自分が更新された瞬間、新しい扉が開いた瞬間

病気になって、自分が新しい人間になったなと思った瞬間。未来の自分が忘れないように書きとめておく(笑)

(1)8時間におよぶ大手術後、下痢がひどくなり一時大人用オムツをはかされていた。3日くらい着用して終了したが、初めてオムツを履いた時、自分の中に新しい自分が生まれたのを感じた。自分が更新されたのだ。看護師さんに「ちゃんとあたってますか?」「大丈夫?」と親切にされ涙が出そうになった。すごく嫌だったが、あの時は代案がなかったし、それに履いちゃえばなんてことなかった。今後また履くことになっても抵抗はないだろう。1ダース入りを購入させられ、今でもあまったオムツはウチの洗面台の下に保管されている。いつかまたお世話になる日が来るのだろうか。

(2)看護師さんたちに甘えることを覚えた。看護師さんたちは天使だ。実際ものすごい職業だと思う。シャワー後の背中にニベアを塗ってもらったり、今まで人にしてもらったこともないようなことをしてもらった。 大きくておおらかな看護師さん、小さくてチャキチャキの看護師さん、いかにもかっこいいキャリアウーマン風の婦長さん(看護師長?さん)。看護師さんたちは甘えたがりの病人の相手をするプロフェッショナルだ。あぁいうのを本当のプロだと言うのだろう。私みたいに自分の好きなことをヘラヘラやってるような職業とはわけがちがう。具合が悪い人を助けようという強い使命感とかあるに違いない。でもそれを言うなら外科医とかもそうだ。私らみたいにちょっとサラリーマンやってそれに飽きたので「自分の好きなことをやることにしますたー」とか言って独立するのとは訳が違う。若い頃からコミットしてないとなれない職業だ。最初の主治医である失敗しない女医のDr. D、数値大好きラッパーでスキンヘッドのDr. N、そして執刀医・荒川土手ランナーの五郎先生、地元のユニークな(笑)I先生。みなさんに会えたことが私の財産。


(3)胃カメラを初めてのんだ。自分の体調も最悪の日だったので、最悪の体験だった。意識なしの中でやるのかなと思ってたら、私の勘違いで意識はばっちり。検査技師さんが「いいですね〜、ここから腸行きますよ〜」とかなんとか言いながら検査を行う。こちとら吐きそうになって死にそうになっている。しかし手術あとの痛みのコントロールも含め、病院でつらい思いをしたのは、あの時くらいだった。そのくらい今の治療は進化しているし痛みや辛みのコントロールが可能となっている。すごいなぁ。そういや手術後、おしっこ袋を含め、5つも6つも袋をぶら下げていて「この袋が一つ取れたら、もう超幸せ!」とか思っていたのに、そういう幸せは一瞬にして忘れてしまうのが人間のおろかなところだということも学んだ。ほんとダメだよねぇ…

顔だけの犬
(4)座薬を初体験! 正確には子どものころやってるはずなのだが(昔は高熱を出した子どもには非常に有効な治療法だった)、大人になってからは初めてだ。最初は抵抗していたものの、当時新しく担当になった主治医Nに「効く人は朝やって、1日大丈夫だったりするんですよ〜」と優しくもするどく指示されしぶしぶ体験。そしたらめっちゃ効いた。いわゆる「薬きいてる!」と思ったのは、あの座薬がダントツだ。今、思い出せば、あれが治療のターミングポイントだったと思う。入れ方のコツもだいぶ掴んだと思ったら、その治療は終了してしまった。吐き気どめの薬だったのだけど…  ビバ・座薬!!




それにしても幾つになっても新しい経験をするというのは財産だと思う。一度体験していれば、このあとの人生は、その行為を必要以上に怖がったりする事がなくなる。はいはい、オムツね、履きますよ。はいはい、座薬ね、入れますよ(笑) 50年以上生きてきて、もう何も新しい事はないだろうと思っていても、新しい経験というのはまだまだこれからいくらでもある。

それにしても経験は大事だよ。早いうちになんでも経験しておくのがいいね。

出演は友人の犬、柴犬のグウェンでした。犬の人生は10年くらい。15年以上生きる犬はほとんどいない。それを思うと人間の人生は長すぎるんだよな。そして犬は散歩と餌だけで超ハッピー。見習いたいものだ。


今朝の爽やかな1曲。この曲が入ったフルックの新譜はこちらで購入いただけます。