芸能界の不思議

いわゆる芸能界をいろいろなNEWSが駆け巡る。家にいてテレビやネットをながめていると、そんなニュースばかりだ。

先々週だったかな… 芸能人の闇営業が話題になったのは。間違ってはいけないのは「闇営業」はあくまで事務所と所属アーティスト間の問題であり、要は事務所に断りをいれずにタレント本人が芸能活動をし謝礼を受けとることで、これは2者の関係の間の事だから外部がとやかく言うものではない。それよりもその営業先が裏社会とつながっていた、それが致命的な問題なのだわ。「闇営業」という言葉がややこしいのだけど、この辺の区別がクリアでない人は、小田嶋隆さんのこのコラムが分かりやすいので、是非読んでみてください。

しかし事務所側のコメント、今後の対応、ギャラの有無、事前に裏社会と知っていたかどう等々、はっきりしない点が多く、対応も後手後手になってしまい,この芸能事務所としてのあり方を明確に示していた。係った芸能人の人たちは、こんな昔のことを掘り起こされて(5年前だっけ?)、しかも人とのつながりが重要な世界にあって(まぁ、それが「やくざ」みたい、と言われる所以だけど)このパーティに参加してしまったことを蒸し返され、かつ契約書もないのに謹慎処分とされて不満を感じているに違いない。TVに出たりすることならともかくライブハウスへの出演なども制限されてしまったようだ。こういう仕事を受けてしまったのは普段のギャラが少ないからだいう話題も出ているが、うーん、それはどうなんだろう。よくわからない。というか、外部の人間に何がわかるというのか。

裏社会との取引は絶対に駄目だ。ご存知のとおり今やホテルの会議室やバンケットルーム、公共のホール、私設のホール、大きめのライブハウスなど、きちんとしたところはちゃんと「ここを使う予定の私たちは闇社会とは一切かかわりあいがございません」的な誓約書を書かせされる。当然だ。私も書く。今後、それはますますウルサくなっていくだろう。もともと裏社会とつながりやすい体質の芸能界だったのだろうが、今やそういうのは流行らない。クリーンで健康的なスタイルの方がいいのだ。

それにしても彼らが得たというギャラの値段を聞いてびっくりだ。昨日だったかな…具体的な数字も報道されていたが、こういってはなんだがビックリするほど安かった。こんな値段で呼べるんだ。ちなみに過去、私は一度だけこの事務所さんに所属する芸人さんを自分のイベントにブッキングしたく思い事務所にアプローチしたことがある。もちろん闇営業を誘導するものではなく、マネジメントを当時係わりあいのあった放送局通じて紹介してもらった。ちなみに彼らは知らない人には連絡を取らない(だからヤクザとか誤解されるのかも)。だからそれなりの場所からの紹介は重要なのだ。

まぁ、10年以上たっているから内容を書いても問題ないだろうけど、イベントの内容は内容があり(と、自分で言うのもなんだけど)ギャラは少なかったけど(すみません)、その芸人さんのキャリアにとってもメリットのあるものだったと思う。が、事務所から言われたのは、いや、そういことなら幾ら必要ですよ、という事だった。今回明らかになった有名人さんと同じような値段を要求してきた。そんな金額、ウチのイベント、そもそもライブハウスのイベントでは到底無理である。何度も言うが、今回謹慎させられている芸人さんたちと、私が呼ぼうとしてた彼の知名度とは雲泥の差がある。だから有名(?)で、TVにも出ている今回謹慎をくらった彼らが、その時、私が呼ぼうとしてた彼の値段とほぼ同じというのにビックリしてしまった。だいたい私が呼ぼうとしてた芸人さんの名前で客は呼べない。その時に私に対応してくれたのはとってもいい感じの良いマネさんで悪い印象はなかったし、彼の説明は分かりやすかった。説明を聞いて「むずかしいな、こりゃ」と思ったのだが、それでも後学のために、この当該芸人さんのお笑いライブを下北沢だかどこだかに観に行った。でも客いじりから何からイベントのノリがウチと全然違うし、ウチのイベントでこれをやられてはお客は引くばっかりだろうし、チケットの値段がやっすい割には人が入ってないし(ライブハウスだったので彼らの収入は想像できた)、だいたいウチの客層とはだいぶ違う人たちばかりで、これはダメだな、と思った。彼も彼でキャリアは長くても有名ではないだけに、ちゃんとプロとしてこちらのイベントの主旨を理解して対応してくれるかどうかもそもそも疑問だった… これ以上まぁ、残念だったけど実現はしなかった。そんな思い出が吉本さんにはある。


会長さんの話がこうして公開になり「ギャラは250円でもいいから払う」という下りには、そういう事だったのかと妙に納得したし、「気持ち分かる」と思える部分も多い。金銭授受はそれが小さな金額でも払うのが重要、というのは私も常日頃考えていることだ。今回のポーランドはさすがにボランティアをお願いしてしまった友達が2名いたが、通常はどんなに少なくてもやっぱり払う。しかし、だ。あれだけの事務所と芸能人をかかえ、あれだけ大きな事業を展開し、巨大スポンサーとかかわりながらも「契約書なし」「来るものこばまず」というのには正直びっくらポンだと思う。誰もがそれは感じた事だろう。例のセブンペイもそうだったけど、今や会社規模が大きいからどうこうという事はありえないのだ。

あと、これは私の想像だけど、所属芸人の数があまりに多いのは、おそらく各芸能事務所にとって、学校運営という部分が大きく係っているからではないのだろうかと思う。今やエンタテイメントがほとんど無料で提供されるようになって、芸能人たちの芸能活動をお金を払ってアプリシエイトしてくれるファンの人はぐんぐん減っている。一方で自己表現したい芸人志望(アーティスト志望)と呼ばれる側は増殖の一途だ。そしてそれで生活していきたい、と言う。

となれば、残念だけど、マネジメント、事務所としては、過剰供給側からお金を取るしかない。学校事業はその最たるものではないのだろうか。(いや、私は素人なので、この方面に関しては素人意見だ。何度も書いておくが)おそらく卒業生をアーティストして何人か所属芸人として受け入れていたら、こうなった、ということではないのだろうか。

フィンランドの元大統領にルックスが似ているという(笑)近藤さんがまともな事を言っている。




一方で同じ問題が見つかった老舗のナベプロの対応は素晴らしかったけど、こういう毅然とした態度を取れるところって意外と少ないのかもと思う。


それにしてもマネジメント/事務所ってむずかしい。そういや女性アイドルが危険にさらされた時の危機対応問題でいろいろあった事務所もあったよなぁ、などといろいろ考える。
事務所側の気持ちになれば、だいたい闇営業だろうが何だろうが、「営業活動」が可能なのは、こちらがある程度投資して育てた知名度だからこそ、という気持ちもある。育てる時だけ頼っておいて、それを勝手に利用されてはこちらも気分が良いことはない。それこそ規模は違うがウチも先日も某アーティストが来日中に、航空券代などを負担している私に断りもなくワークショップの個人レッスンを引受けたミュージシャンがいたが、ちょっとそれにはムッとした。体調が悪いことも手伝って(笑)久々に雷を落としたよ。こちらはそのアーティストの知名度をあげるために時間もお金も毎回来日のための航空券代なども投資している。そもそもビザに書かれた事以外をさせるのは違反行為に接触する可能性もある。もちろん、少ないであろうレッスン料からパーセンテージを取ったところで事務作業が増えるだけなので取らないのだが、それでも一応セミプロとして活動している彼ら。仁義は通してほしかった。ま、そんなことは置いておいたとして…

とまぁ、ウチはお金にならないってのが、ある意味、幸いしてるよな。儲らないから基本的に誰も手を出してこない。やっぱり小さくても自分の看板で仕事をすることの重要性、アーティストをゼロから育てる重要性を今さらながら感じている。

また数日前に巨大芸能事務所の社長がなくなった。こちらはこちらでいろいろ考えた。結局この事務所とは一切かかわりになることはなかった。友人がそこの関連会社に就職し苦労をしたのを知っている程度だ。おそらく彼らとの係わりは、これからもないだろうが、係った多くの人の具体的な話はよく聞く。ちなみに私はこのTwitterに賛成。彼らの何を知っているわけではないのだけど、女性アイドルグループも、ハリウッドの問題もそうだったけど、仕事のパワハラとセクハラが横行している芸能界なんて滅びた方がいい。これだから、この世界には本当のプロフェッショナルが育たない… と他の業界の人から笑われそうだ。スタッフとしても、どんなに仕事が出来るかというジャッジではなく、誰のもとで仕事をしたかが重要視される業界でもある。どんなに仕事が出来なくても大きなところに寄り添う方が評価されるのだ。そんな虚飾の世界。


ま、人の仕事にあれこれ疑問符を投げててもしょうがない。自分は自分の仕事をしっかりやりましょう〜 それだけです。長くなった。フぅー 今日も低気圧頭痛がつらい。



かっこいいなぁ、JPP。でも売れないのよねぇ〜 それでも大好き。