そして「いや〜●●さんところ盛り上がってますね〜」言われ、その賞賛が欲しい、その賞賛を手放したくない、ということなんだな、と。それを思えば、なるほど彼らの一連の行動にも説明がつく。彼らはお金がなくても、いや、お金をだしてでもその賞賛を手にいれたいと思っているのだろう。見栄というのは怖い。だから彼らにとっては「辞める」ということは、もうどうにもならなくなった、ということ。夜逃げ同様になって初めて分かるのだ。

うー、怖い、怖い。でも怖いのは音楽業界だけではないわ。みなさん、自分の事業はいいけど、とにかく人に迷惑をかけないこと。これに尽きるわ、ホントに。明日は我が身。音楽業界なんて人に迷惑をかけてまでも居続ける場所ではないよ。