TOKYO FM他「トランスワールド・ミュージック・ウェイズ」にヤヌシュがゲスト出演しました! 現在タイムフリーで聞けます


というわけで、田中美登里さんにまたもやお世話になりました。ありがとうございます。通訳は染谷和美さんです。

「農村マズルカは農村の状況を歌っています。歌から始まって楽器が入ってくる。歌にひきずられるようにして一気に盛り上がって行くような音楽が多いんです」

「僕はマズルカの魅力に取り付かれていく。90年代はポーランドが民主化されて自分たちらしさを取り戻そうという時期だったと思うんです。自分たちがすでに失ってしまったのではないかという根源的な文化を取り戻そうという時期。そういった時にアンジェイ・ビェニコフスキという人が撮った映像に触れる機会があって、その映像の中に生きていた本来の自分たちが持っていた音楽、田舎のローカルな人々の生活に密着した音楽がまだ残っていた。そうして僕らは農村を訪ねるようになったわけです。彼らに楽器に習ったり曲を覚えたりしていった」

「こういったポーランドらしさというものが独立につながると歓迎されなかった時代もあったわけで、それが独自性をもった生きた伝統として、さらに誇りをもって楽しまれる状況に今、つながってきています」

「マズルカというのは決まったリズムがあるのだけど地方独特の特徴があったり、その演奏者の独自の表現があって、実に様々なんですよね。そこが僕は気に入っているんです。今かけてもらった曲でも、太鼓の音を追っているだけではリズムパターンって見えてこないと思うんだけれども、実はこのはっきりしないリズムが踊ってみるとはっきり分かる。(と、ダンスの足の音を再現する)」

「例えば人が高くジャンプすれば、低くジャンプした時よりも降りてくるのに時間がかかりますよね? そこにメトロノームではない人間だから生じるリズムのずれっていうのが生じるわけです。だから踊る人にとっては、このずれているリズム感ってのが実にしっくりくるんですよ。当然踊り手によって、演奏する人の気持ちによって、演奏する会場によって、リズムはちょっとずつ変わります。それが見事に現れているリズムなんですよね」

「僕が知る限りショパンは子供のころ休暇というと農村で時間をすごし、そこでの音楽の出会いを手紙に書いたりしているんです。1弦しかはっていないチェロのような楽器のこととか…。それを弾いたことがあるという記録も残っているし、地元のフィドラーと共演もしたということも。そういう中からメロディを覚えていって、それがのちの彼の作品の中に引用されていたりする。母親から直接ならった彼女の出身地の伝統歌もあるらしい」

ここで生演奏も! フィドル+歌、そしてハルモニア(アコーディオン)も…

「(歌詞の内容を聞かれて)歌の内容は結構おかしな話だったりするんですよ。歌にたくすことで軽やかに直接言えないことを伝えることができる…とか。女の子をくどこうとしたら犬がほえた…とか。2曲目なんかはメロディをピアノに置き換えるとショパンのマズルカのピアノが聴こえてくるようでしょう? 歌詞の内容は私の心は2つは引き裂かれ…みたいな事を歌っています」

「 2010年からマズルカフェスティバルを主宰しています。村の文化を今のポーランドの文化に取り入れたいというのが目的だったんです。ポーランド人としてのアイデンティティを感じられるコンサート。ミュージシャンを農村から呼んだりワークショップをやったり、今の生活の中で生きるものとして体験してほしい、と」

「踊るってすごくハッピーになりますよね? 踊っている中で前向きになれる。そういう生活としての音楽というのが見直されるようになった。若い人が農村を訪ねたり、音楽はポーランドという視点から世界に広がっていくんです。各地の音楽と結びついて新しい音楽が生まれたり。今年で10周年。中欧最大のフェスティバルとなっていますが、80歳のミュージシャンに楽器を習ったり、70年前の歌を女性歌手に習ったりとかしています」

ここでヤヌシュが奥さんと作った子供のためのトラッドCDを聴く。ヤヌシュが羊の鳴きまねなどしていておもしろい(笑)

さ〜て、来日までもうすぐ。公演に向けてますます頑張らないと。皆さんの応援に答えるためにも!
<ヤヌシュ・プルシノフスキ・コンパニャ来日公演>
6月8日(土)武蔵野文化会館小ホール SOLD OUT
6月9日(日)北とぴあポーランド&ショパン祭 with 高橋多佳子
6月11日(火)名古屋 宗次ホール
6月12日(水)安来 アルテピア
6月13日(木)神戸 100BANホール
すべてのインフォはこちら。

番組は1週間タイムフリーで聞くことが出来ます。是非。